新・メタレドの楽しんだもん勝ち!

様々な作品について語ったり語らなかったりするサイト

2023年秋アニメ簡易感想 その12

 

 

 アニメ以外にも特撮やらドラマやら色々見ているメタレドですが、今季は待望のシーズン2が始まったNHK版実写『大奥』を特に見入っています。何といっても医療編に登場する田沼意次や青沼、源内たち赤面疱瘡撲滅に動く者たちに魅了された矢先、徳川治済という人の皮を被った化け物に全てを打ち壊されてからの展開は心が疲弊してしまうほどの衝撃でした。原作漫画を既に読んでいても、過酷なシーンの連続は見ていて本当に辛かったです。(これでも原作にあった「田沼への罰を願う少女」や「世直し大明神」とかがカットされている分ずっとマシという事実)この辺りは原作者であるよしながふみ氏の「世の中そう簡単に良いことばかり起こるわけないだろっ!!」という叫びが聞こえてくるかのようでしたね。

 またドラマは上の治済役の仲間由紀恵さん然り、その後出てきた徳川家慶役の髙嶋政伸さん然り、悪役を実力者俳優の方々にやってもらっていたのも大きかったと思います。前者は仲間さんの妖艶さが合わさって原作とはまた違ったサイコパス感が出ていましたし、後者も髙嶋さんが性的に吐き気がするタイプの俗物っぷりを見事に再現してくれていたので思う存分気持ち悪がることが出来ました。放送当時には仲間由紀恵の名前がSNSでトレンドに上がるレベルだったことを考えると、悪役の魅力を引き出す演者さんの力はかなり重要だなぁとつくづく感じさせてくれますね。本作のドラマ化はそうした悪役の存在も忘れてはいけないことがわかるいい機会だったと言えます。

 

 あぁそれはそれとして、白泉社のメロディ編集部の方に一言言いたいことがあります。

 

 

 「ポテトも付けますか?」みたいなノリで地獄をお出しするんじゃあない!

 

 

 というわけで以下、今週の簡易感想です。

 

 

 

 

 

 

ラグナクリムゾン

第6話「再会」

 サイコなアルティマティアを見た後のフルボッコタイムが最高に気っ持ちいいー!!「人に親切にするのに理由がいりますか」「私は優しくなどありません」というセリフを口にしながらも本質は神への信奉と独善に満ち溢れた狂信天使(某おろろな流浪人も似たようなことを言っているのに何故印象が真逆になるのか)に反吐が出てきたところで、ラグナが彼女を何度も殺し続ける光景にスカッとさせられます。一見チートのように思える時操魔法に対して「相手が時間を巻き戻して生き返るなら魔力が尽きるまで殺し続ければいい」というゴリ押しを難なく実行してくる強さにも惚れ惚れさせられますね。ラグナの強さの再認識、そしてここまでのアルティマティアへの溜まりに溜まったフラストレーションを発散させてくれるには十分なほどの快進撃だったと言えましょう。

 またこの攻撃に出るまでのラグナの葛藤と吹っ切れるまでの過程も大きな見どころでした。最初こそアルティマティアへの怒りと憎悪を抑え冷静に徹しようとしていたものの、それらを失くすことこそ最大の過ちだと気付き戻っていく流れは復讐者としては見事なものでした。同時にラグナを思いのままに操れると良い気になっていたクリムゾンを一泡吹かせてみせたのも、彼がただ利用されるだけの存在ではない証明になっているので安心させられます。(クリムゾンがナチュラルに外道を気取っているだけに、トンチキ行動に振り回されるのが痛快の一言)敵や協力者の思惑すら超え全ての竜を殺す覚悟を改めて見せつける主人公の爽快感に、本作にブーストがかかってきたことを確信を覚えましたね。

 

 

薬屋のひとりごと

第5話「暗躍」

 呪いと思われた炎の色は実はただの炎色反応……ドクストでやったところだ!とか思いつつ、今回は「園遊会」の準備が着々と進められていく過程に見入りました。上級妃が集う一大イベントに張り切る周囲と冷めきった猫猫の温度差が目に留まる中、判明した猫猫の美しさとそばかすの事実には驚きましたね。同時に薬関連にしか興味がない猫猫にとって、自分の美貌が厄介なもの以外の何物でもないことがわかり上の態度にも納得させられます。またそんな猫猫の境遇を知ってしおらしくなる壬氏にもびっくりしつつ、彼の謝罪という名のマーキングの証である簪にニヤニヤさせられますね。薬学や化学に詳しい猫猫が、色恋沙汰には滅法疎いことがよく伝わってきます。

 その一方で今回お悩み相談してきた宦官の件も気になるところ。彼が見た上述の炎色反応からし木簡に何かしらの暗号が施されていることは、劇中の猫猫の思案もあって既に察せられます。そして壬氏が探している「腕に火傷を負った者」など、不穏なフラグがドンドン積み重なっていく感覚に思わず胸が高鳴ってきました。帝も出席する園遊会の場で問題が起きない方が不自然なので、これらの謎が一気に解き放たれるであろう次回が楽しみで仕方ありません。

 

 

アイドルマスター ミリオンライブ!

第5話「未完成のThank You!」

 原っぱライブの準備に明け暮れる未来たち、彼女の朗らかなやり取りにどこか胸が温かくなってくる回。ダンスの練習はもちろんのこと、予定や分担にテントの手縫いなど全部彼女たち自身でやる辺りが微笑ましかったです。他にも各々が自分たちの出し物に力を入れており、どちらかというと文化祭の準備をしているかのように見えてきます。前回がギスギスした空気を出していた分、それを乗り越えたからこその結束力が生まれつつあるように感じられてきましたね。いざ当日でも各アイドルがそれぞれのやりたいことに全力投球しているので、見ている側としてもどこかホッとさせられます。荒稼ぎを狙って仲間たちからの天誅を喰らうお金ちゃん茜ちゃんもある意味で癒し

 そんな原っぱライブの本番では、観客として見に来た「桜守歌織(さくらもり・かおり)」と「白石紬(しらいし・つむぎ)」が未来と繋がる演出に心奪われました。素敵な気持ちを共有したい未来の想いが、まだ自分のやりたいことを探している2人に届いたかのような光景は何とも素晴らしいです。そしてテントの外にいるアイドルたちも共に歌うシーン(前回不遇気味だった桃子が笑顔になっているのがここすきポイント)で、この瞬間未来がやりたかった「みんなで見る景色」が果たされたのだと感じましたね。春香たち先輩たちに魅了された未来が今度は新人たちを魅了する側に回ったことにも感慨深さを覚えます。総じて1つの大団円を見届けられたような満足感を味わえる回でした。

 

 

でこぼこ魔女の親子事情

第6話「薔薇園のおしりあい事情」

 おしり探偵のお知り合いみたいな見た目“おしり”だけにの妖精「ヒップ」と「ケッツ」のお悩み相談から始まった今回は、トンチキな始まりに反してどこかウルッとくる感動ストーリーが展開されました。自分たちが生まれた庭園の持ち主である「アンナ」さんの結婚に猛反対する兄・ケッツの意固地な親バカっぷりに笑いつつも、アンナさんを想う姿勢で途端に感情移入してしまいましたね。一般人であるアンナさんには見えなくても構わない、見返りを求めず彼女の幸せを願う辺りが最高にいじらしくて胸打たれます。そんな彼らの言葉を直接伝えるのではなく、舞い上がる花びらという形でアンナさんへの祝福の気持ちを届けるアイディアにも感動させられました。

 そんなケッツたちの気持ちを汲んであげる魔女親子や、それを取り巻くボケとツッコミの応酬も忘れてはいけません。アンナさんの結婚相手がチャラ男な見た目に反して聖人君子だったり、妖精兄弟の見た目の原因が無きアンナ父の性癖だったりとシリアスとギャグの反復横跳びで情緒が乱される点も面白かったです。(個人的には明らかにおしりの見た目のキャラを出しながら全然下品さを感じさせないのが秀逸だと思いましたね)それらのドタバタ劇を繰り広げたからこそ上の展開、そしてアリッサの種族による寿命の差・娘との別れを思わせる発言に切なさを覚えるちょうどいいスパイスになっていたと思いました。妖精がそれぞれ堀江由衣さんと梶裕貴さんという豪華声優陣だったのもあってこれまた楽しい回でしたね。

 

 

星屑テレパス

第5話「無限ドリーマー」

 実は部活系アニメだったのか!?という衝撃。ロケット作りの予算確保のために部活を作る考えには確かにと思いつつ、思い立ったらすぐ実行に移す瞬の行動力に感心させられましたね。海果を部長にした点も妙案と言えますし、彼女が仲間に加わったことでトントン拍子で話が進んでいくのが気持ち良かったです。これまでは基本ほんわかムードで話が進んでいただけに、こうして周囲を引っ張っていく存在は必要不可欠であることを認識させられます。それでいて海果と瞬の仲が確実に良好になっていくやり取りで、お互いに相手を必要としていたのがわかるのもグッド。

 後半は宿泊学習でオドオドしつつも前に進む海果が見れて一安心。ユウのサポートありきでしたが、一歩を踏み出してからはグループ内の女子とも打ち解けていったので彼女なりに成長していることを実感出来ます。夜に抜け出して花火をする不良な行動をとる辺りも、何だかんだ微笑ましくて青春してるなぁ~と思いますね。一方でいつもと異なる雰囲気を醸し出していたユウとの会話には引っ掛かるところがありました。ユウが知らず知らずの内に抱えているものに海果は寄り添いたいと思うものの、どうにも彼女の本心に踏み込めずにいるように見えてもどかしかったです。良くも悪くもユウの優しさに依存気味な海果にとって、この鬼門は突破出来るのか心配になってきます。

 

 

ミギとダリ

第6話「誰が親鳥殺したの?」

 姿を消してしまったみっちゃんのことを心配する暇もなく、ミギ渾身の赤ちゃん演技に呆気にとられた今回。再教育という名の精神的拷問を強いる一条母にも戦慄しますが、それを逆手に取り一家に取り入るミギのしたたかさには舌を巻くばかりです。幼児退行したフリで根掘り葉掘り聞くシーンはいつ演技がバレてしまうのかというハラハラに加え、同時に苛立ちを隠せていない一条家もあって凄まじい緊迫感がありましたね。上ではにこやかな家族を装いつつ、下では怒りの貧乏ゆすりを激しく見せる様子はこの家の表と裏を端的に表していたと思います。

 そして後半は双子が母「メトリー」の変装で反応を見るという大胆な作戦に出ていましたが、一条夫妻の予想以上にドロドロとしたやり取りのおかげでこれまたゾッとするものを覚えました。ここでも一条母の底知れぬ恐ろしさが炸裂しており、幽霊のようなメトリーに対して怯むことなくハサミを向けてくるのでビビらずにはいられなかったです。(そして瑛二がクロである可能性が出てきましたが、実際はメトリー死亡の瞬間に立ち会っただけで本当に殺したわけではないかもしれないと考えます)このような家族の闇を見せつけられてかなりしんどかった分、帰ってきた園山家の温かさには癒されますね。ダリが養母たちの温もりを受けるシーンで最後には心が休まりました。ただ秋山がナチュラルに居座っているのがシュールなんですがそれは。

 

 

 ドラマといえばもう1つ、同じくよしながふみ氏原作の実写化である『きのう何食べた?』の2期も現在楽しく視聴しています。大奥と比べるとこちらは基本ほんわかしていますが、一方で要所要所で逃れられない悩みや問題にぶち当たるしんどい描写も多いのが特徴的。しかし行きつけのスーパーが閉店してしまった件然り、変わりゆく現状に寂しさを覚えつつも楽しく過ごすシロさんとケンジの関係性には毎回ほっこりさせられます。(他にも小日向さんとジルベールの馴れ初めが明かされる回も好き)出てくる料理も毎回いつか挑戦してみよう!と参考にしつつ、これからマイペースに見ていく所存です。

 

 

 ではまた、次の機会に。