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仮面ライダーガッチャード 第1話「ガッチャ!ホッパー1!」感想

つかめ!最高のガッチャ!

まだ見ぬ「自分だけの何か」を見つけるため、少年たちは大いなる道を歩み始めた!!

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 ついに始まりました。令和ライダーシリーズ5作目『仮面ライダーガッチャード』。錬金術と高校生活を組み合わせた学園モノであることは以前から知っていましたが、いざ始まった時のケミーや展開のインパクトに驚かされることになりました。絵面のわけのわからなさを、主人公たちのパワーで押しきったような印象です。というわけで今回からそんな新ライダー・ガッチャードの感想を書いていきたいと思います。

 

 

  • まだ見ぬ情熱に夢を見る少年

 本作は冒頭いきなり始まった錬金術によるバトルやケミーの存在などが目に留まりがちですが、個人的には主人公の「一ノ瀬宝太郎(いちのせ・ほうたろう)」のキャラクターが何よりも気になりました。宝太郎のキャラを一言で表すとしたら「思春期真っ只中の少年」といったところで、元気は有り余っているのに自分のやりたいことについてははっきりとしていない若者の“漠然”としたものを抱えている点に印象に残ります。進路指導の紙を白紙で出すシーンは、そんな彼のモヤモヤが表れているかのようでした。まぁ「王様になる」とかのたまう先輩ライダーに比べれば大分普通ではある……かも?

 そんな宝太郎ですが、一方で他人に対する優しさや勇敢な一面を見せるなど、主人公らしい“熱さ”もしっかり見せてくれたことに安心させられました。クラスメメイトの「九堂りんね(くどう・りんね)」を助けようとした際の勇敢さも素敵ですが、それ以上に「九堂風雅(くどう・ふうが)」に託されたドライバーと「仮面ライダー」の字名(あざな)をしっかり受け取ろうとする姿勢に好感が持てます。視聴者同様わけもわからぬまま争いに巻き込まれたのにも関わらず、他人を想う心を持ち合わせているのがこの辺りでわかりますね。(それでいて嫌味なりんねに文句を言おうとする子どもっぽさも可愛らしいです)

 ここまで書いて思うに、宝太郎は「やるべきことされあれば底知れぬ情熱を引き出せる少年」なのかもしれません。(もっとわかりやすく言えば「仕事を与えれば真面目にこなすタイプ」といった感じでしょうか)そんな彼が仮面ライダーの名を受け継いだうえで、自らを「ガッチャード」と名乗ることで「仮面ライダーガッチャード」が誕生する経緯は中々に熱く、やるべきことと自分のやりたいことを合わせれば無敵な主人公の感性が見え隠れてしています。まだ見ぬ自分だけのもの=「ガッチャ」を探している等身大の高校生といった少年ですが、その善良さはそのままにやりたいことを見つけて大いに成長してほしいと既に見守りたくなってきましたね。今後の活躍に期待が持てる主人公の始まりだった言えるでしょう。

 

 

 宝太郎たち登場人物に限らず、今回色々と描かれた錬金術についても大きな見どころ。現状ロクな説明がないまま話が進んだので詳しいことは不明なままですが、気になるものも多く目が離せなかったです。中でも印象深かったのが錬金術のシーンで、呪文のようなものを唱えて物体を作り替える魔法のような描写が面白かったですね。某指輪の魔法使いのように指輪を介して唱えるスタイルも興味深かったのですが、唱えたワードが謎の紋様のように描かれて画面に映るシーンがやはり目に留まります。言葉を魔法陣のようにしている描写は、本作の錬金術には言葉が必要なのか?といった疑問が湧いてきました。

 そしてキーとなるのが錬金術によって生み出された人造生命体「ケミー」。デフォルメの利いた見た目や仕草は愛嬌があるものの、カードから飛び出して現実世界で暴れるシーンはかなりショッキングでしたね。(特にスチームライナーが道を爆走するシーンでは、意外とデカい図体だったのもあってビビりました)この時点でこのケミーが可愛いようで危険な生物であることが否が応でも理解出来ます。謎の敵集団「冥黒の三姉妹」によって解き放たれたケミーの恐ろしさを見せつけつつ、それと融合して「マルガム」を生み出す敵の凶悪さも印象付けられました。

 一方でマルガムはケミーが人間の悪意に触れることで生まれるものだと説明されており、ケミーそのものに罪はないとも言うべき描写がされていたのも注目ポイント。錬金術もケミーもあくまで道具でありそこに善悪は存在しない、それを使う者によって希望にも絶望になる……という考えが伝わってきましたね。そのため恐らくは、本作はそういった便利な力や道具との付き合い方を学んでいく物語となっていくだろうと感じました。正しい方向に使おうとする主人公たちと悪用を企む三姉妹の戦い、この先がかなり気になるところです。

 

 

  • 勝利へと飛び上がる、跳躍と蒸気の錬成

 

ガッチャードライバー!!

 

  ホッパー1

HOPPER1!

 

 

スチームライナー  

STEAMLINER!

 

ガッチャンコ!

 

スチームホッパー!!

 

 一ノ瀬宝太郎が「ガッチャードライバー」を腰に巻き、「ホッパー1」と「スチームライナー」のライドケミーカードを組み合わせ錬成(ガッチャンコ)することで変身した仮面ライダー仮面ライダーガッチャード スチームホッパー」。本作の主役ライダーの基本形態です。黒いアンダースーツに青を基調とした装甲が貼り付いたデザインとなっており、中でも頭部の矢印上の複眼とその上に掛けられたゴーグルが特徴的。さらに胸の中心部には機関車の炉と思われる意匠が存在しており、変身時に蒸気を噴射しているのが興味深いですね。モチーフとなっているバッタと蒸気機関車を上手いことミックスさせているのがわかります。(そして何よりスタンダードなマフラーのはためきぶりがここすきポイント

 さらに驚かされたのが今回の初変身時に「ワイルドモード」と呼ばれる非人間形態から変身した点。青くて煙突の付いた巨大なバッタの姿をした「スチームホッパーワイルド」のビジュアルのインパクは中々のものでした。果たして今回のみ先にワイルドモードになったのか、それとも元からワイルドモードを経由する二段変身ライダーなのか、その辺りも色々と気になるところです。

 そして戦闘シーンではホッパーの跳躍力とライナーのパワーを合わせた力を発揮。さらに専用武器である「ガッチャージガン」にスチームライナーをスキャンして蒸気を発生、相手の視界を奪ったうえで攻撃する中々にトリッキーな戦法を披露してくれました。りんねに助けてもらうなどまだまだ戦いに慣れていない面も目立ちますが、これから少しずつ成長していくかと思うとこの描写にも期待が持てますね。

 最後に披露した必殺技キックは最近では珍しい低空キック。先にワイルドモードになって相手に急接近し、直前人間形態に戻ってキックを当てる構成はかなりユニークで面白かったです。錬金術の「物体を組み合わせて、組み替える」要素をライダーとして映像化するとこうなるのか!という驚きと共に、本作の主役ライダーの活躍を強く印象付けてくれました。

 

 

 というわけでガッチャード1話の感想でした。説明がほとんどされないので若干置いてけぼり感がありますが、宝太郎の人の良さやケミーの愛らしさなど魅力的な要素も多く興味や楽しみも次々と湧いてくる1話でしたね。錬金術や勢力図などに関しては今後少しずつ説明がされていきそうですし、ひとまずは主人公たちの描写に注目していきたいと思います。何よりまた1年、仮面ライダーで楽しめることを噛みしめながら視聴していく所存です。

 

 

 さて次回はガッチャードになった宝太郎が「錬金アカデミー」にて錬金術のテストを受けることに。実は錬金術師だったりんねや教師から課された問題を解けるのかいきなり不安を駆られる展開になってきましたが、そこは宝太郎の純粋さに期待したいところ。突然巻き込まれた戦いに彼はどのような答えを見出すのでしょうか。他にも子どもと遊んでいるというスケボーのケミーや、ライダーらしくバイクシーンを魅せてくれる点も楽しみです。

 

 

 ではまた、次の機会に。