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BEYBLADE X(ベイブレードX) 簡易感想(第5~8話)

 

 

 前回の簡易感想から約1か月、再び書き上げましたベイブレードXの感想シリーズ。1か月のペースで感想を上げるので結構忘れそうになりますが、何とか続けることができました。当記事を読んでくださっている皆様にも感謝したいと思っています。

 

metared19.hatenablog.com

↑前回までの感想についてはこちらの記事を参照。

 

 さて今回の5話から8話までのエピソードは「VSチームズーガニック編」とも言うべき内容。いよいよプロとしての仲間入りを果たすチームペルソナが、初の公式戦を繰り広げるところまでの感想を書いていきたいと思います。本格的に現れた強敵の描写やプロブレーダーとしての心構えなど、興味深いところも多く今回も見逃せない要素満載です。

 

 

 

 

 

第5話「いざXタワー」

というわけで駒刃寿司をスポンサーに迎え本格的に結成されたチームペルソナ。第5話はそんなエクスやバードたちがXタワーに訪れる様子が描かれました。ベイブレードのアトラクションとも言うべきタワーに目を光らせるエクスとバード、それを冷めた視線で眺めるマルチの構図が何ともシュール。しかし個人的には年相応にはしゃぐ前者2人が可愛らしいのもあって、見ていて何ともほっこりとさせられましたね。他にも次回以降対立することになる「万獣キング(まんじゅう・キング)」の活躍がいち早く映されるなど、今後の戦いを予感させる「準備回」とも言える内容に仕上がっていたと言えます。

 また上述のXタワーの設備もちょっとした注目ポイント。中でもプロのベイバトル用スタジアムに搭載されている「4Xシステム」には度肝を抜かれました。使用ベイのイメージ(モチーフとなった生物など)を立体映像で具現化させるというシステムは、過去作のイメージ映像のことを考えるとかなり画期的です。ベイから突如モンスターが現れる謎現象をスタジアムのシステムで科学的に説明してみせた点に、過去のベイアニメを見てきた身としては感動させられましたね。他にもマスコットAIの「イチゴー」ちゃんが等身大の映像で現れるなど、どこか近未来的なテイストを感じさせる辺りがたまらなかったです。

 

 

第6話「ライオンズジャングル」

 続く6話も準備回。チームペルソナのデビュー戦の相手「チームズーガニック」を探るため、彼らのスポンサーである動物園「ライオンズジャングル」に足を運ぶエクスたちが描かれました。前回と同じく施設内を堪能する描写(個人的にはエクスにワオキツネザルたちが引っ付くところがここすきポイント)が挿入されて最初こそほのぼのしたものの、キングたちズーガニックのメンバーとの顔合わせ展開は一転してピリピリしていましたね。また同時に、デカいライオンのエリアに降りてくることになるシチュエーションにはちょっとビビってしまったり。

 相手チームのリーダーであるキングは堂々とした立ち振る舞いで、来場者にはヒーローのように扱われているのが特徴的。他メンバーも仕事中での温厚な一面が先に描かれていたので、何だかんだで好意的に見ることが出来ました。そんなキングが仮面Xの仮面の先を覗き込むようなくだりも、彼らが心身ともに強敵であることを大きく印象付けられます。

 またそれすらもプロモーションの好機と考えるマルチもしたたかさも凄まじかったですね。ただの顔合わせかと思いきや、デビュー戦の話題作りのための作戦だったことには舌を巻くばかり。ベイブレードのプロはただ戦うだけではいけない・観客を引き付けるパフォーマンスも必要であることが画面越しに描かれていたと思います。

 

 

第7話「チームズーガニック」

 前2話の準備を終え、いよいよ始まったチームペルソナVSチームズーガニック。1試合目はマルチと「億長トグロ(おくなが・トグロ)」のバトルが繰り広げられましたが、マルチの優勢ぶりに最早笑うしかなかったです。トグロの挑発に乗ってウィザードアローで対抗してきただけと思いきや、同じ土俵で自分が格上であることを見せつけてくる孫悟空を手のひらで弄ぶ釈迦」感は圧倒的の一言でした。勝因もシュート時の安定した姿勢という論理的なもので、これが「ヴァイパーテイル」とのスタミナタイプ同士の対決で差をつけたことにも納得させられます。

 続く2試合目はバードと「チョー・パン」のバトル。こちらは結果だけ言うとバードの敗北でしたが、予想していたよりもずっと食いついていたのが意外でした。チョー・パンの馬鹿力から放たれる「ライノホーン」の防御力に弾き返されてしまったものの、またもや見よう見まねのエクストリームダッシュを決めた辺りにはちょっとグッときます。(というか漫画版の瞬殺っぷりと比べれば善戦していただけ頑張ったな!という反応になる)とはいえ上述のマルチとは真逆で、実力者との力の差を見せつけられる展開だったのは心苦しいですね。ある意味で今後のバードの精進が気になる1戦にもなりました。

 

 

第8話「仮面と獅子王

 それぞれ1勝1敗で終わり、大将戦へと突入した第8話。ついに始まったエクスVSキングのバトルは待たせただけあって、中々に白熱したものになっていました。何といってもお互いのベイの同時エクストリームダッシュ&激突による同時オーバーフィニッシュという、引き分け(ドロー)でひとまず前哨戦が終了する内容にまず衝撃を受けます。エクストリームダッシュはエクスの必殺技みたいな扱いがされているだけに、それを相手も使って引き分けるインパクトは本当に大きかったです。その後の再戦でキングが「レオンクロー」のバランスタイプを活かし、柔軟に戦法を変えてきた点も彼の強者としての風格を際立たせていたと思います。

 しかし両者の戦いに引導を渡すきっかけになったのがキングの戦法の変更というのが興味深いところ。エクストリームダッシュではエクスに分があると理解したからこそ別口で攻めたキングに対し、どこまでも自分の戦術を貫くエクスが勝利する展開は少年漫画らしい熱さがありました。確実な勝利のために少しでも有利な戦い方を選ぶのは当然のことだと思うので個人的には首をかしげることもありましたが、どちらかというと劇中の「王道(我が道)を行く」に沿っているためこれで良いのかもしれません。言うなればこの2人の戦いはどれだけ「自分の力を信じられるか」がキモだった、ということでしょう。

 かくしてチームペルソナがデビュー戦で勝利を飾りましたが、その後のシーンも印象的。バードのビッグマウス伝説(だいたいイチゴーちゃんのせい)にはクスっときましたし、チームズーガニックの面々と握手を交わす様子にも胸が熱くなりました。試合の後はノーコンテスト、互いをリスペクトしあう構図は見ていて気持ち良かったですね。

 

 

 というわけで8話までの感想でした。キングたちチームズーガニックのキャラクターをしっかり立てつつ、チームペルソナの活躍も見せるバランスの良さが素晴らしかったです。特にズーガニックメンバーの中の良好さは魅力的で、7話で敗北したトグロにキングが「精進せよ」と叱咤激励を送るシーンに惚れ惚れしてしまいました。王者を自称するだけの実力と、部下を立てる器量の良さはキングの名に相応しい者だったと思います。

 他にもプロに必要な精神性が描かれていたのも見逃せません。6話でのプロモーション然り、ただ試合で勝つのではなく人々にその力を魅せる努力と自信を持った立ち振る舞いが求められるプロの世界がこれでもかと伝わってきました。ただそれが奥深いとは思うものの、一方で面倒くさそうにも見えてしまいましたね。5話でのスタジアム使用の話などルールもキッカリしており、過去作と比べると少々「窮屈」に感じてしまうことがありました。(ただこれは僕個人の感覚で、今の世代の描写になれていない可能性があります)今後も扱われるであろうこれらの心構えに対し、少しずつ慣れていきたいところです。

 あとはやはりバードの描写にも注目しています。この回ではあまりいいところがなかったものの、4話までと同様可能性を感じさせてくれるパワーはあったと思います。マルチたちチームメイトとの関係も良好ですし(実際次の9話でのマルチとのやり取りがいいんですよね……)、彼の今後が改めて楽しみです。

 

 

 ではまた、次の機会に。