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— アニメ「青春ブタ野郎」シリーズ公式 (@aobuta_anime) 2025年9月27日
アニメ
青春ブタ野郎はディアフレンドの夢を見ない
劇場公開決定
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𝟮𝟬𝟮𝟲 𝙍𝙊𝘼𝘿𝙎𝙃𝙊𝙒
アニメ「青春ブタ野郎」シリーズ
いよいよ完結へ——。#青ブタ #青ブタアニメ pic.twitter.com/cuEs3XylH3
2025年夏アニメの一角として放送された『青春ブタ野郎シリーズ』テレビアニメ第2期もついに完結。それと同時に新作映画『青春ブタ野郎はディアフレンドの夢を見ない』の公開が発表されました。しかも本作が青ブタアニメの完結編となることも報じられており、興奮を覚えずにはいられません。青ブタはアニメ1期の頃から追いかけている作品であり、個人的にもかなり思い入れの深い作品。その完結の瞬間が訪れる事実に、喜びと寂しさが同時に湧いてきます。
何より今回の2期最終回を以てしても明かされなかった謎が数多く残っているので、それらがついに解決するのか!という期待もありますね。下の感想でも触れている霧島透子はもちろんのこと、度々登場する正体不明のランドセルガールは最後まで見ても未だに謎のままでした。麻衣さんが自分を霧島透子だとカミングアウトする夢の伏線も残っていますし、まとめて明かされると思うとテンションが上がります。問題は2時間くらいの上映時間だとして、その時間内に全てを解き明かせるかどうかですが……
調べてみたら原作ラノベは残り2巻あり、2巻分をまとめるのは相当難しいと思うので2部作だったりする可能性もあります。(一応『ゆめみる少女』は2巻分を違和感なくまとめていたようですが)来年公開とまだまだ先のようなので、どうせならじっくりと最後の物語を描いていってほしいですね。(下に続く)
というわけで以下、今週の簡易感想です。
※『SAND LAND: THE SERIES(サンドランド ザ・シリーズ)』第13話(最終話)の感想は個別感想で書く予定です。ご了承ください。
サイレント・ウィッチ 沈黙の魔女の隠しごと
第12話「モニカ、不良になる」
王子と一緒にお忍びデート……これは不良ですね間違いない。劇中のハロウィンのようなお祭りにフェリクス王子が1人で遊びに来ている、というだけでも中々に衝撃度の高い展開でした。しかも娼館らしき場所に身分を隠して取り引きを繰り返している様子もあって、ただでさえ不穏だった王子の腹黒さが余計に際立っていたと感じます。モニカは精一杯不良を装っていましたが、ぶっちゃけワルの方面では王子が強すぎて勝てる気がしませんね。
その一方でモニカが王子に抱く想いは純真そのもので、目の輝きを見ているだけでこそばゆくなってきました。木の実を拾ってくれた初対面の時をはじめとして、手を差し伸べてくれたことへの感謝の気持ちが非常に大きいことが伝わってきます。王子のキザな言い回しに対しても、どちらかというと彼の気遣いへの申し訳なさが勝っているのでしょう。ここまでくるとモニカと付き合っている王子同様、見ている側も毒気が抜かれそうになります。
それはそれとして奉納されている古代魔道具が盗まれるラストに全てを持っていかれることに。しかも盗んだ「バルトロメウス・バール」は今回モニカを助けてくれたこともあり、そんな彼が原因だと思うと何とも複雑な心境が湧き出てきますね。良くも悪くも小悪党といった感じの憎めない男が引き起こした騒動のタネ、これらを穏便に解決する術はあるのでしょうか。
(また今回七賢人の1人「メアリー・ハーヴェイ」が出てきましたが、柔和な態度に如何にも怒らせてはいけない空気が漂っていて独特の緊張感を覚えました。まぁ普段は饒舌なルイスが不機嫌そうにだんまりしていたり、それぞれの関係性は中々に興味深いところですが)
青春ブタ野郎はサンタクロースの夢を見ない
第13話(最終話)「サンタクロースの夢を見ない」
岩見沢寧々の問題を解決するため、福山の元に向かう場面から始まった最終回。赤城もサポートに回っていきなり北海道まで移動する行動力に息を飲みつつ、福山が記憶を取り戻してからは目が離せませんでした。寧々が実は記憶を失っていなかったり、解決したかと思えば大量のサンタクロースが出没したり、無事だったとは咲太が頭から血をダラダラ流したりと怒涛の展開に終始圧倒された気分です。特に咲太の流血は麻衣さんの事故死を彷彿とさせる緊迫感があり、無事だとわかる瞬間まで気が気でなかったです。
それはともかく寧々の物語としてはやはり「何者にもなれない」ことへの苦悩が大いに突き刺さりました。大学生編に入ってから仄めかされていた周囲と合わせなければならない圧迫感、それに伴う「今の自分からの脱却」というテーマが込められていたと言えます。挫折から霧島透子というガワを求め始めた寧々の痛々しさが見えてくるだけに、今のままの寧々を見てくれる福山の想いがより感動的となっていましたね。何よりちょっとクサいくらいの「愛」の叫びが思春期症候群を打ち破る構図は、『バニーガール先輩』のラストに近いのでニヤリときます。
そして上でも書いた通り、終盤登場したサンタクロースの大群には本当に度肝を抜かれました。咲太以外には見えない、年齢性別関係なくサンタの格好をしている人たちが全員「自分を霧島透子だと思い込んでいた」という情報も独特のホラー感に満ちていましたね。彼らもまた寧々と同じように、何物にもなれないが故に霧島透子のガワを纏ってしまったのでしょう。本作のタイトルがミニスカサンタではなくサンタクロースだったのも、霧島透子の情報に呑み込まれた不特定多数の人たちを指していたのだと最終回になってようやく理解した次第です。
総評
2018年のテレビアニメ第1期から約7年の月日を経て始まった青ブタアニメ2期。主人公が大学生になってからどうやって思春期症候群にまつわる物語を描いていくのか。そうした期待と共に視聴した結果、変わらないテイストに安心感を覚えました。過去のエピソードから残された布石や謎に繋がりつつ、これまでになかった登場人物たちの葛藤に触れていく内容はいずれも魅力的の一言。特に「霧島透子」の存在が終始物語の大きな軸となっており、彼女の正体を追っていく点でも退屈しなかったです。
中でも大学生にとっての思春期を「みんな何かになりたがっている」と描いてみせたのが注目したいポイント。周りに合わせる中で他とは違う存在を目指している、アイデンティティの確立に触れていたのはなるほど大学生らしい悩みだと膝を打ちましたね。大人になろうとしている微妙な感覚が、独自性を求め出すというのも共感と納得を覚えます。そういった意味では間違いなく今期も「青春ブタ野郎」の物語だったと言えるでしょう。
個人的なお気に入りキャラとエピソードですが、挙げるとすれば赤城郁美と彼女がメインの『ナイチンゲール』ですかね。中学生の咲太を知る数少ない登場人物の1人にして、あの頃の心残りを抱え続けるいじらしさが何とも胸にきました。また『ランドセルガール』で登場した平行世界の概念が再び導入され、これまでの前提がひっくり返る感覚がたまらなかったです。難解ながらスッと理解出来る、青ブタの醍醐味が詰まっていると感じました。
上述にもある通り、青ブタアニメ2期の時点では霧島透子の正体は結局わからずじまい。無論寧々をはじめとした物語はキチンと決着が付いているので読後感も爽やかでしたが、それはそれとして気になってしまいます。そのため本物の霧島透子は誰か?について少々考えてしまう時もありますね。
現状最も可能性は高いのはやはり、美東美織でしょうか。咲太以外で唯一寧々たち霧島透子になってしまった人たちを認識出来ている点も、本物だからこそと考えると納得がいきます。ここまで咲太と絡んでキーパーソンにならないわけがないというメタ的事情もあるので、映画では彼女の動向に注目していきたいところです。
ではまた、次の機会に。
