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2025年春アニメ&特撮簡易感想 その17

 

 

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 『賭博破戒録カイジ』に登場した班長こと大槻を主役に据えたスピンオフ漫画『一日外出録ハンチョウ』が、ついに20巻目に突入。数あるカイジのスピンオフの中で未だに連載が続いた結果、ここまでたどり着いた本作のロングランにまず驚かされました。キツい地下労働の最中、1日外出券を使って度々地上でのグルメや遊びを満喫する大槻班長たちの様子だけでも非常にバラエティ豊かで僕もマガポケでよく読んでいます。

 さてそんなハンチョウの単行本が累計発行部数500万部を突破したとのことで、記念にオリジナルソングPVが発表されました。歌うのはそれぞれアニメで大槻とカイジを演じたチョーさんと萩原聖人さんというアニメ視聴済みの人ほど衝撃を受ける豪華さです。特に荻原さんがこういったネタのためにわざわざ久々にカイジをやってくれたことに感激せずにはいられませんカイジ……想像力を解き放て!!

 歌の内容も妙にゆるいようで、ハンチョウという作品の概要をさり気なく紹介しているのが絶妙。ノリノリで歌う大槻班長の横でボヤいたり文句を言うカイジが、ビールの登場によって途端にノリノリになる意志の弱さも原作を踏襲しているポイントでニヤリときますね。ハンチョウを読んだことのある人なら既に大笑い出来ますし、そうでない人も作品が気になってくる導線になると思うので結構上手いプロモーションかもしれません

 

 

 というわけで以下、今週の簡易感想です。

 

 

 

 

 

 

LAZARUS ラザロ

第8話「UNFORGETTABLE FIRE」

 前回ラストで何者かに捕まったクリスのため、アクセルたちラザロチームによる彼女の救出作戦が開始。スキナー捜索とは全く関係ないものの、短くも濃い日々を過ごしてきた仲間を助けようと全員で乗り込める気概は見ていて気持ち良かったです。また前回不穏な要素を残していたハーシュも、裏方としてしっかり協力してくれたのも見逃せません。スキナーとの繋がりを隠していたことについては不満を覚えるものの、クリスを見捨てる選択肢を捨ててみせたのは好印象。おかげでハーシュもまたラザロの一員であると実感出来ますね

 そして肝心のクリスは元ロシア工作員という素性が判明するとともに、その境遇から抜け出した経緯などから重苦しいものを感じました。忌まわしい過去を捨てて逃げ切ったつもりでも、かつての恋仲である「インガ」との関係など、全てを消し去ることは出来ない複雑な感情が見え隠れしていましたね。そんな今の自分をアクセルたちは受け入れてくれるものの、クリスの心の中にはインガたちへのいくらかの後悔や虚しさは残っていくのでしょう。前向きに受け止めていいかは難しいのですが、個人的にはクリスが吹っ切れてくれることを願いたいところです。

 

 

ボールパークでつかまえて!

第9話「トミーの憂鬱」「ムラタさん」「SHOW YOUR SUN」

 今回1話に渡って怒られてばかりの印象だったルリコ。しかしそんな彼女を巡る物語はいつも通りの安定感を誇っていました。遅刻が原因で叱られてと凹む様子は珍しかったものの、すぐに前向きになれる点は流石といったところです。そんなポジティブとネガティブのバランスの良さが厳ついベースボール犬「トミー」と通じ合うきっかけになったりと、犬相手にも見事なコミュ力を発揮していて微笑ましかったですね。(当のルリコ本人は犬が苦手っぽかったのですが)他にも常連のムラタの名前をルリコが知るなど、ラブコメ要素も健在で終始ニヤニヤさせられます

 そして注目したいのはやはり後半のエピソード。モーターサンズのCS(クライマックスシリーズ)進出を目指して選手もスタッフも気合を入れる中、キャプテンのコジローが抱える家族と試合について触れていったのが面白かったですね。「CSに臨む理由」として、支えてくれる妻・ユキとお腹の子どものため……という答えが出るラストにグッときました。(以前からユキさんがビールを飲まなかったり唐揚げにレモンをかけたがっていたり、といった描写が度々挿入されていた理由にも気付いてより感心させられます)何より応援キャッチコピーである“SHOW YOUR SUN”の“SUN”が、コジローにとっては“子ども”というもう1つの意味に繋がる演出にも膝を打ちましたね。

 

 

ある魔女が死ぬまで

第9話「古き大樹は眠る

 少女と仲良くなっていくファンシーなストーリーになるかと思ったらとんだホラーに……メグがラピスを見守り続けてきた大樹の精霊「セレナ」と交流を重ねていく様子にほっこりしたのも束の間、後半異形の怪物と化したセレナに絶句してしまいました。大樹が魔力によって汚染されていることは冒頭から説明されていたものの、まさかここまで悍ましい事態になるとは思ってなかったですね。セレナ自身は無垢で善良なキャラクターだっただけに、本人の意思に関係なく暴走していく様は見ていてショックが大きかったです。そして劇中で度々描かれている環境破壊による魔力の暴走がどれほどの深刻な状況なのかを、ここにきて実感させられます

 そんな悲惨な展開を目の当たりにしても必死に立ち上がるメグに惚れ惚れした一方、自分の死を厭わない手段に出たことで視聴中は気が気でなかったです。それでもセレナが優しい子であると、唯一彼女が見える者として戦っていたのは見事。魔女としての誇りと友達を助けたい一心なのが伝わってくるので、何だかんだ主人公の勇ましさに興奮を覚えましたね。その結果大樹を桜として転生させる大魔法を編み出し、セレナの想いを守り切ったオチにも大いに感動させられます。物悲しい要素が多いものの、前回ほど悲劇では終わらなかった点が実に清々しかったと感じています。

 

 

ウルトラマン ニュージェネレーション スターズ

第18話「狙われた遺伝子 陛下のメダル」 

 前回に続いて『Z』のジード、そしてゼロの客演回がピックアップ。セレブロに囚われたリクを助け出すための等身大変身バトル、そしてゼロを交えての3大ウルトラマン勢揃いと興奮させられる絵面のオンパレードでした。師弟の連続タイプチェンジなど派手なバトルが展開されているうえ、「Ultra Spiral」が挿入歌として流れるタイミングも見事で久々に見て大いに楽しませてもらった次第です。

 敵に関してもリクのベリアル因子をコピーしたセレブロによるベリアル融合獣の連続変身が大きな見どころ。当時敵も同じアイテムで変身してくる久々の方式だったことと、設定上出すのが難しかったベリアル融合獣を上手いこと再利用している点に感心しましたね。スカルゴモラをはじめとしたビジュアルの強さもあって、また何かしらの形で再登場してほしいと思えてきます

 本編パートではゼットがあの時の喜びや誇らしさを思い返すくだりが印象的。きっとゼットはここで本格的なウルトラマン同士の共闘を始めて経験し、結束の力というものを学んだのでしょう。そしてその経験がゼロがゼットに期待している「答え」に繋がるものであることも、何となく察せられますね。

 

 

 ハンチョウに関しては今月中、コミックDAYSにて日替わりで無料エピソードを解放していくキャンペーンを開催しているなど、宣伝もやたら気合が入っている印象を受けます。上でも書きましたが、数あるカイジのスピンオフの中で未だに連載が続いているほど人気な証拠なのでしょうね。(毎回様々な1話完結エピソードを用意してくるので、定期的に読んでいる身としてもよくネタが切れないなと感嘆します)ハンチョウにはこの調子でドンドン続けて楽しませていってほしい限りです。

 

 

 ではまた、次の機会に。