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2023年秋アニメ簡易感想 その7

 

 

vjump.shueisha.co.jp

 

 世界的に有名な遊戯王OCG』の25周年を記念して「モンスター召喚口上人気投票」なるものが開催されていた模様。歴代遊戯王アニメでモンスターを召喚する際登場人物が唱えたセリフ・口上(召喚口上が一般化したのは『5D’s』からなのですが)の投票ということで実質モンスターとその使い手の投票でもあり、確認する前からある程度予想がつきそうなところではあります。さて各作品ごとの1位をまとめると……

 

  • 『デュエルモンスターズ』:青眼の白龍
  • 『デュエルモンスターズGX』:キメラテック・オーバー・ドラゴン
  • 『5D’s』:シューティング・クェーサー・ドラゴン
  • 『ZEXAL』:FNo.0 未来皇ホープ
  • 『ARC-V』:RR-ライズ・ファルコン
  • 『VRAINS』:ダークナイト@イグニスター
  • 『SEVENS』:セブンスロード・マジシャン
  • 『ゴーラッシュ!!』:ギャラクティカオブリビオン

 

 といった感じになりました。良くも悪くも納得のラインナップといったところです。またリンク先で読める各作品の2以下トップ5を見たところ、ARC-Vは四天の竜が勢揃いしていたり、VRAINSではPlaymakerとリボルバーが拮抗していたり面白い結果になっていますね。個人的には海馬がオベリスクを生贄にして出した時の青眼と、「マスターピース」の歌詞を含んだ未来皇ホープがランクインしているのが嬉しいです。(あとSEVENSのランキングでマグナム・オーバーロードユグドラゴが並んでいる辺りにニヤリときました)

 そして全作品でぶっちぎりの投票数を獲得したのが遊戯王GX』のキメラテック・オーバー・ドラゴンで9890票とのこと。あの亮が勝利を求めてヘルカイザーになった瞬間や、「エヴォリューション・レザルト・バースト!!グォレンダァ!!」のインパクトが印象に残っている人が非常に多いことが読み取れますね。(ネタ的な意味も含めて)遊戯王の歴史の深さも同時に感じられる実に面白い投票だったと思うので、また次回もやってほしいところ。そしてその時は自分で投票してみたいです。

 

 

 

 というわけで以下、今週の簡易感想です。

※『ポケットモンスター リコとロイの旅立ち』第25話は個別感想で書く予定です。ご了承ください。

 

 

 

 

 

 

Dr.STONE(3期)

第13話「メデューサの素顔」

 工作に欠かせない人材であるカセキの復活に成功し絶好調の科学王国。しかしスパイチームのパートでコハクと銀狼が石化されるというショッキングなラストが待っており、ただ順調では終わらない緊張感が走る運びとなりました。とはいっても頭首が石にされていた事実や石化武器「メデューサ」の正体がれっきとした科学であることを突き止めるなど、コハクたちがただ無駄に散っていったわけでないのが絶妙ですね。どんなに追い詰められ窮地に立たされても何かしらの反撃の糸口を掴んでくれる……フラストレーションとカタルシスをバランスよく両立させて与えてくれる話の構成には改めて舌を巻くばかりです。

 何より今回は石神村の面々が石化することに恐怖を抱いていなかったのが大きな見どころ。石化初体験のカセキ然りその治癒力を利用して致命傷の銀狼を助けたコハク然り、「いつの日か千空たちが元に戻してくれる」と信頼を寄せているからこそ微塵も恐れていないことが語られて大きな感動を覚えました。そうしてコハクが千空たちを信じて石化していくラストは、EDの特殊な演出も相まってウルっときてしまいましたね。自分の仕事を果たしたうえで仲間に後を託していく展開は、まさにジャンプの友情・努力・勝利を則っていてテンションが上がります。

 

 

呪術廻戦(2期)

第37話「赫鱗」

 狗巻先輩のおかげで先に進めた虎杖が呪霊側の「脹相(ちょうそう)」との激闘を繰り広げた今回は、1話丸々2人の戦闘シーンが繰り広げられていて圧巻の一言でした。脹相の使う赤血操術(せっけつそうじゅつ)がただウォーターカッターかと思いきや、ムチのようにしなったり爆弾のように弾けたりと厄介極まりないものだったことにまず驚かされますね。徒手空拳主体の虎杖がどうやって自分の土俵に持っていくのか気になっていた中、メカ丸の作戦と浸透圧の話(正直よくわかってない)で封じてからの流れには膝を打ちました。何より全編通して凄まじいアングルと作画で描かれていたので視聴中は息を飲んでばかりでしたね。

 そうした盛り上がりの中、突如として挿入された「存在しない記憶」なるものに呆然となりました。虎杖が脹相を「お兄ちゃん」と呼んで親し気な様子には、劇中の脹相ほどではないにしても困惑するほかありません。画質が昔のホームビデオの如く荒いのも目に留まりますが、それ以上に1期の東堂が突然見た謎の妄想と同じ「虎杖が親しい人物だと刷り込まれる」演出が気になります。あの時のギャグが伏線だった可能性に驚きつつ、虎杖という存在に慄いてしまう、あまりにも不気味なラストで本当に怖かったですハイ。

 

 

葬送のフリーレン

第7話「おとぎ話のようなもの」

 前半と後半の落差が激しすぎる……まず前半はフリーレンのために銅像を残していたヒンメルに胸打たれ、それを静かに受け止めるフリーレンの態度にほろりときました。助けた人々にお祝いしてもらうことで、自分たちの旅がおとぎ話ではなく“確かにあった”証を残していくという考えに深く感銘を受けます。人とエルフで時間の尺度が異なることを理解したうえで、フリーレンが1人ぼっちにならないようにするヒンメルの気遣いは本当に素敵だと思いました。(他にもフェルンとシュタルクの年相応(?)やり取りが面白かったですね)

 そんな心温まる話の余韻も後半の魔族出現で見事に打ち砕かれてしまうことに。フリーレンがここまで冷ややかな評価を下す様子に最初は困惑しましたが、回想シーンですぐにその意味がわかってしまいました。家族の概念をまるで理解していないのに、言葉巧みに人間のそれらを騙り人々の情に訴えかけるやり口はまさに人の声真似をする猛獣そのもの。特に回想の魔族の少女が受け入れてくれた村長を殺し、娘を殺された両親に代わりの子を用意するくだりは、人間の理屈が通じない存在であることを嫌でも理解させられます。ちょうど『牙狼』を見返していたからホラーを彷彿とさせてしまったりそんな連中が出てきて一気に暗雲立ち込めてきたのもあって、この後フリーレンがこいつらを倒してくれるのか?と本編の先が気になって仕方なくなってきましたね。

 

 

遊☆戯☆王ゴーラッシュ!!

第81話「風雲! ムツバタワー」

 

【悲報】ユウディアス、何もわかっていなかった

 

 アサカの間違いを直すために来たはずが、実はユウディアス自身が間違いに気付いていなかったという展開になってびっくり。ここ数話のユウディアスの行動は何だったんだよ!?となる衝撃の真実ですが、彼が他人の話を深く考えず受けいれる・物事の本質を理解しないまま直感で選ぶ人格であることは理解していたので凄まじいまでの納得感がありました。そう思うと劇中の「わかった!」発言も絶対わかっていないのが伝わってくるような……

 中でも「目玉焼きのシャンプー味を思い出して嫌な予感がしたから」という理由で破壊するカードを選び、そのうえで正解するくだりはまさにユウディアスというキャラを端的に表していると言えますね。(ただまぁ適当に選んでそれが正解という構図はカードゲームをしていると往々にあり得るのですが)どんなことも肯定してくれるところはユウディアスの美点ではあるのですが、それがことごとくくクァイドゥールに利用されていることに頭を抱えてしまいます。恐らく今後はユウディアスが自らしっかり考えていくことが主題になっていきそうです。これは優柔不断ながらしっかり考えるデュッディ・ニーショウがカギに握る感がするようなしないような。

 一方で今回のデュエルは詰めデュエル的な要素があって面白かったですね。上述の破壊するべきカードはどちらかと選ぶ場面から、もう片方を選んだ場合もしっかり解説してくれるのでカード同士の組み合わせにも大きく唸らされることになりました。またユウディアスが久々にロード・オブ・ギャラクティカをマキシマム召喚し、遊飛がそれに目を輝かせるシーンがここすきポイント。

 

 

トランスフォーマー アーススパーク

第4話「ひみつのさくせん」

 謎の科学者「マンドロイド」に攫われたツウィッチたちを救出するための戦いが繰り広げられた今回。オプティマスとメガトロンの共闘というだけでも胸熱なうえ、スラッシュがモーのロシナンテを彷彿とさせるバイクをスキャンしたりみんな大好き「バンブルビー」の参戦など見どころがかなり多かったです。(戦闘前の絵文字を多用するあまりおじさん構文の使い手みたいになっているオプティマには笑いましたが)戦いを終えてからはドットがツウィッチたちを家族と認め、子どもたちとの一応の和解を迎えたのも良かったですね。ロビーが拝借したアルミホイルを家族に持っていくシーンでは、彼がようやく心の拠り所を見つけられたことが伝わってきてほっこりしました。

 主人公陣営が比較的穏やかだったのに対し、敵陣営の謎がいくつか残ったのも見逃せません。具体的にはマンドロイドがスパイダーロボだけでなく、ディセプティコンを数体配下にしていたことには驚かされました。腕を取られたハードトップだけでなく「スカルクランチャー」や、クレジットが出てこなかったボンブシェルシャープネルと思われる奴らも従っていたのは意外。十中八九何らかの手段で操られているのでしょうが、これだけのトランスフォーマーを捕らえているマンドロイドの目的が現時点ではいまいちわかりません。スラッシュにマンドロイドと名付けられるくだりはおかしかったものの、こいつそのものは恐ろしい敵という印象はしっかりと抱きました。

 

 

 上述でも書いたようにシンクロ召喚導入以降、アニメの定番となった遊戯王の召喚口上。最初こそファンから色々言われていたそうですが、今では多くの人に受け入れられていることがちょっと嬉しいです。凝った演出と共にモンスターが召喚される様子の高揚感、何より声に出して叫びたい口上の数々には僕も当時から魅了されました。(そしてオリジナル口上を考えて黒歴史にしてしまう辺りもご愛敬)ある意味でデュエルディスクに並ぶ大発明とも言える召喚口上を、今後の遊戯王アニメでも続けていってほしいですね

 

 

 ではまた、次の機会に。