貴方の幸せはどこにある?
幸果さんVSランゴ兄さん
社長No.1 Battle Ready go!!!!!
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- その本音を絞り出す
人間界を守るため、ニエルブの策に乗ったショウマから始まった今回のガヴ。ボッカ大統領の暗殺というハードなミッションをこなすことになりましたが、結果惨敗する展開に唖然となりました。確かに大統領に勝てるとは正直思ってはいなかったのですが、予想以上の実力の差で追い詰められていくので絶望感が半端ではなかったです。また圧倒的過ぎる大統領の強さに加え、絆斗とラキアに抱えられながら逃げ惑う絵面が失敗した・負けてしまったといった印象を強めていたと思います。
ただこの回で重要だったのはショウマ自身の「幸せ」に関する問題であり、幸果たちが彼を説得を経て彼が変化していく様子が大きな見どころとなっていました。まずグラニュート界に来て母・みちるとの思い出に浸るものの、目的達成のために忘れようとする痛々しさは相変わらず。前回も見せていた他人のために自分を平然と犠牲にする姿勢に、視聴中ずっと胸を痛める羽目になりましたね。むしろ討ち死する気満々だったかもしれない覚悟も伝わってきて、帰ってくるまで油断出来なかったです。
そんなショウマに幸果が叱咤激励を送り、彼自身の幸せについて問いかける流れは最高の一言。ずっと自分の感情を抑えつけてきたショウマが「ここにいたい」と言ってくれる瞬間には思わずウルっときました。説得方法もショウマの幸せを幸果やみんなが望んでいる、という流れだったのが良かったですね。自己肯定感が低かったショウマにとって、自分の存在を不可欠としてくれることが青天の霹靂なのは言うまでもないことでしょう。バトルでは苦い敗走でしたが、ようやく自分に正直になった主人公を見られて一安心です。
- 力に叛逆しようとした者
ショウマの裏で興味深い様子を見せていたのがニエルブ。何と言っても彼の幼少期の記憶が挿入され、内に秘めたコンプレックスが明かされる瞬間に見入りました。幼い頃は体が弱かった事実も意外ですが、それ以上に祖父・ゾンブの心無い言葉に傷付く様子が何とも切なかったです。グラニュートの社会の実力至上主義は散々描かれてきましたが、この描写から純粋に腕っぷしの強さのみが評価されているのが改めて伝わってきました。また体が弱かったらしい母親のことを引き合いに出されるなど、嫌な大人の接し方を受けてきたニエルブに思わず同情を覚えます。
以前からニエルブはそんなグラニュートの世界で生き辛そうという印象がありましたが、今回の描写でほぼそれが確定したのは大きかったです。おかげで今回のボッカ大統領抹殺にどれだけ本気だったのか、ショウマにどれほど賭けていたのかも読み取れました。圧倒的な実力を持った大統領を、自身の知略・策謀で倒すことで今の社会に反旗を翻そうとしたのでしょう。これまでの研究一筋な姿勢も、そうした「力こそが全て」な考えに対する反逆だったのかもしれません。その割には大統領に詰められて一気に追い詰められているのがシュールでしたが……
同時にニエルブがショウマやデンテおじさん、酢賀のことを気に入っていたであろうことも何となくわかってきましたね。ショウマのことは自分とは別の形で虐げられながらも腐らず戦い続けていた姿を、少なからず評価していたように思えます。(まぁ道具としての側面が強かったでしょうが)残りの2人はいわずもがな、同じインテリとして話が合ったのでしょう。何よりゾンブから疎まれた体の弱さではなく、得意分野で慕ってくれる相手がいるのも彼には大切だったのかもしれません。ここにきて一気に愛着を湧かせてきたニエルブですが、その分次回以降の行く末が気になるばかりです。
- 社長VS社長、いざ掴めナンバーワン!!
そして今回地味に嬉しかったのが幸果とランゴの対決ですね。長いこと布石が打たれていた両者の邂逅と、本格的なぶつかり合いをようやく見ることが出来ました。前々回登場したバイトを容赦なく消すランゴに対し、幸果が真っ向から噛みついてくるシーンはハラハラしながらも大笑いしてしまいましたよえぇ。箒を持ってランゴに迫るほか、彼が去った後普通にグラニュート界に行こうとするなど彼女の行動力には改めて脱帽させられます。(必死に止めるハンティ&ラキアンもこれまた変な緊迫感マシマシでおかしかったです)
この2人の対決はやはり「社長」としての考えの違いが正面衝突していたのが注目ポイント。社員をあくまで自分たちのための駒だと断ずるランゴに対し、社員も大切にする幸果の主張は非常に気持ち良かったです。会社のために多くを犠牲にするランゴの考えもわかりますが、視聴者としてはやはり幸果のことを応援したくなりますね。またそんな幸果を気に入ってくれたのか、ランゴが色々教えてくれたのも面白かったです。扉を繋いでくれるなどやたら親切なのは、自分の目的以上に幸果のことを気に入ったのかも?といった可能性すら浮かんできますね。(ショウマとの対決時といい、真っ向から啖呵を切る奴が好きそうですよねこの長男)あまりにも愉快で楽しいバトルだっただけに、幸果VSランゴのやり取りをもっと見てみたいと思った次第です。
戦闘シーンは今までになく気合いが入っており、映画さながらのクオリティに感銘を受けました。大統領官邸でのバトルは本作では珍しくアセット背景をフル活用しており、合成を多用しながら良くここまで自然に仕上げたものだと感心させられるばかりです。アクションに関してもマスターモードで敵のナイフの雨を搔い潜るシーンが見事で、ナイフを踏み越える絵面をスローで魅せる演出は実写特撮としても新次元の映像になっていましたね。
そして今回のバトルで最も衝撃的だったのがボッカ大統領の強さ。強いだろうとは思っていましたが、こちらの予想を軽々超えるほどだったのは中々にショッキングです。単純な腕っぷしでさえまるで歯が立たないだけでも驚きなのに、固有能力が「言葉で相手の行動を強制させる」ものだったのはいくら何でも強すぎでした。隙が無さすぎてコレどうやって倒すの?といった疑問符が浮かんできたほどです。果たして大統領に勝てるのかどうか、残り話数での対抗策に期待したいところ。
そんな中次回はついに「人間界牧場化計画」が始動。これまで続けられてきた実験の成果、人間を操るベイクマグナムの力で大量の人たちが被害に遭うとのことです。本格的に人間界への侵攻が始まり、いよいよ決戦といった雰囲気を感じますね。
個人的に気になるのはやはりニエルブでしょうか。裏切り者とは言え計画に必要そうなので、ショウマたちと戦うことになるようです。正直ここまできてボッカ大統領に尻尾を振るのはダサいと思うので、ニエルブにはもう少し頑張ってほしいところ。ここぞという場面で大統領を暗殺してもいいのよ?
ではまた、次の機会に。
