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気まぐれ漫画簡易感想 その14(マガポケ編)

 

 

 約1か月ぶりの気まぐれ漫画感想。前回に続き、WEB上で掲載されている漫画の感想シリーズとなります。ただし今回は比較的メジャーな作品についてを書いていきたいなぁ、と考えています。前回が僕自身の尖った好みが出ているマイナーな作品ばかりだったのですが、普通に有名な作品も読んでいますよ!ということをアピールしたい考えもあったりなかったり……そんな理由で申し訳ないと思いつつ、読者の皆様には各作品における個人的な想いを読み取っていただければ幸いです。

 そんなわけで今回はマガポケことマガジンポケットで読んでいる作品を中心に感想を書いていきます。知っている作品があれば、どうかお付き合いくださいませ。

 

 

 

 というわけで以下、漫画の簡易感想です。

 

 

 

 

新 仮面ライダーSPIRITS

 

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 まずは村枝賢一氏の漫画『新 仮面ライダーSPIRITS』から。言わずと知れた『仮面ライダー』を原作とした作品で、初代ライダーから10人目の『仮面ライダーZX』まで、昭和ライダー10人を主役としたヒーロー漫画です。2001年にスタートしてから『新』とタイトルを変え、いつの間にか20年以上も連載が続いていることにちょっとした驚きを覚えますまぁその故かいつになったら決着がつくのかとか中弛みが激しいといった不満も出てきているわけですが……

 本作においてはテレビで放送された昭和ライダーたちへのリスペクトの高さが注目ポイントで、実写のスーツかと見紛うレベルの作画も相まって舌を巻くばかり。ここ最近はYouTubeなどで配信されている昭和ライダーを視聴していることもあり、僕自身本作がどれだけ原典を意識して描かれているかを改めて実感するようになりました。仕切り直しである新SPIRITSの序盤に関しても「一文字隼人/仮面ライダー2号が如何にして生まれたのか」というテレビシリーズの補完を見事に成し遂げたことに当時感動を覚えましたね。本郷猛/仮面ライダー1号が改造された一文字を連れ出した選択に対して「俺の心の弱さ故、地獄の道連れにしてしまった」「すまん一文字、俺はお前を助けなければよかった」と罪悪感に満ちたモノローグを残すシーンは特に印象に残っています。

 そんなSPIRITSのここ最近のエピソードではやはり第147話が最もお気に入り復活した暗闇大使と怪人軍団相手に、10大ライダーが集合するシチュエーションには否が応でも興奮させられます。1号からスーパー1までの9人の変身シーンもこれまた実写に忠実に描かれており(一部のコマでは各キャラの表情が当時の演者に寄せられているのがここすきポイント)、贅沢なページの使い方と相まってテンションが爆上がりしました。加えて戦いの舞台であるダムや暗闇大使の「地獄大使だと?あんな奴に一緒にするな!」発言など、ZXが初めて映像化された作品である『10号誕生!仮面ライダー全員集合!!』の内容ほぼそのままでニヤリときましたね。あまりの満足の高さに、このエピソードだけ購入したほどです。

 そんな昭和ライダーの“熱さ”に満ち溢れた本作が、どのような結末を迎えるのか。それを最後まで見届けたいと再び決意させられる瞬間でもありました。学生時代からずっと追っている作品でもあるので、完結が俄然待ち望んでいます。

 

 

『Fate/Grand Order』コミカライズシリーズ

 

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 FGOこと『Fate/Grand Order』のコミカライズは各種存在しており、マガポケではそのほとんどが掲載されています。主に第1部の奇数章を扱った『Fate/Grand Order -turas realta-』や1.5部を舞台にした『Fate/Grand Order -Epic of Remnant- 英霊剣豪七番勝負』『Fate/Grand Order -Epic of Remnant- 亜種特異点Ⅳ 禁忌降臨庭園 セイレム 異端なるセイレム』などが有名ですね。いずれもゲームをやっていると印象深い作品ばかりとなっています。

 これらのコミカライズ群に関しては、作品ごとの解釈が大きな見どころといえるでしょう。原作ゲームでは淡白に終わっていた部分や不明瞭だった部分、ゲームの使用上有耶無耶だった描写などをそれぞれ上手い具合に補完しており、ゲームをプレイしている身ほど唸らされるものがあります。また主人公の藤丸のキャラ構成の違いも魅力的で、特に女子(ぐだ子)の描写はほかの媒体では珍しいので余計に印象に残ります。ぐだ子のキャラクターに関しては平常時と戦闘時の凛々しさのギャップが激しい英霊剣豪、グヘヘな目に遭いながらもしっかりみんなを導くセイレムも良きかな良きかな……

 中でも最近感嘆したのは-turas realta-の76話。イシュタルの説得パートという重要な役割を、藤丸たちに代わってアルジュナが担うという本作のオリジナル展開には驚きと納得を同時に与えられました。アルジュナの幕間のエピソードを引用しつつ、人間の意地とそれを守るべき価値を見せつけたのは本当に素晴らしかったです。(ユガ・クシェートラを意識した描写もあって、この時ほどアルジュナとアルジュナオルタを引いて良かったと思った時はなかったですねはい)エレシュキガルのこともあって、イシュタルが根負けするラストも説得力がありましたね。毎回毎回それぞれの作者が魅せるストーリーの再構成を楽しみに、本作を読み続けていく所存です。

 

 

のだめカンタービレ

 

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 アニメ化や実写化で大いに話題になった二ノ宮知子氏の音楽漫画。本作に関しては我が家の母の本棚に単行本が揃っているので読もうと思えばそちらを読めばいいのですが、スマホで手軽に読む、というスタイルにハマってこちらも普通に読んでいます。まぁ本作は1話の密度がそこそこあるので、1日1話を読むにはピッタリかもしれません。

 ともかくのだめの魅力といえば音楽の道を志す変人たちの物語、といえばいいでしょうか。主人公の千秋真一がのだめ(野田恵)に振り回される展開は1話の時点から確立されており、徐々に惹かれあっていく2人のラブストーリーとして見ても中々に満足度が高いです。何よりギャグ漫画としてのテンポの良さも特徴的で、3ページに1回は笑いどころがあるのがいいですね。久々に読んでみても奇人変人たちの有無を言わせぬ勢いには腹筋が崩壊しそうになりました。(テスト勉強回やパリでの峰再登場回などが特にお気に入り。峰の存在感はやっぱり良いよね……

 あとは読み返す中で、一見意味不明だったのだめの葛藤をより深く理解出来るようになったのも大きな収穫でした。音楽そのものは大好きなのにこうやって演奏しろと強いる空気や業界への反発を抱いているのだめと、目の前の音楽への道に邁進するのみの千秋の温度差を序盤から痛烈に感じます。さらにパリでオクレール先生の指導を受けるようになってからは、コンクールに出たい欲求や焦りが重なって爆発寸前になっているのが読み取れました。オクレール先生が音楽と向き合う姿勢を育てているのがわかる一方で、のだめのフラストレーションも伝わるので余計複雑な気持ちにさせられますそしてそんなのだめの成果を掻っ攫う悪魔・シュトレーゼマンめ……連載当時読んでいた時は深く感じ取れなかったのだめの「終わらせたがっている感情」が、大人になって本格的に共感出来るようになったのは個人的にも喜ばしい経験でしたね。

 

 

『スーパードクターK』『Doctor K』『K2』

 

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 最後は真船一雄氏の『ドクターK』シリーズについて。本作は去年行われた『K2』の大量無料公開をきっかけに存在を知り、その濃密な内容に一気に魅了され読み続けている次第です。マガポケで配信開始された時は本当に嬉しかったですね。始まりの『スーパードクターK』からコツコツと読み続けて、現在K2の序盤に突入している真っ最中です。

 そんなKシリーズは、医療に関して忠実な面とぶっ飛んだ描写の応酬がやはり最大の魅力でしょう。神の如き腕を持つ流浪の医者・KAZUYAが様々な人を医療で救いながら、悪意を持った病院や反社会的組織相手とも戦う展開はかなり独特。患者を救う邪魔をするならどんな相手だろうと拳でぶちのめしますし、時には法律や倫理も知ったことかと跳ね除ける爽快感は読んでいてかなりクセになってきますね。元々『ブラック・ジャック』と『北斗の拳』を合体させるコンセプトがあったとか何とか聞いたことがありますが、それも納得の内容と言えます。闇に生きる一人(かずと)が主人公になったK2になるとその暴力性は鳴りを潜めているものの、要所要所のぶっ飛びっぷりは継続されているのがこれまた面白かったです。

 宇宙空間で手術したり『ジョジョ』の花京院みたいなキャラと何度も戦ったり、ドクターTETSUやKEIさんが割と洒落にならない悪事を働いていたりと、K2から読んだ身からすると驚かされる要素も多め。これがまた面白さに繋がっていたと思います。それでいて手術で助けた人間が人を殺したらどうする?といった疑問や移植手術の限界といった医療漫画らしい真面目なストーリーもしっかり描かれているので、そちらにも大いに傾倒して読むことが出来ます。(K2では「乳がんになる前に胸を切除してほしいと懇願してくる母親」のエピソードがお気に入り)

 あとは現実の世相に合わせた展開にも舌を巻きましたね。新型コロナウイルスが流行してからは登場人物が日常的にマスクをするようになり、コロナウイルスの脅威はまだ去っていないのに終わったと思っている人々への警鐘を鳴らす描写もあって感心しました。他にもK2序盤に登場したクローン技術を利用した移植事業に手を染める組織が、再生医療の発達に伴って自然消滅していったのも興味深いです。現実の医療の進歩が空想の世界を追い抜いたとも取れますし、それらを違和感なくストーリーに組み込む本作には驚かされるばかりです。

 

 

 マガポケは僕が最初にインストールした漫画アプリということもあり、特に多くの作品を視聴しています。作品のバリエーションの多さやチケットとポイントで読める範囲の広さなど、無料で楽しめる敷居が低いのもあってかなりお気に入りですね。

 他に読んでいる作品も『翔太の寿司』『忍者と極道』『天地創造デザイン部』『生徒会にも穴はある!』『パリピ孔明』『夏子の酒』『聖☆お兄さん』『惑わない星』『黒猫と魔女の教室』『リエゾン ーこどものこころ診療所ー』『立ち飲みご令嬢』『しかのこのこのここしたんたん』『ルキオラと魔境の商館員』etc...と、盛りだくさんでどれも楽しく読ませてもらっています。今後もこの調子で充実した漫画ライフを送りたいものです。

 

 

 ではまた、次の機会に。