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ウルトラマンアーク 第12話「お前はギヴァス」感想

月に求める答えとは

この宇宙で多くの文明に危機が迫る事態が何かあるのか……!?

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  • 励ましから始まる和解と奮闘

 物憂げな表情で銭湯に入るユウマの様子から始まった今回のアーク。前回のシュウとの口論もあって視聴者としても気まずい空気を味わっていましたが、クロコ星人のヌマタさんの再登場で一気に希望が出てくる展開に近づいたので見ていて元気付けられました。朝から裸の付き合いを見せられるシュールさはともかくとして、悩めるユウマにヌマタさんが激励の言葉を送るくだりで大いにウルっときますね。シュウとのやり取りも付け加えて、彼のフォローも欠かさないのがまたニクかったです。

 その後のSKIPに合流してからのシーンも非常にスムーズ。謝罪しようとするユウマを静止したうえで、ギヴァスの翻訳を解き明かそうとするシュウたちにこれまた目頭が熱くなってきました。前回こそ言葉のぶつかり合いですれ違っていたものの、ギヴァスに寄り添いたい・何とかしたいという気持ちはみんな同じであることがユウマにも伝わってくれて何よりです。彼らの関係をここまで取り持ってくれたヌマタさんも、今回の影のMVPとして評価したいところですね。(後述の情報提供も役立ちましたし)

 あとは立ち直ってからのユウマ行動力には舌を巻きました。ギヴァスへの攻撃作戦が開始される前に、ギヴァスによじ登ってコックピットに乗り込もうとした時は思わず吹き出してしまいましたよえぇ。ただ命綱なしの軽装でロボット怪獣をクライミングする突拍子のなさは、良い意味でユウマの若さや無鉄砲さが出ているとも感じました。誰かの声を聞きたい・わかり合いたいといった純粋な想いに、どこまでも愚直な面は見ていて応援したくなってきます。色々ありましたが大きな不安を乗り越え、目の前の問題を乗り越えようとする主人公たちを見ることが出来て大いに安心させられる回でした。

 

 

  • 私の“ギヴァス”に送る言葉は

 そして前回大きな謎だったギヴァスについて判明したのも見逃せないポイント。まずヌマタさんの説明からギヴァスは惑星メグマに住む「メグマ星人」によって造られたことが説明され、ちゃんと意思のある存在の可能性を導き出せたのが興味深かったです。まぁ結果的にギヴァスのパイロット内にいたメグマ星人(マスター)は息絶えていて、ギヴァスはほとんど自力で動いていたという事実に打ちのめされましたが……この一連の事実は、マスターの死を認めないギヴァスの姿も相まって非常に切なかったです。

 そのうえマスターが遺したメッセージにも胸打たれましたね。自分の死を悟ったうえで残された機体を想い、新しい希望を見つけられるよう命令を残していたという話はマスターの優しさに溢れていたと思います。これだけで彼らが単なるロボットとそのパイロットという関係ではない、お互いにとって家族のような存在であったことが読み取れました。さらにギヴァスの月が出ている時のもう1つの意味は「友」という答え合わせ(月の存在で意味が真逆になるのが面白いですね)も相まって、彼らなりの友情を感じ取った次第です。

 それらの真相を知ったうえで、必死にギヴァスを止めるアーク(ユウマ)の奮闘にはハラハラさせられましたね。ギヴァスとオカグビラ双方を相手取りながらの戦いだけでも大変そうだったのに、戦意がないことを伝えるために変身を解除した時は色んな意味で手に汗握りました。とはいえ月が出ている時にギヴァスの言葉を口にして、友になろうとしたユウマの行動は天晴。(夕暮れから一気に夜になった時は変な笑いが出ましたが)孤独なロボットに1人ではないことを伝えられたことにどこか感動を覚えます。

 最終的にギヴァスは攻撃から逃れるために宇宙へ旅立ちましたが、ユウマという友を得られたというだけで彼には救いがあったのかもしれません。ロボット怪獣とも心を通わせる対話のエピソードとして、中々に胸にくるラストだったと思います。ギヴァスのことも結構気に入ったので、また何かしらの形で再登場してほしいですね。

 

 

 他にも今回の戦闘シーンでは、夕暮れをバックにウルトラマンが2体の怪獣を相手にするシチュエーションが印象に残りました。これは『帰ってきたウルトラマン』でよく見る構図そのままで、ここにきてそのオマージュを入れてくる展開にニヤリときましたね。ギヴァスの汚れきったコックピット内もこだわりが見られましたし、スタッフのウルトラオタク魂が爆発していることがひしひしと伝わってきました。

 またこのエピソードでまた宇宙人の文明が滅びた話題が出てきたのがちょっとした注目ポイント。上述でも触れましたが、10話に続いて滅亡した宇宙人の登場には何か不穏なものを感じ取りました。(ヌマタさんが置き去りにされた件といい、本作の宇宙人は割と切羽詰まった状況にいるのがどうしても気になりますね)それ故本作の宇宙では多くの文明が終わりを迎える“何か”が起こっているのかもしれない……!?といった妄想をせずにはいられません。所長が「ギヴァスが探していた“新たな月”について」の疑問を口にしていたのもあり、この問題がまだ終わっていないことを予感させたのも事実。今後の展開と合わせて、答え合わせを楽しみにしたいと思います。

 

 

 そして次回はシュウの上層部への報告書作成という名の振り返りがなされる模様。これまでの事件をおさらいしつつ、アークの正体についてSKIPのみんなで議論するようです。その過程でユウマが暗い表情を見せていますが、何が待っているのかドキドキしてきますね。シュウの隠された一面も明かされそうですし、ちょっとした総集編ながら見逃せない内容になるかもしれません。

 

 

 ではまた、次の機会に。