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2023年秋アニメ簡易感想 その20

 

 

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 100人の魔物の子どもが人間のパートナーと共に戦う漫画『金色のガッシュ!!』のアニメ版金色のガッシュベル!!』が先日YouTubeで配信開始されました。どうやら事前登録が始まったガッシュのソシャゲの宣伝も兼ねているようですが、1日に1話ずつ公開し続けるとのことで驚きました。150話もある長期アニメなものの、ほぼ毎日更新ならあっという間に見られそうです。

 さてこのガッシュベル、僕自身当時このアニメを見て原作漫画に入った身なので大変懐かしく感じます。そして改めて見た感想としては、1話からオリジナルの魔物とパートナーのコンビが登場したり、序盤の敵が前倒しで銀行強盗をやっていたりとアニメオリジナル展開が目立ちました。恐らく魔戒の王を決める戦いを視聴者に早い段階で印象付ける考えがあったのかと思われますが、このアニオリ多めな部分は良くも悪くも昔のアニメ化といった感じですね。

 とはいえやはり原作の熱い部分をしっかりとやっていたりと見どころも多かったです。特にガッシュ役の大谷育江さんなど、声優さんたちの演技は序盤から見入りましたね。中でも1話の屋上でのガッシュの啖呵は今でもアニメ漫画問わず涙がほろりと出てきます。暇があれば昔の思い出に浸りつつ、そんなアニメガッシュベルを視聴していこうかなと思います。

 

 

 というわけで以下、今週の簡易感想です。

 

 

 

 

 

 

ラグナクリムゾン

第10話「利害と共闘」

 スターリア率いる銀装兵団との共闘を持ち掛けようとするクリムゾンですが、前回とは打って変わってスターリアを存分に翻弄する様が面白かったです。彼女がラグナに一目惚れしたことを利用し、ラグナ越しに操ろうとする魂胆が何ともわかりやすいことわかりやすいこと。肝心のスターリアも真面目な時とラグナを前にした時のギャップが激しく、乙女モード全開故見ていて飽きません。(ラグナもラグナでクリムゾンへの罵倒に全面同意する天然っぷりを見せつけてきたので笑いが止まらなかったですはい)もうすぐ上位竜が攻めてくるかもしれない切羽詰まった状況ですが、息もつかせぬギャグ展開の応酬のおかげでだいぶ明るくなっていましたね。

 一方で翼の血族たちはちょっとした少年漫画のような熱さがありました。特に時操魔法が使えなくなったアルティマティアと彼女をいじるウォルテカムイのブコメチックなやり取りが注目ポイント。ウォルテカムイが「トラウマティア」といった謎ワードを作ってきた時は吹き出しましたが、アルティマティアの心の弱さを指摘したうえで彼女を支える宣言をする辺りは純粋にカッコいいと思います。普通の少女のように泣きながら文句を吐くアルティマティアを胸に抱きとめるシーンは特にイケメンぶりが目立っていましたね。戦う相手の内面を重視する姿勢も戦士として好感が持てますし、ウォルテカムイの竜側の中でも1本筋が通ったキャラクターにこちらも惚れてしまいそうになります。

 

 

薬屋のひとりごと

第9話「自殺か他殺か」

 今回は2つの事件を扱った前後編。前半は壬氏の恩人「浩然(コウゼン)」の急死事件が描かれましたが、原因が毒ではなく塩というのが意外でしたね。例によって過度ないたずらが招いた話ながら「過ぎたるは猶及ばざるが如し」を図らずも受けてしまう展開には何とも言えない後味の悪さを覚えます。続く後半の溺死事件も、自殺に見せかけた他殺の可能性が出てきて胸糞悪いものを感じてくるものに仕上がっていました。以前壬氏が探させていた火傷の持ち主も明らかになりましたし、後宮という狭い世界での醜い人間関係がこれまた描かれそうな予感がします。

 そして今回も猫猫と壬氏のやり取りがふんだんに描かれていましたが、壬氏の方がいつもと比べて大人しめだったのが印象的。上述の恩人の死然り猫猫の態度然り、立て続けに襲い掛かる不測の事態にアンニュイになっているのが伝わってきました。同時に処罰されることを覚悟する猫猫に対する反応など、いつになく感情的になっているのが興味深かったです。(とはいえ身分の差についてなど、壬氏は「立場」について良くも悪くも無頓着な気がしますね)「お酒は二十歳になってから」のやり取りが微笑ましかった分、深刻な場面で壬氏の優しさは猫猫のドライな部分と相容れないところがあることがわかった気分です。

 

 

アイドルマスター ミリオンライブ!

第9話「もうひとつのバトン」

 自分たちのデビューを待ち望む未来たちTeam8thが、765PRO ALLSTARSのバックダンサーの仕事をこなすことになった今回。春香たち現役先輩アイドルとの差に落ち込む少女たちが、その先輩たちからアドバイスを受ける展開に見入りました。後輩が先輩と同じ場で共に語らう様子で、まるで遥か高みにいると思っていた人も自分たちと同じであることを知っていく流れにグッときます。中でも未来と春香のやり取りは他の面々とは異なり、見ている輝きを共有していくというアイドルの理想的な姿勢が描かれていたのが興味深かったです。

 他にも翼と美希のやり取りも印象に残りました。どこかお気楽な気分が抜けていなかった翼に対し、「本気になっていない」ことを指摘するシーンは非常に衝撃的。以前から感じていた彼女への違和感を、美希がこうした形で言語化してくれるとは思ってもみなかったです。天才肌同士通じ合うものがある故のアドバイス、翼にようやくアイドルとしての自覚が芽生え始めるくだりには舌を巻いてしまいますね。
 そしてALLSTARSメンバーがきちんと「先輩」として導いてくれていたのも今回の素敵なところ。ハッキリ言葉を出す雪歩をはじめとして、それぞれが以前から大きく成長したうえで新たなアイドルたちに言葉で励ましてくれる様子に感慨深いものを覚えました。(それでいてデコちゃんいおりんなど懐かしい面もしっかり残してくれているのがここすきポイント)アイマスアニメでの彼女らを知っている分、感動せずにはいられなかったです。そうして迎えた本番で流れた懐かしの「READY!!」には涙が出てきましたし、前作主人公たちの客演回として最高の演出だったと叫びたいです。

 

 

 

でこぼこ魔女の親子事情

第10話「おこもり息子のお悩み事情」「本音と建前の公園事情」

 今回はリラさん一家とその周りのお話がメイン。前半はリラさんの息子を部屋から出すという内容でしたが、声だけの登場でツッコみ続ける息子のキャラクターに早くも笑いが止まらなかったです。姿を一切見せずに扉の向こうのビオラたちのボケに反応してくるので、叫びのキレの良さも相まって中々に破壊力がありましたね。また引きこもりの原因が寝ぐせというくだらないものに見せかけて、ビオラを意識している描写が実に素敵な気ぶり要素。ビオラビオラで彼のために薬を作っていましたし、幼馴染にして乳兄弟だからこその気兼ねない関係性にニヤニヤが止まりません。

 続く後半はリザードマンのママ・ギータさんの公園デビュー謎のママ友バトルが繰り広げられることに。リラさんに何かとちょっかいをかける「レデ」さんのツンデレっぷりにはこれまた変な笑いが出てきましたね。思ってもないことを言う性質は最早天の邪鬼に域に達しており、結果的に望まぬ敵対関係に発展してしまうのが何とも哀れです。それでも憧れのリラさんの手を払っただけで「ちょっと話せた~」と喜ぶくらいですし、これはこれでいいのかもしれませんが……余談ですが、子どもそっちのけで母親の威信を守ろうとする人たちに「1番大切なのは子どもの気持ち」であることを教えるアリッサが今回の地味なここすきポイントですね。

 

 

星屑テレパス

第9話「惑星グラビティ」

 モデルロケット選手権での予選落ち、言葉にすると大したことが無いように見えますが、本番での海果の青ざめた顔とまさかのダイジェストで視聴しているこちらも息が止まりそうになりました。海果の「自分には何も出来ない」と瞬の「ここしかない居場所を失ってしまった」という、それぞれの絶望もダイレクトに伝わってきます。どちらも先の先を見据えすぎて大げさになりすぎと思わなくもないですが、“今この瞬間が全て”といった考えは思春期らしさもあるので納得がいくところです。(それ故に割とやり切った顔をしていた遥乃がかえって異質に見えてきますね)

 そんな絶望展開の後、慧の言葉が海果を救う展開にかえってびっくり。初登場時から見せているひた向きで正直な面に加え、聡明な言葉で海果に「今の自分(海果)に必要なこと」を教えてくれる姿には素直に感心させられます。遠い宇宙にばかり居場所を求めていた海果に「今の自分の居場所」の存在を教えてくれるくだりも見事の一言。そして何といっても海果にとって天上のような存在だと思っていた相手が、彼女と同じ目線に立って話してくれる構図が素晴らしいですね。

 立ち上がった海果とユウのやり取りも大きな見どころですね。自分の居場所だけでなく、胸のキラキラなど「やっと気付いたこと」を共有していく流れには何ともエモいものを感じました。突然現れたり謎の言語の歌を歌うなどユウの宇宙人らしい描写の中で、探していたものが既にここにあったことがわかっていくのが興味深いです。何より以前から海果にモヤモヤしていた身としては、やっと遥か先の場所ではなく足元の世界に目を向けたことにスッキリしたものを覚えました。

 

 

ミギとダリ

第10話「ビーバーズ vs 一条母」

 一条家の闇を暴くための戦いで、げっ歯類こと丸太がまさかの大活躍!最初こそ劇中のミギたちのように顔をしかめてしまいましたが、要所要所で成果を残していく働きぶりには衝撃を受けました。モースル信号といったボーイスカウトの経験もフルに活かしており、ラストのビデオで一条母を嵌めるシーンには舌を巻くばかり。何度かヘマをする場面もありましたが、上述の活躍に何だかんだで裏切らなかった点も含めて一気に丸太に対する印象が変わりましたね。一条家華怜ちゃんと唐突にチュッチュイチャイチャし始めたことに関しては……リア充は爆発しろまぁいいでしょう。(一応華怜と恋仲になったことで「彼女のために最後まで協力する」という動機が生まれていたわけなのですが)

 あとはサブタイにもある「ビーバーズ」結成のくだりが個人的にも注目ポイント。双子が秋山と丸太にあっさり正体を明かすくだりには笑ってしまいましたが、その後改めて結束を強める描写には少々心が暖かくなりましたね。双子の過去と真実を聞いたうえで涙を流す秋山たちの優しさ・義理堅さも十分に伝わってきました。極めつけはビーバーズの綴りで、最初は丸太の独裁によって“Beavers”にされていた名前が上述の真実が明かされてから“Be birds”に変わっていった流れに不覚にもウルっときてしまいました。秘鳥という偽りの友人の存在を知った今でもこうして力になってくれる、彼らのシュールだけど確かな友情は見事の一言です。

 

 

 そしてガッシュと言えば現在『金色のガッシュ2』という正統続編が描かれている点も忘れてはいけません。月刊ペースなうえ展開が少々遅いと感じるものの、毎回毎回燃えるポイントが多くて最新話が発売されるたびに即購入・即読破して興奮しています。現在はシェリーの旦那の件やブラゴがどうやって復活するのかなどに注目しており、今月の最新話が待ち遠しいですね。作者の雷句誠氏に密かな応援をしつつ、こちらも読み続けていく所存です。

 

 

 ではまた、次の機会に。