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DIGIMON BEATBREAK 第1話「感情の鼓動」感想

未来を、バグらせろ

今、ココロのビートが進化する

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 先日、放送開始した『DIGIMON BEATBREAK(デジモン ビートブレイク)』。26周年を迎えたデジモンアニメシリーズの最新作として始まりましたが、そのインパクトに早速魅了されました。放送前からパンクな雰囲気に惹かれていましたが、いざ視聴した時の衝撃はそれ以上。これまでのデジモンではあまり味わったことのないヒリついた感覚が襲い掛かってきた気分です。デジモンのテレビアニメは『アプモン(アプリモンスターズ)』以来の視聴となりますが、久々のデジモンアニメを楽しんでいきたいと思います

 

 

  • 発展の光に潜むデジモンの影

 まず本作で注目したのが世界観。OPのナレーションで説明されていた通り「e-パルス」と「サポタマ」によって大きく発達した近未来チックな社会と、その裏に隠された不穏な要素が目に飛び込んできました。スマホように扱われているサポタマによって一見便利そうですが、高層ビル街と沈水した廃墟の住居が混在している光景は何とも歪なモノを覚えます。しかも主人公の自宅は後者であり、発達した技術の裏でどのようなしわ寄せを受けてきたのかについて考えてしまいますね

 他にも「国民保護省」や「シャングリラエッグ」といった施設の存在が気になりました。片や賞金首の男が怯え、片や憧れの場所として語られている……もうこれだけでこの世界に対する勘ぐりが強くなってきます。現時点での詳しい説明はなかったものの、それぞれ社会不適合者の矯正施設&上流階級のための居住区だろうといったことは察せられますね。(シャングリラエッグに関してはまだ何かありそうですが……)わずかな描写で格差の激しい社会であることを視聴者に植え付けてきた点で、非常にゾッとさせられるものがありました

 そして本作のデジモンの危険生物っぷりが際立っていたのも特徴的。これまた冒頭で「e-パルスを喰らい進化する生物」と説明されていましたが、実際に人間からe-パルスを奪おうと襲い掛かってきたので面食らいましたね。しかもe-パルスを奪われた人間は「コールドハート」なる人間凍結現象で意識不明になる始末。それ故過去作と比べても人間への直接的な被害をもたらすデジモンの所業が凶悪に見えてきました。人々の生活に進展がもたらされたと同時に、社会の暗部も見せていく……この世界の光と影を早速堪能出来た次第です。

(あとは前半描かれた「グローイングドーン」と賞金首による戦闘という、裏社会の描写が目に付きました。「家族(ファミリー)への情が深く敵対者には容赦がない」という歪な結束力のシーンも相まって、ある種カラーギャングを彷彿とさせるアウトロー感に鳥肌が立ちましたね

 

 

  • 少年のバグが向かうべき未来は

 そんな社会で暮らす主人公「天馬トモロウ(てんま・トモロウ)」についても見逃せないところ。如何にも気だるげそう(その割にドラムスティック叩いている時は楽しそうでしたけど)な態度とは裏腹に、自分の抱えている謎に苦悩する姿が何とも突き刺さりました。明らかに異常なバグを起こす能力に対して、兄に問い詰めるシーンといいトモロウの不安が伝わってきますね。同時に秘密を隠されていることにイラつき、「俺はもう大人だ!」と言い放ってしまう若さにはニヤリときます。葛藤を振り払いたい思春期の高校生、というイメージとして掴みは十分でした

 また今回だけで同じ高校に通う同級生の少女と、一緒に暮らしている兄がデジモンの被害に遭う展開は中々にショッキングの一言。特に兄の「天馬アスカ(てんま・アスカ)声がガオモンは、目の前で体が凍結していきながら落下したのもあってより鮮烈な退場となっていました。トモロウは両親がいない様子なので、ここで実質唯一の肉親を失ったと思うと余計に事態の重さが感じられます。まだ1話目だというのに、ここまで過酷な目に遭うトモロウに同情の念を寄せずにはいられません

 あと気になるのはやはりパートナーの「ゲッコーモン」との関係でしょうか。いきなりゲッコーモンが出てきたので仕方がないのですが、トモロウがラストの瞬間まで敵だと認識している状況には思わず苦笑してしまいます。(ゲッコーモンのビジュアルが従来のデジモンの可愛さから外れているのも怪しい印象に一役買っていそうです)出会って数分だろうとはいえ、主人公とパートナーデジモンの仲が全く進展していないのは何とも新鮮に見えますね。ラストに関しても利害関係で協力しているだけのようにも見えるので、ここからトモロウとゲッコーモンが絆を深めていけるのかにも期待がかかります

 

 

 そしてデジモンといえば忘れてはいけないのがデジモン進化&バトルシーン。これは上述でも触れているグローイングドーンVS賞金首でまとめて描かれていましたが、思っていたよりもあっさり目な感触でした。「プリスティモン」が「ウルヴァモン」へと進化するバンク映像も、結構短くて意外でしたね。(ただ直近の前作『ゴーストゲーム』も進化バンクが短めだったらしいので最近のアニメの傾向なのでしょう)

 戦闘の方はチームのコンビネーションを重視しているようで、派手な技の打ち合いよりも戦略を魅せるタイプと見ました。作画も基本良好ですし、トモロウが加わってからのチーム戦が楽しみになってきます。まだ始まったばかりでわからないことだらけのビートブレイクですが、今後の展開が楽しみになってきたのも確か。次回以降の彼らの物語、デジモンビートブレイクが早くも気になるところです。

(ちなみに次回から感想は個別ではなく、簡易感想にまとめて軽く書いていく予定です。しかしながら印象的、あるいは好みのエピソードがあった場合は個別で書くことがあるかもしれません。形式の違いに戸惑うことがあるかもしれませんが、どうかよろしくお願いします

 

 

 ではまた、次の機会に。