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2023年秋アニメ簡易感想 その8

 

 

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 明日に公開を控えた映画『デジモンアドベンチャー02 THE BEGINNING』。2000年に放送されたデジモンアニメの1作『デジモンアドベンチャー02』のその後を扱った作品ということで以前から話題になっていた作品ですが、先日本編で流れるOP映像が先行解禁されるという粋な公開がされました。OPは当時と同じ故・和田光司氏による「ターゲット~赤い衝撃~」そのままに、大輔とブイモンをはじめとした主要メンバーの成長した姿を映してくれるのでテンションが上がりましたね。

 何といっても『02』の選ばれし子どもたちの「如何にもなその後の姿」が素晴らしいです。大輔はテレビシリーズ本編最終回での経歴に繋がるようラーメン修行をやっている点に唸らされましたし、他メンバーも大学生活やら海外での活動やらをエンジョイしているのが実に微笑ましいの一言。そして極めつけはラーメン屋で集合するというラストで、それぞれの道に邁進していく過程で疎遠になりつつあった無印勢とは対照的です。良くも悪くも少年・少女時代のノリを今でも引っ張ってこられる、明るい面々が揃っている02組ならではと言えるでしょう。

 他にも賢ちゃんが女子にモテモテなのが面白くなさそうなジト目ワームモンや、京とホークモンが本編40話で登場したミーナとメラモンの2人と一緒にいるなどファンならニヤリとくる要素が多くてこれだけで既にワクワクしてきます。明日から公開の本編では彼らの物語がどのように描かれるのか、より楽しみになってきましたね。

 

 

 というわけで以下、今週の簡易感想です。

 

 

 

 

 

 

ラグナクリムゾン

第4話「決行」

 まさかディザス・トロワとの戦闘が10分足らずで終わるとは……策士クリムゾンの手がどこまで通用するのかハラハラしながら見ていたのも束の間、途中から詰み将棋の如くとんとん拍子に敵を追い詰めていく流れに唖然となりました。ディザスも最後まで竜形態に変身しないまま戦い、その結果何が起きたのかわからないままめった刺しにされる醜態を晒して死んでいったので若干拍子抜けです。しかし劇中でクリムゾンが説明していたように、「竜としての強さと誇りからくる驕り」こそ奴らの弱点の1つであることには深く納得しました。同時に銀気を瓦礫に纏わせることも出来るラグナの多芸っぷりも印象的で、なるほどこの2人なら竜にも対抗出来るだろうという感触を得ることが出来ましたね。

 これなら主人公勢が楽勝なのではないか?と途中までは思えたものの、後半の「アルテマティア」の登場で突然空気が絶望的なものに変わったように感じました。時間止めたり戻したりと操る能力を当然のことながら持っているうえ、側近の竜もやたら強そうなことに度肝を抜かれます。何よりアルテマティアの独善的なキャラクターにも軽く引いてしまいましたね。一見人間に対しても慈悲と愛を語る天使のようですが、「神が仰られたから」という理由で容赦なく滅ぼそうとする姿勢におぞましさを覚えずにはいられません。前回の感想で竜たちを「ある意味で濃い性格破綻者の集まり」と書きましたが、身勝手な善意を押し付けてくる彼女こそまさにその破綻者の最たるものと言えるでしょう。

 

 

薬屋のひとりごと

第1話「猫猫」

第2話「無愛想な薬師」

第3話「幽霊騒動」

 小説家になろう」にて連載されていた後宮ファンタジー&ミステリー原作のアニメ。初回から3話一挙放送というこれまた力の入ったアニメ化で驚きましたね。作画に関してもくっきりとした背景をはじめとして非常に綺麗にまとまっており、個人的にもかなり好みの絵が広がっていてすんなりと見入ることが出来ました。

 内容として薬師の主人公「猫猫(マオマオ)」が後宮勤めの最中様々な事件に遭遇・解決していくオーソドックスなものですが、猫猫の歯に衣着せぬモノローグと表情の変化がまず面白いです。トラブルを避けようとする中で薬に関しては首を突っ込まずにはいられない、彼女の常識人を装った変人ぶりに変な笑いが出てしまいます。普段は心底面倒くさそうな態度をしているのに、薬のことになると途端に目を輝かせるギャップも可愛らしいですね。毒と薬のこと以外興味を示さずにいる辺りは劇中のセリフ通り、世が世ならマッドサイエンティストになっているであろうと頷かずにはいられません。

 そんな猫猫に何かとちょっかいをかけてくる宦官「壬氏(ジンシ)」もこれまた変人で、2人のロマンスもへったくれもない関係性にはかえって安心感を覚えますね。他にも「玉葉妃(ギョクヨウヒ)」や彼女の侍女たち、やぶ医者(すごく失礼)に「小蘭(シャオラン)」といった登場人物たちの多くが明るく聡明なのも好印象。特に毒見役に任命された猫猫を気遣う侍女たちの優しさが微笑ましくて、上述の主人公の難のある性格も気にせず見られるのが愉快なところです。

 一方で宮中で起こる事件は結構耽美。特に3話のメインである「芙蓉妃(フヨウヒ)」の夢遊病の騙りには膝を打ちました。失敗や哀れな病気を演じてきり幼馴染の元に戻ってみせた彼女のしたたかさ、何より後宮という閉ざされた世界から2人が解放されたことに高揚感を覚えます。猫猫がそうした推測を立てて「恋」という薬に興味を持ち始めるラストまで含め、実に綺麗な話でした。

 

 

アイドルマスター ミリオンライブ!

第3話「きらめく世界!私たちのシアター!

 無事合格した未来たちに続いて他のアイドルたちにもスポットが当たりましたが、何だこのヘンテコ個性のオンパレードは!?謎のオブジェだけでも強烈なのに馬で登場やら野球やらテンションのスイッチ変化やら、インパクト抜群のアイドルたちがドンドン出てくるので圧巻されっぱなしになりました。中でも自分で自分の物販を用意して宣伝してくる「野々原茜(ののはら・あかね)」の元気ハツラツなパワーにはギョッとさせられますね。このような濃い面々をまとめていきつつ、自分の目指すものを見据えていくプロデューサーの奮闘にも目が離せません。

 そして本筋である「七尾百合子(ななお・ゆりこ)」のエピソードが印象に残ります。自分は先輩だからと未来たちのお手本になろうとするものの、いまいち空回りしがちな様子が胸に突き刺さりました。あとから来た後輩たちの方が上手いせいで焦りを感じる姿にも共感を覚えますね。(前回ズタボロだった静香もやれる方だったんだなって)そのためまつり姫こと「徳川まつり(とくがわ・まつり)」の気遣いには感動させられますし、こだわっていた先輩後輩の壁を取っ払っていく流れは実に素敵でした。ライブシアターを建設している現場の人々など、それぞれがそれぞれの輝ける場所で日々頑張っていることが伝わってきたように感じます。大切なことを教えてくれてありがとうまつり姫!!

 

 

でこぼこ魔女の親子事情

第4話「奥手なオークのお願い事情」「卵とお姉さんの預かり事情」

 フェンネルの友人のオーク「グリンド」が彼女を欲しがってきた前半。見た目こそ強面オークですが、割と繊細でロマンチストな性格というギャップがフェンネルとはまた異なる童貞臭さを出していておかしかったです。なおMの気質を見せている点にはちょいドン引きそんな彼とビオラを引き合わせてどうなるのかという心配を最初抱いたものの、アリッサが関わらなければ基本フレンドリーな彼女の態度に一安心しました。恋仲になるのはまずありえないのですが、友人としてなら良い関係を築けそうなので何とも微笑ましかったです。一方で例によって小賢しいフェンネルがエルフの踊り食いにされたラストには笑いつつも戦慄を覚えてしまいましたが……

 後半はリザードマン夫婦の卵を預かるエピソードで、魔女親子のドタバタぶりがいつにも増して激しかったことが印象に残りました。アリッサもビオラも変なところでズレており、時々怖いことを言っているはずのフェニックスが常識寄りになりつつある構図はあまりにもシュールの一言。しかしながらビオラが姉のような意識を持つようになる過程にはほっこりさせられましたね。卵とはいえ1つの命を守る身になることで、母が如何に自分を育ててくれたのかを学んでいくかのような描写に目を奪われます。どんなハイテンションギャグが起きても最終的には良い話で着地する本作の本領とも言うべき内容だったと思います。

 

 

星屑テレパス

第3話「爆薬メカニック」

 ロボット作りに励む不登校児「雷門瞬(らいもん・またたき)」が登場した今回は、海果グループの問題点を大きく切り込んでいく内容となっていました。まず瞬の態度はキツいものの常識的な観点からツッコんでくるキャラクターは、ここまでのほんわかした作風ではかなり異質です。違う空気感の分ペットボトルロケットを飛ばすだけで喜んでいる面々に何が足りないのかを叩きつけてくる、いつかは触れなければならない言葉の数々には大きく頷かされます。

 何より海果が今もなお人前で話せないことに踏み込んできたのも重要なポイントです。言葉に詰まる彼女を瞬が突っぱねる様子は見ていて辛いところがあったものの、ずっと引っかかっていた主人公の“甘え”のことを考えれば好印象。ここまで自分を全肯定してくれた味方ばかりだった海果に「自身の言葉で話す」ことを求める存在は、主人公の成長には必要なものだとわかるので個人的にも結構スッキリしましたね。

 そんな大きな壁と対峙することになった海果とユウの語り合いがこれまた印象的。海果が絶望視していた瞬との距離について「2人は本当はそう遠くところにいる」と語ってくれるユウの激励は実に興味深かったです。そうして自分の口ではまだぎこちない海果が、宇宙という共通の話題と果たし状で瞬に迫る強引さを見せたのもほっこりしましたね。言葉では繋がりそうにない両者が、おでこぱしーとはまた異なる方法での繋がりを模索する初々しさは応援したくなってきます。それはそれとして海果とユウのシーンは何でこんなにエッチな雰囲気を出しているんですか?(歓喜

 

 

ミギとダリ

第4話「おりこうさんになろう」

 ついに始まった2人1役の学生生活。「一条瑛二(いちじょう・えいじ)」と同じ特進クラスに入るための勉強回になるのはいいとして、その過程で起こったミギと女装ダリの恋模様には最初仰天してしまいました。多感なミギの恋心を利用して勉強のモチベーションを上げさせようとするダリもとい「サリー」の策士な一面に感心する一方、あまりにも必死なミギがひたすら移されるので視聴しているこちらの胸が痛んできます。そのため案の定デートを最後に悲しいお別れを演出して終わったのが切なかったですね。最後までサリーの正体に気付かず悲恋を経験したミギと、効率を重視したものの弟の傷付く姿に複雑な表情を見せるダリの対比もやるせなさを後押ししていました。

 他にも2人が通う学校の嫌な空気感、そして彼らの次なるターゲットとなった瑛二の行動も不穏な感触を残していきました。前者は前回の時点で描かれていた施設育ちへのあたりの強さに加え、特進クラスと一般クラスの生徒で明確な軋轢が存在しているかのような描写が実に生々しかったです。瑛二も2話の時とは異なり秘鳥への態度が露骨に悪くなるなど、老夫婦周り以外は割と悪意と敵意に満ちているギャップの激しさに再び胸がザワついてしまいます。また瑛二はラストに双子のペンダントを知っているかのような素振りを見せるなど、サスペンス要素も順調に進んでいることにドキドキハラハラが止まりません。

 

 

 デジアド02の映画に関しては、ここ最近の映像を小出しにしてくる宣伝も印象的。具体的にはファンの多くが気になっているであろう、進化シーンの映像を早出ししてきたのが衝撃的でしたね。

 

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 前作の映画『LAST EVOLUTION 絆』と同じように、本編の進化シーンのバンク映像を再現した方向性とのことで、上の「当時の進化との比較映像」を公開してきました。あの頃の輪郭を踏襲しつつ、映像面でもより洗練されているのがわかります。また個人的には前作同様、デジヴァイスではなくスマホで進化させているのがイマドキを感じさせて好みですね。

 上の動画ではブイモン→エクスブイモンとワームモン→スティングモン、そしてみんな大好きパイルドラモンを冒頭だけという構成になっています。誰もが真っ先に見たいパイルドラモンのジョグレス進化をちょっとだけ見せて続きは映画館で確認してね!とばかりに期待を煽ってくるのがニクイです(パイルドラモンに関しては他の動画でもちょくちょく確認出来ますが)つくづく今回はファン心理を掴むのが上手いと感じる次第でした。

 

 

 ではまた、次の機会に。