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2024年映画簡易感想 その3

 

 

 どうも、2025年でもいつものように映画をいくつか観に行っている真っ最中のメタレドです。今年もまたたくさんの映画が公開されており、それらをチェックしていく日々は何だかんだで楽しめています。それらの作品についての感想も書いていきたいとも常々思っていますね。

 とはいってもその前に、去年鑑賞した映画の感想がいくつか残っているのが気がかり。というわけで今回はそんな去年の映画の感想、マーベルコミックを原作とした映画2作品についてを描いていく予定です。

※ここから先は映画の内容に触れているのでネタバレ注意!!

 

 

 

 というわけで以下、今回の映画感想です。

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 


デッドプール&ウルヴァリン

 マーベル屈指のカオスなヒーロー・デッドプールを主役とした映画3作目。MCUのシリーズ入りした本作が如何にして関わってくるのかと期待していた中、いきなり『LOGAN/ローガン』のラストを全力でおちょくってくるので吹き出してしまいました。人気のウルヴァリンの死体を武器にして向かってくる敵を殺しまくり、それどころかやたらめったら股間狙いなのが良い意味で最低でしたね。(それでいてスタッフクレジットを映す演出がやたらオシャレなのがミソ)その他にも20世紀スタジオがディズニーに買収された末路をネタにしたり、マルチバースで話を広げた最近の映画に文句を言ったりとやりたい放題。デップーだからこそ許される、下品でバイオレンスでメタメタなノリというものを初っ端からいきなり炸裂させてきました。

 サプライズ自体はかなり豪華で、『X-MEN』シリーズを中心に人気ヒーローたちを出演させまくっていたことには驚きました。役者も当時の人たちをかき集めており、さながら20世紀FOXのマーベル作品全部盛りといったところ。(『ブレイド』だけは20世紀スタジオとは関係ありませんでしたが)そしてある程度来るだろうとは思っていた、マルチバースのデッドプール軍団はそこそこインパクト抜群でしたね。こちらのデップーと戦う理由も適当で、殺伐とした戦いをノリで始める辺りにも安心感を覚えます。中でも「ナイスプール」は吹き替えのCVが子安武人さんなのが好みで、『ディスク・ウォーズ:アベンジャーズ』と『フューチャー・アベンジャーズ』が好きなだけに「アニメもよろしく!」というセリフにニヤリとさせられます。

 またこの作品自体、エックスメン含める20世紀スタジオ作品の追悼とも取れる描写が散見されているのが興味深いポイント。エンディングにて歴代のエックスメン作品のメイキング映像を流すところからも、これまでのシリーズの卒業を意味しているように感じました。買収によってほぼほぼ立ち消えた20世紀スタジオ関連の映画を、この爆弾のような花火で盛大に見送ったという印象です。僕個人としてはエックスメンは上述のLOGAN含めた数作しか見ていないものの、シリーズを振りかえっていくような気分に浸ることが出来たので思わず涙がこぼれましたね。何よりMCUの仲間入りを果たすために、しっかりと過去作とのケジメを果たした点に好感が持てました

 

 ストーリーに関してはウェイド・ウィルソン/デッドプールが自分の世界(アース10005)を救うために必要な「アンカー」なる存在として、別の世界のローガン/ウルヴァリンを連れてくるというもの。しかしそれ以上に、この2人の痛々しさがこれでもかと目に付きます。片や恋人のヴァネッサと別れて仕事も上手くいかないわ、片や自分のせいで仲間を失ったことを責め続ける自暴自棄な性格に陥っていると散々。それをヒーローとして戦う再起を目指そうとするのがこの主人公たちの目標なのですが、「大勢に必要とされないといけない」といった強迫観念めいたものも垣間見えるのが実に哀れです。

 さらに「虚無」と呼ばれる空間に放逐された者たちとの出会いや戦いも描きつつ、そこから彼らが自分の存在理由などを模索していく……この“足掻き”こそが本作のメインテーマといえるでしょう。自分が必要とされなくなってきたと自覚している登場人物が、如何にして自分自身の価値を見出すのかが一貫して描かれていました。本作のヴィランである「カサンドラ・ノヴァ」がヤケクソ染みた復讐と支配に走っているのもあり、大切な人たちのために命を懸けたウェイドとローガンの成長ぶりにはどこか感動を覚えます。世間に認められるようなヒーローになれずとも、自分たちが愛する人たちの生活範囲を守れるくらいのヒーローで良いという結論も素敵でしたね。ヒーロー失格の烙印を押された両者の物語のオチとしては、割と見事なものだったと思います。

 

 

ヴェノム:ザ・ラストダンス

 ソニー・ピクチャーズ制作のシリーズの1作にして、『ヴェノム』の物語の完結編。ラストが何かと話題になった前作『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』からエディ・ブロックとヴェノムのコンビがどうなったのかを描いた作品として、序盤から大分はっちゃけた内容と化していた印象です。『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』でしれっと登場して自分の世界に戻ってきてからもあまり変化はなく、2人のドタバタ珍道中を眺めることになりました。特にヴェノムはいつにも増して暴走しがちで、ウェイドの制止も聞かずに衝動のまま行動する様子には苦笑いせずにはいられなかったです。(それはそれとしてラスベガスでチェンさんと仲良く踊るシーンは結構ここすきポイント)

 そんなエディとヴェノムがニューヨークを目指す最中で、自分たちの関係性などを振り返っていくのが本作の見どころだと個人的には感じました。UFO見たさに旅に出た家族と途中まで行動を共にするシーンを筆頭に、旅の中でヴェノムとは何だったのかについてを自問自答している様子でした。その結果2人が代えがたい相棒同士であることを再確認し合い、お互いに命を張ることを決意するのですから何とも胸にきます。そして今回の敵である「ゼノファージ」を倒すために、ヴェノムだけが自分の命を引き換えにして消滅したラストにも唖然。喪失感は半端ないですが、ヴェノムがエディに自分の記憶を残したことで最後まで相棒関係でいられたかもしれません。いずれにしても、どこか愛嬌のあるヴェノムらしい最期を遂げられたと思います。

 

 主人公コンビ以外にもシンビオートについて研究するエリア51の研究者たちの視点で進むパートも同時進行していましたが、こちらはかえって緊迫感マシマシで描かれていたのが印象的。シンビオートの謎を解明しようと躍起になっている「テディ・ペイン」博士のように、暗い過去を抱えながら克服を図っている人たちのドラマも展開されていました。それ故テディ博士がかつてのトラウマをシンビオートと共に乗り越えるシーンは、短いながらもグッとくるものだったと思います。ただ惜しむらくは全体的に唐突で、エディ&ヴェノムサイドとの関連性が終盤まではっきりしなかった点ですね。早々に両サイドが関わってくれていれば、博士たちの描写によりのめり込めたかなと感じています。

 あとは上述にもあるゼノファージですが、意志を持たぬ怪物としての側面が強すぎたのが考えモノでした。どんなに細切れにしても復活する不死身っぷりは絶望感を与えるのに十分だった反面、あまりにも勝ち目がなさすぎるので復活するたびにクドいと感じましたね。(せっかくシンビオート軍団を用意したのに、ゼノファージ1体にあっという間に蹂躙されるのがあまりにも残念です)また喋りもしない猛獣と同じなので愛嬌などもなく、敵キャラとしては正直魅力に欠けていました。彼らを操る創造主「ヌル」の存在も不明瞭なまま終わってしまったので、3部作の中では最も敵の薄さが気になる作品となっています。この映画シリーズそのものが打ち切りになってしまったので、ここから続きが作られるのは絶望的。しかし何かしらのフォローは用意してほしいところです。

 

 

 マーベル作品といえばやはり気になっているのはMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の今後。公開されたばかりの『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』を筆頭に、気になる作品が多くてチェックしていくのも大変そうです。しかしサムのその後や新しいファンタスティックフォーはいずれも非常に魅力的なので、何とか時間を作って確認していきたいですね。

 

 

 ではまた、次の機会に。