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仮面ライダーガヴ 第6話「変身はビターチョコ」感想

俺の怒りは甘くない

この作品の科学者ロクでもねぇ奴らばっかだな!

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  • “復讐”の仮面ライダーとなる時

 グラニュートの事件を探り、多くの真実を知ってきた絆斗がようやくメインになることに。そんな今回のガヴは絆斗が師匠の塩谷さんの割れたヒトプレスを発見するという、初っ端からショッキングな始まりに慄くこととなりました。前回ラストに師匠襲われた時点である程度は覚悟していましたが、これほどまでに早くこの人が殺されたことを感じさせてくるとは思ってもみなかったです。(4話のみちる母さんの件もそうでしたが、直接的な表現を使わず登場人物の“死”を伝えてくる本作の設定には舌を巻くばかり)わずかな出番でしたが、ここまで衝撃を受けるほどの退場をまたもや味わうことになって絶句するほかありません。

 そして師匠の死を知って取り乱す様子や、酢賀の改造手術を受けるまでの決意など全編に渡って絆斗の怒りと悲しみに見ているこちらも胸を痛めることに。今回の語りとちょっとした回想だけでも師匠が彼にとってどれだけ大切な恩人だったか読み取れるので、余計に同情を覚えずにはいられなかったです。そのため人間ではなくなることを承知のうえで、グラニュートへの復讐を果たそうとする過程も彼の悲壮感を加速させていたと感じます。またこれまで描かれた絆斗は人懐っこくて優しい人物であることは十分伝わってきた分、憎しみでそんな彼が失われていきそうな予感がしてなりません。(無論ヴァレンとしての戦いぶり自体は滅茶苦茶カッコよくて好みです

 そんなわけで“復讐鬼”としての仮面ライダーになった絆斗ですが、彼とショウマ/ガヴの関係が今後どうなっていくのかが今非常に気になってきています。というのも非道なグラニュートだろうと必ず「どうする?」と改心の余地を与えるショウマに反して、絆斗は「話は終わりだ」と一方的かつ問答無用でグラニュートを倒す勢い……もうこの時点でスタンスが違うので既に心配せずにはいられません。その内人を襲うことをやめたグラニュートを巡ってガヴVSヴァレンの対立が起こるかもしれない、と今のうちに予想して備えておこうと思います。

 

 

  • 鉄拳と弾丸!ほろ苦い一撃で魔を砕く

 

CHOCO!

 

SET CHOCO!

SET CHOCO!

 

\ワァーオ!ワァオワァオ!/

 

チョコドン!!

PAKIPAKI!

 

 辛木田絆斗が酸賀研造お手製の「ヴァレンバスター」に「チョコドンゴチゾウ」を装填することで変身した「仮面ライダーヴァレン チョコドンフォーム」。本作の2号ライダーであり、改造人間として常人ではなくなってしまった絆斗の姿でもあります。チョコレートモチーフなだけあり、茶色いミルクチョコと白いホワイトチョコの2種類が体にくっ付いているビジュアルに仕上がっているのが特徴的。特に顔面に付いたホワイトチョコがそのままヴァレンの複眼になっているデザインは秀逸の一言。他にも額に「Chocolate」のロゴがプリントされていることから、さながら2つの板チョコが擬人化したような印象を受けますね。(纏わりついた銀紙を剥がす変身シークエンスもオシャレで良き)

 戦闘では変身アイテムと同時に専用武器でもあるヴァレンバスターを使用。チョコのエネルギーが詰まった弾丸を発射する遠距離戦を想定しているようですが、現状の絆斗では狙って敵に当てるのが難しかったのがまず目に焼き付きます。(苦しそうな様子からして、手術の痛みがまだ引いていないのが見てとれますね)ただその結果ゼロ距離から相手に弾丸をお見舞いするインファイト戦法が基本となっていて、そのガムシャラで泥臭い戦いぶりには不思議と高揚感を覚えました。腹への連続射撃で敵を空に打ち上げ、巨大チョコボール状の必殺技を喰らわせるシーンの必死さは特に胸打たれましたね。足場を崩すことで転ばせるといったセンスも光るので、ここから絆斗の戦闘スタイルが洗練されていくことに期待したいところです。

 

 

  • 信じていいのか?三者三葉の科学者たち

 さてそんな絆斗を仮面ライダーに変えた酢賀をはじめとした、本作の科学者ポジションについても語っておきたいところ。まずは何と言っても酢賀の開発したライダーシステムのために、グラニュートの器官を移植する手術をする必要があったのが驚きでしたね。そのうえ手術室の絶妙な怪しさ、部分麻酔故に痛みが残る話を直前にしれっと話すシーンで仰天せずにはいられなかったです。復讐に燃える絆斗をこれ幸いとばかりに実験体にする、酢賀のマッドサイエンティストぶりにはドン引きほかありません。チョコドンゴチゾウをまたもや持ち去っていく手グセの悪さといい、一応は味方ですがこれっぽちも信用してはいけないことを実感します。

 グラニュート側の科学者、ストマック家の開発担当であるニエルブも今回目立っていましたね。ショウマの力だけでなく、変身した絆斗を興味深いとばかりに観察するシーンが少々印象に残りました。また師匠の下半身らしきヒトプレスの欠片を持っている姿を確認出来たことから、師匠を襲わせたのは彼であることは間違いなさそうです。何故そんなことをしたのか?という疑問と共に、もしや酢賀と裏で通じていて、人間にグラニュート器官を移植するために絆斗を焚きつけたのでは……といった妄想も湧いてきます。(これなら酢賀がグラニュートについてやたら詳しい点にも説明がつきますね)

 あとはデンデ叔父さんですが、前向きになったショウマに説得されてストマック家を裏切ったというのが正直怪しいところ。結構軽いノリで味方になってくれましたが、土壇場で寝返る展開がありそうで不安になってきます。人間のお菓子で釣られるくらいなので、ちょっとした誘惑ですぐ向こうに着くとかあり得るかもしれません。総じて本作の科学者は胡散臭くて信用出来ない連中ばかりだと実感する回でもありました。

 

 

 今回振り返ると、やはり絆斗が改造手術を受けることで仮面ライダーになったのが衝撃的でしたね。幼い頃に改造されたショウマと同様「人間をやめなければ強力な力は得られない」というのが本作のテーマの1つなのでしょうか。まぁ昭和の仮面ライダーが改造人間であることへのリスペクトも感じられるので、何だかんだ好感が持てる設定だと思います。

 リスペクトといえば幸果によって命名されたゴチゾウたちが、普段はショウマの命令で街をパトロールする話にも唸らされましたね。初代『仮面ライダー』や『V3』で登場した「少年仮面ライダー隊」を彷彿とさせる設定からして、本作のオマージュの絶妙さにまたもや脱帽することとなりました。

 

 

 さて次回はショウマと絆斗の微妙な関係が描かれる模様。お互いに変身出来ることを隠したうえで仲良くなるようですが、神の視点だとこのいつバレるかもしれない様子にハラハラしそうになりますね。この2大ライダーが戦闘でも共闘出来るのか、そこに注目してみたいところです。他にも次回幸果たちが関わる若い芸術家の葛藤や、ガヴのチョコモチーフのフォーム登場など見どころも多くなりそうで楽しみです。

 

 

 ではまた、次の機会に。