夏真っ盛りの8月、皆様いかがお過ごしでしょうか。僕は先日届いた「デュエル・マスターズ超全集 20thパーフェクトボックス」を読んでいる真っ最中です。(実際の発売日よりも少々遅れて家に届きましたが、予約していた本が無事届いたことにまず安心しましたね)
ハードカバーをはじめとした豪華な装丁、辞書の如き厚さで圧倒してくる一方、気になるイラストや資料が満載で読んでいて非常に楽しい内容でした。かなりのお値段だったもの、買ってよかったと心の底から思えましたね。今回はそんなデュエマ超全集の感想をざっくり簡単に書いていきたいと思います。
さて今回の超全集は3冊に分かれているのですが、1番分厚い「CARD CHRONICLE」とその次の「ARTWORKS CHRONICLE」がまず目に留まります。前者はこれまで登場したカード全集で後者は美麗カードイラスト集と、いくらでも眺められる代物でした。見ているだけで何時間も過ごせそうな内容です(実際2冊続けて読んでいたら3時間くらい経っていました)
またカードを眺めている中で、当時の思い出をいくらか振り返られたのもポイント。僕は聖拳編から本格的にデュエマに手を出しそこから極神編までが特にハマっていた時期だったので、その辺りのページでついつい手を止めてしまいます。パックを剥いてやたら出てきた《一徹のジャスパー》が頼もしかったり、当時は高嶺の花だった《ホーリー・スパーク》の代わりに《バリアント・スパーク》を使っていたといったことを、ページをめくるたびに思い出していました。他にも初めて買った構築済みデッキ「勝舞聖龍デッキ」のページで興奮するなど、懐かしい気分に何度も浸れましたね。
イラスト集の方はチョイスがどれも良かったのですが、個人的には「15周年絵巻」がしっかりと載っていたのが嬉しかったです。「ゴールデン・ベスト」で収録された15枚のカードを並べて出来る1大パノラマは、この頃に復帰した身としてはこれまた思い出深いイラストなのでこちらも収録してくれたことには感謝しかありません。(当時グランプリ8thに遊びに行った際も、こちらの絵巻イラストがデカデカと飾られていたことも思い出しました)この2冊はまさに、読んでいる人のデュエマの記憶を掘り起こしてくれるような内容だったと言えます。
そして最後の1冊である「SIGENOBU MATUMOTO CHRONICLE」。こちらは原作者・松本しげのぶ大先生のイラストや設定資料集がまとめられた1冊なのですが、これが最大の見どころでした。意外な資料や大先生がデュエマに対してどのような想いを抱いているのかなど、未公開の情報がとにかく多めで読み応え抜群です。正直この1冊狙いで買っても損はない内容でした。
※ここから重要な内容に触れているのでネタバレ注意!!
まず驚いたのが登場キャラやクリーチャーのラフスケッチ集ですね。初期の頃の文明の設定などからは、各文明のイメージをなるべくイラストや効果に落とし込むことについてこの時点で不覚考えていたことがわかりました。闇文明のページでは「実体がないクリーチャー=パワー0のクリーチャー」の案がポツリと書かれており、これが後の《零龍》に繋がったと思うと感慨深いものを覚えます。
続けてキャラクターの資料ですが、こちらは意外なキャラのラフが存在していたことに驚かされました。まずはアニメ『キング』に登場したモヒ男が中学生勝太編時点で設定されていた没キャラの再利用だったという事実にまず驚愕しましたね。他にも『VSR』版の牛次郎にガメッシュおじいちゃんらしきデュエルウォーリア、メガネやデストロ伊藤といったアニメにのみ登場していたキャラの資料もしっかりと存在していました。アニメの構成メモなども存在しており、大先生が漫画だけでなく、アニメの製作にもガッツリ関わっていたことが良くわかりますね。
最後のロングインタビューでは裏設定や大先生の光と影の感情などがゴロゴロ出てきてこちらも興味深かったです。「世界をつなぐ柱」を制作した人物の情報など、漫画やアニメで明かされなかった設定の数々には驚きつつも納得しましたね。これほど多くの設定が考えられている中、日の目を見るのはごく一部のみという話にもどこか哀愁を覚えます。
何よりそれらに対する大先生の不満のようなものがところどころで垣間見えたのもこのインタビューの特徴でした。勝舞編の頃から世界大会といった展開を思い通りに出来なかったことが語られており、そのことに大先生が歯がゆい想いを抱いていることが読み取れました。終盤明かされた大先生の「負の部分」の具現化がジェンドルであるという話は、まさにこの人の人となりを表していると言えます。漫画版ジェンドルの信念も思想もない空っぽなキャラ付けは、大先生の「もう全部壊れちゃえ!」という気持ちの表れだったということか……
デビュー当時「ぷよぷよ」のコミカライズを担当したものの勝手にオリキャラを出して怒られたそうですし、大先生は元から編集側と方向性をすり合わせるのが苦手な人なのかな~、とちょっと思ってしまいました。しかし担当編集の方々やアニメスタッフ、その他にも大勢の人と共にこれまでのデュエマを作ってきたことも同時にわかりました。何より松本大先生の残酷ながらも純粋な想いが勝利していくストーリーがあったからこそ、デュエマは今も続いていることも強く感じられます。そんな作り手たちの想いを多く伝えてくれるこちらのクロニクルは、個人的に最もお気に入りの1冊となりましたね。
↑ボルメテウスのゾイドの箱絵に惚れ惚れしているブレイブドラゴンくんの図
というわけでデュエマ超全集の感想でした。衝動的に書いてしまいましたが、自分なりに思ったことについたまとめられたのではないかと思います。記念品としてもいいですし、何より自分がデュエマを再確認させてくれる素敵な全集だったかと思います。付録の《ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン》のゾイドを組み立てるかどうかについては少々迷っていますが、ひとまずはこの資料をいつまでも眺めていたい所存です。
そしてデュエマはいよいよ前人未到の新シリーズへと突入。昨日の生放送で様々な情報が公開され、多くの人に衝撃を与えました。かくいう僕も圧倒的な情報量に少々咀嚼しきれていないところがあり、後日あれらの情報をまとめたいなぁ、と考えています。まだまだ続いていくデュエマの世界、次はどんなものを魅せてくれるのかを楽しみにしつつ、今回はここで筆を置きたいと思います。ここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。
では、また、次の機会に。