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2024年春アニメ&特撮簡易感想 その37

 

 

 

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 おはスタで放送中のアニメ『ちびゴジラの逆襲』のちびゴジラたちが登場する、TOHOシネマズのカウントダウンムービーが先日リニューアルしたとのこと。本編上映前に公開を控えた新作を紹介する、いわゆる予告編の前座として映画のスクリーンに映されるようです。

 ちびゴジラのムービーそのものに関しては以前からTOHOシネマズにて流れていたのですが、これまでのはどちらかというと逆襲が放送される前のマスコット感溢れるちびゴジラがメインでした。対してこの新映像はちびゴジラがボケ、ちびメカゴジラがツッコむという逆襲本編そのままの関係を描いているのがアニメのファンとしては嬉しいところです。(最後にお父さんゴジラが足だけ出演するのも良き)僕自身今のところは予定はないのですが、今後TOHOシネマで映画を観る時はこのムービーにも注目しようと思います。

 

 

 

 というわけで以下、今週の簡易感想です。

 

 

 

 

 

 

ブルーアーカイブ The Animation

第12話(最終話)「ただいま」

 アビドス対策委員会と先生によるホシノ奪還作戦がついに開始。作戦という割にはカイザー基地に正面から突撃するゴリ押しっぷりで笑ってしまいまいしたが、辛酸を舐めさせてきた敵陣営で好き勝手に暴れ回る光景は中々に爽快感に満ちていました。そして予想通り、前回先生に協力を頼まれた生徒たちが次々参戦する展開はシンプルに熱かったですね。これまで何度も歯痒い想いをしてきたシロコたちにとって、この仲間たちを得たことが最大の成果だと感じられるカタルシスが感じられました。

 そして後半はほぼ囚われのホシノのモノローグがメインとなっていましたが、自責の念に囚われていた彼女がシロコたちの元に戻ろうとするくだりに結構ウルっとさせられます。みんなの元に戻ろうとする様子は、後悔ばかりでなく誰かと一緒にやり直したいという気持ちが伝わってきましたね。自分1人で何でも抱えていたホシノにとってはこれ以上ない答えだと言えるでしょう。アビドスの借金の問題やカイザーが探していたモノの謎など、気になるポイントはだまだ残っていますが、ホシノ関連のストーリーがちゃんと片付いたので思いのほかスッキリしました。最後の最後に対策委員会が承認されたラストにも満足感を覚えます。

 

総評

 人気ソシャゲ原作のアニメ化。原作ゲームを知らないまま視聴したわけですが、ぶっとんだ世界観と登場キャラクターの切実な心情描写のギャップにあっという間に惹かれました。生徒たちがドンパチして自身の学校を守らなければいけない中で、責任感や後悔に押しつぶされそうになるホシノといった少女たちのストーリーはなるほど魅力的。特に要所要所で「過ちを認めて正していく」ことを重視した描写が見受けられており、間違えてもやり直していける若者たちのジュブナイルの側面も見られました。各キャラも個性に溢れているので見ていて飽きなかったですね。(アニメ範囲の登場キャラの中では、陸八魔アル率いる便利屋68がお気に入りですね。ギャグもやりつつ頼りになるポジションは非常にありがたいです)

 あとはプレイヤーキャラの分身とも言える「先生」が目に留まりました。序盤こそ目立つ場面がほとんどなく印象も薄かったのですが、徐々にシロコたち生徒へのやり取りを経て“大人としての責任”を発揮してくれていたと言えるでしょう。上述にもあるように子どもたちだけで何とかしなければいけない状況が多い世界で、頼ってもいい存在であろうとしていたのは非常に頼もしいものを感じましたね。道を踏み外してしまってもみんなと一緒なら乗り越えられる……という生徒たちのストーリーに、この大人の存在は必要なアクセントになっていたのかもしれません。そうした子どもと大人の立場をそれぞれ描いている点も含め、青春学園モノとして成り立っているとも考えました。

 

 

終末トレインどこへいく?

第12話(最終話)「いつもって何だっけ」

 葉香と元の世界を取り戻すための最終決戦が開幕。冒頭からポン太郎の装甲列車との列車チェイスが繰り広げられ、そのハイテンポなノリに早くも圧倒されました。懐かしの敵を速攻で倒すわ何かとゾンビが役に立つわと、これまでの要素をドンドン消費していく様子が何とも楽しかったです。(特にゾンビと黒木は今回のMVPと言っても過言ではない)ポンタローとの対決もあっという間に片付いたので、若干拍子抜けながら愉快なものを覚えましたね。またそんな目まぐるしい中で用心棒のポチは終盤明かされた本来の姿(カラス)含めて、葉香への忠義を一貫していたことに好感が持てます。

 そして後半は最も重要な静留と葉香の和解が描かれることに。あの時離れたくなくて酷いことを言ってしまった静留の謝罪と、許したくても簡単に許せない葉香それぞれの心情が伝わってきて胸が張り裂けそうになりました。それらのモヤモヤを抱えながら、吾野から池袋までの旅で得た思い出と一緒に昇華していく流れはどこか感動的。苦しくて大変だったことも“楽しかった”と答え、友達への呪いのような恨み言を“願い”と捉える、そんな前向きに溢れた言葉の数々が個人的に最も響きましたね。

 そうして葉香が7Gのボタンを押して世界は元に戻った……かと思いきやところどころまだおかしな部分もあって少々困惑。かえって悪化したようにも思える部分がチラホラあるのですが、劇中でスワン仙人が言っていたように「変わらないものはない」といったことなのでしょうか。起こしてしまったことを完全に元に戻すことは出来ないからこそ、それらを受け入れて前に進むというメッセージにも取れる最終回でした。

 

総評

 水島努氏のオリジナルアニメーション作品新作は、身近な駅で巻き起こる独特の世界観の数々に目を回す内容となっていました。突如として変わってしまった世界の珍妙さが随所に現れており、その多くがトンチキとも言えるものばかり。中には風邪を引いた時に見る夢のようなものもあって、世界観を考案した監督の頭の中を覗いてみたくなるほどでした。物語に関しても1話の中に詰め込めるだけ詰め込んだハイスピードなものが多く、驚きながらその奇妙さを楽しむ作風になっていたと言えます。尺の都合でカットされたのであろう駅がいくつかあるので、それらを別の媒体で描いて補完してほしいと思えるくらいには気に入りましたね。

 それでいて主人公周りの描写は結構生々しかったのが特徴的。葉香とケンカ別れしてしまった静留の無神経な部分や、友人たちとの関係の微妙なズレなどが序盤から仄めかされていました。それら布石が爆発した6話などはまさにその問題提起が為されていたと感じています。そのうえで自分たちの問題とどう向き合い、友達の問題をどう受け入れていくかに焦点が当たっていたのが興味深いところ。間違えたことをそう簡単に覆せはしないからこそ、それらを許容したうえで生きていく処世術のようなテーマ性があったのかもしれません。そのため劇中のギスギスした空気もちょうどよいスパイスとなっており、少女たちの成長に繋がっていたかと思います。

 

 

狼と香辛料 MERCHANT MEETS THE WISE WOLF

第13話「三人の晩餐と二人の午後」

 ひたすら2人(+1人)のイチャイチャを見せつけられた30分。体調が悪くなったホロをロレンスが看病しながら、彼女の感情の機微に翻弄されていく様子は何とも微笑ましかったです。ノーラと会話を弾ませるロレンスへの嫉妬を隠せない一方で、彼がつきっきりになるや否やたちまち上機嫌になっていくわかりやすさには思わず笑みをこぼしてしまいます。逆にロレンスの鈍感さは前回以上にひどいものとなっており、ホロの呆れた反応も相まって妙に面白かったですね。(ホロとノーラの関係そのものは至って良好なのがまた笑いを誘います)

 その一方でホロの回想を交えたモノローグにも見入ることに。神として慣れ親しんだ地で過ごした数百年よりも、ロレンスと共に旅をしてからの数か月の方が彼女にとっての良き思い出になっているのは興味深かったです。その濃密な出来事がホロの乙女な部分を改めて表出させたのかと思うとグッとくるものがありますね。その感情を引き出し、時にかき乱してくるロレンスがホロにとってどれだけ重要な存在か……彼女がどれだけロレンスのことを想っているのかを再確認させてくれる一幕でした。(そしてラストの謎の少女との会話はもうオチが読めていてニヤニヤしっぱなしでしたねハイ

 

 

ちびゴジラの逆襲

第26話「ヤンキー怪獣ナメんなよ

 ヤンキーを自称するコワモテちび怪獣「ちびチタノ」が登場。如何にも凶暴そうなビジュアルとオラついた態度が気になりましたが、いざを口を開いたらかなりの常識人だとわかって吹き出してしまいました。歩きスマホを注意したり体調を心配したりと、見た目に反して優しいキャラクターはある意味でアニメ漫画のヤンキーっぽいと言えるかもしれません。おはスタ繋がりで演じているであろう、“スバにぃ”こと木村昴さんの演技の噛み合いも抜群で早くもちびチタノがお気に入りになった次第です。

 一方であまりにもしょうもなかったのがちびラドン。ヤンキーに勝ったという嘘武勇伝を吹聴しておきながら、ちびチタノを前にしたら即土下座とあまりにも情けなさすぎて笑えてきます。(ちびチタノが去った途端にまたいつものノリに戻るのが本当にどうしようもねぇ……)とにかく調子に乗っている時とひたすら謝り倒す時の落差が激しくて、過去一ちびラドンがダサいと感じましたね。彼もやはりゴマスリクソバードの系譜か……

 

 

ウルトラマン ニュージェネレーション スターズ

第22話(最終話)「ウルトラプライド」

 イグニスが語ってくれた心意気の続き、最後まで戦う人々の「プライド」に触れていったジェネスタ最終回。『ギンガS』『X』『Z』の最終決戦を通じて、困難に立ち向かっていくウルトラマンたちの輝きが語られました。ビクトリアンや怪獣たちが共通の敵を前に地球の人間たちとも協力する様子は、まさに“命を守るための戦い”だとエディオムたちが教えてくれたのが良かったですね。何よりゼットたちと共に戦ったユカのプライドもきちんと評価してくれるのが嬉しいポイントです。

 そうして念願のハイパーキーが完成した直後に、ユカが今回までの記憶を消す選択を取った時は思わず仰天。ただ教えられるだけでなく、自分の力で答えを見出したいという意気込みには納得しました。エディオムやイグニスとの思い出が無くなるのはどうなの?と思わなくもないですが、彼らとの交流を経て共有してきた気持ちはきっと残り続けることでしょう。おかげでユカのモノローグと、「セブンガーの平和利用」という答えを出してくれたラストに不思議と爽やかなものを覚えましたね。

 

総評

 毎年恒例のクロニクル枠ですが、前作と同じタイトルでエディオムが続投するなど様々な驚きがもたらされたストーリーとなっていました。オオタ・ユカを主人公に据えて他のニュージェネウルトラマンを見ていく様子はいつも通りながら、彼女のリアクションと取り巻く状況のコミカルさが大きな魅力に繋がっていたと思います。前作で心と絆を学んだエディオムが教える立場に回ったこと、イグニスがいつも通りフリーダムながら気さくに支えてくれる役回りだったことなど、シリーズを重ねてきたからこその感慨深い要素も見逃せません。(それだけにイグニスの出番が予想よりも少なかったのが非常に残念

 紹介映像やエピソードはタイトル通りニュージェネウルトラマン中心。しかし前作と比べると、『ギンガS』や『X』『ジード』に『Z』と作品のチョイスが偏っているのが気になりましたね。取り上げるテーマが一貫しているのは良いことですが、過去作の魅力を伝える番組でもあるので他のニュージェネにもスポットを当ててほしかったという不満を抱くことも何度かありました。あとは『ブレーザー』の映像を送信してきた存在の謎など不明瞭な点もいくつかあったのですが、その分ストーリーにのめり込めたので何だかんだ楽しかったですね。

 

 

 何やかんやで1クール目まで見続けているちびゴジラ。独特なノリとギャグは見ていて本当に楽しく、ちょっとした息抜きとしてもちょうどよいショートアニメになっていると思います。何よりゴジラシリーズの1つとして、しっかり存在感を出しているのが個人的には喜ばしいポイント。これからもゴジラファンとして、真面目なゴジラと一緒に愉快なちびゴジラに癒されていきたいです。

 

 

 ではまた、次の機会に。