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ウルトラマンブレーザー 第13話「スカードノクターン」感想

夜想曲は静かに奏でられる

SKaRDたちの微笑ましさに反して謎の部分がめっちゃ不穏

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  • 語り合いで知ろうとする夜

 今回のブレーザー実質的な総集編。激しい戦いはお休みで、その分これまでの戦いの記録をSKaRDメンバーたちの会話で見せていくような構成になっていました。本作は情報量の多い作品なので、それらを整理してくれる機会を設けてくれること自体はかなりありがたいところ。また登場人物が「あれは大変だったな~」と呟きながらその時の事件を語っていくので、振り返り事態にあまり違和感を覚えずに済んだのが上手かったですね。本作に限らずここ最近の総集編で見られる手法ですが、実に安定感のある組み合わせだったと思います。

 その一方でSKaRDの仲間たちが繰り広げる会話劇も中々面白かったです。前半はアンリを中心に隊長と副隊長を除いた面子が揃っており、彼女らがプライベートも含めた交流を重ねていく様子に思わず見入ってしまいました。「そういえばこうして話したことがなかったな」といった具合に、相手を知ろうとしていく過程も微笑ましかったです。(個人的には女子だけになった瞬間アンリにメイクの指摘をしたり恋バナに繋げていくエミがここすきポイント)その途中エミが防衛隊のシステムをクラッキングしていたというとんでもない過去をサラッと語ったり、意外な話が出てくるのも興味深かったです。ここにきてそれぞれの掘り下げがさりげなく進んだ感覚ですね。

 一般隊員たちが仲良くしていた中、ゲント隊長とテルアキ副隊長がブレーザーの存在について話していた後半も見逃せません。現状ブレーザーを味方として見ていいのか、と悩む副隊長に対し、その姿勢を尊重してくれる隊長の言葉に感動させられました。「知らないからこそ知ろうとする。知ろうとするからこそ相手のことを考える」といった言葉は、前回ブレーザーの気持ちを知ったゲント隊長だからこそ出てくる言葉だと思います。そして手放しに信頼しすぎずかといって極端に疑心暗鬼にもならず、常に考えようとする副隊長の考えは個人的にも賛同したくなりますね。

 このようにSKaRD所属の面々がそれぞれ「相手のことを知ろうとする」様子を見せていたと思われる回。深夜にさり気なく行われているのも絶妙で、時計の針のみが聞こえる静寂などちょっとしたリアルな間がぎこちなくも近づこうとしている彼らの頑張りが伝わってきました。淡々としすぎていて正直不気味な感触も覚えますが、決して不穏といったわけでないのが素敵だったと思います。

 

 

  • 軌道から繋がっていく可能性

 そして今回は今後の展開に繋がりそうな様々な布石が貼られていたのも大きな見どころ。何といっても前回のゲバルガと1話のバザンガの共通点についての話が印象的で、2体が全く同じ軌道を通って地球に飛来してきたという話には思わず聞き入ってしまいました。(9話のガラモンの軌道のみ異なっていたのが2体の関連性を裏付けている……といった話にも思わず膝を打ちましたね)同時にそれぞれの奇妙な能力・生態についても触れており、劇中で違和感をアピールしていたことにもグッときます。前回の感想で書いた疑問を口にしてくれたことは嬉しかったですし、自分の予想がドンピシャになりそうな可能性に胸が高鳴りましたね。

 これだけでもかなり衝撃的な話ですが、今回はさらに1999年に防衛隊が撃墜した隕石の話も出てきたのが興味深かったです。こちらもバザンガ&ゲバルガと同じ軌道を辿って地球に侵入してきたらしく、さらには4話でエミが調べた「V99」というワードとの関連性もある模様。V99と酷似した隕石の付着物から造られたレヴィーラもまさか……といった考えも出てきますが、それ以上に1999年の隕石もバザンガたちと同様の存在かもしれない点に目が留まりますね。ファースト・ウェイブとセカンド・ウェイブに則ってこの隕石も「ゼロ・ウェイブ」とか呼ばれてたりして……とつい妄想も捗ってしまいます。そして1999年といえばウルトラマンガイア……まさかね……?

 いずれにせよ、これまでのエピソードに張り巡られていた伏線が次々と回収されているような感覚を味わいました。ガラモンの特異性がウェイブの説得力を生み出したり、レヴィーラも関わっている可能性も出てきたりと意外なところで話が繋がっているのが非常に面白いです。同時にヤスノブたちが作為めいたものを感じ始めている描写から、こちらの予想通りに何者かの攻撃が存在していることが確信出来てテンションが爆上がりしてしまいました。不穏ながらも点と点が少しずつ線になっていくことへの興奮を感じつつ、この先に待ち受けている物語に期待していきたいと思います。

 

 

 さて次回は新怪獣デルタンダルが出現。マッハで空を飛び地上に被害をもたらすという予告の説明から既に難敵の雰囲気を感じますが、同時にデルタンダル討伐のための空中戦が繰り広げられることに期待させられます。今回ヤスノブがサラッと触れたアースガロンの新装備も出そうですし、何よりブレーザーの空中での戦いぶりがどんなものなのかワクワクが止まりません。

 一方でエミが上述の隕石の件についてさらなる秘密を探っていく模様。その過程で謎の実験施設の情報を得るとのことですが、正直嫌な予感がしてなりません。重要なことを知りすぎて上に消されるのではないか?といった考えもよぎりますし、エミの身をついつい心配してしまいますね。ただ彼女が調べている情報は視聴者としても気になるので、是非深いところまで暴いてほしいところでもあります。

 

 

 ではまた、次の機会に。