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2023年秋アニメ簡易感想 その24

 

 

 

スーパー戦隊シリーズ最新作

『爆上戦隊ブンブンジャー』

2024年3月3日、放送開始!!

 

 現行の戦隊が終盤に差し掛かる頃、定番である次回作の情報がついにやってきました。というわけで今度の戦隊は久々の自動車がモチーフの戦隊になる模様。(巨大メカが乗り物である戦隊は直近で『魔進戦隊キラメイジャー』がありますが)それも「作る」側に着目するとのことで、車のメカニックが戦隊になるのではないかと既に予想されています。

 さて上のキービジュアルから確認出来るブンブンジャーの3人の見た目ですが、まず頭部のデザインにギョッとしつつスラっとした流麗なボディに目が行きますね。超力戦隊オーレンジャー』を彷彿とさせる意匠は、タイヤのマークをモチーフとしているのでしょうか。インパクト強めでまだ慣れないところはありますが、例によって「動いているところを見ればカッコよく感じる」タイプなのではないでしょうか。口ありマスクも久しぶりですし、一見奇抜ながらある種“戦隊らしさ”というものがあると思います。

 あとはやはりブンブンジャーの作風が気になるところ。キービジュの左上に「COMING BOON」とお茶目なダジャレが書かれているところからして、本作は割とコミカル寄りな戦隊になりそうな予感がしますね。激走戦隊カーレンジャー』然り『炎神戦隊ゴーオンジャー』然り、車がモチーフの戦隊は(とち狂ったレベルで)明るいイメージがあるので、ブンブンジャーにもそういった子どもがワハハと笑える作品になってほしいです。

 脚本はアニメ『ポケットモンスター』や『バトルスピリッツ』、『イナズマイレブン』や『ダンボール戦機』といったホビーアニメを手掛けてきた冨岡淳広。特撮作品は初参加になるようですが、この人なら上述の明るい戦隊を作ってくれそうですね。ひとまずは来年もまた戦隊を楽しめるとワクワクしつつ、続報も待っていく所存です。

 

 

 というわけで以下、今週の簡易感想です。

 

 

 

 

 

 

ラグナクリムゾン

第12話「意志と覚悟」

 まだまだ続くよ銀装兵団たちの準備パート。前回に続いて兵団メンバーのコミカルなやり取りに癒される中なお双子の美少女にケツ穴拡張された哀れなスライム先輩がいる模様ラグナとスターリアの問答に見入ることになりました。これまでのメロメロっぷりから姫様がまともに話せるのかと心配していたのも束の間、惚れた相手だろうと我を突き通す姿勢を確立させた時の凛々しさに惚れ惚れしてしまいましたね。ラグナもそんなスターリアの気高さに「こういう人に生き残ってほしいと思っていた」と思うほどに評価するのも納得です。最初はギャグのまま終わるのかと思っていた2人の関係性ですが、最終的には王者とそれに仕える戦士としては収まりの良いところに着地したように感じます。

 そして要塞にてついにオルト・ゾラ&タラテクトラが襲撃開始。その直前の王都での虐殺を指揮するだけでなく、冷静に状況を見定めるゾラのしたたかさがまず印象に残ります。そんな相手に王都で戦ったラグナの存在を悟られずに戦なければならないので、わずか数分の戦闘シーンしか描かれなかったのの緊張感はかなりのものでした。また「ボルギウス」の忠義も相まって、翼の血族たちの彼らなりの信頼と覚悟が見てとれるのが興味深かったですね。まさに両者必死の戦いが繰り広げられることを確信する、開戦の狼煙が上がる瞬間だったと言えます。

 

 

薬屋のひとりごと

第11話「二つを一つに」

 父親の過去を知った猫猫がとうとう園遊会の事件の真相に到達。阿多妃の侍女頭にして事件の犯人である「風明(フォンミン)」との問答のシーンには終始息を飲みました。前回の時点では親しみやすい雰囲気を放っていた風明が、猫猫の話を聞いていく内に暗く険しい顔つきになっていく過程は見ていて思わず声を上げてしまいそうになります。抑揚のなくなった声と相まって、彼女の豹変ぶりには舌を巻くばかりです。

 一方で風明が隠していた阿多妃の子どもの死の真相は実に悲しいものでした。前回に続いて乳幼児に与えるハチミツの危険性が触れられており、知らないまま与えて殺してしまった彼女の心情たるや察するに余りあります。里樹妃がとばっちりに被害を受けているのはいただけないものの、処刑される最期までその真実を主に隠し続けたという点では風明は見事な忠臣だったと言えるでしょう。

 そんな風明処刑後の切ない感覚を味わった後、直後に猫猫が妄想した「子の取り換え」でさらに衝撃を受けることに。阿多妃の男装の麗人らしさと壬氏と似たビジュアルがここにきてこう繋がるのか!?という驚きに開いた口が塞がりません。どこまでも闇の深い子どもの話に対し、改めてこの後宮の恐ろしさを味わった気分です。

 

 

アイドルマスター ミリオンライブ!

第11話「とびらの向こう 繋がる想い」

 こけら落とし公演の本番が迫る中、今回はプロデューサーの提案で始まった合宿が描かれることに。ミリオンスターズ39人が全員一気に登場し、これまで以上の騒がしさにどこかホッとさせられました。レッスンだけでなく様々な場面で個性豊かな面々が楽しくしている様子を見ているだけで顔が綻んできます。(そんな中寝床のじゃんけんで連敗しながらも最後には勝つ未来がここすきポイント)何より原っぱでの手作りライブでの感触を全員が覚えており、あの時のような感動をもう1度……!と考えているのが素敵でしたね。4話での不和を乗り越え、みんなでやりたいことを繋いだからこそこの連帯感があると思うとグッとくるものがあります。

 そして待ちに待った公演の日。(いきなりスタッフロールが流れ出した時はもう終わり!?と焦りましたね)最序盤のまつりたちもさることながら、ソロの最初を務めた翼に感銘を受けました。9話での美希の指摘に加え、未来や静香の頑張りを見て自分の本気を出すことを選んだ彼女の成長っぷりが最高に可愛かったです。本番中の笑顔は固くぎこちないものになっていましたが、それがかえって彼女の「慣れない本気」に全力を出している様子であることを表していたと思います。はじめは何となく始めたアイドル活動を、今では自分から苦難の道を選ぶほどになった……伊吹翼の物語として、実に見事なゴールでしたね。

 

 

でこぼこ魔女の親子事情

第12話(最終話)「でこぼこ魔女の親子事情」

 魔女親子の物語もついに最終回。しかし話の内容自体はいつも通りといった感じでした。教育に悪い男であるがためにビオラの存在を隠されていたアウリを不憫に思いつつ、フェンネルなどに見せる暴力的な言動の数々故に遠ざけられていたのも納得するほかなかったです。そんなアウリもギリコとルーナ相手にはツッコミに回ったり、情けない泣きっぷりを披露したりするので見ていて飽きませんでした。同時にアリッサがアウリに対しては割と容赦のない言動多めなのが新鮮で、普段は常識人寄りの彼女の意外な一面を知れたのもちょっとした収穫ですね。

 後半はビオラとアリッサ、それぞれの幼少期の話が明かされることに。こちらも例によって色々とハイテンションギャグに振り切っており、事あるごとにツッコミで笑わされましたね。(個人的にはフェンネルを不審者と勘違いしてプロレス技を仕掛けたモブ老婆がツボすぎて腹筋が崩壊しそうになりました)中でもアウリのヤバさがこれまた強調されているのが絶妙で、娘の存在が職質を受ける強化パーツ扱いになる話の流れに笑いが止まりません。それらの話をフェニックスが全てまとめるのも良かったのですが、真面目なパートだとアリッサ母の「愛することの話」には聞き入る部分もあって、最終的には親子愛の話に落ち着いたと言えます。

 

総評

  明らかに見た目が逆な魔女親子の話として見始めた本作ですが、見た目通りのハイテンションギャグといった趣きの作品だと感じました。絵面の暴力とツッコミ役のキレのいい叫びの組み合わせで、終始視聴者に笑いを誘うコミカルさが何よりもウリだったと言えます。下ネタもチラホラ見られるものの決して下品ではなく、むしろ万人に受けやすそうな仕上がりになっていたのも驚きのポイントです。時には真面目に良い話を展開することもあり、見ていて安心感を覚える内容でもありましたね。

 また本作は全体を通して平成アニメの“懐かしさ”といったものが内包されていたのも魅力の1つ。良い意味で動きすぎない作画に声優さんの演技の幅など、一昔前のギャグ作品らしい緩い雰囲気にはノスタルジックな気分にさせられました。序盤はところどころで謎カットによるテンポの悪さ(腕を掴むカットとかわざわざ入れなくてもよかっただろとか思う)が目立ちましたが、慣れてくるとそれもまた味に感じられるのが不思議ですね。総じて古き良きアニメらしさを出してくる「こういうのでいいんだよ」テイストに満ち溢れていて非常に楽しかったです。

 

 

星屑テレパス

第11話「再戦シーサイド」

 素晴らしき神回……!!海果と遥乃がそれぞれの問題を乗り越えてついに始まった瞬を連れ戻すための戦いは、最初から最後まで涙が零れっぱなしになる内容に仕上がっていました。瞬がわざと負けた時の自嘲的態度にまず胸が痛みましたね。自分のせいで関係が壊れるくらいならと、最初から関わらないようにしてきた彼女の不器用な優しさがかえって辛く映ってしまいます。(ある意味で遥乃の似たような距離の取り方をしていることがわかったのも興味深いです)

 それ故劇中で海果が気付いた「みんな居場所を探して傷付いていた」という答えにも深く頷かされます。誰もが弱さを抱えたいることを認めたうえで、互いにそれを受け止める姿勢が瞬の心を暖めてあげるくだりには本当に感動させられました。瞬がとうとう本音を口にするシーンなんかはもうボロボロ泣きまくりましたよえぇ。長いこと続いてきた弱くて臆病な少女たちの物語が、ここでようやくひとまずの完結を見せたことに心の底から安心させられましたね。

 また前半で海果たちにロケット作りをレクチャーした慧たち「宇宙研究開発部」のシーンも見逃せません。軽いノリの「照屋音々(てるや・ねおん)」と身内には辛辣な「夕雲みちる(ゆうぐも・みちる)」の濃さもさることながら、海果を導く慧の物憂げな表情に見惚れることになりました。「不安と失敗を繰り返して成功に近づけていく」という彼女の言葉は、何となくですがそれなりのドラマを感じさせてくれます。ある種前作主人公の趣きで、海果たちを助けてくれる面々も素敵でしたね。

 

 

 

ミギとダリ

第12話「ぼくらの復讐」

 ありがとうバード秋山!と燃える一条邸からの脱出の喜びを分かち合う暇もなく、瑛二の自殺を止めることになったクライマックス。彼に関しては最後まで母親への愛を語っていたのが見どころとなっており、殺した母の遺体の横で眠るシーンは狂気的ながらもどこか悲しかったです。瑛二にとって怜子も間違いなく母親であり、母の求める完璧に応えることが生きがいだったのだと改めて思い知りました。

 そんな瑛二を助けるのがミギではなくダリ、というのがまた良かったですね。最初こそ兄弟だと認めなかったものの、ミジンコの歌で感情や思い出を共有していく流れは見事。「アイツはミギがいなかった僕なんだ」という言葉からも、ダリが瑛二のことを理解してくれたことが伝わってきました。そうして吹っ切れたダリと、何だかんだで支えてくれるミギだからこそ出来る「瑛二を助けて生かす」という復讐の方法には実に爽やかなものを覚えます。

 あとはやはりみっちゃんの幽霊(?)が双子と瑛二を導いてくれたのがここすきポイント。掃除機で炎の中の視界を良くするシーンは何ともシュールでしたが、死してなお彼らを助けてくれるみっちゃんには感激するほかありません。一旦の退場時からどんどん素敵な活躍をしていくみっちゃんへの好感度はもうストップ高ですね。

 

 

 本日は上述のブンブンジャーという新戦隊が始まることにワクワクすると同時に、現在放送中の『王様戦隊キングオージャー』が終わりに差し掛かっていることを実感することになりました。最新話ではラクレスの真意などが一気に明かされていく怒涛の伏線回収に興奮させられた分、もうすぐ終わることに一抹の寂しさを抱いてしまいますね。

 キングオージャーは様々な面で従来の戦隊とは異なる要素を推しだしており、それが結果的に大いに話題になりました。(「ネット流行語大賞」でも作品タイトルが3位を取りましたし、オタクの間での人気が伺えます)こんな戦隊はもう2度とないでしょうし、ブンブンジャーの前にキングオージャーの完結を厳かに見守っていきたいと思います。

 

 

 ではまた、次の機会に。