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2023年春アニメ&特撮簡易感想 その14

 

 

 

 現在放送中の『機動戦士ガンダム 水星の魔女』。本編最新話の急展開に思わず声を上げてしまった人が多かったと思います。かくいう僕も感想などで色々と複雑な心情を吐露してしまいました。とはいえ毎回毎回飽きさせない内容には何だかんだで楽しめているので、毎週期待している作品の1つになっています。

 そんな水星の魔女ですが、ここ最近ネットの視聴者の間で「ガンダム・シュバルゼッテという機体が話題になっているのが目に留まります。ガンプラの商品情報で初めてその姿を見せた機体で、未だに本編で登場していないガンダムの1機です。未登場の機体が何故話題になっているのかというと、「誰がこの機体に乗るのか?」ということで注目を集めているからですね。本作のガンダムがかなり危ないものとして見られている以上、これに搭乗する人物はよほどの覚悟を持っているか色々狂っているかのどちらかでしょう。なので今のうちに予想する人たちが多く出てくるのも納得ではあります。

 そしてジェターク社製のダリルバルデに似た部位が多いことからラウダなどのジェターク寮の誰かが乗るのではないかと当初は予想されていたシュバルゼッテ。最近になってスレッタが乗る説が出ていると聞いて驚愕してしまいました。なるほどエアリアルもミオリネも失ったスレッタがプロスペラに騙されて乗ってしまう、なんて展開も十分にありそうですね。大切なものを失って心を病んだスレッタが、この機体に乗るイメージも想像に難くないです。

 また機体名であるシュバルゼッテ(Schwarzette)はドイツ語で「黒いもの」や「不幸」を表すSchwarzから来ています。加えてette女性形を表す接尾辞だということ、その意味は「代用品」「紛い物」だということを知った時は衝撃を受けました。まさに偽りの娘として育てられたスレッタそのものを指しているように思えてなりません。この説には思惑信じてしまいそうになるくらいにはパワーがあると感じますね。何より本編に出てすらいない機体をここまで熱く語っているネットのファンたちに、どこか微笑ましいものを覚える今日この頃でした。

 

 

 というわけで以下、今週の簡易感想です。

 

 

 

 

 

 

【推しの子】

第6話「エゴサーチ

 辛い、あまりにも辛すぎる……アクアが参加する恋愛リアリティーショーで起こった不祥事から、「黒川あかね(くろかわ・あかね)」がネットの悪意に晒される展開に心が折れそうになりました。発言した当人にとっては何気ない言葉がどれだけ他者を傷つけているのかが、声が付いたことでより残酷に映し出されていたと思います。ネット上の心無いつぶやきラッシュの演出には何度も目を覆ってしまいそうになりましたね。(実際録画を見ている最中何度か一時停止してしまいましたよ……)

 そんなキツい現実に打ちのめされるあかねの様子がまた見ていてしんどかったです。なまじ真面目であるだけに、自分への罵詈雑言も1つ1つ読んでいく過程はあまりにもエグいの一言。彼女の心が壊れていく様子や過去描写などがアニオリで追加されている他、歩道橋で飛び降りる寸前の瞬間に切り替わる演出に息を呑みました。情報化社会で便利になった反面、こうしたネットの闇に負けてしまう若者を克明に描いていくことに息を呑みっぱなしの回でした。

 それだけにアクアが助けに入るラストが救いでしたね。自分の利害関係なく助けてくれるヒーロームーブにはちょっとだけホッとさせられます。実におつらい回だったので、テンションの上がるEDの入りだけでも安心感を覚えました。

 

 

山田君とLv999の恋をする

第7話「安心したいですか?」

 今回は珍しく山田の視点を中心とした話作りでした。冒頭からコンビニ女店員相手にもぶっきらぼうだったり(とはいえ知らない店員にいきなり話しかけられるのは少々怖いですが)と他人に興味の無さそうな素振りを見せながらも、茜に目が離せなくなっている山田の様子にキュンキュンさせられます。寝ている茜の髪を下すシーンでは、徐々に彼女に惹かれつつある彼の心境の変化を表しているかのような印象を受けました。

 さらに茜の元カレ(敢えて茜に合わなかった辺りにちょっと見直しました)との対面でも、山田にとっての彼女の存在の大きさが感じられます。見ていて危なっかしいところもあるものの、だからこそ姿を見ることで安心出来るとして茜を捉えている節があるように思えます。これが恋心なのか、そして山田自身がその気持ちに気付くことはあるのかと気になって仕方ありませんでした。

 そしてクラスの女子とゲームで話すなど、山田のリアルでの関係性が垣間見えたのもポイント。彼女とはどういう関係なのかとまず勘ぐってしまいますが、まぁあくまで友人に収まっているのかもしれませんね。(あと余談ですが、普段のアバターはすごく小さいのにバトル時はめちゃくちゃ強いらしい鴨田さんに萌えてしまいました)

 

 

スキップとローファー

第7話「パタパタ モテモテ」

 ついに生徒会に入った美津未ですが、生徒会に入れなかった高嶺先輩の姿が痛々しくてそれどころではありませんでした。生徒会長選挙で「風上紘人(かざかみ・ひろと)」とに敗北し、ずっと目指していた会長の座を手に入れられなかったのがあまりにも気の毒に思えてきます。(そして風上くんは軽い気持ちで会長を始めたのがまたエグい……)たった1つのことを必死にに打ち込んでも、何でも出来る相手に横から掻っ攫われることもある……劇中で美津未が独白した「「努力はいつか報われる」と信じ続けるのは怖いこと」という言葉に心が痛む話でした。

 そんな高嶺先輩を救ったのは意外にも兼近先輩。最初こそいつものようなデリカシーの欠片もない発言に呆れてしまいましたが、自分の処女作を見せて元気づける不器用さに一転して感動させられます。恥ずかしいことを見せながらも自分の夢に向かって楽しく一直線!とも言うべき兼近先輩のスタイルに、高嶺先輩も心の余裕を取り戻してくオチに大いにほっこりさせられました。

 そして後半は夏休み直前ということでワクワクしていた美津未が、志摩くんとの関係にドギマギしていく様子が面白かったです。みんなと一緒に遊ぶはずが、志摩くんに2人だけと誘ったり、そこに突っ込まれなかったことにモヤモヤする姿が何とも微笑ましかったですね。彼の友人であることは決して悪いことではないけれど、気兼ねない友人のままなのはどこか癪なのかもしれません。前回に続いて友情と恋愛の狭間で揺れ動く主人公たちにニヤニヤが止まらなかったです。

 

 

この素晴らしい世界に爆焔を!

第7話「水の都の迷惑教団(トラブルメーカー)」

 アクシズ教団はやっぱり邪教……サブタイとアルカンレティアに到着した冒頭で既に嫌な予感はしていましたが、アクシズ教の最悪なやり口に絶句することになりました。あのアクアの教義に従って周囲に迷惑を振りまく悪質な様子には呆れを通し越して恐怖を覚えます。(しかも被害者面を気取るのがタチが悪い)今まではめぐみんが何かと周囲を翻弄してきましたが、さしもの彼女もアクシズ教のぐーたら・ろくでなしっぷりには振り回されているのがとにかくシュールでしたね。

 というか本編でカズマが嵌められた勧誘方法をめぐみんが発案した事実には愕然としました。そのうえロリロリ呼ばわりされることを嫌っているくせに、いざ相手を嵌める際は自分のか弱さを存分に利用するめぐみんは流石といったところ。勧誘対象(カモ)を相手に自分の体すら活かす点には一周回って感心してしまいます。「ゼスタ」をはじめとしたアクシズ教の連中を前にしても、自分の力を誇示するためにあの手この手で行動出来るめぐみんのしたたかさも中々のものだと改めて感じました。

 

 

贄姫と獣の王

第5話「不死と再生の聖獣」

 意地悪な姑宰相の策略によって聖獣を召喚することになったサリフィ。王様の役に立ちたい一心で召喚の儀を始めた彼女が、前回から見られていた自己肯定感の低さが少しずつ見直していく過程が印象に残りました。最初こそ「自分はどうなってもいい」というサリフィの態度に不安と苛立ちを覚えましたが、それが王様を悲しませることを知ったことで生きて帰る決意を固める様子にグッときます。自分を必要としてもらえるのではなく、既に自分を大切に想ってくれている人たちのために頑張れる姿は見ていて応援したくなりましたね。

 そうしてフェニックスの「ベンヌ」を呼び出してからは、彼の想いを寄せていく展開に胸打たれました。ベンヌは尊大な態度を取るもののその実不死の力を失って必要とされなくなった悲しい過去持ちで、「今のままなら頼られずに済む」と後ろ向きな独白でその身の上を描写していたのが特徴的。期待され失望されることを恐れている姿に同情を覚えたので、終盤サリフィのために再び飛んでみせるラストには感激しました。必要とされないことに恐れや諦めを抱いていた少女と聖獣が、互いを必要とすることで解決する流れが素敵でしたね。

 

 

華衛士(センティカ)F8ABA6ジサリス

第2話「はいきょにさく花」

 

けいたいへんか

「携帯変華」

 

Are you ready?

 

 ついに主人公の変身&アクションシーンがお披露目された2話。何と言ってもジサリスのガチャガチャとした変身もとい変形のプロセスに度肝を抜かれました。人間の姿がデータのように流れていき、黒い素体がひっくり返ることで変形する様子は圧巻の一言。(当初は『ギーツ』のリボルブオンかな?と思いましたが、プロデューサーの考慮するならば『ディケイド』のファイナルフォームライドと例えた方が妥当かもですね)スマホを変身アイテムにしている点も珍しく*1、さながらアバターを変えてゲームを進めているかのような印象を受けました。

 戦闘シーンでも大鎌を駆使した派手な絵面に圧巻するばかり。ドレスの女や兵士たちを薙ぎ払い、巨大なクマのぬいぐるみの体をバッタバッタと斬り倒していく様子には惚れ惚れさせられます。ジサリスの余裕たっぷりの態度も相まって、終始スタイリッシュなアクションのクオリティに心奪われましたね。(そして今回の世界が「捨てられた玩具たちの世界」だと知った今では倒されていく彼らに哀愁を覚えます……

 また変身に使用したスマホがアユカのものだった点にも注目したいところ。最初ジサリスが彼女に変身するよう促していたことからも、あの姿は本来アユカが変身するべきものだということでしょうか。ラストに再びアユカを殺害したことも、彼女が生きられる世界にまた飛ばすためとも読み取れます。ジサリスがアユカに何を望んでいるのか、そこに物語のキモが隠されていそうな予感がしますね。

 

 

機動戦士ガンダム 水星の魔女

Season2もまだ間に合う!『機動戦士ガンダム 水星の魔女』スペシャル特番

 またもや本編の気になるところで挿入された総集編。続きがすぐに見れないのはじれったいですが、本作の総集編はネタが多くて楽しめるので何だかんだで楽しみにしていました。(過去のナレーションなどを思うと結構好きな総集編の部類です。)

 というわけで今回のナレーションは誰かな?と思って見たところ、「母の日だから」ということでプロスペラ役の能登麻美子さんが抜擢されたことに早速吹き出してしまいました。2クール目序盤の振り返りをプロスペラみ溢れる声色で解説していくので、いけしゃあしゃあな態度に何度もどの口が!どの口が!どの口が!(ノレア並感)となりましたよえぇ。他にも「水星女って私も含まれるのかしら?」とか「姑の胸ぐらを掴む花嫁」など、例によってパワーワードが連発されたおかげで終始笑いが止まらなかったです。

 また今回は能登さんだけでなく、他の本編出演声優さんたちが登場していたのも大きなポイント。ほぼ全員が自分の役になりきって演技しているので、さながら本編の裏側でコミカルなやり取りを繰り広げているかのような感覚を覚えましたね。冒頭の気持ち悪がられるエラン5号はまだ耐えられたのですが、「風向き、変わりそうね」を完全に持ちネタにしたペイル社のCEOおばさんたちに腹筋を破壊されてしまいました。

 

 

 

 シュバルゼッテ以外にも、水星の魔女には現在「デミバーディング」なる機体の登場も控えています。こちらはデミトレーナーを戦闘用に改修したかのような武骨さが素敵ですね。背面の大型バックパックに頭部らしきものが付いていることから、ドローン兵器のように分離させて連携攻撃する、何てことをしてくれそうでな予感がします。

 そしてチュチュ専用のデミトレーナーっぽさもあることから、チュチュがこの機体に乗るのではないかと今のうちに予想しておきます。決闘どころではなくなった中、チュチュが地球寮のみんなを守るために自身のデミトレを実戦用にしたのかな?なんて妄想が止まりません。あくまでこうだったら面白いかも程度の話ですが、ちょっと期待したいところです。

 

 

 ではまた、次の機会に。

 

*1:一応スマホアプリで変身する特撮ヒーロー作品は以前にも『ザ・ハイスクール ヒーローズ』が存在するが。