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仮面ライダーガッチャード 第14話「パクっとレックス!キケンなエックス」感想

責める気持ちに寄り添って

──突如宝太郎の脳内に溢れ出した 存在していた記憶──

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  • 「そうじゃない」と言える優しさ

 主題歌映像が今月末に公開される冬映画のものに差し替えられた今回のガッチャード。前作ライダーであるギーツと共演する先取り映像にワクワクする中、本編の方では宝太郎の家の定食屋で開催されるクリスマスパーティーの準備のシーンから始まりました。(「お客さんはクリスマス当日は家族と過ごすだろう」ということで早めに開催する気遣いが地味にここすきポイント)珠美母さんの粋な計らいで宝太郎とりんねがリースの材料探しに出る様子に早くもニヤニヤさせられましたね。女友達がやってきたことに対し、「一緒に探しに行きなさい」と言えるお母さんのキャラが何とも素晴らしいです。

 材料探しの最中りんね「自分のせいでみんなが傷ついたのではないか」という不安を吐露する瞬間で一転、悲痛な姿に胸が締め付けられました。以前アトロポスに「攻撃するなら錬金術師だけにして」と言い放ったことで錆丸が巻き込まれた……という考えには首をかしげるところがある一方、りんね自身が思い詰めるには十分な理由だと納得も出来ます。この辺りの罪悪感と責任感を覚えている態度に、不器用ながらも真面目なりんねのキャラクターが読み取れますね。

 そんなりんね「九堂のせいじゃない」とはっきり言ってやれる宝太郎もまた素敵。全部冥黒の三姉妹が原因であるのは当然ながら、それ以上にりんねが今必要としている言葉を的確に選んでいることがわかるので見ているこちらも元気づけられます。そして宝太郎のことだからりんねを気遣いつつも、本気でそう思っているんだろう、といったこともこれまでの彼の描写から確信出来ますね。宝太郎とりんね、それぞれのキャラクターへの視聴者側の理解が深まっているからこそ大きく頷かされる展開だったと言えます。

 また今回のゲストキャラである「間辺譲(まなべ・じょう)」と「間辺爽(まなべ・さわ)」の親子とのやり取りも興味深いです。後者は娘・爽の幻滅させてしまったこと、前者は宝太郎が犠牲になってしまったことに負い目と責任感を覚えている様子が印象的。それを宝太郎とりんねがそれぞれ「あなたのせいじゃない」と励ますくだりにちょっと感動させられました。特にりんねは上述の宝太郎から貰った励ましを、今度は自分で爽ちゃんに返しているのがグッド。全体を通して「自信を責めているな相手を励ます」ことに終始した回でしたね。それらを1話であっという間にやってのける、本作の展開のテンポのよさも面白かったです。

 

 

  • 消された記憶が物語る謎

 さて今回最も衝撃を受けた要素と言えばやはり宝太郎の過去の描写。レベルナンバー10の1体であるエックスレックスに食べられた宝太郎が、「人の過去を知りたいから」という理由を探り当てて自分の記憶を見せてあげるシーンにまず感心。(一見物騒に思われたエックスレックスも実は好奇心旺盛なだけ、というのが流石ですね)そんな宝太郎のこれまでの物語が振り返られていく中、幼い宝太郎とホッパー1が仲良くしている光景に目を疑いました。

 実は宝太郎は子どもの頃にホッパー1と出会っている。この事実に様々な考えが貼り巡りました。何といってもホッパー1が最初から宝太郎にある程度心を開いていたことにも納得がいくからですね。少年時代の様子からして、2人はこの頃から仲睦まじい関係だったことが伺えます。1話のホッパー1にとっては、かつての親友に再び会えたも同然だったのでしょう。

 そしてこの回想で多くの憶測が頭の中で浮かんできました。宝太郎がケミーを自然と受け入れたのは当初「彼がそういうキャラだったから」と納得していましたが、もしかしたら少年時代の出来事が関係している可能性もありそうです。加えて風雅が宝太郎にガッチャードライバーを託したことも単なる偶然ではなく、何かしらの意味があるのでは……?といった考えが止まりません。この回想によって、宝太郎周りが途端に怪しくなってきたように感じます。

 宝太郎自身その光景に驚いていた辺り、少年時代の記憶が一度錬金術の掟で消されたのであろう点も興味深いですね。少なくとも錬金術師が関わっていること・その中に宝太郎のことを以前から知っている人がいるのは間違いなさそうです。(今のところ前回意味深な発言を残した釘宮調査官が怪しい)一瞬ながらも凄まじいインパクト要素を残してくれたこの記憶。果たして宝太郎に関する真実は何なのか、先が俄然楽しみになってきました。

 

 

 他にはスパナの動向も目に留まりましたね。謎の女性の連絡を受けドレッドライバーを回収しようと、冥黒の三姉妹のアジトに乗り込む様子はスパナの裏にいる“何者か”への期待を感じさせてくれました。何かとりんねを気遣っているのもこの女性に言われた監視が目的のようですし、スパナと女性の関係性がかなり気になってきます。劇中での活躍そのものはドレッド(ラケシス)にボロ負けでしたが、それだけでは終わらない印象を与えてくれましたそれはそれとして、三姉妹のアジトに普通にドアを開けて入ってくるシュールなシーンには笑いましたが。

 アクション面に関しては三姉妹が変身したドレッドが印象深いです。ヴァルバラド戦ではラケシスが、ガッチャード戦ではクロトーがドレッドに変身した時は驚きましたね。そのうえそれぞれ錆丸が変身した時は動きがまるで別物で、それぞれが変身したことが何となく伝わってくるのも見事といったところ。(そのうえ錆丸ドレッドも含め縄田雄哉さんが全てドレッドのスーツアクターとしてこなしているというのですから素晴らしいです*1)変身者が異なるライダーの面白さが詰まっていたアクションシーンだったと思います。

 

 

 そして次回は冥黒の三姉妹との直接対決が開始。エックスレックスを仲間に加えて手に入れた新フォームでドレッドに対抗するガッチャードはもちろん、アトロポス相手に立ち向かうりんねの活躍にも期待が持てます。ここまで彼女にいいように翻弄されてきた分、りんねには一矢報いるほどの頑張りを出してほしいですね。また勝利したあかつきには、みんなで仲良くクリスマスパーティーを楽しんでほしいものです。(予告で確認出来るピンクレディー風衣装の加治木も気になって仕方ない……)

 他にも予告でレベルナンバー10の1体・クロスウィザードが映っていたのも見逃せません。もうすぐ公開の冬映画で登場予定のケミーが本編に先行登場する、というのはライダー映画の定番ながらワクワクせずにはいられないです。恐らく冬映画は次回のエピソードの後の時系列に当たる出来事なんだろうなぁ……などと思いつつ、それらのリンクも楽しみに待つ所存です。

 

 

 ではまた、次の機会に。