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デュエル・マスターズ WIN 決闘学園編(デュエル・ウォーズ) 第28話「激突!D4の野心」感想

譲れぬ願いと揺るがぬ想い

カイザ×イッサとかいう新たな可能性をすこれ

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  • 仲間との楽しい日々を想う

 デュエル・ウォーズ本戦の第2試合、その内のカレンVSイッサの戦いが展開された今回のデュエマWIN。その中でカレンとイッサ、それぞれの「譲れない願い」について語られたのが大きな見どころとなっていました。

 まずカレンについては冒頭からカイザに「デュエリストとして野心が足りない」という指摘を受けていましたが、いざイッサとのデュエマを繰り広げる中で「諦めないで楽しみぬく」姿勢を見せたのが良かったですね。カレンは本作でデュエマさいこークラブに加入してからウィンたちとの日々のために邁進していたので、彼らとデュエマを楽しむ日々を最も尊んでいるのはある意味で当然と言えます。イッサに追い詰められながらもその状況すら楽しみ、最後まで戦うことを選んだことこそカレンの譲れないもの、という答えにも深く納得させられました。

 また今回カレンが特殊ルール「メンタルデュエマ」下で《闘うべき時!!》をフィニッシャーにして勝利していましたが、それを選択する下地としてウィンたちとのやり取りが描かれていたのも注目ポイント。メンタルデュエマで使うカードを考えていく際にウィンが《P・P・P・P》というマニアックなエクストラウィンカードを選んでいたシーンを見た後だと、カレンがこの時のことを思い出して闘うべき時!!を宣言したのだろうな、と考えます。話の流れとしても上手いですし、何よりカレンがさいこークラブの仲間たちとの日々を想っていることが読み取れるエモい展開になっていましたね。ボウイに続いて不遇気味だったカレンの活躍回としても中々の好感触でした。

 

 

  • 友との大切な居場所を想う

 対するイッサの願いについても触れられていましたが、当人が「願いなどない」と断言したのが少々意外。以前から見せていた学園の秩序を守る考えをさらに強めていた他、邪神どころか女神だろうと学園を乱す者には容赦しない姿勢を取ったので驚かされましたね。他にもカレンにD4としての義務や責任を説くなど、D4という立場から学園を統治することを何よりも遵守する潔癖さが見られました。その誰にもなびかない態度はある意味で中立然としていますね。それ故彼がリッパー教授を警戒している理由にも納得しましたし、今回の教授との会話で徹底して冷徹だった点にも納得です。

 そんなイッサがカイザへの熱い感情を見せてきたことには本当に仰天してしまいました。冒頭の2人のデュエマ風景から始まり、カイザを頂点とする学園を何よりも是とするかのような発言、極めつけはカレンの成長に「喜べカイザ」と微笑む様子に衝撃を隠せません。願いに関してももう叶っている──カイザとの日々と居場所──を思わせる描写も匂わせており、カイザに関してここまでの友情を感じているとは思ってもみなかったです。大分唐突だったので困惑も大きかったものの、孤高と思われたイッサにも友情という「譲れないもの」があることがわかったのは素敵ですね。カイザとの気の置けないやり取りも含め、ここにきて最上川イッサという少年の魅力がわかったような気がします。

 

 

  • 揺るがぬ意志と想いで今こそ闘うべき時

闘うべき時!!(ファイティング・エッジ) 火文明 (8)
呪文
▪️相手のシールドを1つ選び、持ち主の墓地に置く。その後、相手のシールドが1つもなければ、自分はゲームに勝利する。

 イッサとのメンタルデュエマにて、カレンの逆転の切り札となった呪文。劇中でも言われていたようにかなりマニアックなカードで、漫画デュエル・マスターズの名シーンの数々がイラストに描かれたいわゆる「名場面BEST」版とも言える1枚です。カード名の由来は漫画『デュエル・マスターズFE(ファイティング・エッジ)』から来ており、描かれているシーンも同作での切札勝舞VSザキラの最終決戦という胸熱のシチュエーション。大きなネタバレは避けますが、この時の戦いの勝敗及び勝舞の選択が後述の効果と密接に関係していると思われます。(詳しく知りたい人はデュエマFEの12巻を読もう!!
 その効果とは非常に珍しい呪文でのエクストラウィン。相手のシールドを1枚焼却した後、相手のシールドが0枚になれば勝利という《ジョリー・ザ・ジョニー》を彷彿とさせるエクストラウィン条件となっています。相手のS・トリガーを封じられるうえ、ダイレクトアタックを介さずとも安全に勝てるという点でかなり便利。例え相手がブロッカーを揃えて守りを固めたり、ニンジャ・ストライクや革命0トリガーなどでカウンターを狙ってきたりしても問題ありません。

 とはいえ相手のシールドが2枚以上ある場合はエクストラウィンが狙えず、ただのシールド焼却で終わってしまうのは明確な難点です。コスト8という重さで唱えるほどではないですし、何より単純な焼却なら2コスト軽い《ボルメテウス・レジェンド・フレア》や《冥府の覇者ガジラビュート》が存在するのであまり現実的ではありません。どうせ使うなら呪文踏み倒し系のカードを組み合わせ、相手のシールドが1枚以下の状況などで唱えるべきでしょう。

 まず考えられるのは《真邪連結 バウ・M・ロマイオン》と《魔獣星樹ギガゲドー》のコンボ。《ヘブンズ・ゲート》でこの2体を出した後にギガゲドーの能力でロマイオンのEXライフシールドを剥がし、ロマイオンから《テキサス・ストーム》を繰り返し唱えてから最後にこの呪文を唱えて大量ブレイク&エクストラウィンを狙えます。他にも《黒騎士ザールフェルドII世》がいる状態で《ティラノ・リンク・ノヴァ》を唱え、シールドを一掃した後にそれよりコストの低いこちらを踏み倒すという手段もあったりと、工夫次第では意外なフィニッシャーになってくれるかしれません。ロマン寄りのカードながら、決まった時は中々に爽快な1枚になりえるのでちょっと魅力的かと思います。

 

 

  • 精神と知力で攻略出来るか?

 今回適用された縛りルールは「メンタルデュエマ」。コロコロオンラインで掲載されているシリーズ『異世界転生宣言 デュエル・マスターズ「覇」』にて登場したルールの1つで、前回も書いた通り「実際にプレイするカードと同じ文明・コストを持つ別のカードとして扱うことが出来る」ルールとのことです。

 

corocoro.jp

↑このルールが扱われた記事に関してはリンク先を参照。

 

 アニメでは文明とマナが描かれているだけのカードのみのデッキを使い、宣言したカード通りに変化するなど、視覚的にわかりやすくなっていたのが特徴的。その他にも……

  • プレミアム殿堂に指定されたカードやツインパクトカード、多色カードは使えない
  • ドローしてから10秒以内にカードをプレイしなければそのターンは強制的に終了、相手のターンに移る

 といったルールも説明されていました。(加えて上の記事で説明された「1度誰かが宣言したカードをもう1度宣言することは出来ない」ルールもあると思われます)あらゆるカードを記憶することはもちろんのこと、瞬時に判断して動くことも求められる辺りがかなりシビアです。また自分のシールドも全てトリガーとして扱えるという点では便利ですが、それは相手にとっても同じこと。それらを全て加味したうえで戦略を素早く立てていく、まさに記憶力と判断力が求められたルールと言えるでしょう。

 個人的にはこのメンタルデュエマで割とマニアックなカードが見られたのが面白かったですね。上述の闘うべき時!!はもちろんのこと、カレンが《グリーンデイ・ベアーコ》を使ってきた時には驚きと興奮を覚えました。記憶の片隅に追いやっていた意外なカードが使われる瞬間のそうきたか!というテンションの上がりっぷりが味わえて気持ちが良かったです。前回までのルールと比べると考えることも多く難しそうですが、今回でちょっとやってみたいと思える魅力に気付けたと思います。

 

 

 今回は他にもリッパー教授が「過去のデュエル・ウォーズ」について言及していたくだりも見のがません。調べたところ女神に捧げるお祭りのようなもので、優勝者の願いを叶えるといった文言はどの資料にもなかったとのこと。これにより女神の存在を使って願いをチラつかせてきた学園長が途端に怪しくなってきましたね。正直リッパー教授の方も信用ならないのですが、この情報そのものはある程度信用するべきかもしれません。子どもたちが順調に戦っていく中、大人たちの腹の探り合いも激化している予感を覚える一幕でした。

 

 

 こうして盛り上がってきたところで次回はまたもや特別編。総集編を挟んで本編がお休みという情報にまたかよ!!という反応になってしまいました。しかし前半はまさかのデュエマの背景ストーリーを扱うらしく、こちらに関しては期待出来ますね。デュエマのハイクオリティCGによって繰り広げられる邪神たちと他文明たちの戦いを、せっかくなので楽しんでいきたいと思います。

 

 

 ではまた、次の機会に。