新・メタレドの楽しんだもん勝ち!

様々な作品について語ったり語らなかったりするサイト

ウルトラマンブレーザー 第21話「天空の激戦」感想

支えてくれるからこそ飛べる

ハルノ参謀長ーーーッ!!

早く帰ってきてくれーーーッ!!

.

.

.

.

.

.

.

.

.

.

  • みんなが知っている自分を解き放て!

 今回のブレーザーヤスノブとアンリの2人が主役。アースガロンの新装備の運用実験の最中ヤスノブがGに耐え切れず気絶、たまたま見に来ていた上層部にパイロットから外す指示が出される展開に早くも胸が締め付けられることになりました。実質的な戦力外通告を受け、がむしゃらに体を鍛えるヤスノブの様子は見ていられなかったです。ヤスノブ自身だけでなく、彼のことを想うゲント隊長たちの気持ちも察するに余りある鬱屈とした前半だったと言えます。ただ自主トレ中のヤスノブの体がムキムキすぎてつい気が散ってしまったりしなかったり。

 そんな内容だっただけに、ヤスノブの身を案じて引っ張ってくれるアンリの明るさには救われました。ヤスノブの技量を認めてくれていること、それを理解してくれない上層部への憤りを口にする辺りにも好感が持てます。以前から純朴かつ真面目な性格だと思っていましたが、こういった場面で彼女の長所が活かされているのが何とも気持ちいですね。誰もが悔しさや悲しみを胸に秘めているからこそ、思ったことをすぐ口にするアンリの真っ直ぐなところに見ている側もポジティブにさせられました。

 そうして上層部の判断を無視して、ヤスノブがアースガロンMod.3に搭乗して活躍する展開はベタながらスカッとさせられましたね。アンリのトレーニングに付き合わされた成果なのかある程度耐えられていたのも素敵ですし、何より仲間たちが評価していた射撃テクニックが活かされていたのが見事の一言。アンリやテルアキ副隊長が劇中で言っていた「射撃の腕」を使い、デルタンダルの発光部分を撃ち抜く活躍を見せた瞬間のカタルシスは凄まじかったです。上からは戦力外とされていたものの、決して足手まといではないことを証明するヤスノブ。そして彼を支えてくれたアンリに感動させられる回でした。

 

 

  • 海より浮上し、全てを破壊するトライアングルの影

 14話で猛威を振るったデルタンダルがまさかの再登場を果たした今回。しかも「月光怪獣 デルタンダルB」と呼称されたこの個体は、全長約300mという超巨大な姿で見る人の度肝を抜いてきました。劇中でも説明されていましたが、以前のデルタンダル(45m)の約6倍の大きさを誇ります。これほどの巨大を持ちながら、スピードそのものは以前の個体にも負けていないのですから驚きです。今回もまたアースガロンとブレーザー相手に凄まじい空中戦を繰り広げた辺り、空では無類の存在であることが改めて伺えますね。

 さらにこのデルタンダルBは発光部分から放つ光弾もより強力になっている模様。爆弾のように落として施設を次々と破壊する様は、テルアキ副隊長の例え通り爆撃機といったところです。(名前の“B”も“Bomber aircraft(爆撃機)”から来ているっぽいですね)他にも皮膚の防御力も高く、ファードランアーマーを纏ったブレーザーの攻撃さえもはじき返すほどでした。ただでさえ大きくなって厄介なのに、攻撃も防御も段違いに上がっているというのは何とも恐ろしい話です。

 劇中の戦闘では実際にその強さが遺憾なく発揮されており、ブレーザー&アースガロンと戦って終始優位に立ちまわっていたのが印象的。そのうえエネルギー充填中の発光部分を攻撃すると大爆発を起こす性質も判明し、大気圏外で迎え撃つしかないほどに彼らを追い詰めていました。(発光部分を撃ち抜かれた後も攻撃してくるしぶとさも目に焼き付きました)最終的にはどうにかなったものの、倒すのにも一苦労させられる難儀な敵であったことには違いありません。

 あとは余談ですが、このデルタンダルBが海から出現したことには衝撃を受けました。しかし普段は海中で生息している事実には同時に納得もしましたね。積乱雲から別の積乱雲に移り住むだけで生きていけるのか以前から気になっていただけに、この生息域は結構腑に落ちるところではあります。ここにきて以前のデルタンダルも含めた特殊な生態が判明したのも面白かったです。

 

 

  • 空の覇者に立ち向かう神速の翼

 そして今回活躍したアースガロンの新たな新装備「Mod.3ユニット」の存在も見逃せません。逆三角形の鋭角的な翼を背中に装備し空を飛ぶアースガロンMod.3として空中戦を駆け抜けた様子はかなり鮮烈でした。三角形の形状からも察せられる通りデルタンダルを参考にしているようで、重力制御による高速飛行を可能とする「ウラヌスドライブ」でデルタンダルと同等のマッハ9にまで到達する描写が見られました。加えて大剣外での活動もさらっとこなせるようになり、今回の地球に出てからの戦闘でも遺憾なくその性能を発揮していたのが素晴らしかったです。

 一方でマッハの領域に加速するにかかるGはかなりのものという問題点も描かれていました。上述のようにヤスノブが耐え切れないものとなっているようで、パイロットへの負荷を考えるにまだまだ改良の余地ありといったところでしょうか。また背中に背負う都合上、同じく背面に装備にするMod.2ユニットとの併用が出来ないのも個人的には残念なポイント。状況によって使い分けるのが目的なのはわかりますが、どうせなら同時装備して空中で砲撃!とかを見てみたかったですね。ただ今後のアースガロンの成長と活躍への期待が持てる、新たな力という印象は大きく素敵だったと思います。

 

 

  •  お役所上層部と参謀長の重要性

 上述のようにヤスノブとアンリの活躍にグッとくる回だった一方、上層部に頭を抱えてしまう悩ましい要素も多い回でした。そもそも冒頭の運用テストにお偉方が見学に来るシーンで、エミが「今まで一度も見に来たことなかったくせに……」と愚痴をこぼす様子から普段の扱いが窺い知れます。その結果がヤスノブをパイロットに外す判断なのですから、そりゃあみんな劇中であんなに怒るわけです。そのうえヤスノブを乗せる判断を確認するのに手こずり、その間何とかしろとムチャぶりをしてくる始末。典型的なお役所仕事っぷりに、何とも言えないフラストレーションが溜まりましたね。

 また上層部が急に口を出してきたことに疑問を覚えましたが、これは今までハルノ参謀長が頑張っていたのであろうことが考えられます。思えばこれまでSKaRDが自由に動けていたのも、こうした上層部の締め付けを参謀長が防いでいたのかもしれません。事実参謀長が謹慎処分を受けてから突然上層部が出張っており、出動においても身動きが取れなくなっています。(参謀長が「成果を上げろ」と何度も言ってきたのも、上層部を黙らせるための実績が欲しかったのでしょう)以前は少々口うるさく思っていた参謀長の説教ですが、今となってはあれが恋しくなってしまいます。いなくなってようやくわかる参謀長の重要性を噛みしめつつ、あの人が帰って来る時を心待ちにしていたいです。

 

 

 さて次回はSKaRDのメンバーではなく、とあるサラリーマンが主役になるとのこと。営業先でとあるお婆さんと親しくなっていく中、アルプスの山に現れる怪獣被害に遭うようで……?普段とは異なる人情噺が見れそうな予感に早くもワクワクさせられます。また登場怪獣がレッドキング&ギガスという懐かしいチョイスなのも見逃せません。互いに喧嘩をするように暴れる2体を如何にして止めるのかにも注目ですね。

 

 

 ではまた、次の機会に。