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デュエル・マスターズ WIN 決闘学園編(デュエル・ウォーズ) 第16話「決着!信念と絆」感想

心を読み合い勝利を掴め!!

カイザがいきなり愉快なキャラと化しててフィオナの森生える

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  • 緻密な読み合いとド派手な逆転劇

 今回のデュエマWINは前回の続き、お化け屋敷を燃やしたファルゴとのデュエマからスタート。前回ラストでファルゴガールズを使いイカサマをしているかのように見えていたファルゴですが、今回明かされた戦術は意外と堅実なものでした。前回の敗北から学びウィンのデッキと戦術を徹底的に調べ上げ、集めたデータで対抗する姿勢は好感が持てますね。(ただガールズにピーピングさせているっぽい描写は結局何なのかはっきりしていないのがモヤモヤしますね。あくまでウィンの動きを見張らせているだけなのでしょうか?)前回の敗北がS・トリガーによる逆転だったことから、《十八番龍 エターナルグリーン》のエクストラウィンを狙う戦略を披露したのも興味深かったです。

 そんなファルゴの猛攻に対し、ウィンはまさかの《完全防御革命》でエクストラウィンを回避してみせたことには度肝を抜かれました。ファルゴがそうしたように、ウィンも相手のデッキを分析してエクストラウィン対策をしていたことには痺れましたね。さらに相手と同じように予測するだけでなく、ファルゴの心を見抜いて揺さぶる心理戦を仕掛けてくる辺りにウィンの方が上手であることが伝わってきます。勝負を決めるのは戦略だけじゃない、相手の心を暴くデュエリストの頭脳だ」という言葉からも、ずっと描かれている主人公のクレバーさが感じられました。

 そうしてファルゴに攻撃を誘発してからはS・トリガー5枚というとんでもない豪運で相手の盤面制圧、その後の大逆転を決め込む展開も衝撃的。トリガーの運は行きすぎなきがしますが、かえって派手にファルゴを絶望させるカタルシスを演出してくれたと思います。何より今回のデュエマパートは一貫して作画の動きなどに気合が入っており、ウィンの逆転劇が最高に映えていたのが素敵でしたね。久々の邪神タイムでファルゴを恐怖に陥れた(作画と相まってめちゃくちゃホラー)のもあって、ここまでの溜飲を一気に下げることが出来たと言えます。

 

 ただ一方で今回のデュエル構成にいくつか首を傾げるところもありました。上述のファルゴの分析とイカサマがどういう関係にあったのか不明瞭だったことにはモヤモヤしたものを覚えますし、ガールズが完全防御革命を確認していなかったことにも違和感を覚えます。何より「前回はシールドを攻撃したことで敗北した」というファルゴの言葉も、その6話のデュエマパートがカットされたのもあってあまりピンとこなかったです。トリガーの無理やり感はともかく、その辺りの描写のちぐはぐさに不満を覚えてしまいましたね。ファルゴに勝利したこと自体は気持ちが良かったものの、個人的には彼とのデュエマをもう少し詳細にしてほしかったというのが本音です。

 

 

  • 難攻不落の超高難易度ステージ!巨大火山龍が大地を揺らす

十八番龍(じゅうはちばんりゅう) エターナルグリーン ParLife(パーライフ) 自然文明 (10)
クリーチャー:ジャイアント・ドラゴン
パワー11000
▪️ダブル・シンパシー:ジャイアント(このクリーチャーの召喚コストは、自分のジャイアント・クリーチャー1体につき2少なくなる。ただしコストは0以下にはならない)
▪️マッハファイター
▪️W・ブレイカ
▪️自分のジャイアントが攻撃する時、カードを1枚引いてもよい。
▪️自分のジャイアントを使うコストを2少なくする。ただし、コストは0以下にはならない。
▪️自分のターンのはじめに、自分のクリーチャーが18体以上あれば、自分はゲームに勝つ。

 ファルゴがウィンへのリベンジのために入れた新たなジャイアント・ドラゴン。以前からファルゴが使っている《十番龍 オービーメイカー Par100》と同系統のその体そのものがゴルフステージと化している巨大なドラゴンで、背中のコースに断崖絶壁や火山といった険しい要素が満載なのが特徴となっています。ゴルフとしてはオービーメイカーよりもずっと攻略が困難であろう様相を呈していますが、それだけ強力なドラゴンであることを示しているということでしょうか。

 カードとしてはまずコスト10でパワー11000、W・ブレイカーにマッハファイターという大型らしいスペックをしているのが特徴的。(コストの割にはパワーとブレイク数が少々控えめですが)その重さから一見出しにくそうに見えますが、ジャイアントを指定したダブル・シンパシーのおかげでジャイアントさえ並べておけば早期に着地させることが出来ます。《とこしえの超人》のようなメタクリーチャーを序盤から出しておくだけでも効果的ですし、《西南の超人》や《アシスター・サイネリア》といったコスト軽減持ちと組み合わせればさらに低いコストでの召喚が狙えます。

 そうして場に召喚してからはコスト軽減能力で後続のジャイアントに繋げることが可能。西南の超人と同じ軽減数ですが、こちらはクリーチャー以外も範囲に入るのが魅力となっています。さらにジャイアントの攻撃時に1ドローも出来るため、手札を尽きない継続した展開が行えます。このクリーチャー自身の攻撃で最低でも1枚ドローが出来るのも嬉しいところですね。

 そして最大の目玉がエクストラウィン能力。《サイバー・J・イレブン》を彷彿とさせる条件ですが、こちらはクリーチャー18体というデッキの半分近い数に加えて自分のターン開始時に達成されるのでかなり厳しめと言えます。とはいえ上述の能力とジャイアントの展開能力を合わせれば不可能ではありません。何よりジャイアントの種族デッキの弱点であったカウンター対策の無さを、攻撃せずに勝つという手段で補える相性のいいカードとも取れますね。(《環嵐!ホールインワンヘラクレス》などで山札回復を怠らず、《首領竜 ゴルファンタジスタ》で防御してやって狙っていきたいところ)豪快さと堅実さ両方を持ち合わせた1枚として覚えておきたいですね。

 

 

  • タコさんウインナーが作る平和な光景

 さてファルゴとの決着が前半の内についたので、後半はマイハマ祭の出し物をどうするのかという問題の解決が描かれることになりました。お化け屋敷はもう出来ないので何をするのか?と疑問に思っている中、みんなで協力してタコさんウインナーを売り出した時は思わず拍手してしまいましたね。散々フィーチャーされていたウインナーをここで引っ張っていくことに上述のファルゴ戦とはまた違った爽快感を覚えました。デュエマとの関係性も、「松本大先生の好物だから」で済ませたことにクスっとさせられます。

 そのウインナーの素材にランナーの家の肉を使うなど、文化祭で久々に集まった仲間たちが力になってくれているのがまた素敵です。ウィンが築いた仲間との関係が、ここにきてウインナーの屋台に昇華されるのは何とも面白かったです。(シラハマメンバーがまたもや女装しているのがここすきポイントで、例によってランナーの女装だけレベルが違いすぎることに笑ってしまいます)

 またカイザたちD4が屋台の視察に来てからが実に愉快でした。タコさんウインナーの絶品ぶりにカイザたちが思わず食レポを始めるだけでも面白いのに、鉄仮面が美味しさのあまり暴走しかけるわそれをカイザが止めるわと、これまでの毅然としたD4とは思えないほどコミカルな絵面に笑いが止まりません。中でも源さんのソロキャンプ趣味に理解を示すカイザがこれまた意外過ぎて腹筋に来ます。(ここのカイザを見て、中の人繋がりで『水星の魔女』のグエルを思い浮かべたのは僕だけではないはず*1

 これまでずっとデュエマさいこークラブとD4の相容れない面が映し出されていましたが、ここにきて両陣営が諍いなしに楽しく過ごす様子が見れたのはとても嬉しいです。カイザ好きとしてもこういったカイザは新鮮で魅力的に見えますし、今後もこういった微笑ましい光景を見せてほしいところ。しかしラストにはイッサが何やらウィンの弱点を掴んだような口ぶりを見せたのが不穏ですね。ファルゴが倒された今、次なる敵はイッサになるということでしょうか。果たしてイッサが暴いた弱点とは何か?そもそもどうやって対立するのか?そちらの方にも気を向けておきたいと思います。

 

 

 また今回はOP映像がついに完成したのも見逃せません。本編映像の使い回しのパートが全て新しく描かれ、ウィンたちデュエマさいこークラブの楽しそうな様子に癒されることになりました。D4メンバーそれぞれの1枚絵を気合が入っており、両陣営の魅力が詰まっていると言えます。(サビのカイザVSウィンの構図など止め絵が多いのですが、これはまだ新しい映像が控えているのではないか、と予想しておきます)

 そしてサビ前の映像で謎の新キャラが映ったのが注目ポイント。白粉のような色白の顔にサングラスを付けた怪しい男性……そして彼の後ろに移る謎のクリーチャーのシルエットなど、さいこークラブともD4とも異なる別の勢力を感じさせる不気味な雰囲気を放っています。(マイハマ学園が下に落ちて、不気味な建物が映る演出も気になりますね。)この謎の男は何者なのか、ここではまだ詳しいことは伏せておくとします。この謎の男について知りたい人は現在(2023年7月現在)発売中のコロコロコミック8月号のデュエマ漫画でチェックしよう!!

 

 

さて次回はまさかの特別編。前作でも見られた実写パートと総集編の2本立てになるようです。また本編が一旦お預けなのは辛いですが、ファルゴ関連で決着をつけた後なのでこれまでよりも心に余裕を持って受け入れることが出来そうです。何より実写パートはデュエチューブでお馴染みチアリ&むーちゃんがアニメ制作の現場を突撃するというのですから驚きです。せっかくですからここでしか見られない制作の裏話などを見せてほしいですね。

 

 

 ではまた、次の機会に。

 

*1:カイザ役の阿座上洋平さんは実はキャンプが趣味で(『阿座上洋平の『アザキャン!』』というWEB連載を持っているくらいである)、そのことから来ているネタとも思われる。