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仮面ライダーガッチャード 第4話「アントルーパー・ラビリンス」感想

傷付いた貴女に手を伸ばす

僕知ってるよ、死んだと思われた父親キャラは生存フラグだって

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  • 父を通じて「やりたいこと」を見つける

 今回のガッチャードはヒロイン・りんねを主軸とした物語。宝太郎が彼女の心情を知ることで、少しずつ距離を縮めていく様子が描かれました。その仲良くなっていくきっかけがお互いの「父親」から来ているというポイントも興味深かったです。

 何といってもりんねの父・風雅への感情が露になったのが最大の見どころと言えるでしょう。冥黒の三姉妹の「ラケシス」によって父が死んだことを告げられ、ショックを受けるりんねの姿には胸が締め付けられました。以前裏切り者と軽蔑した態度を見せていたものの、根っこでは父への愛情は決して変わっていないことが伝わってきます。(「文句言ってやろうと思ったのに」というセリフから何てことの無い親子喧嘩の雰囲気を想起させます)父への怒りはあるけれど憎みはしない、そのくらいの距離感を持っていたりんねを見て彼女への親近感が一気に湧いてきましたね。

 そんなりんねに寄り添う宝太郎の優しさ、同時に彼が語る「やりたいこと・やるべきこと」がこれまた素敵でした。父親が遺したお店を母と共に続けていくという、素朴ながら大切な考えがりんねの「生きているかもしれない父親を探す」という目的に繋がっていったと思います。同じ父親が残したものへの希望を持ち続ける共通点が、両者の関係を深めているのが興味深いですね。何より普通の高校生でもある主人公の善良さが活かされる展開は見ていて気持ちが良いです。

 そうして1話からずっとキツかったりんねの態度もいくらか柔らかくなって一安心。宝太郎の創作料理をりんねが食べるラストシーンは、「微妙」とハッキリ言ったのもあって微笑ましさのあまりクスっときました。最初はどうなるかと思った主人公とヒロインの仲が少しですがよくなってきたことに、今後の2人の展開も合わせて期待したいです。そして何だかんだで生きているであろうそれぞれの父親の再登場も楽しみですねぇ……

 

 

  • 隠密と炭酸、航海と爆走、そして潜水と猛毒の錬成

 

    サスケマル

SASUKEMARU!

 

エナジール  

ENERGYL!

 

ガッチャンコ!

 

エナジーマル!!

 

 今回は何と新フォームが一気に3つも出てくる中々に豪華な回でもありました。うち2つは例によってワイルド形態のみという扱いでしたが、それでもこのハイペースぶりには驚かされますね。色々なガッチャードが見られるのは楽しいのですが、序盤からこんなに出していくとなるとこの先のワイルド形態のみのフォームの出番がどうなるのかとつい考えてしまいます。

 それはともかく今回最初に登場したのは「エナジーマル」。蓮華からカマンティスとのトレードで貸してもらった「サスケマル」と「エナジー」のカードで変身しました。炭酸水との錬成ということもあり全身が栄養ドリンクのような液体(頭部は手裏剣っぽい)のようなものとなっており、忍者刀と思われる両手で敵を斬りつけたり自身の体の中に沈めて閉じ込める戦術を披露していました。さながらバイオライダーを彷彿とさせる戦いぶりですが、ただ個人的にはサスケマルとエナジールそれぞれが個人で宝太郎たちを助けてくれたシーンの方が印象深かったですね。

 

 パイレッツ

PILETS!

 

マッドウィール  

MADWHEEL!

 

ガッチャンコ!

 

マッドパイレーツ!!

 

 続いては「マッドパイレーツ」。りんね所持の「パイレッツ」とスパナ所持の「マッドウィール」で変身した顔が付いたタイヤ持ち帆船のようなデザインが目を引きます。ちなみにこちらは以前公開された『映画仮面ライダーギーツ』で登場した形態でもあり、実質ガッチャードが初めて見せたフォームでもあるのでかなり脳に焼き付いています。今回は倒壊するビルから脱出するために使われましたが、今度は戦闘しているシーンも見せてほしいところです。

 

   ディープマリナー

DEEPMARINER!

 

ヴェノムダケ   

VENOMDAKE!

 

ガッチャンコ!

 

ヴェノムマリナー!!

 

 最後はスパナ→りんね経由で渡された「ディープマリナー」と前回助けた「ヴェノムダケ」を錬成(ガッチャンコ)して変身した形態「ヴェノムマリナー」。潜水艦はともかく、毒キノコというモチーフがヒーロー側としてはかなり珍しいフォームです。色合いもやや毒々しく、どちらかというと悪役怪人的な意匠を持っているのが新鮮ですね。とはいえ肩のキノコなどに、カッコよさを愛らしさを同時に持っているのは面白いところ。(頭部のキノコがお団子ヘアーみたいでちょっとかわいい)シュノーケルや腕のスクリューといった潜水艦のデザインも持っている点も忘れてはいけません。

 戦闘では何と驚き、肩のキノコから魚雷を発射する技を披露したのが印象的です。キノコの胞子をまき散らすイメージと、魚雷を打つ潜水艦のイメージと見事に重ね合わせていると言えるでしょう。戦闘シーンは例によって短めでしたが、この先また出てきた時は是非活躍してほしいですね。

 

 

  • 本心見せぬ不穏な男

 宝太郎がりんねと仲良くなっていたのとはまた別に印象を残したのが今回のスパナ。まず彼の宝太郎とりんねへの態度の違いにギョッとさせられました。宝太郎には前回から続く辛辣さを見せながら、何故かりんねにはにこやかに接してきたのでお前そんな話し方も出来るの!?と内心衝撃を受けずにはいられなかったです。そして片方に対しては徹底して冷たいのに、もう片方へのフレンドリーさを隠さない扱いの差には見ていてちょっとイラっとくるところもありました。

 しかしりんねに心を開いているかといえばそうでもなく、偉大な父親のことがあるからこその本心ではない言葉のようにも見えました。表面上は柔和そうでも、本当の意味で優しいとは欠片も思えない表情に社交辞令のような感覚を覚えます。他人によって接し方を変えているようですが、根本的に他人との距離を作っているという点は全く変わっていないのかもしれません。(むしろ宝太郎に向けたツンケンな態度の方が素なのかもしれない、とさえ思えてきました)心配していそうな口ぶりから見られる無関心ぶりは、りんねのために手を伸ばした宝太郎とはまるで対照的と言えます。

 それどころか今回、何やら気になる素振りを繰り返していた点も見逃せません。宝太郎とりんねを背後から見つめる視線はもちろんのこと、窮地にマッドウィールを渡しに来るタイミングといったものがいちいち怪しかったです。さながら彼らのことを見張っているかのようなスパナの様子からは、後々彼らを利用する気なのでは……?という疑惑を抱かせてきます。冥黒の三姉妹とは関係なさそうですが、それでも味方とは言い切れないことは確かでしょう。前回こそ2号ライダーらしい要素を感じたスパナでしたが、実際の彼ははそんなツンデレのくくりにしていいキャラクターではない、油断ならない第三勢力なのかもしれません。

 

 

 そして次回はまさかのプロレス回!?ここにきていきなりネタに溢れたプロレス要素を入れてくる展開に困惑と驚きが止まりません。あらすじによると宝太郎がケミーを順調に封印し続けている蓮華たちからケミー封印のコツを教えてもらうそうですが、そこから何がどうなってプロレスに行くのかよくわかりません。とはいえアクション方面では中々に気合が入っていそうですし、何より本作のメインであろう明るい作風を見せてくれそうな様子に期待がかかります。

 

 

 ではまた、次の機会に。