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2023年夏アニメ簡易感想 その11

 

【海洋堂】 国立科学博物館 カプセルミュージアム 国立科学博物館 日本館

【海洋堂】 国立科学博物館 カプセルミュージアム 国立科学博物館 日本館

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 東京上野にある科博こと国立科学博物館が、先日クラウドファンディングを開始。目標金額も1億円という中々の大台を発表してきました。理由に関しては物価高の上昇とコロナ禍による入園者の減少が重なって資金不足になったとのことで、その世知辛い話に思わず言葉が詰まってしまいそうになります。子どものころから何度も訪れていた博物館であるだけに、クラファンをしなければならないほど運営が厳しくなっている事実は中々にショックです。(とはいえ僕自身恐竜博といった特別展をのぞいて、科博そのものに訪れることが最近なかったと反省しています)

 

 

 そんな世の中の厳しさが如実に表れた科博のクラファンですが、開始してから約9時間で目標金額を達成したというのですから驚きです。そしてそれだけ科博のことを愛し、まだまだ続いてほしいと手を貸してくれる人たちが大勢いることに感動させられます。サイトページも当日かなり殺到したようで、多くの人々の科博への想いがひしひしと感じられますね。(とはいえ美談で終わらせてはいけない話でもあるのですが)今後も科博は続いていくことを願いつつ、僕も自分なりにこのプロジェクトを応援していきたいと思います。

 

 

 

 というわけで以下、今週の簡易感想です。

 

 

 

 

 

 

ポケットモンスター リコとロイの旅立ち

第16話「クワッスとなら、できるよ」

 ペンダントを取り戻すため動き出した今回は、スピネルに勝負を挑むリコたち3人と3匹のシーンでまず興奮させられました。圧倒的な実力差があったものの、コンビネーションの工夫や偶然などが重なることでリコたちが喰いついていく様子は、未熟ながらも懸命な姿故にテンションが上がります。最終的には一歩及ばずオリーヴァに助けられたものの、子どもたちだけで何とかやり遂げた満足感がありましたね。(余談ですがスピネルとブラッキーの信頼関係が描かれていたのもここすきポイント)

 そして前回に続いてドットがリコのために歩み寄る頑張りを見せたのが素晴らしかったです。クワッスと共に戦うことで、座学ではない生のポケモンバトルを味わってリコたちを助ける過程にグッときました。ずっと閉じこもっていた少女の世界が、友達への想いで広がったと言えます。またドットがぐるみんであることをリコに打ち明けるシーンも微笑ましかったです。

 あとはやはりエクスプローラーズの幹部勢が揃い踏みしたシーンが印象的。中でも「サンゴ」のCV大谷育江のメスガキというインパクはとんでもなかったです。何より敵側がいつになく本格的な描写に、改めて期待に胸が高まってきましたね。

 

 

呪術廻戦(2期)

第29話「玉折」

 5話に渡って続いた過去編もついに完結。最後のエピソードとなった今回は、ずっと気になっていた夏油の闇堕ちまでの経緯が詳細に描かれていました。盤星教の件に続き、後輩の死や術師の双子(劇場版に出ていたJKコンビですね)への仕打ちなどを経て夏油が非術師抹殺に乗り出す過程は見ていて胸が締め付けられるようでしたよえぇ。ずっと守ってきた使命が揺らいで堕ちていくまでの流れが丁寧に、そして耽美な作画と演出で描かれており、視聴者側のメンタルもゴリゴリ削ってきていたと言えます。

 そんな夏油の闇堕ちには五条や七海といった学友の存在も関わっていましたが、最も影響を受けたのが特級術師の「九十九由基(つくも・ゆき)」との会話にあったのが印象的。呪霊を消す手段として非術師を皆殺しにする道を提案した夏油に対し、「それはありだ」と実質背中を押してしまったことには顔を覆ってしまいましたね。彼女としては励ましたり導いたりしているつもりだったのでしょうが、どこかズレた感性のせいでそれが上手く出力されていないのがタチが悪いです。天元の件もフォローしたつもりが「理子たちの死は無意味だった」と事実をつきつけてしまっているのがまたひどい)

 そうした友人の行動に曇ってしまった五条も気の毒でしたが、その後は後進の育成に力を注ぐようになったことに希望を覚えました。「自分1人だけが強くてもダメ」だということに気付き、先生となった彼の選択は結果虎杖たちに繋がっていると考えると中々にエモいです。ラストに懐かしの主人公たちの登場もあって、ほんのささやかな救いを見出した終わり方だったと思います。

 

 

スパイ教室

第16話「MISSION 《忘我》Ⅳ」

 アネットが怖すぎる……怪しかったマティルダの本性に軽く引いていたのも束の間、そんな母親すら騙して手に掛けた少女の本性に恐れおののくことになりました。あっけらかんとした態度で全てを見抜く観察眼もそうですが、何よりそれを周囲に悟らせず自力で暗殺を成功させる彼女の手腕には驚かされるばかり。以前からずっと指摘されていた「スパイとしての“冷酷さ”」の答えが、子どもっぽい癇癪と動機で笑って敵を始末出来るアネットだというオチは見事の一言です。彼女のコードネームの忘我を「究極で純粋な自己中心主義者」とクラウスが解釈したことにも深く頷かされました。

 そしてマティルダに関しては予想通り過ぎて笑ってしまった(「アネットとは血の繋がりがない」事実は意外でしたが)一方、完全に彼女に利用されたティアが気の毒でしたね。敵も味方も救うという恩人の理想のために邁進していたつもりが……という無情なオチに彼女のスパイとしての甘さが出ていたと言えます。とはいえアネットがティアを母親として慕うようになったのも彼女の優しさあってこそですし、ティアの理想を追い求める姿勢は個人的にも肯定してあげたいところです。

 他には帝国側のスパイであるキノコ頭こと「白蜘蛛」とクラウスのバトルが見どころ。情けない面もありましたが、クラウスの弱点を突いて逃げ切った辺り相当な実力者であることが伺えます。クラウスの師匠が裏切って理由なども知っているようですし、後々クラウスとの再戦を繰り広げてほしいですね。

 

 

ライザのアトリエ ~常闇の女王と秘密の隠れ家~

第6話「隠れ家を作ろう」

 ついに「ライザのアトリエ」のタイトル回収がキタ!!ボロボロの民家を自分たちの隠れ家にしようとする流れは秘密基地づくりみたいで子どもっぽかったですが、少しずつ本格的にDIYになっていく様子に見入りました。子どもの落書きのようだったライザの見取り図がタオたち仲間によって洗練され、徐々に隠れ家らしくなっていくのは中々にワクワクさせられます。(さらっとクラウディアのキャラソンが流れていたのが良かったですね)同時にクラウディアが「ジーリ」さんのためにプディングを作っていくパートも素敵で、彼女らが協力して理想を形にしていく内容に心が暖かくなりましたね。

 その一方で謎の魔物が出てくる終盤は手に汗握りました。安全かと思われた場所がいつの間にか危険地帯になっているかのような、花を映す不穏な描写に胸がザワついてしまいます。(魔物の見た目そのものはカラフルで奇抜でしたが、ここまで出てきたものと比べて異質感が凄まじかったです)アンペルさんとリラさんが隠れ家に居ついてくれるようになったのは安心ライザのアトリエが早くも乗っ取られた件ですが、何とも言えない不安が残る終わり方ではあったと思います。

 

 

TIGER & BUNNY 2

第19話「You cannot make a crab walk straight.(蟹にまっすぐ歩かせる事は出来ない)」

 バーナビーの曇らせを覚悟していたら、ユーリの曇らせが待っていたでござる……マッティアの疑いは思いのほかあっさり解決してホッとしていた矢先、ユーリ・ペトロフ/ルナティック」の母親の死亡という展開に面食らうことになりました。しかも彼の母を殺害した強盗犯の横暴さと相まって憤慨してしまいそうになります。そして後述の虎徹たちの行動に密かに感動するなど、ヒーローの光にあてられていたユーリにとってあまりにも救いのないラストにはショックを受けるほかありません。2期に入ってから全く見せてこなかったルナティックの活動再開は、予想していた者よりずっと悲しいものになりそうですね。しかしこのタイミングでNHKでの放送が一週お休みなのが辛い……

 一方で今回は虎徹とバーナビーのヒーローとしての精神が発揮されていたのがちょっとした見どころでした。マッティアを操った敵とグレゴリーの繋がり、そして「ミッションA」なるものの存在を突き止めた中で、目の前の強盗を追う姿に痺れましたね。手柄ばかりに目を向けていた警察とは対照的に、野良ヒーローになっても構わない覚悟で挑んだ2人の正義には拍手を贈りたいところです。

 あとは1話からずっと気になっていた「リトルアウロラ」についてようやく説明が入ったのも印象的。怪しさ満点の敵かと思いきや、むしろ多くの人々を救ってきた偉人だったのはかなり意外でした。ただ彼女がXを調べてくれることで希望が生まれたことに喜びを覚える一方で、果たしてそう簡単に解決するのか……?という疑心も湧いてきそうです。

 

 

幻日のヨハネ -SUNSHINE in the MIRROR-

第6話「ひとみしりのハーモニー」

 マリに続いて今度はリコの心を解きほぐしていくヨハネ、マジ主人公。前回も発揮していた押しの強さを再び見せたのですが、リコの内面を垣間見て少したじろいでしまうのがまた素晴らしかったです。友達と決めつけて無理をさせたかもしれない……といった不安を抱きつつも、そのうえでリコに歩み寄ろうとするヨハネのめげなさと優しさには感動させられました。同時にマリもリコの件でヨハネに相談しに来たりと、2人がそれぞれ精神的に成長を遂げているのが伝わってきて嬉しかったです。

 そしてリコに関しては珍しい動物に対する暴走っぷりはともかく、「人と離れる辛さ」について怖がっていたのがポイントでした。幼い頃から引っ越しを繰り返していたせいか仲良くなった子と離れ離れになった過去を持ち、そうなるくらいなら友達はいらないと考えてしまう辺りが何ともリアルで身を詰まされる思いです。そうして相手との間に壁を作っていた少女が、壁を取っ払う流れはベタながら心震えますね。打ち解けた後にヌマヅの美味しいお店を教えてくれるリコの姿は、そんな彼女の喜びが共有されたことがわかりやすく描かれていたと思います。

 

 

遊☆戯☆王ゴーラッシュ!!

第70話「強襲!ファンシーケース」

 格安宇宙家具屋セツリ(ロゴマークが完全に「ニトリ」な件)の代表「ザイオン」がついに登場。その正体はルーグに仕えていたザ☆セツリのはわかりきっていましたが、ルーグに対する敬意などは全くない傲慢な態度はちょっと意外です。恐怖の大王編では正直影の薄いキャラだったので、ここで元ネタのネイルとは全く異なる本性を見せたのはかなり鮮烈に映りました。ユウディアスとのラッシュデュエルでいきなり召喚したスペース・ユグドラもマキシマムではないのが新鮮でしたね。

 そんなザイオン負けた相手や言うことを聞かない者を家具に変える能力も凶悪。顔つきの家具になるのは一見するとギャグですが、カード化に負けないくらいエグい仕打ちです。ユウディアスを負かした時は二段ベッドの下の段に変えようとしている点も、ザイオンのエゲつなさを端的に表していると思います。

 他にはユウディアスがギャラクシーカップ予選を通過出来るかどうかで話が進んでいた前半が微笑ましかったです。エポックの家庭教師を優先するあまり自分のデュエルを疎かにしていたので、遊飛がユウディアスの予選突破のために手伝ってくれる光景は何とも素敵でした。(エポックのツンデレがユウディアスへの気遣いに向かっていたのも良き)その際ユウディアスと遊飛が大会でデュエルする約束をしていたシーンも胸熱でしたが、こういう時に限って約束が果たされないフラグになってしまうんですよね……

 

 

 ちなみにそんな科博の危機を受け、『1日外出録ハンチョウ』の公式が科博のエピソードを無料公開するという措置も取ってくれました。つい最近猛暑の回も公開していたハンチョウ公式ですが、今回もまたフットワークの軽いのが素敵ですね。

 

 

 この回は僕も以前読んだことがあるのですが、科博のボリュームと魅力がこれでもかと詰まった名エピソードなので大変おすすめです。監視役の黒服・牧田さんの科博に対する熱いこだわりや案内に、読んでいるこちらが科博に行ってみたくなるほどです。ある意味で見事なPR漫画となっているので、科博が好きな人や気になる方は是非読んでみてください。

 

 

 ではまた、次の機会に。