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仮面ライダーガッチャード 第7話「さよならサボニードル」感想

少年の気持ちはどこにある?

バカライダー界の大型新人・一ノ瀬宝太郎の子どもとの対話スキルが光る!

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  • 理玖少年の憂鬱に寄り添う心

 今回のガッチャードはケミーを渡しに来た少年にフォーカスし、人間とケミーの関係について再び注目していく内容となっていました。今回のゲストキャラ「砂原理玖(すなはら・りく)」少年がサボニードルを持ってきて引き取ってもらうようお願いしてくる様子は、さながら拾った子犬か子猫を離す瞬間の子どものよう。(ラストに「サボ助」と名付けていることも判明しましたし、この子が本当はサボニードルを好きなのが丸わかりです)この子が本当にサボニードルを離れていいのかと考える宝太郎の行動からも、そうしたテイストを感じましたね。

 個人的に注目したいのは理玖くんの態度。ちょっと生意気ながらも純朴そうな少年ですが、父親との約束で勉強に励む様子から彼の心の抑圧を見ました。言動の数々も「お父さんに捨てなさいと言われたから」と父の言うことを聞いているばかりで自分の感情を露にしようとさえしません。かといって父親が全ての元凶というわけでもなく、理玖くんが約束を語るシーンからして彼自身親に応えようとしているのも関係していそうな気がしますね。いずれにしても、勉強という真っ当な理由を前に仲良さげな少年とケミーが引き離されるのは少々切ないです。

 そんな息苦しい展開の中でちょっとした癒しとなったのが我らが主人公・宝太郎。理玖くんの心情を察して気遣い優しさはもちろんのこと、彼の生意気な態度にカチンとくる様子には救われました。子ども相手にムキになる大人げなさと、小学生の問題を前にして固まるおバカさ加減が何とも微笑ましかったです良い大人をしたメタレドもこの問題で固まったのは内緒だ!何より問題を解こうとしたり缶けりに誘う宝太郎を前に、理玖くんが楽しそうにしていたのが良かったですね。勉強に没頭する以上真剣でい続けなければならない子どもが、年相応に楽しんでいる姿を見るだけでホッとさせられます。理玖くんから笑顔を少しでも取り戻し、サボニードルとの関係を聞き出そうとする宝太郎に大きな感銘を受ける回でした。

 

 そんな宝太郎の考えに対する周囲の反応が描かれていたのも興味深かったです。スパナは案の定否定的で「掟に反する」の一点張り、横で聞いていた錆丸も「研究対象」と答えるなどあまり理解は得られていない様子。一方でミナト先生は逆に宝太郎の考えを尊重している素振りを見せたのが意外でした。(それでいて「理想よりも守らなければならないものもある」とスパナの意見にも同意する大人な姿勢が素敵)掟を重んじるもののそこまで否定的ではないりんねと同じように、主人公に理解を寄せてくれる存在がいるだけでも視聴者としては非常にありがたいです。徹底して描かれる人間とケミーの問題に、宝太郎たちがどのような折り合いをつけていくのか俄然楽しみになってきましたね。

 

 

  • 発光と電板、そして大空を翔る猛禽と刺突の錬成

 

    ピカホタル

PIKAHOTARU!

 

スマホーン   

SMAPHONE!

 

ガッチャンコ!

 

スマホタル!!

 

 今回は冒頭からいきなり新フォーム「スマホタル」へと変身。いつの間にか入手していた「ピカホタル」と「スマホーン」の組み合わせの形態で、そのワイルドの見た目は中心にスマホの画面が付いた虫のようです。(ただピカホタルの元ネタのホタルというより、セミに見えますね)能力についてはスマホの画面から強烈な光を出し、標的の動きを止めるというもの。劇中ではメカニカニを怯ませてガッチャしていましたが、いつにも増してポケモンの捕獲シーンのような流れが面白かったです。さながら秘伝技のフラッシュとでも言うべきこの形態を、どうせなら戦闘でも使ってほしいところです。

 

   ホークスター

HAWKSTAR!

 

サボニードル    

SABONEEDLE!

 

ガッチャンコ!

 

ニードルホーク!!

 

 そして前回マルガム化から救った「ホークスター」と理玖少年が持ってきた「サボニードル」を錬成(ガッチャンコ)して変身した派生形態「ニードルホーク」。本作における念願の飛行能力持ちフォームです。デザインはだいぶサボニードル側に寄っていて、全身にサボテンのようなトゲトゲが生えている厳つさがまず目に留まります。しかし飛行時には前面の前掛けのような装甲が広がり巨大な翼になるなど、鷹としての要素もきちんと残っているのが好印象。空を飛びながらガッチャージガンで攻撃する他、体のトゲを飛ばすなど遠距離技が豊富そうな面も魅力的と言えます。

 ただ今回はここぞという場面でサボニードルが逃げ出し変身が強制解除されるという緊急事態のせいで、ニードルホークの活躍そのものは見れなかったのが残念なところ。(見たところサボニードルは敵の攻撃にビビっていましたし、案外怖がりなケミーなのかもしれません)幸いガッチャードにとって現状唯一無二の飛行形態という個性を持っているので、今後の出番自体はまだまだありそうです。サボニードルの抱えている問題を解決した後は、見た目通りの尖った戦いぶりに期待したいですね。

 

 

  • 謎多き三姉妹の目的とは?

 今回は他にも冥黒の三姉妹の暗躍が本格化してきた点も見逃せません。ラケシスがシスターの姿で強い悪意を持つ人間(今回登場してきた男が理玖くんを狙う理由が不明なのが若干怖い)を引き寄せマルガムにするシーンの他、長女「アトロポス」がりんねに近づくなど以前よりも大分積極的に行動しているのが印象に残りました。マルガムになる人間に限らず一般の悪人たちの濃さに押されていましたが、何だかんだで悪役としてやることはやっているのである意味で安心させられます。

 そんな三姉妹の目的について語られたのが何よりの注目ポイント。中でもマルガムを生み出す理由についてスパナが疑問を抱いていたシーンで考えさせられました。1話で言っていた「暗黒の扉」を開くにはガッチャードライバーを必要としているのに、ドライバーを奪わずにマルガム作りに没頭しているのは確かに不自然です。その理由であるかのように今回「フラスコの中の悪意」なるワードが登場しましたが、今の三姉妹はそのフラスコで人間の悪意を集めることに注力しているということでしょうか。ドライバーを手に入れるのはその後でもいいらしい口ぶりからも、重要なのは悪意の方なのかもしれません。

 第5話で名前が挙がった「グリオン」という人物についても気になります。三姉妹に指示を出している大ボス的な存在なのでしょうが、現状三姉妹が何者なのかはっきりしていないので如何とも判断がし辛いです。ただまだまだ始まったばかりということもあり、この不明瞭さが何とも不気味に思えてきました。ひとまずはアトロポスりんねに近づいた理由、彼女の父親について語ろうとしている次回に注目したいところです。

 

 

 さて次回はその続き。上空から落下中の宝太郎が真っ先に心配になってきますが、それ以上に理玖くんとサボニードルの関係も注目ポイント。予告からしてサボ助の失踪に動揺しており、理玖くんが彼を大事にしているのは明白です。人間とケミーは引き離さなければならない掟があるものの、旭さんの時と同じように気が引けてきますね。とはいえガッチャード初の前後編ということもあり、如何にして解決していくかが楽しみになってきました。

 

 

 ではまた、次の機会に。