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2022年秋アニメ簡易感想 その3

 

 

 

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 戦車と美少女を題材にしたアニメガールズ&パンツァー』が今年で10周年を迎えました。それを記念して製作されたPVが先日公開され、早速見てみたのですが、あまりの懐かしさに思わず感動してしまいましたよえぇ。

 このシリーズは戦車を駆使した少女たちの奮闘が非常に面白い作品ですが、それ以上の特徴として「地域おこし」が挙げられます。大洗の地を舞台にしたおかげで聖地巡礼に来るファンが激増し、町が一気に活性化したことはあまりにも有名です。幼い頃から家族ぐるみで大洗に何度も来ていた身としては、ガルパンが人気になってからの大洗の賑わいっぷりに驚愕しましたね。アニメの力とそれを応援するファンの力の凄まじさをあの頃初めて味わった気分です。今は色々な状況が重なって全盛期ほどの盛り上がりはないものの、それでもなおガルパンと大洗を愛してくれている人がいる……そんな話にどこかウルっとくる話でした。

 

 

 というわけで以下、今週の簡易感想です。

 

 

※今週の『ポケットモンスター』はお休みだったため感想はありません。

 

 

 

ラブライブ!スーパースター!!(2期)

第12話(最終話)「私を叶える物語」

 千砂都の提案もあって悩みに悩むかのんの姿から始まった最終回。かのんにとって「歌でみんなを笑顔にしたい」という夢は何なのか?そのためにLiella!を離れていいのか?といった問題に頭を悩ませる様子がまず目に入ります。この辺りの初心に返っていく過程もあって、最終的に留学を決意するシーンが輝いて見えましたね。

 何より「Liella!は離れていても1つ」という答えを引っ提げてきたのが素敵でした。彼女たちにとってのLiella!はこの9人でやるだけでは留まらない、多くの人と繋がることでもっと大きくなっていく可能性も秘めていることに気付いた彼女たちの晴れやかさには見ているこちらも勇気づけられます。ラブライブ決勝でのパフォーマンス、そして会場にいるみんなとの一体感を得ていく光景もあって、かのんたちにとってのスクールアイドルの形がようやく描かれたと感じました。

 そしてラブライブを無事優勝し、かのんがいざ留学するといったラストで大団円……するかと思いきや、結ヶ丘制服を着たウィーン・マルガレーテちゃん&留学が中止になった報告には見ていてズッコけてしまいました。ここまで引っ張っておいてそのオチはどういうことなの!?とツッコまずにはいられない、衝撃的なラスト数分でしたね。(その後公開された「3期決定」の告知のおかげで少なからず納得はしたつもりですが)

 

総評

 ラブライブ!シリーズの1作である『スーパースター!!』の2期。本作ではまず初期5人のLiella!に後輩4人が追加メンバーとして加わる構成に驚かされました。シリーズ恒例の9人体制ではあるものの、後輩が入ることで新たな風が加わるという意味では前作と同じように挑戦的であったと言えます。

 そして後輩たちを交えたストーリーも印象的ラブライブ優勝のためにトレーニングを過酷にするかどうか、後輩との実力差をどう埋めるかなど、他シリーズと比べてもスポコン的要素が全面に出ているように感じました。優先するべきはラブライブで勝つことなのか?歌とはそういうものなのか?といった問いを全編通して描いており、「みんなで楽しむ」という答えに至るまでの過程をじっくりやってみせたのが良かったですね。そこから終盤にかけて、かのんの夢の話にまで発展していくのもお見事でした。

 一方で上述の後輩の力量不足の解決など、肝心な部分がはっきりと描かれなかった点が引っ掛かりましたね。その他にもラブライブのルールの変更など雑に感じてしまう部分はチラホラ見られました。その回ごとの“エモさ”を優先するあまり、丁寧さが失われてしまった印象は否めません。

 ただきな子たち健気な後輩やライバルキャラの登場など魅力的な面が多かったのも事実。ここからかのんたちがどう輝いていくのか、シリーズ初となる第3期の放送と共に待っていたいと思います。

 

 

ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン

第13話「愛と復讐のキッス その①」

 3か月ぶりのジョジョ6部は徐倫が厳正懲罰隔離房に収監されるシーンから始まって驚きました。いきなりの展開に困惑したものの、衛生面で問題ありな状況でも強くなろうとする徐倫のたくましさには惚れ惚れさせられますね。序盤と比べると精神的にもめまぐるしい成長を遂げていることがわかります。

 そして時間を遡って本編はエルメェスが主役のエピソードに突入。(その直前の「ブタの逆はシャケだぜ」おばさんのシーンも印象的)彼女が刑務所に入った真の目的である「復讐」の物語には、原作を知っている身としても思わず息を飲みました。どこか激情家なイメージが強いエルメェスが冷静に、かつ冷徹に報復の手段を実行していく様子はかつてない緊張感に溢れていましたね。ただ殺された彼女の姉「グロリア」は回想シーンだけの出番でも家族想いな強い姉であることが読み取れるだけに、エルメェスのどれほどの怒りを抱いているかが伝わってきます。

 そして肝心の復讐相手である「スポーツ・マックス」をあっさり殺せたかと思いきや、見えない“何か”が襲い掛かってくる展開は中々にホラーでしたね。死体をただのゾンビではなく、透明なゾンビに変えてしまうスタンド「リンプ・ビズキット」の恐ろしさがこれでもかと描かれていたと思います。

 

 

後宮の烏(からす)

第2話「翡翠の耳飾り 後篇」

 寿雪の過去や事件の真相など、本作の悍ましい一面が次々と露になった2話。前王朝の末裔たちが容赦なく処されていく様子、そして寿雪の母を殺された過去にドン引きさせられました。前回明らかになった銀髪を染めていた理由も明らかになったところで、母を見殺しにしてしまったと未だに自分を責め続ける寿雪の様子に胸が痛みます。他にも罪を被せた妃を殺すだけでは飽き足らず、侍女の舌を切り落とす後宮の仄暗い権力争いにも寒気を覚えますね。

 ただ処刑されて幽鬼になった女性が許嫁との再会を経て救われていく流れにはホッとしましたね。首を絞められたままの姿で声も発せなくなっていた彼女でしたが、愛する人の姿を見れたことに喜んでいる様子が表情から伝わってきました。舌を切り落とされた侍女の筆談が事件解決の決め手になったシーンも含め、「言葉を封じられても想いは伝わっていく」というテーマが感じ取れたような気がします。

 その後は反逆を企てていた皇太后を処刑し、母の仇を無事討てた帝の疲れたような姿が印象的でした。上の事件に関わっていたことの後悔、そして復讐を果たしたことで生きる目的を見失ってしまったのかもしれません。燃え尽き症候群になっているように見える帝に不安を覚える中、それを今後寿雪が解消してくれるのかどうか気になるところです。

 

 

ぼっち・ざ・ろっく!

第1話「転がるぼっち」

 きらら系列の漫画原作のアニメ化ということで早速見てみたのですが、予想を超えた陰キャのオーラにちょっと慄いてしまいました。主人公の「後藤ひとり(ごとう・ひとり)」がギターに手を出していく冒頭はまだ良かったものの、動画投稿だけで済ませて表立って動けずにいる様子は見ていて胸が苦しくなってしまいます。バンドに入って輝きたい!と願望は一丁前なくせに、基本受け身で自分から動こうとしないズレっぷりが実に痛々しかったです。明らかに実力はあるのに人前ではまともに演奏出来ない辺りにももどかしく感じますね。

 ただ「伊地知虹夏(いちじ・にじか)」との出会いからひとりが少しずつ積極的になっていく過程にはワクワクさせられました。まともに会話も出来ないし人前に立てないものの、バンドをやろうとする彼女の姿は何とも応援したくなる健気さに溢れています。虹夏と「山田リョウ(やまだ・リョウ)」が所属する「結束バンド」でのデビューはまさかのダンボール姿だったことに笑いつつ、前向き(?)になりつつあるひとりは少しだけ輝いて見えたような気がしました。コミュ障ながらじたばた頑張る彼女の成長に期待がかかる始まり方でしたね。

 

 

ブルーロック

第1話「夢」

 1話からかなりぶっとんだ設定を持ってきたサッカーアニメ、という印象を受けた本作。「ワールドカップ優勝のために革命的なストライカーを育てる」というはっきりとした目的を掲げつつ、ストライカーの「エゴイスト」な部分を引き出させようとする姿勢は興味深いですね。サッカーに限らずスポーツなど競技の世界では利己的な思考や傲慢さ、勝利への渇望が必要という理屈には一理あると思うので、その本質をストレートに表現する作風には好感が持てます。ストライカー養成施設「ブルーロック」へ主人公たちを招いた「絵心甚八(えご・じんぱち)」の煽り100%も説明態度もあって序盤からかなり惹かれました。

 主人公「潔世一(いさぎ・よいち)」に関しては当初は普通の少年っぽい雰囲気に油断していましたが、テストが始まってから徐々に豹変していく様子には衝撃を受けました。「サッカーはみんなでやるもの」という姿勢をチームメイトと共有していたものの、心の奥底では「自分が勝つ」という強い意志があった事実には舌を巻きます。今後も過酷な世界で生き残ろうとする中で、潔の本性が如何にして露になっていくのか実に楽しみです。

 

 

ドラゴンクエスト ダイの大冒険

第98話「ダイの決断」 

 ゴメちゃんのおかげで世界中の人々と繋がることが出来た前回に続き、今回は冒頭からかなり熱い展開が見られました。にせ勇者パーティーの1人であるまぞっほとマトリフの関係が明らかになりつつ、世界を救ってみせた彼らに感動させられました。かつてポップに「本当の勇気」とは何かを教えてくれたまぞっほが、自身もほんのちょっぴりの勇気を出してみせた構図にグッときますね。

 爆発を止めてからはそれでも諦めず不死故の尺度の違いを見せつけてくるバーンの恐ろしさ、そんなバーンに対抗するために竜魔人になろうとするダイの悲壮な決意が印象に残りました。自身を野獣の身に落としてでもみんなを守ろうとする、ダイという少年の優しさに胸を打たれます。ポップたちの言葉もあってここは涙なしでは見れなかったですね。

 そうして竜魔人になったダイとバーンの決戦は、短いながらも作画の凄まじさもあって大迫力でした。それでいてバーンの「力こそが全て」という考えに対し、より大きな力でしか打ちのめせない事実に涙するダイの姿にまたもや悲しくなりましたね。(ただ「こんなものが正義であってたまるか!」という叫びから、ダイの優しさが失われていないことがわかります)何よりタイトルコールやアイキャッチ、次回予告が極限まで短縮されている中、いよいよ物語の終わりが近づいていることも伝わってきてドキドキさせられました。

 

 

遊☆戯☆王ゴーラッシュ!!

第28話「戦え!UTSエイト」

 前々回で六葉町が宇宙に飛び立ってからどうなっていたのかがようやく明かされた今回。恐怖の大王打倒のためとは言え、バリベルギャーのみんなを酷使するアサカの暴君ぶりが目につきました。何でもかんでもお金で黙らせようとする傲慢ぶりは元ネタのアサナ以上に厄介だと感じますね。(せっかく建てた家を潰されたズウィージョウェ……)それに町が宇宙船になったことに対してそこまで批判が無かった話にもびっくりさせられます。あの町の住民は意外と適応力が高いのでしょうか。

 それはともかく、バリベルギャー解放のためのデュエルではUTSメンバーの絆の力が描かれていました。デュエルディスクが使えない遊飛がみかん箱の上にカードを並べ、モンスターなどのソリッドビジョンを田崎さんたちのコスプレで表現していく絵面には驚きつつちょっとウルっときましたね。アサカ側のソリッドビジョンの差もあってシュールに感じた一方で、工夫を凝らしつつ一丸となってデュエルをしている様子にどこか感動させられます。学芸会のようなクオリティで登場した真エースのジョインテック・ブリキノサウルスを前に目を輝かせる遊飛の純真さも相まって、デュエルはどんな形でも楽しめることが伝わってくる回でした。

 

 

 ガルパンと言えば最終章の続きがどうなっているのか、まずそちらの方をつい考えてしまいますね。去年の3月に最新話である3話が公開されてからは音沙汰無しだったので、4話以降が制作されているのかと、このままガルパンが忘れ去れてしまわないかと、ずっと前から不安になっていました。

 ただ上述の動画のおかげで久しぶりにガルパンが話題になったのはこちらとしても嬉しいところ。どうやら4話も鋭意制作中のようですし、気長に待っていたいと思います。

 

 

 ではまた、次の機会に。