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2023年夏&秋アニメ簡易感想 その1

 

 

 気温が若干下がってようやく過ごしやすくなってきた今日この頃。10月に入り、秋アニメの放送が少しずつ始まってきました。今季も粒ぞろいの作品が揃っており早速どの作品を見るかで迷っていますが、今回はある程度予定を決めていたので何とかなりそうです。

 さてそんなこんなで、今回から前季・夏アニメの残りも加えて2023年秋アニメの感想を始めます。といっても今回から感想を書き始めるのは『フリーレン』と『トランスフォーマー』の2作のみなのですが、他にも視聴予定の作品が始まり次第順次加えていくつもりです。例年通りながら今季の感想の方もどうぞよろしくお願いします。

 

 

 というわけで以下、今週の簡易感想です。

 

 

※今週の『ポケットモンスター リコとロイの旅立ち』はお休みだったため感想はありません。

 

 

 

 

呪術廻戦(2期)

第34話「昏乱」

 獄門疆によって五条先生が封印されてしまった情報を、虎杖たちが共有しつつ先生奪還の対策に講じる過程が描かれた今回。封印の件は前回の時点でそこそこ衝撃がありましたが、七海たちの反応から本当に緊急事態であることを肌で感じることが出来ましたね。さらに「五条悟が封印された場合に危惧されること」を懇切丁寧に説明するパートのおかげで具体的な問題がわかりやすかったのも嬉しいポイント。最強とはいえ1人の人間に頼りすぎたのが最大の問題ではないか?と思いつつ、なんとかしなければならない目標が描かれたのもあって興奮させられます。

 そんな危機的状況ながら情報伝達などはスムーズに、かつコミカルに描かれていたのも今回の見どころでした。やっぱり死んでいたメカ丸の保険から得た情報を虎杖が(まさかの大声で)伝え、七海たちが的確に行動し始める流れには不思議と安心感を覚えます。何より呪術師の誰もが悲観するよりも先に状況を打破しようと動くことを優先しているので、まだ絶望的とまではならなかったですね。(さらっと伊地知さんが刺されるシーンにはぎょっとしましたが)肝心の五条先生は割と余裕ぶっこいているのがきになりますが、裏を返せば外の虎杖たちを信用しているとも取れるので何だかんだでグッときました。

 

 

スパイ教室

第24話(最終話)「File 《花園》のリリィ」

 対紫蟻の任務を達成して帰還した灯メンバー最後のエピソードは我らがリーダー・リリィが主役。ある程度は予想していましたが、彼女のポンコツリーダーぶりが全力で描かれていたギャグ回だったので見ていて笑いっぱなしになりました。「クラウスはあなたに恋をしている」というメモからリリィだけに限らず、ジビアたちまでもが勘違いに走る自意識過剰の連鎖は実におかしかったです。前回の長編から一気に空気がコミカルになりましたが、リリィに関してはこうしたノリの方が安心させられますね。

 対するティアとグレーテのパートは一転してシリアス一辺倒。誘拐されたティアをクラウスが救っていた過去に驚きつつ、紅炉が彼女のために英雄への道を作っていたという事実は中々に驚きの情報でした。上述のメモがティアに送られていたという話に舌を巻きつつ、彼女のままならない現実にほろ苦さを感じますね。加えてオリヴィアの末路などにドン引きしつつ、本作の背景が如何に過酷かを改めて感じ取りました。

 それらの問題もリリィのコメディで中和され、何だか良い感じにまとまったのが面白かったです。以前も感じましたが、周囲を和やかにするのがリリィがリーダーたる所以なのかもしれません。ギャグとシリアスの温度差に困惑しつつも、最終的にはほっこりと終わることが出来て何よりの最終回でした。(白蜘蛛といった敵スパイとの決着はこの先の原作で描かれているのでしょうね)

 

総評

 実質分割2クールで放送されたラノベ原作アニメ。2期はティアやアネットといった、1期では影が薄かったキャラにスポットが当たっていたのが特徴的でした。長編では全体的なサスペンス要素も増しており、この先どうなってしまうのか?という緊張感が生まれていたのが興味深かったです。一方で短編は以前と同じ日常エピソードからどこかヒリついたストーリーなどバラエティ豊かになっていて見やすかったのも好印象。

 また同時に登場キャラそれぞれをより深く見れるようになったようにも感じます。恐らくは1期を通して作品の空気感やキャラの性格などが掴めてきたので、彼女らが成長していく様子も相まって本作の楽しみ方というものが理解出来たのでしょう。ここぞという場面で頼れるクラウスも含め、最終的にはメインキャラ9人全員に愛着が湧きましたね。

 ヒーローへの想いと現実のギャップに苦悩するティアや幼さと残酷さを併せ持つアネットなど目立っていたキャラ多い中、個人的にはモニカがお気に入り。ヒルな態度の裏で、本当の天才たちへのコンプレックスを抱えている背景に一気に惹かれました。そんな彼女の心情が明かされた氷刃回と、灯メンバーの影響を受けてそれらを乗り越えた夢語編での活躍も含めて彼女の成長が特に印象に残りましたね。(あと彼女が好きな相手ってやっぱりリリィなのでしょうか……?)

 

 

葬送のフリーレン

第1話「冒険の終わり」

第2話「別に魔法じゃなくたって…」

第3話「人を殺す魔法」

第4話「魂の眠る地」

 週刊少年サンデーで連載中のファンタジー漫画のアニメ化。何と金曜ロードショーの枠を丸ごと使って4話まで一挙放送と、かなり豪華な初回にまず驚かされました。作画などの一貫して美しく、かなり気合を入れて制作されていることが伺えるアニメ化です。そうして緊張しつつ視聴してみた本編は、「葬送」のタイトル通り大切な人たちの死を見送っていく切なさに満ちたストーリーでした。魔王を倒して凱旋した勇者の一行の1人「フリーレン」が、仲間が寿命を迎えたことをきっかけに人々を知ろうとしていく様子に思わず目を奪われます。

 何といってもフリーレンを通して「大切な人の死」というものを実感させていく過程が印象的。長命故にドンドン老いていく仲間たちと比べ、彼女が時間に置いていかれている感覚を覚えました。そして勇者「ヒンメル」が死んだことで、フリーレンの後悔と悲しみが同時に伝わってくる描写に胸が締め付けられます。時間をかけてゆっくりと、死んだ人に対する「あの時こうしておけばよかった」という感情を思い起こさせてくるのが素晴らしいですね。

 その後は弟子である「フェルン」と共に様々な場所を旅していく描写が素敵でした。だらしないフリーレンをしつけるフェルンの姿はまさに世話焼きお母さんと言ったところで、見ていてほっこりさせられます。そんな彼女と依頼をこなしたり、かつての思い出の地に向かったりするシーンは、ヒンメルたちとの回想が挟まることで微笑ましさが生まれていたと思います。

 あとは3話での魔族「クヴァール」との戦闘が面白かったですね。かつては命を奪う恐ろしいものだった呪文を、人間たちが対策と研究を重ねて無力化に成功したという話には膝を打ちました。この病気を医療の発展で克服していくかのような進歩は、ここまで切ないものとしていた時の流れにポジティブなイメージも与えてくれる側面もあって実に好ましかったです。

 

 

BLEACH 千年血戦篇ー訣別譚ー

第25話「THE MASTER」

第26話「BLACK」

 えっ何これ知らない!?どういうことなの!?とびっくりしっぱなしだった1時間スペシャル。零番隊VS親衛隊の戦いが原作から大きく変わっており、原作既読済みの身としても驚きの多い回でした。何といっても零番隊の活躍が盛りに盛られているのが特徴的で、原作ではあっさりやられてしまったことを考えるとかなり大胆な改変と言えるでしょう。聖別によってパワーアップした親衛隊を相手にしても一歩も引かない戦いぶりに、思わずテンションが上がってしまいます。

 最も衝撃を受けたのが千手丸の卍解娑闥迦羅骸刺絡辻(しゃたつからがらしがらみのつじ)」。まさか原作どころか小説などあらゆる媒体でも描かれなかった零番隊の卍解がお披露目されるとは思ってもみなかったです。どういった能力なのかははっきりしていませんが、妖艶な反物の世界で敵を次々と閉じ込めていく様には圧倒されました。発動時に三界が揺れる描写も相まって、零番隊が護廷十三隊全軍以上の実力者たちであることをようやく実感出来た次第です。

 そして和尚とユーハバッハの戦闘はほぼ原作通りでしたが、だからこその息を飲む展開のオンパレードでしたね。「殺すか」と呟いてからの和尚のドスの利いた声色、何より黒い影が増した見た目には恐怖を覚えます。万物の名前を奪う「一文字(いちもんじ)」とそこから新しい名前を与えて縛る「真打・しら筆一文字(しんうち・しらふでいちもんじ)」は斬魄刀などの“名”を重要とする本作の世界ではほぼ最強クラスと言ってもいいくらい強力です。ユーハバッハ改め黒蟻を潰すラストでは、まさに格の違う神が戦っているかのような錯覚に陥りました。

 また最後に懐かしの死神図鑑が復活したのも喜ばしい話。久々登場のコンの「死神図鑑~」というセリフだけで旧アニメのノリを思い出します。内容もアニメではカットされた原作のギャグシーンを回収してくれたのが嬉しかったですね。声のみの紙芝居でしたが、こうして見せてくれるだけでも十分ありがたいものです。(第3クールである『相克譚』は早くて来年の4月あたりに放送ですかね)

 

 

遊☆戯☆王ゴーラッシュ!!

第78話「アホ体験88」

 いつものシュールギャグ回かと思いきや何だこれは……前回ラストから遊飛の声が変わった辺りまでは声優の都合なのかと思っていたのに、途中のアルパカになったボチやら霧島口ソドンやらで明らかにおかしいことに気付いて混乱しっぱなしでした。それはそれとして本格的に素顔を見せてきたエポックがめっちゃ可愛い!その後違和感に気付いた遊飛が始めた「間違い探し」で前半を丸々見返していく構成も奇妙で、かつ次々と見つかっていく“いつもと違うところ”に笑いと困惑が止まらなかったです。

 それらの違和感の正体がクァイドゥールが改変した世界だから、という答えも衝撃的。前回の時点で嫌な予感はしていましたが、既に彼の意のままに操られていたというのは流石に予想外でした。遊飛の言う「クァイドゥール時空」は絵面こそトンチキなものの、ほぼほぼ侵略されたと言ってもいい状況なのでかなりゾッとさせられますね。

 あと余談ですが、今回チュパ太郎がメェ~グちゃんの顔を思い出せないという可哀想な目に遭っていたのも印象的。田崎さんのメェ~グちゃんもといメェ~ザキちゃんに記憶を上書きされてしまったのは素直に気の毒に思ってしまいますね。とはいえクァイドゥール支配下でも相変わらずのメェ~グちゃん愛を貫いている点は好感が持てます。

 

 

トランスフォーマー アーススパーク

第1話「ひみつのたからもの」

 待ちに待ったトランスフォーマーの新作アニメがついに日本上陸!15分枠とはいえ、久々に新作TFアニメを楽しめることにまず高揚感を覚えます。そんな本編はまず最初に、ビーストウォーズ』を彷彿とさせる声優無法地帯が展開されていたのが目に付きました。真面目なシーンで謎の雑談を始めるなどギャグに寄せすぎな吹き替えが引っ掛かりますが、まぁこのくらいならまだいいかな、と思います。オプティマスの「カチーン」は結構好き)

 内容としては「オプティマスプライム」と「エリータワン」が、ディセプティコンの「ハードトップ」とワスピータースィンドル」を取り締まるといったもの。既に終戦した背景があるため殺し合いではなく、勝手な行動を取る残党を止める程度に留まっているのが新鮮ですね。血の気の多い赤組エリータはともかくオプティマスが穏やかな口調で2人を諫めている様子からも、本作では過去シリーズのような戦争は終わって和解に入っていることを意識させられます。

 そして人間パートは「ロビー・マルト」と「モー・マルト」の兄妹がメイン。田舎町に引っ越したことで家族と揉め、家出をするロビーのもどかしい様子に目が留まります。中でも彼がイライラの理由を妹のモーに説明しようとして、上手くいかずに叫んでしまうシーンが秀逸ですね。言葉が感情に追いつかずにいる思春期の描写として絶妙な生々しさがあると思います。

 

 

 2023年秋アニメ感想を書くために作品ごとの放送スケジュールを以前からチェックしている中、最近は初回拡大放送のアニメが多くなってきたように感じました。(春では『推しの子』がそれに当たりますね)上のフリーレンのような金ロー枠を使う作品まで出てくるなど、昨今のアニメ業界がドンドン大きくなっていることを実感させられます。追いかける側としてはいきなり1時間も見せられるなど大変なところもありますが、何だかんだで今季も楽しんで視聴していきたいと思います。

 

 

 ではまた、次の機会に。