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仮面ライダーガヴ 第2話「幸せザクザクチップス」感想

守るべきもののために

オタクだけでなくみんなに優しいギャルは実在したんだ!

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  • “幸せ”はきっと分け合うもの

 第1話に続いて行き倒れるショウマから始まったガヴ第2話。今回はメインヒロインである「甘根幸果(あまね・さちか)」に拾われ、彼女の元で人の“幸せ”について学んでいく過程にまずほっこりしました。何と言ってもこの幸果のキャラクターが印象深く、如何にもなギャルであると同時に善性の塊みたいな面が素敵に仕上がっていましたね。見ず知らずのショウマに何かと世話を焼き、友人のりっつんこと「佐藤律(さとう・りつ)」との和気あいあいとした雰囲気にも癒されます。(「引っ越しそば」と称してカップ麺を食べるのも軽くて素敵でしたね)

 何でも屋「はぴぱれ」の社長として色んな事をしている幸果ですが、その動機が「みんな幸せなのがいい」というものだったのが余計に感動させられます。自分の名前に“幸せ”の文字が入っているからと軽いノリですが、こういったことを臆さず言える性格には心が暖かくなります。ショウマに「おいしいものノート」を渡すくだりは特にその優しさが伝わってきますね。その人それぞれの喜びや楽しみを思いやれる、素敵な人物であることがこの回の中で十分に描かれていました。

 そんな幸果の描写もあってか、ショウマが人間のために戦う理由付けにより説得力が生まれていたのも見逃せないポイント。彼女から多くのことを教わった後だからこそ、闇菓子のために幸せな人を襲うグラニュートへの怒りがより伝わってきます。幸せは他人から奪うものではない、みんなで共有するものなのだと……その想いをショウマは今後も抱いていくことでしょう。(それだけに今回も助けたりっつんから怖がられる不憫なシーンが改めて辛くなる……

 あとはショウマが幸果の元を出ていったラストには驚きましたね。手紙を残した点といい1話の時と同じなのですが、ショウマのいじらしさも相まって何とも言えなくなってしまいます。ただ今回ちょろっと出てきた始くんとは異なり、幸果にはどうにかしてショウマを追いかけてほしいところ。しばらくはショウマが居場所を転々とするロードムービーになりそうな分、ヒロインが繋ぎとめる役割を果たしてくれることを期待しています。

 

 

  • フライド&ザクザク!如何なるものも切り裂く斬撃

 

スナック!

 

ガヴ! ガヴ! ガヴ! ガヴ!

EATスナック!

ガヴ! ガヴ! ガヴ! ガヴ!

EATスナック!

ガヴ! ガヴ! ガヴ! ガヴ!

 

\ヒャアァァ~!/

 

ザクザクチップス!!

ザックザク!

 

 軽くてしょっぱいポテトチップ(ポテトチップス)を食べて生まれた「ザクザクチップスゴチゾウ」を赤ガヴに装填、ガヴガヴ食べさせることで変身した姿「ザクザクチップスフォーム」。早速登場したガヴの派生形態です。スナック菓子をモチーフにしているだけあって体中に追加された装甲の見た目はポテチそのもの。如何にも薄そうなデザインを幾重にも重ね、日本の鎧武者のようなビジュアルに仕上げている点には感嘆を覚えます。また変身時、目元のジャガイモが切れることでギザギザの複眼が出てくる演出も面白かったですね。

 戦闘能力に関しては専用武装である「ザクザクチップスラッシャー」を2本構えた二刀流が基本。ポッピングミフォームが飛んだり跳ねたりする動きに対して、こちらは素早く敵に近づいて切りつける近接戦闘を得意としているようです。またこのザクザクチップスラッシャーですが、凄まじい切れ味を誇る一方で刀身が非常に脆いのが特徴となっています。ちょっとした衝撃でポテチの如く容易く割れてしまうものの、正しい角度で斬ることが出来れば真価を発揮するタイプの武器ということなのでしょう。(現実の日本刀も誤った使い方で折れてしまうことがあるらしいですし)

 ただし砕けた刀身はすぐに再生するので、気にせずコツを掴むまで何度でも試し切り出来るのは面白いところ。むしろ必殺技では敢えて刀身を砕き、細かくなった刃を飛ばして敵を切り刻む使い方を披露してきたので笑ってしまいました。散れ、千本桜そんな武器の性能も相まってピーキーな印象を受けるものの、スタイリッシュなアクションを魅せてくれるカッコよさげな点は大いに評価したいフォームだと思います。

 

 

  • “幸せ”を喰いものにするもの

 また本作の敵組織である「ストマック家」の描写も注目ポイントになっていました。真っ暗闇に包まれた如何にもな異世界で、闇菓子をライン製造で作ったり洋館で連絡を取り合う様子が印象に残りました。*1一応はお菓子の会社とのことですが、雰囲気がさながらマフィアのようで結構ビビらされるところもあったかと思います。個人的には人間の姿を装っているものの、鏡やテレビ越しでは怪人としての姿を見せている演出にゾクゾクしたものを感じました。

 基本家族経営らしくその役職含めた構成は……

  • 長男「ランゴ・ストマック」(社長)
  • 長女「グロッタ・ストマック」(菓子製造担当)
  • 次男「ニエルブ・ストマック」(技術製造担当)
  • 次女(双子)「シータ・ストマック」(仕入れ総括)
  • 三男(双子)「ジープ・ストマック」(仕入れ総括)

 といった感じ。そんな彼らの会話から父親が今はもう死んでいることや“あの女”を始末したこと、ショウマらしき人物を追っていることが読み取れたのも興味深いです。これらの描写からして、この5兄弟は父を殺して会社を乗っ取った可能性がありますね。あの女は言うまでもなくショウマの母親「井上みちる(いのうえ・みちる)」でしょう。闇菓子の製造ラインの増強を目論んでいる描写もあって、穏健派だった父親が邪魔だったかのかもしれない……といった妄想が捗ります。

 また一般バイトのグラニュート「ウィップル」の人間の扱い方でもイヤ~な恐怖を抱きましたね。人間を悲鳴を上げさせる暇もなく「ヒトプレス」に変える手腕もホラーですが、ショウマに対して手柄の分け前云々を口にした時の鳥肌は半端なかったです。グラニュートたちにとって、人間はただの材料・獲物でしかないことがよくわかります。根本的に考え方が人間と相容れない、異世界の怪物としての悍ましさを存分に味わいました。

 

 

 今回は他にもOP主題歌である「Got Boost?」がついに公開されたのも大きな見どころ。曲を歌うFANTASTICSさんはEXILE系列のグループで、曲調などからもEXILE系グループを彷彿とさせるものがあります。さらに歌詞は歌い出しでいきなり「まぶしくて戻らない瞬間 もう誰にも奪わせない」という切ないフレーズから始まっており、軽快ながらショウマの過酷な戦いを暗示しているかのようです。(また仮面ライダーWEBによると製作スタッフが作詞の藤林聖子さんに「これだけはよろしく」といくつか指定を出しているそうですが……?

 映像に関しても曇天で叫ぶショウマをはじめとして不穏な部分も多いのですが、サビの後のダンスパートのほんわかした空気も見逃せません。演者たちの動きをトレースしたアニメーションが重なっている演出もあって、独特故に印象に残りやすいです。この映像から明るい描写もしっかりいれていく、メリハリの利いた作品になりそうな予感がしてきました。

 

 

 そして次回はショウマ、再びのお手伝い。今度は厳ついおじさんに拾われて力仕事に励みがら、出現したグラニュートと戦う模様です。さらに幸果をはじめとして他の人物がガヴの存在を認知したり接触するなど、物語が少しずつ動いていくようですね。(予告映像で幸果が「仮面ライダー」のワードを口にしていたのも気になります)3話連続で同じ展開になりそうですが、その分周囲の動向で変化を付けるのかもしれません。

 

 

 ではまた、次の機会に。

 

*1:仮面ライダーWEB(https://www.kamen-rider-official.com/gavv/03/)によるとグラニュート界のバーチャルアセットはBlack Frame、リアルタイム合成はアイ・ペアーズのチームが担当しているとのこと。いずれも『王様戦隊キングオージャー』の制作に参加していた会社である。