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機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 第15話 「足跡のゆくえ」 感想

決別と責任
女の子だろうと容赦なく(鼻)血を流させる鉄血クォリティ






















・アトラ危機一髪
 前回兄のサヴァランに連絡して再会することになったビスケット。背中を押してくれたアトラがさらに一緒についてきてくれるという頼もしい状態で念願の兄(目元くらいしか似てないなこの兄弟)との再会を果たしぎこちないものの微笑ましい光景が待っている…………かと思いきやそうは問屋が卸さずサヴァランの指示で2人は連れ去られてしまいます。どうやら鉄華団を労働者たちに武器を支援した奴らとして探しており、しかもアトラを暴動を先導したクーデリアお嬢様だと勘違いしていました。前回オルガが鉄華団のことが知れ渡っていることに違和感を感じていましたが、お嬢様の存在自体は有名なのにその容姿は知られていないのも妙ですね。
 ここで驚いたのがアトラの行動。状況を察したのか自らをクーデリアだと名乗りお嬢様の身代わりになりました。しかもギャラルホルンから暴行を受けても口を開かない心の強さや心配するビスケットに笑顔を向ける優しさに心打たれました。なんて良い子なんだ……。とりあえずアトラを殴った奴らは許さん。
 一方ビスケットは兄の所業に心を痛めていました。サヴァランさんも暴動を止めるために必死なのは伝わってきますが、いかんせんやり方が強引すぎてビスケットと相いれません。ビスケットにアトラはクーデリア本人ではないと明かされてもそのまま彼女をギャラルホルンに引き渡そうとするなりふり構っていられない様子は見ていられません。というかこの作品の兄弟はロクな目に遭ってないなぁ……。


・労働者たちの憂鬱
 その頃労働者たちの反乱に巻き込まれた形になってしまったオルガたちはイサリビに残ったメンバーをタービンズの元に向かわせたことでギャラルホルンに目を付けられずに済んだものの、自分たちはどうやって戻るか難儀していました。そこに組合のリーダーを務めているナボナさんという人の家にしばらく厄介になるのですが、連れてこられた団地のような部屋に対してオルガ以外の面々が文句ばかりで失礼すぎるww
 前回語られたコロニーでの格差の話が映像でも表現された中で、ナボナさんは他の人たちと比べるといくらか理性的で鉄華団のことも考慮してくれているのがわかりますね。そんな人でも暴動を起こさなければならないほど彼らは追い詰められているということなんでしょう。あと子どもたち相手に遊んでくれるシノが良いお兄ちゃんしてました。


・それぞれの決別
 お嬢様たちと一緒にいた三日月はオルガから連絡を受けさらわれたアトラたちを助けに行くことに。ここでお嬢様のことをフミタンに任せますが、前回のオルガと言い鉄華団の彼女への信頼がすごいです。
 しかし居ても立っても居られないお嬢様とそれを止めるフミタンの前に遂に仮面の男が現れました。見た目は歴代の仮面キャラの中では正体を隠せている方だとは思いますが、声のせいで一発で誰かわかってしまいます。あとただでさえパンチの利いた面なのに目の部分がカシャンとスライドして開くギミックには耐えられなかったwwww突然現れた仮面の男は今回の暴動に関して裏で糸を引いているのがノブリス・ゴルドンであることをお嬢様に話し、さらにフミタンがスパイである可能性も示してきました。逃げ出したフミタンを追いかけようとするお嬢様を「ここで死ぬべきではない」と一旦引き留めたりするなどお嬢様を助けようとしている節がありますが、果たしてこいつの目的は何なんでしょうか?あと君婚約者と一緒に休暇に満喫していなかったっけ?あの子どうしたの?

 一方未だに囚われの身であるビスケットとアトラは三日月の華麗な手際によって見事に救出されていました。傷ついたアトラを見た瞬間やっぱり殺意むき出しの顔を一瞬見せた三日月ですが、アトラの笑顔で何とかその場を収め、さっさと逃げ出します。ここで遠慮せずアトラの顔のお返しをしてやれと思ったのは僕だけじゃないはず。
 オルガたちとも合流し、いざ逃げようとするところにサヴァラン兄さんが追ってきました。アトラの身柄を引き渡してくれと必死にビスケットに懇願しますが、鉄華団の一員として仲間を選んだビスケットはある意味で兄との決別を果たしたとも言えます。しかしお嬢様がフミタンを探しに行ったしまったのでオルガたちは彼女たちとも速やかに合流しなければなりません。そうこうしている内にいよいよ労働者たちの戦いが始まろうとしていますが、ナボナさんの落ち着いた姿がやけに切ないです。


 今回はコロニーでの騒動の続きとしていろんな場所でトラブルに巻き込まれる鉄華団でしたが、注目すべきはビスケットとフミタンですね。ビスケットは変わってしまった兄から離れていったの辛く苦しい決断だったもののオルガたち新しい家族のために戦うことを決意してくれたのがわかる決別の場面でした。対してフミタンは以前からお嬢様に対して仄暗い感情を抱いていたらしく、それ故に起こした行動に責任を感じ自ら逃げ出すという悲しき決別の場面で双方の場面はうまいこと対比していたと思います。


 さて次回はコロニーでの暴動が本格化するなか、何故かそのど真ん中に来てしまったお嬢様とフミタンの運命はいかに。というか次回のサブタイトルが「フミタン・アドモス」と彼女のフルネームが来てる時点でこれアカンやつや…………。


 ではまた、次の機会に。