新・メタレドの楽しんだもん勝ち!

様々な作品について語ったり語らなかったりするサイト

キン肉マン新アニメ化決定ということで好きな試合について語ってみる

 

 

 

www.youtube.com

 

 唐突ですがこんにちは、メタレドです。ゆでたまご氏原作の漫画『キン肉マン』の新作アニメの続報が先日発表されましたね。2011年に新シリーズとして始まり、凄まじい人気を博したという「完璧超人始祖(パーフェクト・オリジン)編」のアニメ化ということで、今まさに話題になっているところです。さらに本日公開されたアニメPVの映像からも、その尋常じゃない作画の迫力に制作陣の気合の入り様が伺えます。

 かくいう僕も本作のアニメには結構注目しています。メタレドはキン肉マンについてはほとんど知らず、精々『キン肉マンⅡ世』のアニメを当時見ていたくらいしかなかったのですが、以前ジャンプ+などで大量無料公開された新シリーズを読んで一気にハマってしまいました。その後ジャンププラスのアプリでコツコツ読み進め、現在は最新話も欠かさずチェックしています。(今戦っている真っ最中のゼブラ&マキリータマンのタッグ戦の行方も楽しみです。)

 何といってもこのキン肉マンは良い意味で「友情・努力・勝利」を体現している作品なのが見事だと考えています。同時に異なる考えを持って争う各陣営の趣き、それらをまとめて受け止める主人公・キン肉マンの慈悲の心には深く感心させられるばかり。初代アニメOPの「心に愛がなければ スーパーヒーローじゃないのさ」という歌詞がありますが、本当に愛と慈悲に満ちたヒーローの話なんだなぁ……と感動させられる作品だとつくづく思いますね。

 というわけで今回はアニメ化への興奮のままに、キン肉マン新シリーズの試合の中でも個人的に好きな試合を軽く語っていきたいと思います。旧シリーズをちゃんと読んだことのないにわかもいいところの人間の語りですが、それでも読んでいただければ幸いです。

 

 

以下、好きな試合5選です。

 

 

 

 

アトランティスVSマーリンマン

 まずは7人の悪魔超人の「アトランティス」と完璧・無量大数軍所属の完刺「マーリンマン」の対戦。アトランティスに関しては「ロビンマスクを殺した奴」という漠然としたイメージがありましたが、この試合での彼は思った以上に人情味溢れる人物として描かれていたので驚きました。自分が倒したロビンをマーリンマンに侮辱されて激昂したり、ロビンに突かれたという弱点の首元を鍛えていたりとロビンへのリスペクトが半端なかったです。卑怯な方法で勝ったとのことですが、そんなアトランティスにとってもロビンは尊敬に値する人物であることが伝わってきます。

 ロビンに限らず試合中に自分を応援してくれたポール少年とのやり取りにも胸を打たれました。監修のほとんどが悪魔超人だからとアトランティスに冷ややかな視線を送っていた中、ポールだけがアトランティスを想って歓声の声を送ってくれるだけでも涙腺にきますが、彼に対するアトランティスの言葉にも唖然。「悪魔なんぞ応援してたらロクな大人になれねえぞ」という、突っぱねた物言いにアトランティスの矜持といったものを感じ取りました。対戦相手を殺すことも厭わない点など間違いなく悪役に属しているのですが、彼なりに誇りを持って悪役をやっているのでしょう。プロレス漫画だからこそのヒール役の良さも描かれていると言えますね。

 最終的にはマーリンマンを倒すものの(ロビンの十八番のタワーブリッジを使うのがまたリスペクト精神に満ちてて熱い!)こと切れて引き分けで終わってしまい、ポール以外涙を流す者はなしというオチでしたが、読んだ身としてはこれ以上なく心に来る試合でした。その後の展開でもスプリングマンやブラックホールといった他の悪魔超人たちの義にも感動しましたが、7人の中で最も好きなのは誰?と聞かれたらやはりアトランティスだと答えますね。

 

 

テリーマンVSジャスティスマン

 アニメ化のタイトルにもなっている完璧超人始祖の1人、完璧・陸式の「ジャスティスマン」。なんかサタンとの塩試合っぷりなどがよく話題になる人物(サタン様が主役みたいになっているコラ画像シリーズ好き)ですが、彼に関しては試合中の容赦のなさとは別の慈悲深さを魅せてくれた辺りが魅力的だと考えています。始祖全員が抱えているザ・マンを超えられないという苦悩を、今の世代の可能性を見て解消していく「テリーマン」との試合が特にジャスティスマンのキャラクターを物語っていました。

 改めて見るとテリーマンを徹底して打ちのめす圧倒的強さに目を背けてしまいますが、その後も決して消えない闘志を見せつけるテリーマンを見て、自らギブアップを上げる展開には驚きつつも感動しました。この辺りはジャスティスマンが表情一つ変えない態度に反して、内心では下等超人の可能性に魅せられていたことがわかり中々にグッとくる場面となっています。「下等超人も見上げたもの」というセリフに喜びが含まれているのも素敵です。(このシーンは後々のサタン戦以降のジャスティスマンを見ていると余計にそう感じますね

 あとはやはりテキサスブロンコ・テリーマンの不屈の闘志が大きな見どころですね。両腕を潰され、義足を自ら破壊することになっても戦おうとする泥臭さにも惹かれるものがあります。その意志が次代に受け継がれる「永遠」に繋がると、ジャスティスマンが負けを認めた要因になっているのにも納得がいきました。快い勝利とは決して言えないものの、読後感はかなり爽やか一戦でしたね。

 

 

悪魔将軍(ゴールドマン)VSストロング・ザ・武道(ザ・マン)

 アニメ化が決定した完璧超人始祖編のラストを飾る試合であるこの両者の戦い。よくよく考えると主人公の試合を前座にして過去のボスキャラが最後に戦うというのもおかしな話ですが、積み重ねのおかげでそれでも納得がいくのがこの作品のすごいところですね。ゴールドマン」改め「悪魔将軍」が、「超人閻魔」を名乗るようになった師匠「ザ・マン」を討ち取る運びには始まりから息を飲みました。

 この両者の戦いはここに至るまでのやり取りもあって、中々に重苦しいものだったのが印象的です。ノアの箱舟の如く超人たちを選別し正しい方向へ導こうとしたものの、それでも邪悪な超人が善良な超人たちを虐げる世の中に失望したザ・マンに、まず何とも言えない苦しい感情を抱いてしまいます。ゴールドマンが外に出る際は「それでも私が聞く耳を持たぬ老害に成り果てた時は遠慮せず討て」と辛うじて優しさがあったものの、現代ではその老害そのものに成り果ててしまっているのが悲しかったですね。長い年月の果てに間違っていると思っていても変えられなくなってしまう……というのは大人の読者ほど共感が得られると思います。

 まさにそんな自分でわかっていてもどうしようもなかったザ・マンに引導を渡すために、悪魔将軍が奮闘するのが故に泣けてくるんですよね。血も涙もない人物と見せかけて、師匠と同志のことに関しては火事場のクソ力を発揮出来るという塩梅も彼のキャラクターに深みを持たせていると言えます。「師匠を超える」ことを目標に未完成のままにしていた奥義「神威の断頭台」を完成させて、ザ・マンを倒すシーンは何度見てもテンションが上がります。その後道着の面越しにずっと厳しいまなざしを見せていたザ・マンが素顔を晒し、憑き物が落ちたかのように安らかな表情を見せるのがまた心にきますね。その後のキン肉マンの最後の主張も含め、この師弟の決着として実に綺麗な終わり方だったと思います。その後のザ・マンはガバガバサイズの檻とか色々と面白い人になっていますが。

 

 

キン肉マンVSパイレートマン

 主人公の「キン肉マン(キン肉スグル)」の試合数はキャラが多いこともあり少ないものの、いずれも重要な場面でキン肉マンが活躍し、後々の展開にも大きな影響を与えていく印象深い者ばかりというイメージがあります。実際上の試合の直前に行われたネメシス戦は、キン肉王族が掲げる「慈悲の心」を体現した見事な主張のぶつかり合いだったと思います。ただキン肉マンの試合を1つ挙げるとしたら、個人的には「オメガ・ケンタウリの六鎗客編」での「パイレートマン」の試合を語りたいですね。

 このパイレートマンの試合はまず彼の誠実なキャラクターに魅力を感じます。故郷の星を救うために戦っているためキン肉マンに協力してもらえる可能性はあるものの、もう1つザ・マンへの復讐を掲げていることもあり彼を巻き込ませまいとする、パイレートマンなりの優しさに胸打たれました。一方希望である火事場のクソ力が自分でも通用するとわかるや否や激昂する瞬間には困惑したものの、真面目ゆえに縋っていたものが夢物語に過ぎないことへの失望も大きかったのかなぁと思っています。

 そんなはたから見ると八つ当たりもいいところなパイレートマンに対し、自分の不甲斐なさを恥じるキン肉マンに深い感銘を受けました。一方的に殴られているのにパイレートマンが絶望していることに気付き謝罪する姿を見て、素晴らしい器の大きさと優しさの持ち主なんだ……!!と思ったほどです。そこから彼の哀しみを取り除くために逆転勝利し、火事場のクソ力の可能性を示す辺りに主人公の底力を感じました。敵を倒すだけなら誰でも出来るが、敵をも救おうとしてそれを行えるのはキン肉マンだけだろうと、この男が主人公である所以を改めて理解した次第です。

 

 

ウォーズマンVSオニキスマン

 最後は「超神編」からリアル・ディールズの1人に立候補した「ウォーズマン」と、維新の神「オニキスマン」の対戦について。超神編は敵の超神が対戦相手の超人と少なからず関わりがある事例が多かったのですが、この両者は体が機械のロボ対決というのもあって中々に注目の試合でした。

 正直に言うとこの試合が始まる前、僕はウォーズマンにあまり期待してはいませんでした。というのも完璧超人始祖編で一時退場したロビンマスクにアイドル超人たちのリーダーを任されたものの、その後しばらくは目立った活躍が無かったからですね。ポーラマン戦やキン肉マンのセコンドなどの渋い一面も決して悪くなかったのですが、やはり彼個人の戦いでの活躍をもっと見てみたかったと思っていました。

 そうして満を持してオニキスマンと戦うことになったわけですが、その戦いはウォーズマンにとっては自分のコンプレックスと向き合う戦いだったことが最大の特徴。生まれつきロボ超人だったために迫害されていたというウォーズマンの過去を知り、その時から抱いている心のしこりを「機械に善も悪もない」と自信満々に言ってのけるオニキスマンに解いてもらう最後の流れに涙がほろりと出てしまいました。そんな心を抱えていたウォーズマンを一気に好きになったと同時に、結果的に彼を導いたオニキスマンにも好感を抱きましたね。(オニキスマンが機械の素顔を隠してあげるウォーズマンに物申しながらも、その優しさを尊重してくれるシーンもここすきポイント

 苛烈な戦いの中でウォーズマンを支えたのがキン肉マンとの友情というのもまた素晴らしいです。最初こそ勝てる気がしないなど弱気な態度を見せていたウォーズマンが、キン肉マンが「同じ気持ちを共有し合う喜び」を語ってくれてからは瞬く間に反撃に移る過程は見ていて気持ちが良かったです。謎のゆで理論による1億パワーの「スクリュードライバー」を以てしても引き分けで終わってしまった試合なものの、ウォーズマンにとっては友情とコンプレックスの克服と大事なモノを獲得した試合だったと感じられましたね。

 

 

 そんな感じで個人的に好きな試合5選でした。改めて見てみると、試合の勝敗そのものは決して良いとは言えない試合ばかりのチョイスになってしまいましたね。5試合の内主人公陣営が勝った試合が2つのみで、あとは引き分けか相手側のギブアップというのは自分で選んでおいて何ですがちょっとびっくりしてしまいます。

 とはいえ勝敗以上に大切なものを見せてくれるなど、大きな意義を持った試合ばかり。試合中のやり取りはもちろんのこと、その後のわかり合うといった過程なども含め、そういった素敵なドラマこそキン肉マンの醍醐味の1つであると個人的には思っているのかもしれません。その根底にある「慈悲の心」や「愛」「友情」に惹かれていることを実感しつつ、今回はここで筆を置きたいと思います。

 そして改めて、アニメ化めっちゃ楽しみです!!

 

 

 ではまた、次の機会に。