「おはスタ」内にて放送されていた『ちびゴジラの逆襲』が先日最終回を迎えました。と同時に、最終話放映直後に謎の映像が流れるというサプライズが発生。映像からして謎の新キャラを匂わせており、これが続編のフラグであることは何となく理解出来ます。アニメ3期かどうかはまだ不明ですが、まだまだちびゴジラが楽しめる可能性があるのは非常に嬉しいですね。
そしてYouTube上でも投稿された動画で再度確認する限り、この顔は十中八九ジェットジャガーでしょう。『ゴジラ対メガロ』で初登場し、アニメ『ゴジラ S.P(シンギュラポイント)』ではメインも張ったあのロボットに再びスポットが当たるとは驚きです。また動画タイトルが文字化けしていますが、これを文字化けを元の文字列に変換するサイト*1で翻訳してみると「私?こ?島の正義を守る正義の警察官」になるとのこと。本作のジェットジャガーがどのようなポジションになるのか何となく見えてきたところで、続報を楽しみにしていく所存です。
というわけで以下、今週の簡易感想です。
全修。
第12話(最終話)「全修。」
ここからどうするのかと気になっていた最終回では、中々に壮絶な展開の連続で終始ハラハラさせられました。ナツ子が『滅びゆく物語』の全修を図る瞬間に燃えたものの、その過程で次々と仲間が退場していく様子に絶句せずにはいられなかったです。そこから超空洞ヴォイドを倒してルークを救い出すまで、ノンストップで進むので見ていて感情が追い付かなかったですね。(QJが蘇ったのもいきなりだったので、予想していたもののギョッとしたり)
さらに激闘の結果ナインソルジャーも含めみんな蘇り世界丸ごと復活するという、あまりにも都合のいいレベルのハッピーエンドにも面食らいました。何故こうなったのか詳細が語られなかったので困惑してしまいますが、本編終了後のタイミングで物語を差し込めたからこそ、ナツ子の望んだ“ラストの続き”を挿入出来たのでしょうかね。所詮は二次創作に過ぎなくても、その作品を愛したファンの熱い想いからこうした“if(もしも)”を作り出してもいい……ということなのかもしれません。
そして憧れのルークを描いて物語を変えたナツ子が元の世界に帰還するオチは予想通り。あの世界で恋愛についてや他人の頼り方を学んだことで、アニメ監督として大きく成長出来た姿はわかっていてもニヤリときますね。あとはルークたちがこちらの世界にやってきたような描写で終わりましたが、真相は視聴者の判断に任せる形にしたのが個人的にはかなり好みでしたね。
総評
異世界転生ものかと思いきやちょっと毛並みの異なる印象を受けたオリジナルアニメ。アニメの世界にやってきたという設定ながら、その世界の住人たちの実在感を味わえる塩梅がかなり面白かったです。主人公のナツ子がルークをはじめとした劇中キャラと関わることで、視聴者もナツ子目線で彼らへの愛着が湧いてくる内容に仕上がっていましたね。そのためバッドエンドが決まっている作品を全修する、というコンセプトにも応援しながら見ることが出来ました。
また序盤まで特殊能力で活躍していた点はテンプレ感がありましたが、中盤以降のそれだけでは解決出来ないテイストがこれまた評価点。転じて自分1人で何でもやってきたナツ子が、誰かを頼り関わっていく成長物語としても楽しめました。ナツ子が人間的に一回り大きくなってアニメ業界に帰ってくるラストは、1話の時点から予想していただけにドンピシャで当たって気持ち良かったです。それでいてルークとの恋愛など、意外な展開も多くそのバランスも絶妙だったと思います。
一方で作品の改変に対するスタンスが曖昧なまま終わってしまったのが引っ掛かりました。いくら爆死したバッドエンドの映画だからと言っても、人の作品を勝手に変えていいのか?という問いは結局のところ放置されているのは個人的に大きな不満点。原作者である鳥監督が悪役のように描かれっぱなしでフォローも何もなかったのも問題ですし、一度ナツ子と鳥監督で話し合う場などを設けて視聴者にもハッキリした答えを出してほしかったです。
天久鷹央の推理カルテ
第11話「密室で溺れる男 中編」
天久先生たちが密室の殺人事件解決に奔走する中で、警察側の貴重な情報が多く明かされた今回。その過程で被害者の弟が容疑者に上がりましたが、彼の身の潔白の証明にある女医との不倫関係がカギとなる展開に思わず仰天しました。何か隠している様子だったのはバレバレだったものの、全くの別件で後ろめたいことがあったのは少々予想外でしたね。兄はチンピラで弟は不倫中と、この一家のヤバい一面が次々と判明していく流れに苦笑いせずにはいられません。
この事件を追う天久先生と小鳥先生のやり取りは良くも悪くもいつも通り。嫌いな野菜を小鳥先生に押し付けるなど、例によって子どもっぽい天久先生に何とも言えない感情が湧いてきます。それでいて職質を避けるために抱き合うなど大胆な手を講じてくるのがまたいじらしいですね。(全く意識していない辺りが本当に鈍感というか……)当人は大人のレディーのつもりなのでしょうが、他の登場人物も視聴者もみんな天久先生のことはマスコットのように見ているので余計に滑稽に感じました。
グリザイア:ファントムトリガー
第13話(最終話)「ファントムチャイルド」
ハルトの壮絶な復讐劇、そして大きな戦争がついに決着。クロエとの戦いは熾烈というよりかは泥沼を極め、彼女を殺した後もハルト共々ダムの水に沈むオチには唖然となりました。ハルトの死はハッキリ描写されていないのであくまで生死不明ですが……正直生存しているかはかなり怪しいですね……この辺りはハルトの復讐のスタンスが印象的で、アオイの敵討ちではなくあくまで自分の「憂さ晴らし」として割り切っているのが彼の人間らしいエゴといったところでしょうか。そして復讐を果たせたものの帰ってこれなかった末路については、そんなエゴ剥き出しの復讐者が平穏を手に出来る道理はないという制作側のメッセージのように感じますね。
漆原も学園長とのやり取り経て退場し、戦争は終結したもののマクロな点では何も解決してはいないのが無慈悲ながら納得ではあります。黒幕の連中は逃げ出してSORDの方は存続中といった有様ですが、所詮殺しの道具に過ぎなかった彼女らに世界を変える力はないので当然と言えば当然。しかしそれぞれ何かしらの形で前を向いて生きているという点では、少女たちは自分の世界を少しだけ変えることが出来たとも取れますね。レナを含めみんなポジティブな姿勢を見せてくれているので、それほど悲観的にはならない塩梅になっていたと思います。
あと個人的にはパトリックが子どもたちの先生になっていたのが見逃せないポイント。10話の凄惨な様子を目の当たりにしただけに、彼だけでも平穏を獲得出来て良かった……!とつくづく感じます。また子どもたちにニワトリを育てる意味を教えるシーンも印象に残りましたね。ハルトが心のどこかで欲していたであろう「殺すことよりも生かすこと」を、お互い知らないものの少なからず関わっているパトリックが果たしている光景に希望を覚えました。
総評
『グリザイア』シリーズの1作である本作をようやくテレビアニメとして全エピソード履修することが出来ましたが、OVAの頃から感じていた退廃的な要素がより濃く感じられました。殺し屋として育てられた少年少女の仕事をメインにしている都合上、全体的に殺伐としてしまうのは仕方ないかもしれません。絵面もエグいものが多く、見ていてげんなりしてしまうことが何度かありましたね。(特に10話は本当にキツくて咀嚼するのに時間がかかりましたね)それはそれでシリーズの味なのですが、どうせなら原作ゲームからカットされたと思われる日常パート&軽快なギャグシーンをもっと摂取したかったです。
しかし「普通ではない・いられなくなった子どもたちがどのようにして生きていくか?」というシリーズ通してのテーマが本作でも一貫していたのは好印象。人を殺す仕事をしている以上、まともな人生は送れないことは特に強調されていたと思います。そのうえで自分の生き方を自分で定め、少しでもより良い方向に持っていこうとする姿勢が大きく描かれていました。ハルトは退場してしまったものの、当人なりに自分の生き方に抗っていたのがわかるので特にその姿勢が感じられますね。おかげで終わってみれば爽やかな読後感を得られました。
ちびゴジラの逆襲
第65話「ちびゴジラの逆襲」
最終回でもちびゴジラはいつも通り、と思いきや構ってくれないお父さんゴジラに腹を立てる珍しい様子からスタート。お父さんをギャフンと言わせたい!という目的は微笑ましいのですが、そのためにゴジラシリーズ最初にして最凶の兵器「オキシジェンデストロイヤー」を作ろうと言い出す瞬間吹き出してしまいました。ゴジラオタクの知識を使っての大暴走ぶりは流石といったところです。
結局ちびメカゴジラが制作した(1人だけ作らされた)オキシジェンデストロイヤーはレプリカ、逆襲も失敗に終わるオチに。とはいえ最後の最後に嬉しそうなお父さんゴジラの反応と、それを眺めるちび怪獣たちの様子にほっこりしましたね。無人在来線爆弾のくだりは相変わらずでしたが(その次は海神作戦かな?)、ちびゴジラらしい毒とほのぼの感の良バランスを味わえました。
ウルトラマン ニュージェネレーション スターズ
第9話「英雄の共闘 希望の光、赤き星より」
今回はゼットも会ったことがあるウルトラマントリガーと、その後に現れたウルトラマンデッカーの共闘エピソードがピックアップ。スフィアとの戦いの最中火星から戻ってきたトリガー/ケンゴと、デッカー/カナタのやり取りに早速懐かしさと微笑ましさを覚えました。さらにスフィアメガロゾーアを迎え撃つため、2大ウルトラマンが同時変身してからのシーンは胸熱の連続。全体的に和気あいあいしているのもあって、改めてこの2人のタッグは変身前・変身後ともに魅力的だと確認出来ましたね。
またその映像を眺めていたゼットの新鮮な反応も大きな見どころ。ゼットが客演した時は闇の巨人たちは出てこなかったので、ここにきてようやくカルミラの存在を知ることが出来たのは地味ながら大きかったです。ゼット以外だと存在そのものが光と対極の闇に位置するカルミラに、ベリアロクがシンパシーのようなものを感じ取っていたのがこれまた興味深いです。闇そのものに対するゼットの解釈が少々楽しみになってきました。
トランスフォーマー ワイルドキング
第1話「いざ、エレメントロスへ!」
第2話「絆の力!ワイルドッキング!」
『アーススパーク』の放送終了から約半年、今度は約10年ぶりとなる日本オリジナル展開のトランスフォーマーがスタート!実質的には玩具販促のためのミニアニメといった装いですが、滑らかでド派手なアクションシーンや玩具準拠のデザイン、実写と見紛うクオリティの背景CGなど見どころも多くて実にワクワクさせてくれます。(口が動かないのが若干不自然でしたが)トランスフォームや目玉のワイルドッキングにバンクシーンが用意されているなど、和製トランスフォーマーならではの要素も満載で初っ端からかなり楽しめましたね。
ストーリーとしては惑星エレメントロスを舞台に、エレメントエナジーを狙う「メガトロン」と彼を追ってきた「オプティマスプライム」の戦いがメインになる模様。現地のトランスフォーマーであるエナジービーストにも動物族と恐竜族という所属の違いがあるといった情報も興味深かったです。中でもオプティマスと仲良くなった「ライトロング」のキャラは印象に残りますね。一見するとお調子者ですが、「俺の研究によると~~」という口調からして科学者のポジションを担っているのが面白いです。
あとはメガトロンについても気になるところ。物語開始時点ではオプティマスと和解を果たしたはずなのに、何故エレメントエナジー独占を図り攻撃してきたのかは結構謎です。オプティマスの回想の時と口ぶりも微妙に違いますし、この星で何かが起きているのは確実でしょう。エレメントエナジーに人格を変える副作用があるとか、はたまたメガトロンを操る黒幕がいるとか色々妄想してしまいますね。
ゴジラシリーズといえばハリウッドで制作しているモンスターヴァースの最新作についての情報もちょくちょく耳に入ってきます。これまたゴジラとコングの2大怪獣を主役に据えた作品にする話や、今度は人間ドラマにも力を入れていく話など、興味深い情報がチラホラありましたね。前者はともかく頭を空っぽにして見られる怪獣プロレスメインが定着してきたシリーズに、後者のコンセプトは上手くマッチするのか微妙なところ。ともかく詳細は不明なままなので、後日の続報あるいは新作の予告などで判断したいです。
ではまた、次の機会に。
*1:リンク先(https://pentan.info/tools/garble/)を参照。
