弾ける復讐者たち
職を追われた双子の片割れが大統領令嬢と結婚してグラニュート生逆転!?~家族全員今さら謝ってももう遅い?~
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- 日々を楽しみ豊かになる者たち
今回のガヴはまさかのダイジェストからスタート。胸熱展開の前回からあっという間に1か月経過したことが語られ、その間のショウマたちの日々に顔をほころばせることとなりました。ショウマの体調が元に戻ったことやラキアが酢賀の研究所に住み着いたこと、絆斗がラキアやデンテおじさんにお礼したことなど、それぞれ別のエピソードでじっくり見てみたいと思えるくらいには魅力を覚える内容でしたね。(その間に倒されていったバイトのグラニュートがどんなビジュアルだったのかも地味に気になるところ)
何より絆斗が以前のような余裕を取り戻したのが見逃せないポイント。ここ最近の絆斗はショウマとの確執や酢賀の実験に振り回されっぱなしでしたが、それらから解放され吹っ切れている姿を見ているだけで嬉しくなってきます。それでいてラキアたちへの接し方から、グラニュートと一括りにしない姿勢を学んでいるのが良いですね。これまでのグラニュートへの怒りに燃えているだけではない、仲間たちとの適切な距離の取り方を知って成長していることが伝わってきました。未だにはぴぱれメンバーとは別行動なのは寂しいものの、ようやく絆斗なりのポジションが確立されたと思います。立ち位置が前作のスパナに似ているな……とも思ったり。
ショウマとラキアも試合の助っ人としてバスケを初体験したり、仕事の中でエンジョイしているのがわかりました。(この辺りはラキアの動きがすごすぎて役者さんがバスケ経験者なのでは!?と思いましたね)何といいますか、敵と戦うことや復讐に燃えるだけでなく、日々の楽しみなどを味わうことで心身ともに余裕が生まれてきているように感じますね。人間もグラニュートも、こうした人生のチルタイムで心を豊かにしていくのかもしれません。ショウマの母親の親族についてなど不穏な布石が張られていますが、ひとまずは全員幸せそうに過ごしている状況を視聴者としても楽しみたいと思う限りです。
- 復讐に走る者
ショウマたちに癒された一方で、年明けになってようやく再登場したジープの帰還が今回最大の目玉になりました。予告の時点で結婚相手を見つけたのはわかっていたものの、その相手がグラニュート界の大統領の娘という特大の爆弾だったので度肝を抜かれましたね。あれほど結婚を嫌がっていた彼が、ここにきてストマック社以上の権力者とのコネを作ってみせるのは中々に仰天する展開です。自分を追い詰めた家族を見返す手段として、これ以上ないくらい下克上かもしれません。
しかもジープ的にはシータを倒した赤ガヴ(ショウマ)への復讐も狙っている模様。そのために大統領令嬢に取り入って、ここまでのし上がってきたのはある意味凄まじい胆力と言えるでしょう。ショウマたちが復讐ではなく戦うのに対して、こちらは復讐のみに傾倒しているのも意味深な対比となっていますね。ともかくここまで弾けてなりふり構っていないジープの姿を見ていると、かえって清々しいものを覚えます。
一方でそのご令嬢「リゼル・ジャルダック」との関係に愛情は全くなく、あくまで復讐のための道具としか見ていないのが不穏ですね。リゼルの方からも愛玩人形くらいにしか思われていなさそうですし、近いうちにこの夫婦関係は破局で終わることが容易に想像が付きます。というか『ジュウオウジャー』のクバル然り『ルパパト』の怪盗然り、香村氏の脚本の復讐者は仄暗い道を歩むことになるのが常なのでジープも恐らくは……
- 巨大な権力が吞み込んでいく
そしてリゼルとその父親にして大統領「ボッカ・ジャルダック」の2人が現状最も曲者として描かれているのが印象的。グラニュート界の最高権力者とも言ってもいいこのグラニュートが、人間や闇菓子の存在に興味を示しているシーンには大いにゾッとしました。これまでストマック社さえ倒せば他のグラニュートと戦わなくても穏便に解決するとばかり考えていたので、その世界の代表が堂々と悪事に協力する可能性が出てきたのは恐ろしい話です。このジャルダック家も倒すとなると、人間とグラニュートの全面戦争にまで発展するかもしれません。
対してストマック社は大物と通じて一気に成長……と見せかけて、実質大統領たちの言いなりになっているのがまた哀れ。あのランゴやグロッタでさえボッカ大統領の前では頭を下げ、言うことを聞かなければならないのは屈辱でしかないでしょう。ここまでくるとランゴたちが少々不憫の思えてきますが、これもジープや他の家族を蔑ろにしてきたツケなのかもしれません。そういった意味ではジープの復讐は一部成功しているといえるかもしれませんね。
てんやわんやで見ている側としては愉快ですが、去年までは大物感を出していたランゴが、ここ最近は酢賀やボッカといったそれ以上にヤバい奴らに喰われているのは何とも残念なところ。(出番が少ないのは役者さんのスケジュールの都合もあるのでしょうが)この先ランゴたちがボスキャラとしての風格を取り戻す日は来るのでしょうか。
といった感じで29話の感想でした。クセの強い新キャラが状況を一気にかき乱すという、新章に突入したことが一発でわかる回だったと思います。リゼルのキャラがとにかく強烈で、現状ただのわがまま娘ながら父親の権力のせいで最も厄介な存在になっているのが面白かったですね。敵も味方もこのリゼルたちに翻弄される、今後の展開が気になるところです。(ちなみに今回の展開に合わせて新キービジュアルが公開されました*1が、ガヴの最強フォームらしき新フォームがやたら目に付きましたね。グミモチーフの発展形のようですがこの2つの姿は一体……?)
あとは久々に登場したバイトグラニュートである「オチル」(人間体を演じるのはダチョウ倶楽部のリーダー・肥後克広さん!)とのバトルも印象に残りました。猿モチーフらしく俊敏に木から木へと移るオチルに対し、新しい力を試すガヴと丸太を振り回すヴラムのワンダー通せんぼうコンビネーションで追い詰めていく様子はコミカルで面白かったです。新ゴチゾウ「ポップバーンゴチゾウ」が地雷みたいな技を発揮することも判明しましたし、序盤から出ているけど目立たないバブルラムネとかもこの調子で単発技として使用していってほしいですね。
そして次回はショウマたちの前にリゼルを連れたジープ(逆かも?)が現れ、宣戦布告するところから始まる模様。台風の目となったジャルダック家の連中が、今後の強大な敵として立ち塞がることは間違いなさそうです。オチルとのバトルなどショウマたちはいつも通り人助けメインになりそうですが、ストマック社の方は会社を乗っ取られるなどこちらの方が目が離せないことになるのも確実です。
ではまた、次の機会に。
*1:リンク先のポスト(https://x.com/GavvToei/status/1908678993983004805)を参照。
