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仮面ライダーガッチャード 第6話「超A級☆ネジれスター」感想

抱くべきは恨みではなく

ハハーンさてはこのライバル、主人公へちょっかいかけたがってるな?

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  • 完璧超人の無関心問題

 今回のガッチャードは主人公周りからのヘイトを集める黒鋼スパナを中心としたお話。冒頭から宝太郎の家の食堂に上がり込んで朝食を食べに来た時は驚かされました。しかも宝太郎お手製の料理を「不味い」と言いながら完食→厨房を借りて美味しい料理を作りみんなに食べさせるという謎の行動までかましてきたので困惑が止まらなかったです。正直スパナ作の料理は見た目が毒々しくて美味しそうに見えなかったのですがわざわざ宝太郎に「お前には才能がない」と煽りに来ただけなのか?と思わずにはいられないムーブに、スパナへの変人イメージを抱かずにはいられませんでした。これらの行動が平成の2号ライダーでありそうな点がまたじわじわきます)

 さらには今回マルガムになって襲い掛かってきた「鉛崎ボルト(なまりざき・ボルト)」への態度も印象に残りました。自分を憎んでいる相手に度々復讐されているというのに、彼が何者なのかまるで覚えていなかったというオチには色んな意味でやられましたね。まさか序盤の宝太郎の問いに対する「知らない奴だ」が皮肉でも何でもなかったとは……後述のボルト本人のキャラも含め中々秀逸なやり取りだったものの、無慈悲どころか関心すら持っていなかったスパナに戦慄を覚えます。例によってやたら親切なりんねへの態度も含め、彼の歪な人間性をこれでもかと味わった気分です。

 さてそんな強烈なキャラを見せたスパナですが、今回を以て彼が「他人への関心が徹底して薄い」ことがわかったのは重要なポイント。ミナト先生やりんねなど特定の相手を除いて、基本的にぶっきらぼうで自分の理論を押し付けがちな態度からもその問題点が読み取れます。一方でわざわざ宝太郎にちょっかいをかけてくる辺り、スパナが彼を意識しているのではないか?とも思えてきました。他人に興味が持てない奴かと思いきや実は主人公に思うところがある……と考えると少々微笑ましいかもしれません。現状錬金術他の才能は完璧ながらもコミュ力では問題しかないスパナですが、彼が宝太郎やりんねとの関わりでどうなっていくのか気になるところです。

 

 

  • 復讐者よりもライバルとして

 そんな問題を見せてきたスパナに対し、劇中のキャラが各々の反応を見せたのも大きな見どころ。中でも今回のゲストキャラであるボルトだってばさのキャラクターは強烈の一言でした。錬金術の試験で対決し負けた腹いせに襲う逆恨みもいいところな行動に呆れましたが、一方でプライドの高い性格と芝居がかった口調が面白かったですね。加えて上述にもあるようにスパナに覚えられてすらいなかった滑稽さも、彼のエキセントリックかつ虚しい復讐を際立たせていたと言えます。自惚れが激しかっただけに敗北を認められず、どこまでも堕ちていった哀れなピエロとしてある意味見事な活躍ぶりでした。

 同じように宝太郎もスパナへの態度にカチンと来ていましたが、こちらはボルトのような逆恨みで行動しなかったことが注目ポイントですね。一言文句言ってやろうとしたり蓮華の言葉に図星を突かれたりする一面を見せながらも、いざという時は迷わずスパナに協力してくれた辺りに好感が持てます。(ヴァルバラドを「ホークマルガム」のところに飛ばすため、スチームホッパーのキックで空へ上げるサポートがここすきポイント)加えて最後には「スパナにギャフンと言わせてやる」ことを目標にするシーンにも感心させられました。そして等身大の高校生ながら真っすぐな宝太郎の、ライバルとして同じ土俵で見返そうとする姿勢を高く評価したいです。

 自分よりも実力があって態度もデカい相手に対し、片や恨みを抱き片や対抗心を燃やすという興味深い対比が見られた今回。ボルトが手段を選ばなかった結果錬金術の掟を破った責任で記憶を消されるという末路を迎えたことからしても、両者の違いが如実に表れていると言えます。嫉妬や怒りからくる復讐よりも、相手に正面から向き合ってリベンジを目指すことが肝要であることを教えてくれる……実に教育的な回で個人的にもかなり良かったですね。

 

 

  • 燃える怒りの鉄拳振るう、剛腕と激辛の錬成

 

    ゴリラセンセイ

GORILLASENSEI!

 

バーニングネロ   

BUNINGNERO!

 

ガッチャンコ!

 

バーニングゴリラ!!

 

 前回登場「ゴリラセンセイ」とスパナがりんねにプレゼントした「バーニングネロ」を錬成(ガッチャンコ)して変身した形態「バーニングゴリラ」。アントレスラーと同じパワータイプのフォームです。レスラーという変則的なモチーフだったあちらに対し、こちらのフォームはパワータイプ定番のゴリラがモチーフになっているのでむしろ馴染み深さを感じますね。ビジュアル面でも両腕の巨大な装甲が目を引きますし、ゴリラの力強いイメージがわかりやすく表れているのも特徴的です。

 そんなバーニングゴリラは空中から落とされたりんねを救出する際に初変身、その後はホークマルガムにトドメを刺す際に必殺技仕様と出番そのものは結構短め。しかし周囲の岩や瓦礫を集め、燃え上がる巨大な拳を作り出して殴る必殺技のインパクトは中々のものでした。登場時間はそれほどではなかったものの、ライダーシリーズ特有のゴリラモチーフの圧倒的な破壊力を印象付けてくれたと思います。

 

 

 さて次回は5話と同じように一般人とケミーの関係性が描かれる模様。あるケミーを宝太郎たちに引き渡しに来た少年に対し、彼の真意とそのケミーへの想いを聞き出していくようです。本当は一緒にいたくてもいられない、そんな少年の家庭事情が明かされそうな予感がしますね。何より5話でも触れた「人間とケミーは一緒にはいられない」問題をどのように解決していくのか、本作の根幹でもあるテーマに胸が高鳴ります。他にも冥黒の三姉妹がりんね接触する展開もあるようで、序盤の物語が大きく動きそうな点にも期待です。

 

 

 ではまた、次の機会に。