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ウルトラマンブレーザー 第23話「ヴィジター99」感想

彼方の脅威を迎え撃て

ブレーザー「うぉぉ睡眠の重要性!睡眠の重要性!」

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  • 縄張りのために奮い立つ怪獣たち

 何か色々な意味で衝撃の伏線回収が巻き起こった今回のブレーザー。まず冒頭からデルタンダルとの戦闘シーンから始まり、その後の言及から様々な怪獣が次々と現出していることが判明し早速驚かされました。前回の時点で描かれていたレッドキングとギガスの行動といい、地球の怪獣たちが何かしらを察知して動き出していることが見てとれます。さらに“みっちー”こと「及川光宙(オイカワ・ミチヒロ)」なるアマチュア天文家が察知した情報により、宇宙の謎の歪み=バザンガやゲバルガについての情報が明らかになったのも大きいですね。もうこの時点で地球怪獣がこの宇宙の脅威を認識しているであろうと予測することが出来ました。

 そんな中で意表を突いてきたのが何とタガヌラー。3話で登場して謎のビームを上空に発射していましたが、それが宇宙に飛来中のミッチー27隕石=ゲバルガに命中して爆発させていたという事実には仰天するほかなかったです。あの時はブレーザーが咄嗟に上に向けたおかげで助かった話だとばかり思っていたので、まさかタガヌラーが最初からゲバルガの迎撃のために行動しているとは考えもしませんでした。それと同時に、宇宙から脅威を真っ向から立ち向かった事実にちょっと胸が熱くなりましたね。恐らくこの時の攻撃のおかげでゲバルガの地球襲来は遅くなった可能性がありますし*1頑張ってくれたあの時のタガヌラーに感謝したくなりました。

 そして今回日本とアメリカのネバダ州それぞれに出現したタガヌラーたちが、ティーテリウムを食べて宇宙からくる新たな隕石を迎撃する仮説も説明されることに。そのため最初こそ止める気満々だったSKaRDとブレーザーが、タガヌラーのビーム発射の手助けをする展開は結構燃えましたね。防衛隊が発射したミサイル弾を打ち落とし、タガヌラーを守るシーンは結構新鮮に感じました。最終的にタガヌラーは跳ね返ってきたビームに焼かれて2体とも爆散してしまったものの、襲来するはずだった隕石を月に落としてくれたので大金星といってもいいかもしれません。地球怪獣たちが自分たちなりに戦う意志を見せてくれたことに感動しつつ、MVPであるタガヌラーへの好感度が一気に上がる回だったと言えます。

 

 

  • ノンヘルス隊長を寝かせられるか?

 今回もう1つ気になったのがゲント隊長の健康状態について隊長の体調……フフッ非常時の出撃が進む中で睡眠不足からか調子が悪いことが初っ端から言及されており、しかもお医者さんからの診断にも愕然とすることに。「骨量減少」に「筋萎縮」といった言葉から、医療に詳しくない身でも隊長の体がボロボロになっているのが伝わってきました。原因ははっきりしていませんが、やはりブレーザーへの変身を繰り返しているせいで隊長の体がドンドン衰弱していっているということでしょうか。

 それ故にゲント隊長が隊員たちからも心配される様子は、見ていて本当に辛かったです。しかもそんな状況でも隊長は緊急時には前に出てくるので、視聴者側としても本当に気が気ではありませんでした。隊長が前に出て無茶をしがちなのはこれまで散々見てきましたが、今回ほどその悪癖に呆れてしまった瞬間は無かったと思います。ネバダのタガヌラーを何とかするために動き出すシーンではじっとしていられないのはわかるけど……!みんなが心配してくれているのにあんたって奴は……!などと内心叫んでしまったほどです。

 このように未だに「俺が行く。」癖が抜けきらないゲント隊長ですが、彼の問題を解決するのはやはりブレーザーになるでしょうか。実際今回のブレーザーは明らかに隊長のことを気遣う描写が見られましたし、原因の可能性もあるので気が気ではないのかもしれません。ただまぁ、眠らせるためにゲント隊長を殴って気絶させるシーンにはギョッとしつつも笑ってしまいましたね。恐らくは直前に隊員たちが「たっぷり寝てくださいね」と釘を刺していたことから、ブレーザーなりに隊長を寝かせるつもりだったでしょうが……例によって野蛮な面もあるブレーザーが隊長を止められるのか、それも含めて心配になってきました。

 

 

 というわけでブレーザー23話の感想でした。いよいよ終盤に向けて物語が加速し始めたかのような急展開が見どころとなっていましたね。宇宙からの脅威とそれに立ち向かう地球怪獣など、どこか『ガイア』など他作品を彷彿とさせる展開にも胸が高鳴ってきます。やはり怪獣なりに故郷を守ろうと行動している描写は見ていて気持ちいいものです。今回はそんなタガヌラーのおかげで推定サードウェイブこと「ヴァラロン」が月に落下しましたが、このまま済むはずがないのは目に見えてわかります。本作のラスボス候補が地球に飛来するまでの間、SKaRDやブレーザーはどこまで対応出来るのか見ものです。

 あとはやはり今回のゲストであるみっちーが印象に残りました。終始テンションが高くて自己主張の激しいキャラも強烈だったうえ、分析した情報が的確だったのもあって中々のインパクトを残してくれたと思います。ウルトラマンでは度々こういったマニアックな専門家が意外な活躍をする傾向があるので、本作でもその例に漏れず実績を残したみっちーに思わずニヤリとしてしまいます。ウザがるエミとの絡みも面白かったので、また登場して画面を賑やかにしてほしいですね。

 

 

 さて今回で2023年のウルトラマン本編の放送は終わり。次なる波乱を残したまま『ブレーザー』は続くことになります。1月の中頃で終わるであろう本作が、如何なる完結を迎えるのか、残り数話の展開に早くも期待させられます。

 そして次回、年内最後の放送は特別総集編。以前の総集編に出てきたパグがまたまたブレーザーの戦いをまとめてくれるようです。あの時は困惑させられたものの、パグやデフォルメ怪獣のキャラクターは結構好みなので何だかんだで楽しみだったりします。パグたちには年明けの決戦に向けて、ブレーザーを明るく盛り上げてほしいですね。

 

 

 ではまた、次の機会に。

 

*1:その場合セミ人間&ガラモンとの戦いでチルソナイトが回収が遅れる→チルソナイトソードが生まれずゲバルガが倒せずに詰む場合があった……かもしれない。