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仮面ライダーガッチャード 第5話「燃えよ!斗え!レスラーG!」感想

夢の砦でゴングを鳴らせ!

1+1は2じゃないぞ、俺たちは1+1で2000万だ!100万倍だぞ100万倍!

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  • 胸の炎がリングを焦がす!

 今回のガッチャードは予告通りプロレス回。蓮華たちからケミー捕獲のコツを教えてもらう際に訪れたプロレスジムで待っていた騒動に関わる中で、プロレスに関する要素が詰まったコミカルなやり取りが展開されました。それでいてちょっと心温まるエピソードにもなっていたので、驚きつつも楽しめましたね。

 何といってもプロレス成分の濃い展開の数々が特徴的。ジムのオーナーである「旭(あさひ)」さんを守ることになった中、マルガムになって襲い掛かってきた「剛力(ごうりき)」を倒すための特訓をプロレスリングで行う絵面の衝撃は大きかったですね。強敵攻略のために修行する展開自体は特撮作品ではよくあるものの、全部がプロレスに結びついているのが何ともおかしいところです。特に旭さんがレスラーGと合体して「アサヒG」(マルガムの亜種と言っていいのでしょうか)になって特訓を開始してからは笑いが止まりませんでした。

 その後の剛力とのリベンジでもやっぱりプロレスの試合形式で戦うなど、プロレスラー的なスポコン展開を徹底させておりこれがまた笑いを誘います。(しかもりんねを除いて仲間がみんなプロレスのノリに付いていっているのがシュールです)しかし後述のケミーとの関係もあったことで、「タッグパートナーとの可能性」を推しだしてくれる内容には純粋に燃えましたね。冷静に考えると律儀にプロレス要素を守る必要なくない……?となってしまいそうになるところを、登場人物たちの熱いやり取りで有無も言わせず受けいれさせるパワーがあったと思います。こういったトンチキながらもキメるところはキメてくれる展開は好物の1つなので、個人的にも実に楽しめた回でした。

 

 

  • 彼らが見た友情と夢

 今回は他にも善良な一般人とケミーの友情、そして「夢」に関する切ないラストも大きな見どころでした。旭さんがレスラーGと良好な関係を築いており、お互いが相手を想いやっている構図がまず胸にきます。何より心の清い人間と付き合えばケミーもこうして真っ直ぐに協力してくれる様子は、人間とケミーの可能性を思わせてくれますね。ここまで割と洒落にならない悪人とその悪意の飲まれるケミーが多く描かれてきましたが、人とケミーの関係は悪意だけではないことをキチンと見せてくれるのは嬉しいところです。

 そんな旭さんからレスラーGを引き離してしまうのは見ている側にとっても気が引ける話でしたが、剛力撃退後は記憶まで消さなければならないことが判明してショックを受けました。宝太郎がケミーとの関係を築くということは、時にこうした切ない別れを強いなければならないことを思い知らされた気分です。旭さん自身それを受け入れて、レスラーGを敢えて突き放す態度を見せる様子がやるせなさをより加速させてきます。

 旭さんのプロレスにかける夢も決して円満解決といかないのがまた切ないです。地上げのヤクザは一時的に追っ払っただけですし、ジムを継いでくれる後継者もいない状態で夢を追い続けることに不安の方が大きく湧いてきます。とはいえレスラーGのおかげで夢を叶えられた旭さんの晴れやかな態度もあって、そこまで絶望的でもない感覚を覚えますが……誰もいないジムという「夢の砦」を見せるラストも相まって、上述のトンチキプロレス展開とは対照的にしんみりとした空気を味わいました。

 

 

  • 幻惑と弾丸、そしてリングに舞う闘士と軍隊の錬成

 

    ゲンゲンチョウチョ

GENGENCHOUCHO!

 

バレットバーン    

BULLETBAANG!

 

ガッチャンコ!

 

バレットチョウチョ!!

 

 今回最初に変身したのは「バレットチョウチョ」。蓮華が入手した「ゲンゲンチョウチョ」と「バレットバーン」の2枚の組み合わせで変身したこのフォームのワイルドモードは、何と銃そのものという驚きのビジュアルでした。とはいえ『セイバー』の最光など、武器そのものになるライダーは前例があるのでそこまで意外というものではありません。またゴーグルやガッチャードライバーの意匠などがキチンと施されていることからこれがガッチャードであることはある意味で一目瞭然で、中々に秀逸なデザインであると思います。

 しかし武器になってしまう弊害で自力で攻撃出来ないのか、味方に持って撃ってもらう必要がある模様。(初代『トランスフォーマー』アニメのメガトロンを思い出す仕様ですね)そうして撃ち出す弾丸には殺傷力はないものの、撃たれた者に幻覚を見せるという別方向で凶悪な性能だったのも特徴的。ニチアサフィルターで面白おかしく描かれていましたが、ある意味で他フォームよりもヤバいかも……?と感じずにはいられないガッチャンコでしたね。

 

 

    レスラーG

WRESTLER G!

 

アントルーパー   

ANTROOPER!

 

ガッチャンコ!

 

アントレスラー!!

 

 そして旭さんと心を通わせた「レスラーG」と前回救出した「アントルーパー」を錬成(ガッチャンコ)して変身した形態「アントレスラー」。ガッチャードのパワーを担当する派生フォームです。見た目に関してまず目に留まるのが上半身に装甲が集中している点で、これまでのフォームと比べてもかなりゴツい装備になっています。腕の装甲は特に分厚く、先端がアリのアゴを思わせる形状をしていることから防御だけでなく攻撃力も高そうです。反面下半身には一切装甲が追加されておらずアンダースーツそのままですが、上半身と比べてもそこまで貧相・アンバランスには見えないのが面白いですね。偏っている割には全体的にマッシブなイメージが出ていると思います。

 今回はリング上での無制限マッチということもあり、戦闘でプロレスラーらしい華麗な攻めと立ち回りを見せてくれました。重武装な見た目に反して動きも俊敏で、相手の攻撃を避けつつ反撃に転ずるテクニカルな一面が多かったです。極め付きは相手の必殺技である「風車式バックブリーガー」を体を反転させ封じるシーンで、上述の特訓の成果がキチンと出ていることを実感しました。その後はアサヒGとのタッグでモンゴリアンチョップやクロスラリアット、そして必殺技としてドロップキックといったプロレス技を披露するなど、徹底してプロレスラーとしての強さを見せてくれた印象です。

 

 

 というわけで5話の感想でした。基本はプロレス要素満載のコミカルさに大笑いしながら、最後の切ない空気にどこかしょんぼりしてしまう、そんな奇妙な回でした。しかしながら1話という範囲で旭さんとレスラーGのキャラクターを見事に描き出し、両者への愛着が湧いてくるほどの魅力を引き出してくれたことはお見事。今回の件を通じて蓮華と錆丸との関係性も進めることが出来ましたし、1話完結のエピソードとして手堅くまとまった内容だったと感じます。現状ガッチャードはかなり明るい作風で見やすく、1話完結との相性も良いと思うので今後もこうしたエピソードをガンガンやってほしいですね。

 

 

 そして次回はスパナを恨んでいる男がマルガムになって復讐しに来る模様。スパナに関しては今回で錬金アカデミーメンバーほぼ全員から敵視されるようになっており、この性格からしても周りから恨みを買ってそうで不思議はありませんね。問題はその男がスパナをおびき寄せるためにりんねを誘拐してしまうことがあらすじに書かれている件。自分のせいでりんねを巻き込んでしまったスパナと、彼女を助けるために焦る宝太郎それぞれの反応が気になるところです。

 

 

 ではまた、次の機会に。