いつか 未来さえ 超えて
運命を破壊し、明日を創造せよ
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
- 傲慢な創造主は嘲笑う
ついに始まったジサリス2最終回。前回ラストのフォビアの機転で大逆転を迎えるかと思いきや、意外と強いゼーゲンの無双っぷりに驚かされることとなりました。センティカのように携帯変華こそしないものの、重力球なるものを操りフォビアとデジールを一撃で叩きのめしてみせたので面食らわずにはいられなかったです。彼の兄のオルグリオが似たような技を使用していましたが、兄弟という設定がこうした技を出す形で活かされたのは何とも興味深いです。(何より生身アクションのキレが中々に良くて、栗山航さんが『牙狼<GARO>』で度々披露してきた身体能力を活かしているのがファンとしてはたまりません)
そのうえゼーゲンの悪辣さが十二分に発揮されていたのが印象的。ジサリスを追い詰めつつ、既に死んでいるゾルンの肉体をリボルトレコードで操るシーンには思わず引いてしまいました。リボルトのヤバさは以前から描かれていたものの、センティカの尊厳を完全に無視して道具としか見ていないのが改めて伝わってきます。またジサリスに感情を抑制した世界=誰もが創造主の意のままとなった世界を平和と語るくだりも、自分の思い通りになればそれで良しという傲慢さがこれでもかと表れていましたね。ここまで暗躍し続けてきた男が如何に恐ろしい支配者(ラスボス)なのかを、この数分で堪能した次第です。
- 闇を裂く君の“勇気(ジサリス)”
そんなゼーゲンの猛攻にハラハラしたのも束の間、それを食い止めたゾルンの行動に少々感動しました。肉体的には死んでいるとのことでしたが、アユカを守るために操られた体を動かして盾となってくれる瞬間に彼女の意地を見た気分です。何より以前の回想でジサリスの力になりたいといった想いを吐露していただけに、ようやく彼の味方になれたのだと思うと涙ぐんでしまいますね。愛しい相手とガンディアルの板挟みになって良いとこなしだったゾルンですが、最後の最後に自分の感情のままに望むことを果たせたと言えるでしょう。変身が解けた後の遺体が少し微笑んでいるのがまたウルっときちゃう……
直後のジサリスの反撃も印象的。何といってもフォビアの銃→ゾルンの鞭剣→ヴァニタスのガントレット→デジールの剣と他のセンティカたちの武器を次々使っていく光景は胸熱の一言でした。さながらゼーゲンに利用されてきた仲間たちの無念を背負っているかのようで、生身戦闘ならではの良さも詰まっていましたね。ゼーゲンを倒す瞬間は予想よりもアッサリしていたものの、自分の武器の合体ギミックを活かして意表を突くなどトリッキーな戦術も相まって見ていて飽きなかったです。
同時にこの戦いの勝敗を分けたのは“感情”と“絆”の差、とも言うべき展開であることが何となく読み取れます。思えば個人の感情を排した世界を至上とするゼーゲンに対して、ジサリスは自分の意志で考え・自分の感情と向き合うことこそを「生きる」ことだと否定していました。そのためなら世界を管理する組織にだって反旗を翻していって、次第に関係が深くなった仲間との協力を得てここまでたどり着いたのでしょう。この勝利はまさに、自分を信じたジサリスの勇気の結果なのかもしれません。
- 次の世界へ さぁお休み
ラスボスとの戦いも終えて、後半はいよいよジサリス本来の目的に。ゲートの先にある世界を再構築する機構「シビュラ・レブ・アニュラス」を使い、分断された世界を1つにすることが明かされました。起動には全てのレブシールが必要らしく、何故これまで他のセンティカのシールを集めていたのかという疑問もここで解消されましたね。ガンディアルとセンティカによって管理された歪な世界をまとめることで、個々人が自由に生きられる世界を生み出すことこそがジサリスの目的だったのでしょう。
しかしそこで天邪鬼を発揮するのがジサリス。付いてきたアユカを殺し、彼女を転生させることで自分だけ犠牲になることを選んだ時は納得しつつも何とも言えない気分になりました。というか転生させるために必要とはいえ彼女を気軽に殺しすぎだろ!とシーズン1の頃から思わなくもない。一度助かったと思ったら体が砕け散り、完全にジサリスは死んだと追い打ちをかけられたのもショックでしたね。みんなのために行動しながらも、最後まで露悪的に振る舞ってみせたジサリスの最期に切ないものを覚えてしまいます。
そして再構築されたとされる世界が少しだけ描かれてエンディングへ。1期のOP「ジサリス」と共に、これまでの登場人物が一気に出てくるのが終わりであることを実感させてきましたね。他にもこのエピローグは短いながら見どころが多く……
- 声の世界の人間たちと仲良く過ごす吼太郎(魔狼兄弟がまたもや出演してくれて嬉しい!)
- デジールが部下の人たちに掃除の仕方を教えられるアットホームな光景
- 失った家族と共に過ごす、穏やかな日常を取り戻したヴァニタス
- ラドキーパーにオルグリオ、ゾルンと死んでいった仲間たちも復活。特にラドキーパーが無事で良かった……
といった感じにキチンとその後を描いているのが好印象でしたね。唯一ジサリスがいないという喪失感はあれど、彼が守った世界の証が残っていることを実感出来るため悲壮感もほどほどで済みました。アユカがジサリスの形見のペンダントをガーベラの花(ジサリスのモチーフ)の横に添えるラストも相まって、どこか美しく話が締められたと思います。
そして最終回の感想からそのまま簡単な総評をば。
↑第1期(シーズン1)の感想は上の記事を参照。
2023年に配信されたジサリスの続編である第2期(シーズン2)でしたが、物語としては前作と合わせて綺麗にまとまったかなと思います。そう感じた理由の1つとして、シーズン1の時は不明瞭だった戦いの構図が、ガンディアルの介入により一気に分かりやすくなったのが大きかったのでしょう。「ガンディアルに反旗を翻したジサリスVSジサリスを粛清しようとするガンディアル」という対立関係がはっきり描かれており、同時にそれらを倒す主人公の目的もハッキリしていたのは見やすさにおいてかなり重要でした。
特にシーズン1の時点では怪しい立ち振る舞いをするだけだったゼーゲンが、本格的な悪役として頭角を現してきたのは注目ポイント。何を考えているんだコイツは?という印象から脱して、ようやくボスキャラらしい一面を見せてくれていました。おかげでジサリスがコイツを倒せばいいと直感で理解出来ましたね。主人公が何と戦っているのか、誰が敵役でどうやって倒せばいいのか。それらが視聴者にも伝わるようになっていたのはシーズン1からの明確な改善点と言えるでしょう。
あとはジサリスを筆頭に各登場人物の掘り下げが行われ、どういうキャラクターなのかが明瞭になっていたのも見逃せません。以前はどういう人物なのか計りかねているキャラばかりでしたが、ようやくそれぞれの立ち位置が読み取れるようになったと言えます。中でもラドキーパーの存在は大きく、シーズン1の無口っぷりから一転して普通に喋るようになったのは嬉しかったですね。意外と気さくで協力的な性格であることも判明しましたし、ここにきて彼のことが一気に好きになることが出来ました。(新キャラの中ではやはりゾルンが印象的。ジサリスに対する複雑な感情が序盤から濃密に描かれており、その苦悩する様子からお気に入りキャラとなりましたねハイ)
戦闘シーンに関しては全体的にブラッシュアップされており、中でも生身の戦闘シーンが前作よりも増えていたのが目に留まりました。CGの予算の都合などもあったのでしょうが、結果的に役者さんたちの生身アクションを堪能出来たのは嬉しいところです。(前作同様、人間態とセンティカ態で動きのキレがまるで異なるといったこだわりが感じられたのもここすきポイント)携帯変華(変身)してからのバトルも短かったものの、リボルトで操られたセンティカ相手の巨大戦もあったりして今季ならではの見どころも多かったと言えます。個人的にはジサリス(井上正大)VSゼーゲン(栗山航)という、牙狼の善悪を逆転させたバトルをようやく見られただけでも満足ですね。
とまぁここまでは良いのですが、シーズン1からの頃から続いている難点・問題点に関しては据え置きのままだったのがどうしても引っ掛かってしまいました。(ここから先は批判が多いので見たくない方はブラウザバックを推奨します)
何といってもシーズン1と同じく、設定や登場人物の思惑に関する説明が無さすぎるのが最大の問題ですね。前作の疑問点のいくつかは解消しているものの、やはりアユカの素性をはじめとして明確な説明が全くされていないのは気になります。加えてジサリスの世界が滅んだ理由やオルグリオを手にかける展開など、本作からの謎についてもよくわからないまま終わったことに不満を覚えてしまいます。ミステリアスな雰囲気を醸し出すために情報を伏せる手法はわかりますが、流石に限度というものがあるでしょう。
そのため全体的に何が起こっているのかフワッとしているまま話が進んでいくので、途中で話の流れが唐突に判明する事態もしばしばありました。最終回でもジサリスとゼーゲンが突然感情云々を口にするので、これそういう話だったの!?と困惑せずにはいられなかったです。この説明不足は登場人物の因果関係の説明にも繋がっており、最低限の描写だけで読み取るのには大変苦労しました。前作ほどではないものの、感想を書くのにも結構苦戦した記憶がありますね。
何といいますか、物語を把握するうえで必要な情報が意図的に伏せられているのが個人的には気に入りません。私事ですが同チャンネルで配信している『チチャリス』や某wikiで作成された本作の作品ページなど、そちらの方が設定について具体的な説明があることに仰天しました。(後者の方は情報元が不明瞭のため鵜呑みにしてはいけませんが)これらから作品の理解を深められただけに、何故これを本編で説明しなかったのかという憤りも湧いてきます。制作陣だけが知っている情報をあたかも視聴者も理解している前提で話を作るのはどうかと思うので、以降の作品ではわかりやすさを追求していってほしいと切に願うばかりです。
というわけでジサリス2の最終回感想でした。作品の方向性について相変わらずな点に不満を覚える一方で、わかりやすく面白くなった面も出来ていたのは大いに評価したいところ。シーズン1の時点では不明瞭だったジサリスのキャラクターも、ようやくヒーローらしいと感じられるようになりましたね。他にもスーツデザインやアクション、サイバーパンクな世界観など気に入っている要素は多々あるので、何だかんだで好きな特撮作品に収まったと思います。物語も一応の完結が見られて何よりです。
さて本作の主演&制作主導である井上正大さんによるとシーズン3も予定しているとのことですが、シーズン2で割と綺麗に終わっただけにここから何をやるのかは非常に気になりますね。ただ以前公開されたインタビュー動画などから井上さん自ら直談判して出資者を募ったり、クラファンなどで制作費を集める様子を知っているのでその努力が実った新作を見てみたいとも思います。もしジサリスのシーズン3が始まった時は、今回のように感想を書くなどして自分なりに応援していく所存です。
ではまた、次の機会に。
↓以下、過去の感想が書かれた記事一覧です。
