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仮面ライダーガッチャード 第39話「ガッチャ完了!クライマックス101!」感想

その心は超越者を超える

Q.ガッチャとは何ですか?

ゼロワン「俺もわかんない」アクセル「俺に質問するな」ストロンガー「そんなこと俺が知るか!」

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  • 101の思い出 目指してがんばろ!

 今回のガッチャードはついに最後のケミー確保のエピソード。残った2体のケミー・オジーラカンスとパクラプターをガッチャするために各々作戦を立てる宝太郎たちにまず癒されました。料理やドローンはまだいいとして、りんねと一緒に恐竜の着ぐるみ(ティラノサウルスレースに使うものでしょうか)を着て恐竜になりきる蓮華がかなりシュールでしたね。途中いじけた感じで離脱するりんねも可愛らしかったですし、重苦しいシリアスの後に決まって出てくるコミカルな空気は健在でいつも通り癒されます。

 そして今回ケミーたちの仲の良さも大きな見どころとなっていました。何と言ってもニジゴンのが印象的で、ホッパー1をはじめとした他のケミーとすぐに打ち解けていたのが興味深かったです。「ホッパー先輩」と呼んで敬っているうえ、パクラプターの秘密まで宝太郎に通訳してくれる活躍には舌を巻くばかり。他にも宝太郎のことを取り合ったりせず、互いを尊重出来ている様子も個人的には頷かされるポイント。ケミーはいずれも純粋かつ善性に満ちていますが、ケミー同士のやり取りでもそれらが遺憾なく発揮されていたと思いました。

 あとはケミーの3DCG一挙登場も見逃せません。パクラプターやオジーラカンスに限らず、ギギストの戦闘ではドラゴナロスやガイアードのCGも出てきたのでかなり驚きました。おかげでケミーたちの活発な一面を感じ取ることが出来、見ていて彼らが生きているように感じることが出来ましたね。(ちなみに今回登場したケミーのCGは東京コミュニケーションアート専門学校の学生さんたちが産学連携プロジェクトとして制作したものとのこと。*1作品のスタッフの手が回らない部分を後進育成も兼ねて任せるというのは上手いと感じましたね)101体フルガッチャを果たしたケミーたちの、ちょっとした存在感を得るうえで有意義な回だったと思います。

 

 

  • 心で伝わり、敵を挫くガッチャ

 そして今回最大の注目ポイントはやはりギギストとの決戦。ニジゴンを狙うギギストを、全てのケミーと共に打ち倒す瞬間には大いに盛り上がりました。ニジゴンが持つ「レインボーブレス」という能力でケミーのマルガム化を阻止出来ることも判明し、ここまでの辛酸を全て返せるほどのカタルシスが引き続き生まれていたと感じます。またギギストが予想外のことが多すぎて「何なのだガッチャとは!?」と疑問をぶつけていたシーンにちょっとクスっときたり……

 個人的に印象深かったのが追い詰められたギギストが下した宝太郎評のシーン。負け惜しみの如く「貴様は悪意を抱く賢さを持たぬほど愚かな存在なのだな」と宝太郎のことをなじっていましたが、あまりにも的外れな評価なのでかえって変な笑いが出てしまいました。宝太郎が悪意や理不尽、恐怖を嫌というほど味わってきたのは明白ですし、そのうえで前に進める強さを持っている少年であることはこれまでの戦いからも読み取るれます。そのため視聴者からすればギギストはまるで宝太郎のことを理解していないのがよくわかりますね。

 理解出来ないものを愚かだと断じている者が今のこの場で誰よりも愚か、という皮肉。これまで上っ面だけで理解者を気取ってきたギギストに対してはこれ以上ない返しになっていると言えるでしょう。その皮肉も相まって心を以て進化を続けるケミーが、固定観念をぶっ壊す宝太郎との化学反応で創造主に反旗を翻すシチュエーションも仮面ライダーのテイストに沿っていてグッときます。そして1話からずっと叫ばれてきた宝太郎のガッチャ!ですが、まさに言葉ではなく心で理解するものだとつくづく思わせてくれる胸熱なバトルでした。

 

 

  • 冥黒を塗り替え、極彩色に染まりし絆の錬成

 

「レインボーブレス!!」

 

スケボーズ

SKEBOWS!

レインボー!

 

アッパレブシドー

APPAREBUSHIDO!

レインボー!

 

メカニッカニ

MECHANICHANI!

レインボー!

 

ゴルドダッシュ

GOLDDASH!

レインボー!

 

ガッチャンコ!

 

アッパレスケボー!!

ゴルドメカニッカー!!

ヒアウィーゴー!!!

 

 101体全てのケミーを揃えたレインボーガッチャードが発動したもう1つの力「ガッチャーブラザーズ」。ニジゴンのレインボーブレスによって虹色の「レインボーケミーカード」へと変化したケミーカードを装填することで、ケミーを実体化させたりガッチャンコ形態を召喚することが出来る驚きの能力です。以前レジェンダリーレジェンドが自身を増やしたりしていましたが、ガッチャードも同じように増える絵面は中々のインパクトがありましたね。

 しかしこのブラザーズは宝太郎を介することなく、ケミーたちだけで仮面ライダーに変身する点が特徴的です。実質ケミーたちだけでの仮面ライダーというわけですね。そのためケミー自身の意志で宝太郎と共に戦う、という彼らの絆の集大成とも言えるコンビネーションを発揮することが可能。プラチナガッチャードのケミーの力を宿す力からさらに一歩進んだ、ケミーと人間が同じ目線で並び立った記念の瞬間に胸が熱くなってきます。

 今回召喚されたのはアッパレスケボーゴルドメカニッカーの2体。いずれも通常の形態と異なり複眼とマフラーが虹色&胸の炉が青く輝いているといった相違点が存在しており、従来の姿から大きく変化していることが伺えます。そのうえレインボーガッチャードからエネルギーを分け与えてもらうことで、戦闘力はレインボーガッチャードとほぼ同等になるらしいのが驚きです。劇中でギギストを追い詰めていったことからも、大幅なパワーアップを遂げたことが伺えますね。最強フォームに相応しく規格外で、宝太郎らしいケミーとの自由な関係性を表わしている見事な能力だと感じました。

 

 

 他にも今回は冥黒の三姉妹やミナト先生の動向も描かれており、それぞれの物語も終盤に差し掛かっていることが感じられました。まず前者ですが、三姉妹の奇妙な関係が何にショックを受けずにはいられなかったです。アトロポスがラケシスを誘い、逆にクロトーが彼女を攻撃してくる構図は普段とは真逆で最初目を疑いましたね。何となくですが、これはギギストの介入によって姉妹それぞれに変化が訪れているように思えます。特にクロトーはラケシスのことを想っているはずなのに、ギギストから貰った力のせいで彼女を傷付けてしまっているのが悲しいです。

 それ故かラケシスが人間になる決意を固めたのも仰天ポイント。この決意は恐らく上述のクロトーたちを見て、どこまでも利用される人形から脱しようとしているのでしょう。自由な人間になろうとしているラケシスにとって今回の選択が吉と出るか凶と出るか、この辺りがまだ予想出来ないので期待と不安が同時に襲い掛かってくるシーンになっていました。(それはそれとしてラケシスがアラン様よろしくたこ焼きを食べる姿は普通に可愛くてほっこり

 そして後者はとうとうミナト先生が錬金連合を解体させることを決めていたのでこれまた興奮しました。スパナに協力を求めていましたが、これは新しい組織を作ったうえで彼をトップに据えるつもりなのかもしれませんね。何はともあれ、宝太郎たち若い世代のために邪魔な上をどうにかしようとしてくれる先生の熱さには胸打たれました。大人たちと三姉妹の今後に期待がかかります。

 

 

 さて次回は新たな冥黒王が参戦。まさかギギスト以外にも2体、合計3体の冥黒王がいたのは驚きですね。ギギストは「ヤツは四天王の中でも最弱」ポジションなのでしょうか。何だかんだで強敵だった冥黒王がガッチャードに負けじと増えてきて、困惑しつつ脅威を感じずにはいられません。

 そのうえ敵は何と風雅父さんを真っ先に狙う模様。ケミーのことを知り尽くしているであろう人物を排除しようとするのは納得なだけに、絶望感も大きいです。果たして宝太郎たちは風雅を守り切ることは出来るのか?ここにきてりんねが本当に父親を失ってしまうなんてショッキングな展開が待っている可能性が出てきたので気が気でありませんね。

 

 

 ではまた、次の機会に。

 

*1:仮面ライダーWEB(https://www.kamen-rider-official.com/gotchard/40/)を参照。