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2023年春アニメ&特撮簡易感想 その3

 

 

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 『仮面ライダーディケイド』で主演ヒーローを務め、その後『牙狼GARO>』シリーズで魅力的な悪役を演じた俳優・井上正大さん。そんな特撮ファンの間でも有名な井上さん自身がプロデューサーとなり、さらに主演として活躍する特撮ヒーロー作品華衛士(センテイカ)F8ABA6ジサリスのPVが先日公開されました。こちらは「YouTube発の特撮ドラマを作ろう」という考えから始まった「PINKの特撮」プロジェクトで作られた作品で、以前から井上さんのYouTubeチャンネルでメイキング動画ばかりが公開されていましたが、ついに作品そのものの完成の目途が立ったようです。

 さてそんなジサリスは主演の井上さんの他にも松田悟志さんや賀集利樹さんといった同じくライダー俳優が出演しており、他スタッフも脚本・田口恵氏にヒーローデザイン・高橋健氏と牙狼シリーズで関わった面子ばかりなどかなり気合が入っています。上のPVからも映像へのこだわりが感じられますね。ストーリーに関しては主人公はヒロインを殺害することが目的とのことなので、深夜特撮のようなスリリングな内容が期待出来ます。5月に配信が決定したようですし、ジサリスの全貌を見るのを楽しみにしていたいです。

 

 

 というわけで以下、今週の簡易感想です。

 

 

 

 

 

 

ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン

第38話(最終話)「ホワット・ア・ワンダフル・ワールド」

 宇宙が「一巡」するというとんでもない事態から始まった6部最終回。生きている人間全員に宇宙の終わりまでを体験させることで、彼らにこの先の未来全てを理解させる「強制ネタバレ」とも言うべき状況には唖然となりました。「これこそが天国」だの「覚悟は幸福」だのとのたまうプッチ神父に対して眉をひそめずにはいられなかったですね。(ただプッチの過去から読み取ると、この男が妹を死なせた後悔からこのようなものを求めてしまったことは理解出来るんですよね
 そんな世界で徐倫たちの死を理解し、立った1人で逃げ惑うエンポリオ。最初こそ情けなさが目立っていたものの、ウェザー・リポートのDISCを自身に挿入させてからは一転して覚悟を決めた少年のカッコよさに溢れていました。独善的な天国を押し付けてくるプッチに対し、「みんな未来なんか知らなくても覚悟があった」「正義の道を歩むことこそ運命なんだ」といったセリフを放ち倒すシーンは最高にスカッとしましたね。(前者のセリフは何とアニオリという)前回徐倫が託してくれた希望を見事に受け取り、血統ではない意志を受け継いでみせたエンポリオの勝利をアニメで味わえて何よりです。

 戦いを終えてからはエンポリオ徐倫そっくりの「アイリン」たちと出会って終わるという、どこか切ないラストとなりました。徐倫たちが死んでしまったのは悲しいものの、その魂はアイリンたちとなって救われたのだろうと感じます。エンポリオの頑張りにより、ジョースターの血統はようやく戦いの運命から解放されたとも取れる最後でしたね。

 そしてジョジョアニメ特有の「終盤の特殊OP&ED」も忘れてはいけません。OPのメイド・イン・ヘブン戦を意識した演出もさることながら、歴代のジョジョの要素満載の点がたまらなかったです。(歴代OPのオマージュもたくさんあるのが素晴らしい!)さらに1部&2部のEDとして使われた「ROUNDABOUT」が流れた時は鳥肌が立ちましたね。過去の部のシーンを挟みつつ星がエンポリオの元に降りる映像といい、ジョナサンから始まった長いジョジョの歴史が終わったことを実感させてくれる最高の演出だったと言えます。

 

総評

 2012年に始まったジョジョアニメもついに6部完結まで来ました。6部は難解なシーンや映像化の難しい要素が多くアニメもどうなることかと思っていましたが、蓋を開けてみればこれまで通りの愛に溢れたアニメ化でしたね。絵に声と動きが付いたことで戦闘で何が起こっているのかが原作よりもわかりやすくなっており、とっつきやすさを得ていたと思います。同時に徐倫のオラオララッシュといった重要な場面での声優さんの演技、そして作画の力の入れようもあって迫力のあるスタンドバトルを見ることが出来ました。上述のエンポリオのセリフやラストシーンにFFが追加されているなど、ファンとしても唸らされるアニオリが満載だった点も嬉しかったところ。

 またアニメとして振り返ったことでジョジョが描く“精神性”を再確認出来たのも個人的には大きなポイント。運命という避けられない事態に対しどうあるべきか、次の世代に何を残すのかといった強い勇気と想いが6部には一層強く込められていたと感じています。そのうえで1部から始まった因縁に決着をつけ、ジョースター家の戦いを終わらせる役割を果たしてくれたのも特徴的。主人公である徐倫のタフな強さやそれを学び取って黄金の精神を受け継いだエンポリオなどの魅力を改めて味わいつつ、見たかったシーンを最後までアニメで堪能出来て楽しかったですね。約10年に渡ってジョジョの物語をここまでアニメ化してくれたことに感謝を伝えたいです。

ここまで本当にありがとうございました!!そして7部のアニメ化も待っていますね……!!

 

 

Dr.STONE(3期)

第1話「NEW WORLD MAP」

 ジャンプ発の科学漫画・「Dr.STONE(ドクターストーン)」のアニメもついに3期に突入しました。以前の龍水編から約半年、ずっと心待ちにしていたので嬉しかったです。そして何と言っても原作のエピソードの中でも特に面白い部分がアニメ化されるのが大きな注目ポイント。OP映像から早くも期待に胸を膨らませることになりましたね。

 本編ではこれまで触れてこなかった食料問題の解決させるための展開が描かれていました。気球に乗って地図をマッピング、見つけた小麦を農耕で育てつつパン作りに挑戦とテンポよく進んでいくので実に見やすかったです。(そして「現代人は舌が肥えている」問題を描いたギャグも軽いノリで良かったです)マインクラフト風のCGシーンも挿入されており、見ていて楽しい作風は健在といったところでしょうか。

 また今回は最近影が薄かった大樹にスポットが当たったのが見どころ。体力無限かつひた向きな彼が農耕という最適なステージで活躍する場面は妙な爽快感がありました。また千空から教わった貝殻の使い方を実行するなど、雑頭と呼ばれながらも決して馬鹿ではないことがわかるシーンが多いのも魅力的。千空の初代相棒として、自らの役割を見出してみせた大樹にグッとくる回でしたね。

 

 

TIGER & BUNNY 2

第2話「No one knows the weight of another's burden.(他人の荷物の重さは、誰にも分からない)」

 前回から生意気だった強い新人ヒーロー「仙石昴(せんごく・すばる)/Mr. ブラック 」にスポットが当たった第2話。今回も先輩たちに対する失礼な態度を取っていましたが、彼なりに悩みを抱えていたことがわかり少々印象が変わりました。マイナーヒーローだった過去と共にチームを組んでいた仲間のために功を焦る様子はどこか危なっかしくて、そんな若さ溢れる背中をつい保護者のような目線で見てしまいます。最終的に虎徹からの言葉を受けて反省したようですし、ここから如何に成長していくかに期待したいところ。

 他にも主人公2人がヒーローを続ける動機について触れられていたのも印象的でした。特に復讐のためにヒーローになったバーナビーが、今どのような気持ちでヒーローであり続けているのかがよくわかりましたね。黒い感情が未だに燻ぶっているものの、虎徹とならそれを乗り越えられるかもしれない……というバーナビーの相棒への信頼が感じられる回でもありました。(水を渡す際のそれぞれの思いやりが感じられるシーンもここすきポイント)

 そして変身や戦闘といったヒーロー作品らしいシーンも魅力満載でした。まずタイガー&バーナビーのスーツ装着シークエンスが特撮ヒーローばりにメカニカル&ヒロイックになっておりワクワクさせられます。極めつけは「Hyper Good Luck mode(ハイパーグッドラックモード)」!!前作と同じく威力に変化はないのでしょうが、必殺技としてのカッコよさは間違いなく向上していると思いテンションが上がりましたね。素敵なスーツをありがとう斎藤さん!!

 

 

ちびゴジラの逆襲

第2話「三つ首の邪神 ちびギドラ」

 キングギドラモチーフの「ちびギドラ」が登場した今回。3つの首ごとに性格が異なるというキャラはらしいと思っていた中、右の首の真っ黒な性格にドン引きしてしまいました。フレンドリーな顔して「保証人」やら「友情をお金に変える」やら、朝7時の幼児向け番組とは思えないワードを出してくるのでインパクトが凄まじかったです。(そして真ん中の首は「メゴやん」とか変なあだ名を付けてくることを除けばまとも、右は暴力的ながら単純という)

 また首は別々なのに体は一緒なせいでお腹も痛みも共有している設定がちょっと気の毒に感じられました。「他人が食べたもので太るなんて一番イヤ」という訴えの切実さにほろりときてしまいます。(普段は言うことがバラバラなのに嫌なことでは意見が一致するのも生々しい)一方で松茸が好きという元ネタではありえない好物にはほっこりしましたね。……ところでちびゴジラが異様に推していた「スーパーだいなし」って何?

 

 

遊☆戯☆王ゴーラッシュ!!

第53話「遊飛やさぐれ列伝」

 前回の引きからしてアイツが負けるのは予想していましたが、まさかカードにされるとは……遊戯王シリーズではありふれた展開ながら、前作共々そういった危険な要素は無縁だったのでちょっとびっくりしましたね。負けたものをカードにしてしまうショッキングな光景を見て、久々に「いつもの遊戯王」の感覚を味わった気がします。

 またデュエルパートも中々に面白かったです。墓地のモンスターでフュージョンしたり、久しぶりにマキシマム召喚がされたりと絵面も派手で見応えがありました。墓地フュージョン魔導騎士セブンス・チャリオットやマキシマムモンスターの深淵海竜アビス・クラーケンといったそれぞれのエースもいつになく気合の入ったCGで描かれていたのでカッコよかったですね。

 そして遊飛がこのデュエルを目撃していたということが判明。自分の無力感を味わったが故に今のようになってしまったことがわかりやさぐれ具合にも納得がいきました。しかし所詮ただの子どもに何か出来るわけがない……とスレてしまっている遊飛の姿はやはり見ていて胸が痛みます。(そのくせ不良仲間の悪いことを諫めるなど根の善良さは失われていなくてにっこり)とはいえそのデュエルの際にアイツが何かを託してくれたようですし、遊飛がここから再起してみんなを引っ張っていくと信じたいです。

 

 

ウルトラマン ニュージェネレーション スターズ

第11話「未来からの言葉」

 今回はデッカーことカナタの担当回。映画館で観た最終章以来の登場でそこまで時間が空いていたわけではありませんが、何だかんだで久しぶりにカナタが見れて嬉しかったですね。彼の視点で『デッカー』本編を振り返っていく内容も微笑ましかったですし(グレースさんについてもしっかり触れてくれたのが嬉しい)、同時にディメンションナイザーが自分の世界の未来から送られてきたことを訝しむなど興味深いシーンもチラホラ見られました。

 などと思っていた中、後半に入ってからゼットやエックスの記憶が乱入してくる展開が始まってびっくり。ウインダム繋がりで特空機の話を知るなど、意外な連想ゲームに劇中のカナタ共々驚くことになりました。とはいえロボットを見て目を輝かせるカナタの純朴さがこれまた素敵に感じました。本編ではトリガーやダイナといった自分に関係のあるウルトラマンとしか絡んだことのないカナタにとって、別次元のウルトラマンの新鮮さに触れられたのは良いことだと思いますね。

 

 

 ちなみに上のジサリスですが、はじめはPINKの特撮プロジェクトそのものが破綻の危機にあった模様*1その時井上さん自身も精神的に大変だったようですが、こうして再開した後作品を見せてくれるまでになったことにホッとしています。思い通りにいかないこともあるでしょうが、井上さんには素敵な作品をのびのびと作っていってほしいですね。

 

 

 ではまた、次の機会に。

 

*1:何でも仮面ライダーバイス』の発表に色々と衝撃を受けたらしい。