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仮面ライダーガッチャード 第41話「神の模造品(トレース)、虹の祝福(グレイス)!」感想

輝け!夢へのエール

打ち砕け!虚飾の幸せ

ニジゴン「みんなの記憶を消すのを頑張ってるミナト先生を応援するゴン!」

ホッパー1「ホッパアアァァァ!(おいバカやめろ!)」

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  • 可能性を彩り応援する光

 今回のガッチャードは突然いなくなったニジゴンの行方からスタート。ニジゴンが旅に出た理由としては予想通り、スパナの言葉を受けてのことだとわかり大いに納得しました。自分たちの存在理由を確かめたくなるのは当然と言えますし、戦い以外にも出来ることがあると証明してみせようとするのが何ともいじらしく思えてきます。引越しの手伝いなどを積極的にこなす絵面といった、ニジゴンの妙な可愛らしさもあってキュンときましたね。(一般人がニジゴンを見て普通に受け入れている状況が異質すぎて困惑するところもありましたが……この人たちの記憶を全部消さなくちゃいけないミナト先生可哀想

 そんな状況で出会った「マイ」たちとのエピソードも興味深いポイント。ダンスに邁進するものの将来に悩める少女たちを助けて、自信を取り戻させるくだりはかなり圧縮されていたものの本作らしい前向きさがあったかと思います。そうしてニジゴンが見つけた答えが「応援する」というのがまた良かったですね。ケミーが人間と触れ合うことで心に励みをもたらしてくれるのはこれまでのストーリーを見ても明らか。その答えを生まれたばかりのニジゴンが見つけ出し、自身のアイデンティティとして確立していく内容としては十分に胸打たれるものがありました。

 そんなケミーの人を応援する姿勢が、今回のクライマックスであるジェルマン戦でも発揮されていたのが個人的なここすきポイント。打倒ジェルマンのためにガッチャーブラザーズ(スチームホッパーアントレスラーライトニングジャングル)を召喚していましたが、ジェルマンを追い詰めつつマジェードたちのサポートも絶妙で舌を巻くばかり。極めつけのトリプルライダーキックもブラザーズが各々の方法でライダーたちを投げ飛ばす、という絵面だったので驚きつつも興奮しました。まさに戦う人々を応援し支えるケミーたちの構図は、宝太郎が何度も語っている「人とケミーの無限の可能性」にも通じる話でもあるのでポジティブな空気に溢れていましたね。

 

 

  • 決意と戦い、そして……

 そうして自分に出来ることを見つけ元気になったニジゴンの答えとは別に、りんねとスパナそれぞれの決意が見られたのも大きな見どころの1つ。前者は前回アトロポスと交わした約束を果たすため、後者はギギストの誘いを否定するため、と理由がしっかり描かれていたのもあってその決意を携えたうえでのジェルマン戦は結構盛り上がりました。これまでの2人を見てきた分、短いシーンでもしっかりと道を見据える姿に感銘を受けるものがあります。(ただしスパナの様子はは意固地な部分もあって見ていて少々不安になるところが無きにしも非ず

 何より登場人物たちが自ら決めたことと上述のニジゴンの答えが、ジェルマンの“幸せ”と見事に相反していたのが個人的にはグッときましたね。前回ジェルマンが語っていたイカれた思想に対して、「人の幸せはその火と自信で決めるもの」「お前の幸せはいらん」と返すシーンは中々に痛快でした。他者の幸せを決めつけ身勝手な愛を押し付ける超越者を、自らの決意で進む人間&それらの力になるケミーの力で退けた……そんなギギストの時に勝るとも劣らない、前向きなメッセージとカタルシスが込められた展開に大満足の一言です。

 

 ただその一方で、アトロポスがジェルマンを使ってグリオンを復活させた時は衝撃を受けました。ここにきてグリオンの再登場はかなり驚きです。てっきりグリオンが食われたという話を聞いて蘇らせるのは諦めたのかと思っていましたが、復讐する体でこの瞬間を狙っていたのは意外や意外。策士なアトロポスに感心するものの、利用された感じなので釈然としないものが残りましたね。また約束についてを有耶無耶にされたっぽいりんねが、裏切られたと考えて落ち込む心配も浮かんできます。彼女たちの決意そのものは素敵だったのですが、それだけでは上手くいかない場合もあることを示されたように感じました。

 

 

 今回は忙しい本筋の最中、要所要所で豪華ゲストが出演していたのも見逃せません。まずニジゴンが励ましていたアイドル少女たちを演じていたのは仮面ライダーGIRLSの皆さん。2011年から活動しているダンスユニットが、本格的にライダー本編に出演したのは結構嬉しいポイントです。

 そんな3人ですが、今回初披露されたケミー言えるかなこと「ガッチャ!101ケミー」も披露して、その歌唱力を大いに発揮してくれました。ちゃんとアイドルらしい部分を活かしてくれるのがニクいです。また3人が演じていたキャラの名前がそれぞれ「マイ」「ヒナ」「コヨミ」と、担当しているライダー作品のヒロインの名前であることにニヤリときますね。*1

 

metared19.hatenablog.com

↑YouTubeでも公開された「ガッチャ!101ケミー」の感想に関しては上の記事を参照。

 

 あとはニジゴンが手伝った引っ越し業者を演じた山下優さんと中山幸一さん。この2人はそれぞれ『特警ウインスペクター』と『特救司令ソルブレイン』(この2作は合わせて「レスキューポリスシリーズ」と呼称される)にて主演を務めていたとのことです。

 正直僕はこの2作に関しては世代ではないのでピンとこなかったのですが、明らかに何かを意識したマスクオフとサムズアップには目が留まりました。恐らくその作品で活躍した2人の勇姿をまた見られたのは、当時見ていた世代にはたまらなかったことでしょう。いずれにしても、こうした小ネタを本編を阻害しない程度に盛り込んでくれるスタイルは結構好きなので今後もどんどんやってほしいですね。

 

 

 さて次回はまさかの102体目のケミー出現!?ケミーは101体のはずではと最初思いましたが、まぁ錬金術で新しく造られてもおかしくはないのかもしれません。むしろケミーを新たに生み出したであろう存在の目的、ケミーをどうしようとするのかに注目したいところです。(というか予告で既にマルガムになっているっぽいし嫌な予感しかしない……

 さらに錆丸の故郷である謎の施設「金剛ラボラトリー」も気になります。錆丸の兄も登場するようですし、ここにきて錆丸の掘り下げが行われることに不思議と高揚感を覚えます。終盤に差し掛かってもいつものノリで突き進むガッチャード、そんな相変わらずの次回が楽しみです。

 

 ではまた、次の機会に。

 

*1:それぞれ『仮面ライダー鎧武』の高司舞、『仮面ライダーOOO/オーズ』の泉比奈、『仮面ライダーウィザード』のコヨミから来ている。