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デュエル・マスターズ WIN 決闘学園編(デュエル・ウォーズ) 第37話「聖夜!ウィンの祈り」感想

目一杯の愛情を君に

限定のホリデーカードを持っていても違和感がない!そうパパリンならね

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  • 喪った母への想いと埋めてくれたモノ

 デュエル・ウォーズが再開されないまま冬休みを迎えてしまったウィンたち。今回のデュエマWINは彼がウガタを連れて里帰りするクリスマスパーティーとなっていました。久々のパパリンやランナーたち友人の面々の登場に早速懐かしさを覚えます。そのうえウガタが以前の文化祭ではほとんど接点のなかったパパリンたちのノリに驚かされる展開が微笑ましかったですね。視聴者としては最早慣れたものながら、ウガタが驚愕したりツッコミを入れたりするのも当然なので結構新鮮に感じました。

 

 その一方でウィンの母親に関する話が浮上してきたのが大きな見どころ。以前から仄めかされていたウィンの過去についてようやく触れられる時が来たとテンションが上がりましたが、いざそのことを話す際のウィンの態度もあって胸が締め付けられることになりました。「母親が自分を置いてどこかへいなくなった」ということぐらいしか語られなかったものの、これだけで十分ウィンへの寂しさが伝わってきますね。(他の情報がないのは、幼いウィンにとって当時何が起きたのか把握出来ていなかったのもあるのかもしれません)

 また奇しくも、ウィンとカイザは母親を失っているという境遇で同じというのも面白いポイントですね。幼い頃に家族の喪失を味わい、その中でデュエマなど他のものに救われたという辺りも良く似ています。ただ異なるのは、ウィンはパパリンの愛情を一身に受けデュエマを楽しんでいるのに対し、カイザは女神への信仰や母の遺した願いのために強さを求めているということ。劇中でもウィンが「神様なんていないんだ」と悟っていましたが、縋る存在の違いでここまで立場が違っていったことは興味深く思います。

 そして冒頭にて、ボウイとカレン経由でウィンがカイザの過去と願いを知るシーンも印象的。母のために戦っているカイザへのシンパシーを感じたのか、彼を「良い奴」だと語るウィンにどこか切なくも希望のようなものを感じました。何かと対立し合っている両者ですが、幼少期の喪失感やデュエマといった共通点でわかりあえる可能性が出てきたような気がしますね。デュエル・ウォーズが再開された時、ウィンとカイザはデュエマを通して和解までいけるのか俄然気になってくる内容でした。

 

 

  • 楽しんで笑顔を見せて

 上述の通りウィンの家庭の寂しさが明かされてしんみりしてしまったと同時に、彼を健全に育ててくれたパパリンの明るさに救われる内容でもあったことも見逃せません。過去の話でウィンとパパリンが実の親子ではないような口ぶりが気になりましたが(定番のところでパパリンはウィンの母親の兄弟といったところでしょうか)、親子のクリスマスデュエマ対決でそんな疑問がどうでも良くなるくらいほっこりさせられましたね。

 まずパパリンのデュエマを楽しみ尽くす姿勢が素敵なポイント。例えばウィンの《深淵の螺穿 ラゼル=ズバイラル》による選択強要に対し、「手札が増えた方が楽しい」という理由でシールドブレイクを選ぶ様子が何とも微笑ましかったです。ウィンがパパリンのことを「デュエマの全部を楽しんでいる」と評しいましたが、改めてそうだと納得させられる、パパリンのエンジョイっぷりがこれでもかと理解出来ます。

 そして何より感動したのがウィンへのクリスマスプレゼント。追い詰められた状況で敢えてウィンへのプレゼントを渡す展開には驚きつつも、なるほどパパリンらしいと思いましたね。幼い頃の喪失感を抱いていた息子に対し、どこまでも楽しんで笑顔にしてあげようという心意気が描かれていたと言えます。そのうえダイレクトアタックを受ける時の笑顔には思わずウルっときてしまいました。勝ち負けよりも楽しいことを教えたことで、ウィンに笑顔を与えていた斬札ガッツがどれだけ大きな存在かを、今再び感じた次第です。

 あとは何といってもデュエマパートで【GRジョーカーズ】を使ってくれたのが個人的には嬉しかったですね。前作主人公の使用クリーチャーたちをアニメでまた見られたのはちょっとしたファンサービスだとも感じましたし、漫画でのカイザ戦を思わせる《ジョギラゴン&ジョニー 〜Jの旅路〜》と《アイアン・マンハッタン》のコンボには唸らされました。他にも10年前、デュエマの制作関係者にのみ配布されたというホリデーカード《Katta's Crew is Coming To Town(勝太が街にやってきた)で上述のプレゼント渡す展開も衝撃的。そういったカードのプレイングでも納得させられる、パパリンの懐の広さに感服させられるデュエマでしたね。

 

 

 というわけでデュエマWIN37話の感想でした。クリスマス回ということもあって徹頭徹尾ギャグ回になるかと思いきや、ウィンの母親の謎などが明かされる重要回だったので本当に驚かされました。母親に置いていかれたウィンの悲しみ、それを癒してくれたパパリンの愛情にも感動させられる素敵な内容に、最終的には涙が零れそうになりましたね。2023年最後のデュエマアニメに相応しい、実に心温まるエピソードだったと思います。

 その一方で母親にまつわることで発生したウィンの心の闇、それに目を付けた邪神くんなど不穏なフラグも順調に立っている点が気がかり。(ウィンの闇のマナは喪失感からきているということでしょうか)加えてウィンの母親が何故いなくなったのかなど、疑問点もいくつか浮かんできました。この辺りの謎から目が離せないことになりそうですね……

 


 とか何とか思っている中で次回予告ですが、新年最初の回は邪神くんがウィンのを暴こうとついに動き出す模様。「我ならもう1度母親に会わせててやれるぞ?」と彼の心に揺さぶりをかける様子に、見ているこちらの心もざわついてしまいます。ここ最近はマスコット的扱いが目立っていた邪神くんですが、年明け早々久々に邪悪な存在として周囲を弄ぶ姿を見ることになりそうです。

 また予告でジャシン帝が他のクリーチャーたちと戦っているシーンが映っていたのも気になりますね。上の話の流れからしてウィンの心の中に侵入するのでしょうが、何故別文明のクリーチャーと戦っているのでしょうか。(《富轟皇 ゴルギーニ・エン・ゲルス》とかとも戦ってますし)これはもしかしてジャシン帝が封印される前の話も描かれるのではないか……!?といった予想が浮かびますが、ひとまずはウィンと邪神くんのやり取りに注目したいところです。

 

 

 ではまた、次の機会に。