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2024年冬アニメ簡易感想 その9

 

 

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 先日、カードゲーム25周年を迎えた遊戯王のイベントが東京ドームにて開催。そのイベントにて公開された25周年記念アニメーションが話題を呼びました。遊戯王OCG(オフィシャルカードゲーム)にて登場した人気モンスター・テーマのストーリーなどを短編映像化した内容は、アニメの名BGM「熱き決闘者たち」のアレンジも相まって遊戯王のファンほど感動させられるものに仕上がっていたと思います。

 まず言わずと知れたブラック・マジシャンブラック・マジシャン・ガール青眼の白龍真紅眼の黒龍といった初代の人気モンスターから始まるところからしてお見事。その後も青き眼の乙女霊使いたち、氷結界真六武衆アルバスの落胤閃刀姫と、多くのモンスターたちが美麗な作画で描かれていることに驚きと感銘を受けますね。(個人的には天霆號アーゼウスパートのバリバリロボットアニメっぷりがお気に入り)僕自身OCGはかじったことがある程度しか触れてませんが、それでも胸に熱いものが込み上げてきます。長き遊戯王で生まれたカードたちを魅力的に綴ったこの記念アニメは、まさにここまで積み上げてきた遊戯王の歴史そのものといえるのかもしれませんね。

 

 

 というわけで以下、今週の簡易感想です。

 

 

 

 

 

ポケットモンスター テラパゴスのかがやき

第38話「SOSはワッカネズミから?」

 モリーたちの元に現れたポケモンの救出劇が繰り広げられた今回。まず注目したいのはやはり倒れていたワッカネズミ……もといイッカネズミですね。数が増えただけで見た目はほとんど変わらないという特徴(しかも一緒にいるネズミたちは本当に肉親なのかどうかわからないんですよね……怖っ)を活かして、助けるべき人数を読み間違えてしまう展開にはハラハラしっぱなしでした。安心させてからの急展開といい、劇中の登場人物だけでなく視聴者すら騙されたミスリードと、ポケモンの進化の面白さを語る構成が光る回だったと言えます。

 そして今回のMVPは何といってもミブリム。イッカネズミたちの危機を察知してくれたのはもちろんのこと、子ネズミを助けに行ったリコの応援に向かった時は驚きましたね。さらにはいやしのはどうを覚えて、傷ついたネズミたちの傷を治す場面まで感動モノでした。周囲の感情に呑まれて怯えてばかりだった子が、リコやネズミのためによくぞ立ち上がってくれたと思います。今回の件を通してミブリムがポケモンに寄り添えるトレーナーを目指すリコと共に、自分の力を活用してみんなを助ける心の強さを手に入れたことがよくわかる辺りが素晴らしかったです。

 

 

ダンジョン飯

第5話「おやつ/ソルベ」

 冒頭知らないパーティー視点で始まって困惑するものの、彼らの死亡でいつものダンジョン飯を思い出す算段よ……!という感じで「カブルー」率いるパーティーのあっさり退場に無情なものを感じましたが、ライオスが登場してからはこれまでのノリを取り戻していくのが面白かったです。そして前半ではまさかの金貨や宝石に擬態する虫を使った料理が描かれ、見た目は綺麗なものの言葉に出来ない拒否感も覚えましたね。真珠のネックレスに擬態したムカデみたいなヤツなど、現実でもその内出てきそうな絶妙な気持ち悪さに悪寒が止まりません。

 さらに後半は幽霊対策で聖水を作る回でしたが、センシの製作過程がありとあらゆる国の魔除け要素全部盛りだったのがこれまたインパクト大。そのうえ出来たものを詰めたビンをブンブン振り回して霊を撃退するのですから、ここまでマルシルたちが説明してきた聖水のイメージが脆くも崩れ去りました。極め付けに聖水がアイスになるというパートで腹筋が崩壊しましたね。霊魂の恐ろしさとかが全て吹っ飛んだ気分です。
 また探索の目的であるライオスの妹「ファリン」についての話もちょっとした見どころ。いわゆるヒーラー・僧侶としての才能がずば抜けているだけでなく、ズレている兄を支えてくれる良き妹でもあることが伝わってきました。そんな彼女に霊関連などを任せっきりだったライオスのパーティーが、仲間が頼れない中で自分がやれることについてを考えるようになるパートも素敵な変化だったと言えます。

 

 

勇気爆発バーンブレイバーン

第4話「イサミ、キミはまだ、人というものを分かっていないようだ」

 おまいうなサブタイに反して思った以上にまともな内容に驚きを隠せない4話。ルルのお世話で忙しいスミスに苛立つイサミに、他兵士たちと語らう場を設けるブレイバーンの配慮には愕然すると同時に感心させられました。わけもわからぬまま巻き込まれていたイサミにとって、感謝してくれる存在がどれほどありがたいかが読み取れますね。他にも様々な人物とのやり取りを経て、ようやく本来の調子を取り戻していったように感じました。1話ではぶっきらぼうだった彼が、面と向かって話してくれる相手に救われていく過程には少々胸が熱くなるものがありますね。それはそれとしてブレイバーンはそんな気遣いが出来るなら最初からしろや!

 他には可愛らしいルルに癒されたり、苦労人スミスに苦笑したりと微笑ましい光景が面白いポイント(一方でルルがブレイバーンを指さして「スミスー!」と呼んでいたのが意味深でしたね。ただの間違いでないのならまさか……)しかしラストの燃える東京の光景で、劇中の空気感が一気に変わっていくのを感じました。ブレイバーンのトンチキぶりばかりが目に行きがちな中、改めて本作の地球が洒落にならない危機を迎えていることを突き付けられる場面だったと言えるでしょう。上述のイサミと飲んでいた兵士の明らかな死亡フラグも気になりますし、日本の救出作戦がシリアス気味に進行する様子から本作の本質を感じ取った次第です。

 

 

葬送のフリーレン

第21話「魔法の世界」

 前半で濃密な魔法バトルを繰り広げてからの「殴り合いじゃぁぁぁぁ!!」に笑いが止まらない。フリーレンとデンケン爺さんというマッチングはフリーレンの勝利に終わってしまったものの、その後別パーティーあいてに肉弾戦を繰り広げてでも足掻くデンケンの泥臭さが何とも素敵でしたね。1級魔法使いを目指す目的も墓参りという切実なものでしたし、回を重ねるごとにこの老人の味わい深さが増していくような感覚を覚えました。また後述の「魔法は探し求める時が一番楽しい」という考えも含め、要所要所でフリーレンと似通った感性の持ち主であることがわかる描写にもニヤリとさせられます。

 そして全体を通して魔法の奥深さを語っていたのも今回の特徴。デンケン戦をこなす傍らで試験会場の結界を壊したフリーレンの凄まじさは言わずもがな、その後のカンネとラヴィーネの逆転劇は見ていてテンションが上がりました。「魔法はイメージ」と語るリヒターの技術力に対し、圧倒的な質量で迎え撃つ際の爽快感は半端なかったです。同時に実はフランメの師匠であることが判明したゼーリエの語りも印象的で、魔法の力を極めさえすれば常識など容易くひっくり返ることがこれでもかと伝わってきました。そんな魔法を極める野心よりも、ただただ珍しいものを探す過程を楽しむフリーレンがそれを証明してみせたことに不思議と高揚させられますね。

 

 

遊☆戯☆王ゴーラッシュ!!

第95話「サラバ田崎」

 どうすればいいんだこれ……という喪失感がヤバい。田崎さんメイン回ということで楽観的に構えていたのも束の間、バリベルギャー内の888万人の同胞が次々と消えていく展開に開始数分で心をやられました。さらにはデュッティ・ニーショウまでもが目の前で消滅するのでショックが大きかったですね。特にバリベルギャーたちが自分の消滅をユウディアスに黙っておきたいという姿勢がいじらしすぎて、涙なしに見ずにはいられなかったです。

 彼らの意志を汲み取って黙るべきか話すべきかと悩む田崎さんの姿にも胸を痛めずにはいられません。アサカの「その場しのぎに過ぎない」発言もごもっともですが、一方で彼女自身ニーショウをどうすることも出来ない事実に打ちのめされていることが読み取れて余計に辛かったです。そんな田崎さんたちに「心の底から本気で迷うのならそれは大きな前進である」というニーショウの言葉は響きましたが、それでも消滅の事実の前ではどうしようもないほどの悲壮感が襲い掛かってきます。

 デュエル描写に関しては「同名扱いのカード」が印象に残りました。田崎さんのエース・パーフェクト・トラクタイガー貫通!による必殺コンボを、貫通!と同じ名前になるカードを使って水増しするプレイングは興味深かったです。結果的にアサカには負けてしまったものの、バリベルギャーの激励を受けこの一撃を整えた田崎さんのことを賞賛してあげたいところ。

 

 

トランスフォーマー アーススパーク

第18話「あたらしいかぞく!?」

 メガトロンたちを罠に嵌めて捕らえたマンドロイドと追い詰められたドット母さんの奇妙な共通点が判明。「サンフランシスコでのオートボットとディセプティコンの戦いに巻き込まれた」という過去を持った2人の会話が興味深い前半でした。2人がその時に体の一部を失った事実も衝撃的(ドット母さんが義足であることがサラリと明かされた時はビビりましたね)で、ますます本作の前日譚を見てみたくなってきます。そしてドットはトランスフォーマーと通じ合い両軍を和解へと持ち込み、逆にマンドロイドはトランスフォーマーを憎み復讐しようと暗躍している……境遇は似通っているのに、辿った道はまるで異なる両者の対比が非常に興味深かったです。

 さらにテランたちを生み出した光る石が「エンバーストーン」なる代物だとわかりました。最初の13人の1人「クインタスプライム」が造り出した生命を生み出す石とのことですが、何故地球にそれらにまつわる遺跡などがあるのか気になりますね。モーたちの願いを聞いて新たなテランを生み出す瞬間も描かれましたし、クインタスプライムは人間の子どもたちに何かしらの希望を遺したということでしょうか。ともあれ後半のジェットロンとのバトル(奥さんのピンチに憤るアレックス父さんのカッコよさ味方諸共爆撃するノヴァストームのヤバさがここすきポイント)も魅力的でしたが、それ以上に次々明かされていく秘密に注目する回になっていたと思います。

 

 

 この遊戯王のイベントでもう1つ外せない話題といえば、当イベントに登板した風間俊介氏ですね。『遊☆戯☆王デュエル・モンスターズ』で初代主人公である2人の遊戯を演じ分けた名演技っぷりに反して中々この手のイベントなどに関わる機会に恵まれなかった風間氏ですが、その反動の如くこのイベントを存分に楽しんでいたようです。

 

 

 上の記事からも読み取れる通り、ファンの1人としてもイベントを満喫していた風間氏。これまで明確な発言がされなかったので彼が遊戯王に対してどう思っていたのかこちらからはあまりわからなかったのですが、今回の件で作品への愛がこれでもかと伝わってきました。当時氏の演じた遊戯に魅了された身としてはとても嬉しいことです。海馬瀬人を演じる津田健次郎氏も含め、遊戯王を好きでいてくれてありがとう!とお礼を言いたくなる素敵な話だったと思います。

 

 

 ではまた、次の機会に。