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2023年秋アニメ簡易感想 その6

 

 

 

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 スーパー戦隊シリーズ28作目特捜戦隊デカレンジャー』の20周年記念Vシネマの特報が先日いきなり発表されました。特捜戦隊デカレンジャー20th ファイヤーボール・ブースターというタイトルの本作でSPDの面々が揃い踏みを果たし、またもやデカレンジャーとして戦うようです。ゼロ年代スーパー戦隊の中でも屈指の人気を誇る作品でもあるので、ある意味で当然の続編発表といった感じですね。

 かくいう僕も今回の発表には突然でしたがまぁ来ると思っていたよ、といった具合の反応になりました。というのもデカレンジャーの出演者は以前から何かと集まることが多かったからですね。『パワーレンジャーSPD』の吹き替えから始まり、最初の10周年記念のVシネや『スペース・スクワッド』でも全員集合していた人たちが、20周年という節目を逃すはずがないのはある意味で予想の内でした。

 そのように制作そのものにはそこまで驚きはなかったのですが、本作では別の衝撃がありました。それがこちら。

 

 

 まさかの高知市高知県高知市が町おこしを兼ねて高知でのロケはもちろんのこと、自治クラウドファンディングまで開始していました。これには姶良鉄幹(テツ)/デカブレイク役の吉田友一さんが高知市地域活性推進課職員に就任したことも関係しているようで(調べてみたところ吉田さんが院長の鍼灸院が高知市で開業したからだとか……)、意外な繋がりで高知城で戦うデカレンジャーが見られそうです。

 予想していたデカレンジャーVシネに、予想外の高知市協力で殴られた気分になった今回の発表。何だかんだでまたデカレンジャーの活躍が見られるのは楽しみではあるので、来年初夏の公開を楽しみにしていたいですね。

 

 

 というわけで以下、今週の簡易感想です。

 

 

 

 

 

 

ラグナクリムゾン

第3話「煽動」

 クリムゾンって悪い奴だなー!!となった今回。力の使い過ぎで動けなくなったラグナなしでどう戦うのかと思っていた中、魔女を騙って一般狩竜人たちを戦わせる策を講じてきた時は唖然となりました。不思議な現象は全て魔法だとゴリ押しするところはおかしかった一方、人々を置いて逃げ出した彼らの罪悪感を突いて煽る様子に策士と思わずにはいられません。ただ清々しいほどの開き直りっぷりもあってあまり不快感はありませんね。むしろラグナの天然かつ狂気な部分を指摘してくれるシーンもあって、主人公になくてはならない存在であることを認識させられます。
 クリムゾンも含めドラゴン側にロクな奴がいない点は、今回登場の「ディザス・トロワ」からも感じ取ることが出来ました。女性を痛めつけるイケメンというだけでも思うところがあるのに、クリムゾンの煽りに長文早口顔真っ赤で反論するキャラにはドン引きせずにはいられませんでした。ある意味で濃い性格破綻者の集まりという、ドラゴンたちの存在感を目の当たりにした気分です。
 また余談ですが、本作でトラックや銃といった近代的な要素が出てきた時はびっくりしましたね。ここまで如何にもな中世ファンタジーな世界観だったのに、何の説明もなくぶっ込まれていることに困惑させられます。劇中では特に言及されていないことも正直どうかと思っているので、どこかで説明が欲しいところです。

 

 

アイドルマスター ミリオンライブ!

第2話「夢のとびらはオーディション」

 765PRO ALLSTARSに魅せられた未来たちが挑むことになったオーディションは、未来と静香の対照的な態度がまず目につきました。2週間しか練習していないながらも期待に胸を躍らせる前者、リードしているように振る舞っているけど誰よりも不安と緊張に押しつぶされそうな後者の対比には思わず息を飲みます。そこにスカウトされた天才「伊吹翼(いぶき・つばさ)」が加わることで、静香の「自分はこうはなれない」という動揺がどんどん克明になっていく心苦しさを感じずにはいられません。

 そうして静香がステージでの審査でミスを連発するシーンで見ていられなくなりましたが、そこから未来たちの激励で再起を図る流れは最高でしたね。未来の「私はもう静香ちゃんのファンなんだもん」と静香自身の「私は私にしかなれない」の歌い出しからはもう上擦った歌声ですら心地よいカタルシスになっていました。プロデューサーがそんな彼女たちの歌から「100万の輝き」を見る流れに繋がる展開も感動ものです。
 また今回は未来たち以外にも、765プロの新プロジェクトの参加アイドルたちが一気に登場。したのはいいものの、あまりにも多いうえにドバっと出てきたので覚えきれなかったです。ただちっちゃくないよ!な「馬場このみ(ばば・このみ)」やシュウマイ三姉妹インパクトもあって印象に残りましたね。

 

 

でこぼこ魔女の親子事情

第3話「魔女子会の追懐事情」「元気娘の風邪事情」

 今回の前半はアリッサの友人「ギリコ」と「ルーナ」との魔女子会が展開。1話の時点で感じていた彼女たちへの異様な恐怖を確信に変えつつ、アリッサとの仲の良さにちょっとだけ癒されました。時にマザコンは平常運転のビオラにはツッコミを入れたりし、時にはアリッサにはボケをかます万能選手っぷりに2人揃って中々の濃さを感じます。何より幼少期(100年以上前)から続くアリッサとの関係を今も続けるエモさにも溢れていたのが良かったですね。でもルーナおばさんは飼っている緊縛男たちをどうにかした方がいいと思う……

 さらなる後半はビオラが風邪をひくエピソード。普段は元気すぎる子どもが自分が風邪であることを認めないあるあるに頷きつつ、しっかりと看病しつつされつつのやり取りが何とも微笑ましかったです。(ゆるく見せかけて壮絶すぎるはたらく細胞パートにはギョッとしましたが)一方でビオラが見た本当の母親らしき人物の夢という、ただのコメディでは終わらない不穏な要素も残していったのが興味深いところです。

 他にも全編を通してフェニックス関連と謎ワードの数々が炸裂したのも面白かったポイント。不死であるが故に定命の者の感覚がわからないギャップを「不死から目線」と例えた時は大笑いしてしまいました。またビオラが風邪の中吐いていた「魔ロ」はゲ▢とは別物だから大丈夫!と言わんばかりの解説もキレッキレで、絶妙に不快になりすぎないラインを突いてくるのが上手いと感じましたね。

 

 

星屑テレパス

第2話「夕焼ロケット」

 人見知りな海果と自称・宇宙人のユウに、クラスの副学級委員長「宝木遥乃(たからぎ・はるの)」が加わった今回。誰に対しても優しくて社交的という非の打ちどころのない性格とは裏腹に、要所要所でポエミーな一面を覗かせてきたことに面食らいました。この作品の登場キャラは多かれ少なかれぶっ飛んでいるところがあるんだな……と納得してからは、彼女があっという間にユウたちと打ち解けていく様子には何だかんだでほっこりさせられます。社交的で包容力もある彼女がいると話がスムーズに進むのも面白いですね。
 そんな遥乃のポジティブかつ綺麗な考えに、ネガティブな海果がショックを受けるのが今回の大きな見どころ。現状から逃げることばかりを考えていた彼女にとって、遥乃の「素敵なところ探し」があまりにも眩しかったのは明らかです。(とはいえ勘違いながらユウを守ろうとした前半など、友達のことでは海果も頑張れる事実も忘れてはいけません)あまりにも身に覚えのあるズキズキ描写に目を背けたくなりますが、海果が避けては通れない痛みでもあったでもあったことは理解出来ます。

 そしてユウのロケット修理の一環としてペットボトルロケットを作る展開はある意味で予想通り、しかし打ち上げの瞬間の演出にはやられました。上述の海果の心の澱みが飛び上がっていくロケットの放物線、何より友達と共に打ち上げた事実で明るく色づく様子は見事の一言。海果がずっと自分を理解してくれない場所だと思っていたところにも輝きを見出す光景はあまりにも美しかったです。この調子で海果には「この地球にも求めているものがある」ことに気付いていってほしいですね。

 

 

ミギとダリ

第3話「ともだちをつくろう」

 幼い頃に隠れて暮らしていた家を見つけるための友達作り。今回は双子と同年代の付き合いが描かれましたが、例によってシュールかつ奇抜な絵面の連続で笑いが止まらなかったです。ボーイスカウトでの2人の微妙なズレた態度に加え、綱渡りの連続リポップによる挑戦はいやそうはならないやろと内心ツッコまずにはいられませんでした。男子たちの陰湿な人間関係が描かれていたものの、ミギたちのそうした行動のおかげであまり重く感じなかったのも良かったですね。

 そうして出来た2人の友人もクセが強く、かつ態度が対照的。前半仲良くなった「秋山俊平(あきやま・しゅんぺい)」の純朴さと鳥に憧れるばかりに感じられる狂気に癒されたのもあって、その後の「堤丸太(つつみ・まるた)」のいじめには衝撃を受けました。前回まで老夫婦の裏表のない優しさを目の当たりにしてきた分、それ以外の人間がそうとは限らない事実にショックも大きくなります。

 あとはあまり見分けがつかなかったミギとダリ、それぞれのキャラクターがようやく見えてきたのが興味深かったです。兄のダリは冷静沈着を気取っているものの、家族のことになると静かにカッとなる激情家な面が危うい(丸太を引っ叩くシーンにはスカッとしましたが)。反対に弟のミギは情緒が豊かで、家族以外の他人にも目を向けられることに気付けました。この違いが今後2人をどのように描いていくのか、実に気になるところです。

 

 

 ハリケンジャーアバレンジャー、そしてデカレンジャー当時夢中になって見ていた戦隊が次々と復活を遂げているのはファンとしても嬉しい限り。しかし悲しいかな、ここまで豪勢だと他のお気に入りの戦隊も見てみたいと欲張りになってしまいそうになります。作品数が多いシリーズだと得てしてこういうファン心理が起こってしまうとかしまわないとか……

 最も好きな『百獣戦隊ガオレンジャー』はもうないだろうだと諦めていますが、獣拳戦隊ゲキレンジャー』『特命戦隊ゴーバスターズ』『手裏剣戦隊ニンニンジャー』『騎士竜戦隊リュウソウジャー』というメタレド的トップ5の残りに期待してしまいます。あくまで個人的な願望に過ぎないので制作側に催促するつもりはありませんが、これらの内1つでもVシネで見られたらなぁ……と考えずにはいられない複雑な心境もあるのが辛いところです。

 

 

 ではまた、次の機会に。