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2023年秋アニメ簡易感想 その22

 

 

 

puniru-anime.com

 

 『ぷにるはかわいいスライム』

テレビアニメ化決定!!

 

 というわけでコロコロオンライン(週刊コロコロコミック)で連載中のラブコメ漫画のアニメ化情報が先日発表されました。原作漫画の方が連載開始された時から話題になり、アニメ化を望む声も多かった本作ですが、まさか本当に果たされるとは思ってもみなかったです。しかもこの告知を信じる限り、YouTube上などのwebアニメではなくれっきとしたテレビで放送するアニメになるというのですから驚きです。それほどまでに本作が支持されているということなのでしょうね。

 何故アニメ化でここまで驚くのかというと、ご存じの方もいるかと思いますが「コロコロ原作漫画のアニメ化は非常に難しい」という認識があるからですね。事実2014年に放送された『怪盗ジョーカー』のアニメも、企画から実現するまで約3年の月日を擁したことが明かされています。*1また2023年現在、コロコロ作品でテレビアニメとして放送されているのがホビーの販促作品でもある『デュエル・マスターズ』と『ベイブレードX』のみという点からも、アニメ化の難しさを察することが出来ます。*2

 そういった背景もあって僕自身、ぷにる単独のアニメ化はまずないだろうと思っていました。「最も現実的なアニメ化はデュエマアニメにゲスト出演するくらいだろう」とまで考えていたほどです。それだけに今回の発表には度肝を抜かれましたね。ぷにるの人気の高さ、それに応えようとする制作陣の本気ぶりが伺えました。この熱意がこもっているであろうぷにるアニメ、どうなっていくのか心待ちにしていたいと思います。

 

 

 というわけで以下、今週の簡易感想です。

 

 

 

 

 

 

ラグナクリムゾン

第11話「作戦と認識」

 銀装兵団に協力することになったラグナでしたが、兵団メンバーが何かと突っかかってきて困り果てる様子がちょっとおかしかったです。やたらと濃い面々に押されて辟易しているので同情を覚えた一方で、スターリアが自分に惚れた理由がわからない鈍感さも発揮してくる辺りにクスっとさせられます。(実際あの意味不明な惚れ方には視聴者側も混乱していますしわからなくもない)良くも悪くも竜への殺意以外は、以前のレオ本位だった頃と変わっていないラグナのままだったので少し安心しましたね。

 銀装兵団の描写もいつになくコミカルで面白かったですね。魔法士連中が古のオタクっぽかったり、幹部の面々がフランクな間柄だったりと絶望的な状況に反して明るそうなキャラ付けが何ともこそばゆいです。しかし「ヘゼラ」と「グレア」の双子の本性には一転してギョッとさせられました。天真爛漫な態度が演技だったというギャップ、そしてスライム先輩をいたぶろうとする残虐さのインパクトは中々のものだったと思います。

 その他後半の翼の血族たちの描写は「オルト・ゾラ」と「タラテクトラ」がメイン。特に上位竜同士の気兼ねないやり取りに加え、計画の軌道修正の的確さなどからゾラの優秀さが推し量れます。タラテクトラに関しても「生き残る」ことの重要性を語るなど、戦略面・精神性共に敵ながら天晴。何より人間だった頃の仇に仕えるという、ある意味で“ラグナのif”とも言えるこの2人の動向も気になるところです。

 

 

薬屋のひとりごと

第10話「蜂蜜」

 前回の女官の自殺と園遊会での毒の関連性を探るため、猫猫が「阿多妃(アードゥオヒ)」の元に潜入捜査することに。しかし今回はまたも里樹妃の不遇っぷりが目につくことになりました。侍女から陰湿ないじめを受けているのに、周りから隔絶された状況故に気付かない……里樹妃への同情を覚えると同時に、この陰湿ながらも悪い意味で上手いこと機能しているいじめの環境には複雑な感情が湧いてきますね。特に「赤子にハチミツを与えてはいけない」を利用して、里樹妃のハチミツへの嫌悪感を抱かせているのが恐ろしかったです。猫猫が真相に気付くきっかけが壬氏の変態ハチミツプレイというのがまぁ愉快でしたが。

 また阿多妃の件で先帝の頃からの資料を漁る中で判明した、猫猫の父がかつて後宮勤めだった事実があまりにも衝撃的。里帰りの時の父親の訝しげな態度や後宮の薬草など、さり気なく張られていた伏線の数々が一気に繋がる感覚をここにきて覚えます。そして元宦官だった父親が追放されるまでの経緯に加え、その父と猫猫の関係が俄然気になってきましたね。ここまでくると父親が取り上げたという阿多妃の亡くなった子どもはもしや……!?といった妄想も次々と湧いてきそうになるほど、今回のラストには惹かれてしまいます。

 

 

アイドルマスター ミリオンライブ!

第10話「アイドルに大切なもの」

 千早に誘われ彼女と共にチャリティーコンサートで歌うことになった静香。父親の件もあって無理を重ねていくダイジェストに早くも見ていて胸が痛みましたが、仲間たちの助けを受け初心を取り戻していく流れは実に見事でした。歌を聞いてくれる多くの人たちに向ける視野の広さはもちろんのこと、アイドルに憧れていた頃の気持ちも同時に取り戻していってからの展開には感動しっぱなしでした。それが結果的に父の頑なな態度を解きほぐしていくのがまた素敵です。序盤からずっと気がかりだった静香の父親との問題でしたが、非常に綺麗な形に収まってホッとさせられましたね。

 そんな静香を支えてくれた面々の描写も見逃せません。静香父に直接会いに行く未来たちの行動力・静香への憧れには驚かされましたし、上の悩める静香を導く千早がこれまた最高の一言千早がこんなに素敵な先輩になってて嬉しい……他にも箱崎星梨花(はこざき・せりか)」とパパの話を挿入することで、形は違えど子どもを想う点は同じ父親の話を描いていたのが興味深かったですね。上述の通り静香は父親に限らず大勢のファンに向けた歌を歌えるようになりましたが、それもこれも未来や千早たちが今の彼女にはなかった景色や価値観を見せてくれたから、といったように感じられます。改めてアイドル同士の縁と絆に心が暖かくなる回だったと思います。

 

 

 

でこぼこ魔女の親子事情

第11話「使い魔たちのお留守番事情」「肥大な不死鳥の減量事情」「モテざる男たちの恋愛相談事情」

 フェニックスってマジで何なんだ……?となった前半。冒頭のお留守番回で暴れん坊の毒コアラに手を焼く様子は親近感が湧いたものの、その後太ってからのフェニックスは何もかもがおかしくて困惑しっぱなしでした。銘菓ひよ子みたいな見た目の肥満体はもちろんのこと、実際に分身したり水を吸って透明になったりと生態があまりにも意味不明すぎで笑いが止まりません。それでいて上の毒コアラや再び登場キクラ先生には押され気味と、キャラクター自体は常識人(常識鳥)寄りなのが余計に笑いを誘います。ともあれ不思議な体でボケ、思慮深い言動でツッコミと両方をこなすフェニちゃんに改めて愛着を覚えましたね。

 続く後半はまさかのアウリによるモテ方講座フェンネルはともかくグリンドがとち狂ってしまったのかと最初は思いましたが、アウリのアドバイスが思った以上にまともで唖然となりました。博打暴力色恋沙汰全てが最低な男ですが、「女性の立場になって思い遣る姿勢」は心得ているのは納得しつつも釈然としませんね。(というか心がわからないモンスターのくせに相手の心の機微を知識としては知っているっぽいのが怖いです……)まぁ姉(アリッサの母)に妹にさせられた過去とか、フェンネルの頭を執拗に狙う発言とかで上のアドバイスを全て台無しにしていく辺りはこの男らしいのでちょっと安心してしまったり。あと娘に失望されるだけの望みはまだ持たれていたよ良かったね!

 

 

星屑テレパス

第10話「泣虫リスタート」

 慧やユウとのやり取りを経て立ち直った海果の成長ぶりに感動。瞬の傷心に応えるために、ダメな自分と向き合って前に進む様子が何とも眩しかったです。(選手権の動画を見返しワンワン泣いて、妹に引かれるシーンでクスっときてしまったのは内緒)加えて後述の遥乃の失意に対して「やり直せばいい」と言ってあげられる姿に惚れ惚れさせれましたね。自分の弱さを受け入れてから、本来の思いやれる優しさを発揮出来るようになっている海果は今最高に主人公していると思います。

 そして今回の主役である遥乃が自身の目指す場所を見定める過程も大きな見どころ。まず以前から指摘されていた彼女の「本気になれるものがない」点が「夢破れた人を見たくない」「誰かに傷付いてほしくない」といった“恐れ”から来ていたとわかり腑に落ちました。これまでどこか一歩引いた距離感を出していたのも、自分が傷つかないための予防線を張っていたということでしょう。優しさの裏に隠れた遥乃の悲しみがようやくわかり色々とスッキリしましたね。

 そんな遥乃が瞬に対してハッキリ物申すようになってからはさらに爽快感がアップ。当事者として踏み込むことで本当の意味で「夢を目指す人」になれたのだとここで確信しました。膨れて怒って煽りを入れる、そんな感情的な態度を取れるようになった遥乃がどこか誇らしく思えてきます。“なりたい自分”になるために、“本当の自分”を解放する彼女の青春模様に思わず頬が緩んでしまいますね。

 

 

ミギとダリ

第11話「さかさまの女」

 今回いよいよとばかりに一条家と双子の関係性、諸々の真実が明かされましたが、例によって一条母の狂気がエスカレートしまくっていたのでそれどころではなくなってしまいました。怜子(一条母)とポンコツ家政婦メトリーの仲睦まじい光景は最初こそ微笑ましかったものの、メトリーに旦那の相手をさせ始めてから一気に狂っていったように感じます。極めつけの旦那とメトリーの様子からは、怜子視点のメトリーの狂喜にゾッとさせられました。思うに“完璧”を求めたが故に子どもの産めない自分を愛するメトリーと重ね合わせてしまったのが、この母親の悲劇の始まりだったのかもしれません。

 そして瑛二がミギとダリの兄弟であることも判明。これは前々回の時点である程度察していましたが、いざメトリーの回想を介して真相が明かされると中々にクるものがあります。ダリから拒絶され、狂いっぷりが留まることを知らない一条母に翻弄された結果、その母を刺し殺すのも無理はないと思ってしまいました。何より今の瑛二は自分が誰の子どもでどこに向かっているのか、それらが上述の出来事で混乱の極みにあるからこそこうした行動に出てしまったように見えますね。いずれにしても何もかもがおかしい歪な家庭を崩壊させようとするラストの瑛二に、同情せずにはいられなくなりそうです。

 

 

 ところで上述のぷにるをはじめとして、コロコロという枠組みを超えて様々な作品を連載しつつある週刊コロコロ。しかも最近ではウマ娘』や『勝利の女神:NIKKE』といったソシャゲ原作の漫画も始まっており、ますますコロコロとは?といった状況になっているような気がします。(まぁコロコロアニキとかでガルパンとかバンドリやってましたし今更ですが)

 まぁそのおかげである程度の話題性が出ていますし、何よりネット上で多くの人たちがコロコロ作品に触れるきっかけになりうる可能性もあります。どうせならこの状況を受け入れつつ楽しんでみたいところですね。

 

 

 ではまた、次の機会に。

 

*1:怪盗ジョーカー』原作コミック18巻参照。

*2:最も、これらの認識は全て確証のない憶測に過ぎない点を留意してもらいたい。