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2023年秋アニメ簡易感想 その2

 

 

 

 2013年に放送されたテレビアニメ『キルラキル』が、先日10周年を迎えたとのこと。当時本作をリアルタイムで視聴していた身としては中々に驚くべき事実です。あれから10年も経過したことにショックを受けるのと同時に、そこまで行ったのかという不思議な感慨深さも覚えます。

 キルラキルがどんなアニメなのか説明するのは結構難しいのですが、「とにかく熱さと勢いに満ちている」と言うべきでしょうか。実はメタレドは半年くらい前に本作をサブスクで全話見返していたのですが、その文字通りの勢いと情緒溢れる要素に久々にドハマりしてしまいました。舞台の学園でのバトルやその他諸々の設定について色々とツッコみたくなるのに、登場人物の一本筋の通ったキャラクターと激しいバトルで有無を言わさずテンションを上げてくるとんでもないパワーを持った作品です。それでいて話の流れや伏線などは結構緻密で、意外なものが意外な場面で活かされたりするのも面白いところ。

 あとはやはり作品のテーマである「服を“着る”」ことに様々な意味が込められているのが興味深いポイントです。いつも何気なく来ている服に実は着られている?その服との付き合い方とは?のような疑問を熱さとギャグと交えて描いてくるので中々に見入ってしまいます。中でも制服に対する向き合い方から親の支配からの脱出、そして少女時代の卒業といった話に繋がっていく終盤は、個人的にもかなり気に入っています。そんなキルラキルはスピーディーに話が進んでかつ見やすいのでおすすめです。興味があれば是非見てみてください。

 

 

 というわけで以下、今週の簡易感想です。

 

 

 

 

 

 

ラグナクリムゾン

第1話「死神が生まれた日」

 CMでは「俺TUEEEEEE!!」って紹介されているけど、そんなこと言っている場合じゃないわこれ……となるくらいの重苦しさが印象に残った初回1時間。狩人がドラゴンを討伐する世界で主人公の「ラグナ」が如何にして強くなっていくのかに注目していた中、未来の自分から力を託される後半にまず衝撃を受けましたね。愛する人を失った絶望から最強に相応しくなるまで鍛え上げたものの、後悔と虚しさばかりが積み上がっていったという老年期ラグナの生涯に息を飲みます。(過去の自分に力を授けてようやく安らかな表情を浮かべられたというのが切ない……)テラ子安ボイスの強敵ドラゴンを簡単に倒してスカッとしたいところなのですが、ラグナの過酷すぎる運命と「ドラゴンにとっての“死神”」になったという意味を前にしてしんどさの方が先に出てしまいました。

 またラグナが力を得るまでのシーンでは彼と「レオニカ」のちょっと引っかかる関係が目に留まりました。実力者であるものの幼いレオと行動を共にするラグナはまるで彼女の保護者のようですが、2人の距離感がおかしいせいでまた別の何かを想像してしまいます。一緒にお風呂入っているのはさすがにヤバいそれ以上にレオの力になりたいラグナも、そんなラグナにそばにいてほしいレオも相手に依存しすぎなように見えるので不安を覚えました。さらには無自覚なままにお互いがお互いを縛り付けている節もあり、この共依存は危険かもしれないと思わずにはいられません。レオが死ぬ運命を変えるために戦おうとしているラグナですが、そのためには先にレオとの歪な関係に大きなメスを加えるべきなのでないかと考えますね。

 

 

でこぼこ魔女の親子事情

第1話「なかよし親子のでこぼこ事情」「不思議な命の教育事情」

 とある魔女が捨てられた赤ちゃんを拾った結果、成長してめちゃめちゃナイスバディな娘になった件。魔女の「アリッサ」とその娘「ビオラ」の親子関係にほっこりしつつ、約1分に1度の割合で炸裂するハイテンションギャグに抱腹絶倒する羽目になりました。ネタのほとんどがマザコンを拗らせたビオラの物騒な発言に集中しており、それを諫めるアリッサの苦労人ぶりが真っ先に印象に残ります。それでいてアリッサとその友人たちは魔女故に時間間隔が常人とは異なるボケをかましますし、ビオラは魔法でヤバいモノ想像しまくるしで緩急が激しく見ているこっちが持たなさそうです。(合間合間のテンポがちょっと気になりますが)

 他にもゆるーいキャラデザに反してカイザーフェニックスを使いそうな渋い声のフェニックスなど、声優が豪華かつ演技が凄まじいのもギャグの勢いに拍車をかけていると言えます。特にアリッサのツッコミは古賀葵さんの甲高いシャウトも相まって妙に耳に残りますね。ここまでコミカルな展開をやりつつ最後は良い話風におさめるので視聴している側の感情が追い付かなくなる時もありますが、登場人物それぞれの仲が基本良好なので何だかんだで安心して見ることが出来ます。何だかんだ手堅くまとまっており、何よりこういったほっこりした作品は毎季1つは欲しいと思っていたのでちょうど良い感じです。

 

 

ミギとダリ

第1話「ミギとダリ」

 故・佐野菜見氏原作の漫画のアニメ化。『坂本ですが?』の作者ということもあってシュールなギャグを期待して見た結果、予想通りの面白おかしさが待っていました。ミギ」と「ダリ」の双子が1人の子どもを演じて養子になり(1人を演じるから「秘鳥(ひとり)」と名乗っているのが面白い)、2人1役の生活をしていく様子の奇抜さに早くも笑いが止まらなかったです。テーブルの下から椅子へ瞬時に入れ替わる際の組体操感に、お互いが吊るされた状態で養父に肩車してもらう絵面と、時間をかけてじわじわと腹筋と蝕んでいくかのような面白さに満ちていました。作者の前作でもそうでしたが、登場人物が何でもないような真顔で意味不明なことをしているからこその破壊力がありますね。

 それでいて2人は何やら怪しげな計画をしている様子で、そのくだりでは一転してシリアスな空気を発していました。冒頭の血を流して倒れる女性やEDで映された2人の過酷な幼少期など、要所要所で不穏な描写を入れてくるので上との温度差にギョッとさせられます。どうやら引き取ってくれた夫婦が暮らす町に用があるようですが、そこまでして必死に取り入って夫婦やら何やらを調べる双子の目的は一体……?決してただのシュールギャグでは終わらなさそうな2人の物語に、笑いつつも油断せずに注目したいところです。……まぁCパートで夫婦に取り入るためのトンチキな策の数々が明かされるので結局笑いに落ち着くのですが。

 

 

 今回のキルラキル10周年のニュースを受け、本作に限らず2013年には色々なアニメを見てきたなぁとつい感傷に浸ってしまいました。当時放送していたアニメをふと調べてみたのですが、意外と当時視聴していたアニメが多くてこれまたびっくりします

 一例を挙げると『恋愛ラボ』『のんのんびより』『ストライク・ザ・ブラッド』『ささみさん@がんばらない』『THE UNLIMITED -兵部京介-』『翠星のガルガンティア』『トレインヒーロー』『変態王子と笑わない猫。』『犬とハサミは使いよう』『断裁分離のクライムエッジ』『WHITE ALBUM2』『凪のあすから』『リトルバスターズ!~Refrain~』『デュエル・マスターズ ビクトリーV3』『サーバント×サービス』『ワルキューレロマンツェ』『ヤマノススメ』『ガンダムビルドファイターズ』『きんいろモザイク』『ゆゆ式』『戦姫絶唱シンフォギアG』etc.……結構色々見ていますね。

 こうして見ると他の作品もまた見返してみたくなってきました。今年のアニメも大事ですが、やっぱり時々は昔の思い出の作品も再確認していきたいところです。2013年のアニメでも2023年のアニメでも、同じくらいに楽しいという感想を持って視聴していくのが個人的な理想ですね。

 

 

 ではまた、次の機会に。