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ウルトラマンオメガ 第17話「風花(かざはな)」感想

未知なる恐怖に立ち向かえ

サユキさんの信念にゾフィー隊長も思わずニッコリ

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  • 怪獣対策のプロたちの奮闘劇

 冒頭NDFがいきなりパゴスを撃破するという大金星を挙げるシーンから始まった今回のオメガ。ウルトラマンやメテオカイジュウに頼らず初めて人間だけで怪獣を討伐した記念すべき日になるはずが、パゴスの体が動き出すことで一気に危機的状況へと追い込まれていくスピード感にまず目が離せなかったです。何故死んだはずの怪獣が動いたのか!?その謎をウタ班が解き明かしていき、正体が判明してから対策していく流れも実にスピーディー。めでたいムードからの急転直下ながら、原因解明までハイテンポで進んでいくのでハラハラしつつも楽しかったですね

 何より今回は登場人物全員が怪獣対策に属しているのもあり、終始プロフェッショナルの奮闘ぶりが描かれていたのが特徴的でした。タイラ隊長が現場で指揮を執り、怪獣の謎をサユキさんたちが追っていくまで実にスムーズに描かれていたので非常に見やすかったです。前回も感じ取ったプロの役割分担が、今回NDFも加えてより緻密に魅せてくれたといった印象を受けます。そこから未知の粘菌怪獣を攻略していくまでの息を突かせぬドラマが繰り広げられていくので、これまでにない緊張感と共に見応えが生まれていたと言えますね。

 中でも個人的に注目したのがタイラ隊長。初登場から優秀かつ柔軟な人物として描かれていましたが、その魅力は今回も同様でした。奇怪な現象に慌てることなく怪特隊の解析を頼りにしつつ、自分はエドマフィラの足止めに徹する姿勢には惚れ惚れします。自分や他人の領分を理解して人事を尽くす、冷静なキャラクターであることが改めて伝わってきましたね。未だにアユムたちとの態度に距離を感じるのは惜しいものの、今後も頼もしい隊長として期待出来ると思います

 

 

  • 宇多咲幸の行動と信念

 また今回はサユキさんが一貫して周りを動かしていたのが印象に残りました。エドマフィラの謎を徹底追跡し、周囲を的確に動かす様子は実に落ち着いていて見ているだけで心強い!という気持ちが湧いてきます。特に前半のウタ班の会議シーンは、ソラトたちの意見をしっかり聞いて話をまとめてくれるので視聴者的にも非常にありがたかったです。エドマフィラが採れた永久凍土に向かう行動力といい、タイラ隊長とは別のベクトルでリーダーとしての頼もしさが読み取れました。

 そして事件終息後の「地球は地球人の力で守らないと」という考えには深く感動しましたね。今回の徹甲弾の使用など間違ってしまったことを認めつつも、人間だけの力で怪獣災害に立ち向かう姿勢を肯定するシーンに彼女の信念が見えてきます。後述のコウセイへの言葉も然り、安易にウルトラマンたちの力を頼りにしすぎない点でより信頼することが出来ました。何より「ウルトラマンがいなくても戦う人間の素晴らしさ」はシリーズ全体で描かれてきた重要テーマなだけに、その想いを1人で体現しているサユキさんには感服するほかありませんゾフィー隊長含めて光の国のウルトラマンたちがサユキさんの活躍を見ていたらスタンディングオベーションしそう

 あとはコウセイの秘密を掴んでいると判明した時は驚きつつもニヤリときました。以前から把握していそうだとは思っていましたが、いざしれっと口にした時は面食らいましたね。彼らを自分の班に引き込んだのも秘密を守るためと、ここにきて彼女の行動の真意が明らかになるのは結構気持ち良かったです。(オメガのシーンからしてソラトの正体も理解していることでしょう)そのうえで彼らを公表せず力を借りる関係にしてくれるので、サユキさんのような理解ある人物の存在はありがたいものだとつくづく感じたほどです

 

 

  • 骸を手繰る、悍ましき花は風に乗っていき……

 NDFによって倒された地底怪獣パゴスの亡骸に憑りついた「古代粘菌怪獣 エドマフィラ」。NDFが使用していた試作徹甲弾の素材となった古代怪獣の牙や骨に、休眠状態で潜んでいた粘菌(アメーバ状の単細胞生物)です。その生命力・繁殖力は凄まじく、怪獣の死骸に取りつくことであっという間にその肉体を乗っ取り操作するとのこと。ソラト曰く1000万年前の地球の生態系を根本から破壊しかけたらしく、彼の劇中の焦りようからしてこの粘菌の恐ろしさが伝わってきます。

 ビジュアルに関してはパゴスの体に黄色い粘菌が鎧のように体を覆ったような状態。ところどころ粘菌が鋭いツノのように突き出しており、より攻撃的な印象を抱かせてきました。(あるいは取り付く相手を探してアンテナを広げているようにも見えます)ここで余談ですが今回の描写をよく見ると、エドマフィラに操られたパゴスの体は基本前足しか動いていません。後ろ足はひたすら引きずっているだけな辺り、元の怪獣は既に死んでおりその肉体を無理やり動かす一種の尊厳破壊すら感じられますね。

 戦闘力においては上述の通り驚異的な生命力と対応力でオメガを追い詰めるほど。如何なる攻撃もすぐ塞いでしまううえ、オメガのレティクリュート光線を粘菌を集めて作ったバリアで跳ね返す芸当まで披露していました。さらには粘菌を相手に浴びせて、体に纏わりつくことで動きを封じるなど小技も強力。どんな攻撃も聞かず一方的に追い詰めていく様は、かつてないほど凶悪なイメージを抱かせてきます。

 そんな無敵とも思えるエドマフィラですが、凍結と乾燥が唯一の弱点であることも判明しました。粘菌内の水分が失われることでたちまち死滅し再生も出来なくなる……ということで宇宙にまで運ばれましたが、それでも凍結するギリギリまでオメガに粘菌を伸ばしていたのが怖かったですね。生物としての異様な執着を見せながら、最期には“風”と共に“花”のように散っていく様は、エドマフィラの恐ろしさと儚さが同時に表現されていたと思います。エドマフィラは、二度と地球へは戻れなかった……(中略)そのうちエドマフィラは、考えるのをやめた

 

 

 といったように今回は怪獣たちと戦う人たちの強さを堪能出来たものの、ソラトに関する不穏なシーンが挟まったのも見逃せないポイントとなっていました。何といっても彼の前にもう1人のソラトが現れたので、その唐突さにギョッとしてしまいましたね。15話でも似たようなシーンがありましたが、今回は夢の中ではなくソラトが見た幻のように出てきたのがまた意味深に感じます

 思えば15話のもう1人のソラトがゾヴァラスに変身するシーンといい、まるであちらと同じ存在であるかのように描写されているのが気になりますね。そもそもオメガは何者なのか?最大の謎が残されているだけに、オメガとゾヴァラスは同胞?など色々と変な可能性を妄想してしまいます。そしてそんな幻影が現れる辺り今のソラトの在り方を咎めているかのようで……短いながらも今後の展開において重要な布石が建てられたような気がしました。

 

 

 さて次回は海賊宇宙人バロッサ星人が襲来!!ウルトラマンZ』での初登場以降、ちょくちょく見るようになったアイツが4年ぶりの登場を果たすということで興奮を隠せません。例によってお宝目当てのようで、コウセイの持つメテオカイジュウを奪うために襲い掛かってくる模様。本作ではようやく登場した宇宙人なので、大いに暴れてほしいところです。

 何より次回はニュージェネウルトラマンには欠かせない田口清隆氏が監督を務めるということでファンとしては期待しかありません。『ウルトラマンブレーザー』以来のウルトラマンでの登板なので、是非とも監督の色を出して普段とは異なるオメガを魅せてほしいですね。『ウルトラマンX』にてルイルイ役だった百川晴香さん演じるゲストキャラも気になってきます。

 

 

 ではまた、次の機会に。