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2024年春アニメ簡易感想 その27

 

 

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 ソニー・ピクチャーズの映画シリーズの中でも人気を博している『ヴェノム』の最新作情報が先日ついに公開。ヴェノム:ザ・ラストダンスと銘打たれた本作はシリーズの最終作に位置するものらしく、予告映像の時点で主人公のエディとヴェノムの別れを想起させるものとなっています。(日本版ポスターのキャッチコピーまでも「死が2人を分かつまで」と露骨ですし……)ヴェノムのどこかマスコット染みた愛嬌とエディとの凸凹コンビに癒されていた身としては、どちらか死にそうな展開に早くも寂しい気持ちになってしまいました。映画を観に行く際はあらかじめ覚悟しておいた方が良さそうです。

 とはいえストーリー自体はこれまで同様のドタバタ感が多めの模様。シンビオートを狙う謎の研究機関の追手を跳ね除けながら逃亡生活を続ける、エディたちの忙しい様子が見られそうです。特にラスベガスで何かリッチになっているチェンさんには吹き出してしまいましたね。(ヴェノムと一緒に踊っていますし実質チェンさんが本作の真ヒロインみたいなものでいいんじゃないでしょうか?)馬に取り憑いたヴェノムや宇宙から飛来する大量のシンビオートとの戦いも見ものですし、肩の力を抜いて楽しめる娯楽映画として期待したいところです。

 

 

 というわけで以下、今週の簡易感想です。

 

 

 

 

 

 

夜のクラゲは泳げない

第9話「現実見ろ」

 前回ラストで花音の母親である「早川雪音(はやかわ・ゆきね)」のスカウトを受けたまひる。この時点で大分不穏なものを予感していましたが、案の定まひると花音の決裂に胸が苦しくなりました。自分の絵の才能をもっと伸ばしたいと先を見据えるまひると、現状に満足してまひるが離れることを恐れる花音の対比が残酷に描かれていて切なかったですね。まひるは今後もみんなとJELEEをやっていくための行動だとわかるだけに、花音と絶妙にすれ違っていくのがかえって辛いものになっていたと感じます。とはいえこの2人の姿勢の違いは以前からそれとなく仄めかされていたので、ここまでその問題に向き合ってこなかったツケが回ってきたとも取れるかもしれません。それだけにここからどうやって和解に持っていくのかが見ものですね……!

 そして花音と母・雪音の確執も本格的に判明。プロデューサーである母に喜んでもらいたいからとアイドルを頑張っていた花音の、痛々しいまでの母への依存が目に付きました。それでもスキャンダルを起こしたアイドルの代わりの登板に納得できなかったり、その原因であるメロへの怒りなども加わって彼女のお労しさをより強く感じます。さらには離婚しているっぽい父親の話まで控えており、彼女の家庭事情の重さにどんどん身を詰まされていく思いが湧いてきました。(雪音Pの花音の歌の才能にしか興味がなさそうな態度もキツかったですね)そうして母から見放された花音だからこそ、まひるへの依存も深まったのだとわかり余計にしんどくなる一方です。

 

 

ささやくように恋を唄う

第8話「かつての夢と、友だちと。」

 バンドとしての実力の差を見せつけてくる志帆と向き合うため、文化祭での勝負を挑んできた亜季。志帆の挑発的な態度に苦悩する冒頭は見てて心苦しかったのですが、大好きな依の助言を受けて立ち上がるようになってからはかえってスッキリと見ることが出来ました。ここ最近は亜季が曇ったり無理している様子が目立っていただけに、目の前のことに正面から向き合えるだけの強さを発揮してくれたのは嬉しい限りです。同時に愛しの依先輩とほんわかラブラブしているひまりが、亜季と志帆の関係を知るや否や2人の仲直りの方法を考えようとしてくれたのも大きな癒しになっていてホッとしましたね。

 そんな人たらしひまりによって口を開いた志帆の過去回想ですが、昔はバイオリンをやっていた話に驚きつつ友人の「キョウ」への鬱屈した感情が何とも重苦しかったです。何てことない友達が本物の天才だとわかり挫折する……だけでなくキョウが本当にやりたかったギターの方で見返してやるという動機に愕然となります。これは幼いころから自信とプライドに満ち溢れていたからこその拗らせ具合と捉えられますね。(恐らくこのように張りつめていったからこそ、手を差し伸べてくれた亜季へのこだわりが強くなったのでしょう)幼少期の鬼気迫る勢いで練習するシーンと相まって、志帆の勝負事における悲しいまでの気迫と劣等感を感じ取った次第です。

 

 

夜桜さんちの大作戦

第9話「黒百合の花言葉」

 前回に続き、いつになくシリアスな展開に息をのむことになりました。黒百合党党首が「黒顔(くろがお)」という元スパイだった事実と、そのスパイ技術で太陽を追い詰めていく実力がまず印象的です。「スパイにとって情報は命」とはよく言ったもので、夜桜伝統の技が次々と攻略されていくシーンはまさにその情報を巧みに使う意味合いが込められていたと言えます。主人公を容易くねじ伏せてくる強キャラはこれまで何度も登場しましたが、黒顔はその中でも“圧倒的な格上”のイメージを植え付けてきましたね。

 その一方で彼の目的が復讐であるのが興味深いところ。巻き込まれた娘の死をきっかけに、自分を消そうとした連中全員に報復を誓う回想シーンは破滅的で何とも悲しかったです。最終的に協力者に殺される末路まで含め、スパイである以上迎えうる非業の最期というものを目の当たりにした気分です。(「家族を殺された」という点で太陽と通じるものがあるのも面白いです)上述の実力以上に、裏の世界で生きている者としての悲劇や絶望を太陽や視聴者に見せつけてくるキャラとして十二分の存在感を放っていたと思います。

 

 

遊☆戯☆王ゴーラッシュ!!

第111話「ダークメン・ズウィージョウ」

 OP映像が本格的に完成したことに歓喜する中、今回はユウディアスとズウィージョウの久々の対決にワクワクすることとなりました。何かを企んでいそうなズウィージョウに反し、周囲が彼の復活記念の祝福ムードなので余計にほんわかした雰囲気になっていましたね。ダークマター帝国側の不穏な描写もあって引っ掛かる部分はあるのですが、慕っていた上司との再会に喜ぶユウディアスを見ていると割とどうでも良くなってきたり来なかったり。

 しかしズウィージョウが上述の通り、深刻な面持ちで目的のカレーパンを狙っていたのは気になるポイント。ダークマイスターからコンタクトフュージョンモンスターのダークマター・レクイエムを授かっている一方、マイスターが探していたカレーパンの中身を抜き取っていった描写に鳥肌が立ちました。かつての部下も今の所属先も欺いて一歩先を行く、まさにズウィージョウらしい立ち回りにはかえって安心感を覚えますね。すっかりみつ子2号となりかけているサビュアスも相まって、着実に自分の地位と目的を果たしつつあると感じました。

(余談ですが散々重症視されていた倉庫の奥にあるカレーパンの取り出し方が「倉庫の裏側の壁に手を突っ込んで取り出す」だったので爆笑してしまいましたね)

 

 

トランスフォーマー アーススパーク

第35話「かぞくのきずな」

 家族の絆って素晴らしいね!だから家族同士で戦わせてあげるね!とばかりの無慈悲な展開に唖然。途中までは囚われたバンブルビーを救うために子どもとテランたちだけで活躍する様子に感動したのも束の間、終盤のハッシュタグの洗脳は衝撃的でした。今回ハッシュタグは電車を遠隔操作してひき逃げアタックしたりと大活躍していた分、敵に回った時はそういった能力を使わずに操られていたのも尊厳破壊の印象が強かったです。テランたちが躊躇わずにハッシュタグを助けようと即座に動いてくれたのが唯一の救いでしょうか。ともあれこの内容でサブタイに「家族の絆」とか付ける日本語版スタッフはさぁ……

 このようにハッシュタグを操ったりと好き放題していたマンドロイドですが、ボロボロの姿で復讐を語るシーンにはかえって見入りました。差し伸べられた手を払い、もう片方の腕をブロウルから奪ってでもトランスフォーマーを滅ぼさんとする姿勢に狂気を感じずにはいられません。憎き敵を消し去るためなら体を敵と同じにしてもいい、とばかりの矛盾も彼のなりふり構っていられない執念あってこそなのでしょう。トランスフォーマーを憎む理由も理解出来るだけに、今にも死にそうなマンドロイドには憤りと虚しさ、そして同情が同時に湧いてきますね。

 

 

 ヴェノムといえば『スパイダーマン』シリーズとの関連性についても色々と楽しみにしています。『ノー・ウェイ・ホーム』では結局何もせずに帰って肩透かしを食らったので、今度こそスパイディたちと関わってほしいと考えてしまいますね。ここまできたらラストに『ビヨンド・ザ・スパイダーバース』に出演決定とかやってもいいんですよ?といった妄想も止まりません。(ヴェノムとマイルスの絡みは是非見たいところ)

 

 

 ではまた、次の機会に。