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2023年秋アニメ簡易感想 その9

 

 

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 新作ゲームが発売されたばかりの『名探偵ピカチュウ』のショートアニメ動画が先日公開。このアニメでのピカチュウは原作ゲームデザインのフルGCかつ、実写映画のモフモフを意識した質感に仕上がっているのが特徴となっています。ゲームそのままの雰囲気でモフモフおっさんピカチュウを堪能出来るのは中々に嬉しいですね。

 ストーリーに関しても「ティムのプリンを食べたのは誰か?」という些細な日常の謎を迫っていくものになっているので、気負わず軽い気持ちで見れるのが嬉しいところ。ゲストであるゴンべのワタワタした可愛さもさることながら、意外な犯人もキュートで素敵でした。名探偵ピカチュウがどんなキャラなのかよく知らない人にも取っつきやすい作品になっていると思うのでおすすめの動画です。

 

 

 

 というわけで以下、今週の簡易感想です。

 

 

 

 

 

 

ポケットモンスター テラパゴスのかがやき

第26話「テラパゴスの冒険」

 新章「テラパゴスのかがやき」編スタートに伴いOP&EDがリニューアル!特にyama×ぼっちぼろまるさんによるOP「ハロ」は歌詞・映像共に既存のアニポケのイメージをいい意味でひっくり返してくれるインパクトの強さで度肝を抜かれました。美麗な作画と今後の展開を予感させる演出の数々に、見ているこちらのテンションが上がりっぱなしになりましたよえぇ。

 そして本編はサブタイの通りテラパゴスを中心としたお話。好奇心旺盛なテラパゴスに振り回されるリコにクスっとなりつつ、ルシアスたちに想いを馳せるテラパゴスのいじらしさに胸打たれました。見るもの全てが初めての世界でかつての仲間を求める子に応えるべく、リコがルシアスの痕跡を探していく決意を新たに固める動機付けとしても実に自然だったと思います。

 また今回は露骨に嫉妬を燃やしていたジト目ニャオハにも癒されましたね。リコがテラパゴスに構ってばかりなので不機嫌になっていることがわかりやすく、何より猫らしくつっけんどんな態度が実に可愛らしかったです。それでいてリコのピンチにはすかさず駆けつける辺りにもニヤニヤさせられます。ミブリムにはお姉さんをやっているけどテラパゴスが苦手なニャオハが今後どのように折り合いをつけていくのかも見ものです。

 

 

Dr.STONE(3期)

第14話「頭脳戦のディールゲーム」

 杠やクロム、羽京と次々と仲間が復活していく科学王国。特に1クール目で命名された五知将全員が揃っているのがポイントで、情報を持って帰ってきたアマリリスの話から石化武器が1つだけと見極めるくだりは驚きと安心感に満ち溢れていました。コハクと銀狼は石化してしまったものの、この5人が揃っていれば何とかなりそうと思えてくるパワーがあると感じます。

 さらにモズが乱入してきた状況でも我らがメンタリスト・ゲンが大活躍とハラハラとカタルシスのバランスが絶妙でした。何といってもありとあらゆる心理テクニックを駆使してモズを味方に付ける流れが見事。モズには一見自分だけが得をしていると思わせ、こちらの要求を呑ませるディールゲームの勝利条件をわかりやすく見せてくれていたと思います。飄々としているようで内心ではビクビクしながら頑張っていた点も、ゲンの人となりが伝わってきて好感が持てますね。

 とまぁ最強戦力のモズを一時的に仲間にしたので絶好調……とは言い切れないのが怖いところ。ゲンが感じた「見透かされている感じ」も含め、決して油断してはいけない相手には違いないのが何とも言えない緊張感を生んでいます。イバラを消そうとする理由など、まだまだはっきりしていない彼に関する謎にも注目ですね。

 

 

呪術廻戦(2期)

第38話「揺蕩」

 全編を通して領域展開の厄介さ、そしてその領域に対する相手の対処法が描かれていた今回。前半は偽夏油が出した呪霊の領域での冥冥の戦いで、一見追い詰められていたものの弟の「憂憂(ういうい)」の簡易領域で攻略するスマートさに魅せられました。弟を連れていた理由がはっきりしたのもありますが、以前のフィジカルを鍛えた話に続いて「弱い自分の術式を補う手段」を持っていたことにはまたもや感心させられるばかりです。“縛り”を駆使したカラスの特攻攻撃もやたら便利そうな点も注目ポイント。
 一方そのころ特級呪霊「陀艮(だごん)」との戦闘では酔っぱらいおじいちゃんの「禪院直毘人(ぜんいん・なおびと)」が気になりました。術式の投射呪法(とうしゃじゅほう)に関してはアニメの絵コンテなどの演出もあって言いたいことはわかるけどあまり理解出来ていない感覚に陥りました。また陀艮の領域展開「蕩蘊平線(たううんへんせん)」に1人だけ落花の情(らっかのじょう)なる方法で対策していたりとちゃっかりしているのも面白いところです。(余談ですが上述の2人の紹介などにいちいち※ただし五条悟を除くみたいな注釈が付いていることに笑ってしまいました)

 そういった達人ではない七海たちは伏黒の領域による「領域の奪い合い」で何とか対抗していたのも印象的。領域展開の必中効果が改めて凶悪だと理解しながら、それを多用してくる敵にどうにか食らいつく彼らの頑張りに応援したくなってきます。まぁラストに突然登場した甚爾パパに全部持っていかれたんですけどね……

 

 

葬送のフリーレン

第8話「葬送のフリーレン」

 あまりにも意外過ぎるタイトル回収に驚愕&感動。タイトルにある「葬送」がヒンメルたち仲間たちに向けたものではなく、屠ってきた魔族たちが付けた畏怖の象徴という答え合わせには舌を巻きました。実際冒頭でも自分を襲ってきた魔族を難なく撃破していましたし、街の外で待機しているアウラ排除満々だったりと魔族視点だとあまりにも恐ろしい存在として映っていたと思います。(「まずは1匹」といった表現からも害虫駆除のような感覚で魔族を倒しているのがわかりますね)彼女が実力者であることは前々からわかっていましたが、こうして描写されるとその揺るぎなき強さが一層伝わってきます。普段のどこか抜けているエルフと同一人物とは思えないほどの、フリーレンの本質の一部を味わった気分です。

 フリーレンに限らず、フェルンとシュタルクたち主人公パーティーの奮闘とそれに対する魔族たちの反応が面白かったです。特に魔族の「リュグナー」がフリーレン以外は眼中にないことをいいことに逆手に取った奇襲にはスカッとさせられましたね。「積み上げたものの美しさ」という美学を持ちながらも、人間が自分たちを殺せる魔法を研究したことに衝撃を受けたリュグナーの心境にも興味が湧いてきます。ただの餌あるいは弱者としか思っていなかった相手に一杯食わされた様子にニヤリとなりつつ、そうした相手の力量を測ったうえで怯えつつも利用したシュタルクたちのクレバーさに惚れ惚れさせられました。フリーレンVSアウラも気になりますが、弟子2人の戦いにも目が離せなさそうです。

 

 

遊☆戯☆王ゴーラッシュ!!

第82話「テントウムシのパン屋」

 やはりテントウムシは滅するべき……(遊我並感)クァイドゥール時空ではパン屋を経営しているズウィージョウ一味に最初はほのぼのとしたのですが、徐々に本性を表すディノワに唖然。自立して自分のパン屋を持つという志は立派なのに、「邪魔者を排除した方が早い」と実力行使に出る辺り本質は何も変わっていなさそうです。というか激辛カレーパンを食べさせて排除するやり方もトンチキすぎて笑ってしまいます。カードゲームアニメはカレーパンを何だと思っているのか。

 そんなディノワの暴走はズウィージョウとのラッシュデュエルでも炸裂していて、アースダマーの出汁入りカレーパンを食べてヴォイドアルヴ・ウォータートルと一体化する展開に変な笑いが出てきてしまいます。そんな状況でも冷静沈着なズウィージョウは流石といったところで、クァイドゥールが仕掛けた運命の仕組みに自力で気付いて反抗する強さを見せたところに惚れ惚れさせられます。

 ……かと思いきやラストの電話線が切れているシーンで血の気が引いてしまいました。今回ズウィージョウが電話をかけていたシーンの全ては何だったのか?と困惑させられます。自分では気付いているつもりのズウィージョウも実は未だに操られている可能性に戦慄しつつ、次回予告の赤ちゃん化で感情が追い付かなくなるなど終盤があまりにも怒涛の展開でしたね。

 

 

トランスフォーマー アーススパーク

第5話「バンブルビー がんばるびー」

 みんなのアイドル・バンブルビーが新人教育に苦労することになった今回。最初こそさっさと終わらせて元の任務に戻るつもりだったものの、自由奔放なテラン2人とマルト家独自のルールに振り回される様子が何とも微笑ましかったです。(個人的にビー推しのアレックスパパに辟易しているシーンがここすきポイント)何より『アドベンチャー』同様、一時期はやんちゃな末っ子のイメージがあったビーが今や新人に手を焼く役回りになっていることに感慨深さを覚えますね。とはいえ簡単な任務だと舐めていたところもあったので、ここからロビーたちにどうやって歩み寄っていくのか気になるところです。

 そんなバンブルビーの悩みにメガトロン(とワンワンうるさいエリータワン)が相談に乗るシーンも印象的。親戚のおじさんのような軽口を叩きながらアドバイスするメガトロンはまた別の意味で感慨深いものを覚えます。一方で言うことを聞かない部下の対処についてちょっと怒る→マジで怒る→お尻ぺんぺん→必殺ターボツイスター!の流れは初代アニメのスタスクへの対処を彷彿とさせたり……何はともあれ、オートボットディセプティコンの垣根がなくなりつつ本作だからこそのほのぼのとした空気感に癒される回でもありましたね。あと忘れてはいけないのがビーストウォーズ』シリーズでお馴染みナビ子さんらしき音声ガイドが復活したぞヒャッホーイッ!!

 

 

 アニポケが新シリーズに入り、キャプテンピカチュウが出てきても大谷育江さん続投という話を聞いた際、改めて名探偵ピカチュウの異質さが感じられるようになりました。ゲームの大川透さんや山寺宏一さん然り実写の西島秀俊さん然り、可愛いピカチュウが渋いおっさんの声で喋るギャップは良い意味でピカチュウのイメージを広げていったと思います。そんな既存のピカチュウ像を超えた新しいピカチュウを、今後も見てみたいところです。

 

 

 ではまた、次の機会に。