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ウルトラマントリガー 第12話「三千万年の奇跡」感想

引き金は僕だ

光と闇を超え、希望の輝きが今目覚める

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  • 闇を抱いて、光となる(某風来坊リスペクト)

 凄まじい展開の連続だった前回に続き、今回のトリガーも衝撃の内容でした。まず何と言ってもトリガーとケンゴの正体。前回「トリガーを光の巨人に変えたケンゴは何者なのか」と疑問を提示しましたが、それに公式が「トリガーはケンゴ自身だった」という答えを出してきた時には度肝を抜かれました。(トリガーがケンゴに対して神妙な反応を示したのも、思えばもう1人の自分と出会ったことへの困惑からだったのかもしれません)ケンゴから分離した闇こそがトリガーダークであり、彼と一体化を果たしたのがウルトラマントリガーだったということでしょう。

 このケンゴがトリガーを受け入れるシーンは中々に印象深いですね。闇そのものを否定して光にするのではなく、受け入れて光に変える描写は『ティガ』とはまた違った趣きが感じられます。ケンゴの「希望に光も闇も関係ない!」という言葉にちょっとウルッときます。光も闇も関係なく包み込みこんでいく・・・・・・「人は誰でも光になれる」からさらに発展した考えに深く感動しました。

 

 他にもパワータイプとスカイタイプがそれぞれ別の場所に封印されていた点などがさらっと明かされたシーンも良かったです。トリガーが火星、カルミラたちはそれぞれ宇宙に放逐されていたのも彼の戦いの結果だとわかり嬉しくなりました。それ故にヒュドラムがイグニスの星を荒らしたのもその星の近くで復活したからなんだろうな~、といった妄想が捗ります。

 ただその辺りを示した前半はトリガーが突然もう1人のケンゴになるわ、トリガーがマルチ、パワー、スカイの3人に分離するわと唐突な絵面が連続して発生したので初見は困惑しっぱなしでしたね。この視聴者おいてけぼりのスピード感は嫌いじゃありませんが、もう少し説明が欲しかったところです。

 また結局のところケンゴは何者なのか?という疑問も新たに湧いてきます。彼がトリガーそのものであるのはわかりましたが、何故今まで普通の人間として暮らしていたのかは全くわかっていないので、やはり彼の存在が不気味に感じられます。インナースペースでのトリガーの光線を突然バリアを出して跳ね返すなど、ただの人間ではないことは確実なので、ここからどんな秘密が明かされるのでしょうか。

 

 

  • 遥かな時を越え紡がれる、金碧輝煌の巨人

 

GLITTER TRIGGER ETERNITY!

BOOT UP! GLITTER ZEPERION!

 

「宇宙を照らす、超古代の光!!」

 

ウルトラマントリガー!!」

 

GLITTER TRIGGER!!

ETERNITY!!!

 

 ユザレの想いを受け継いだユナがエタニティコアの欠片から創り出したキーで変身したトリガーの新形態「グリッタートリガーエタニティ」。ついに登場したトリガーの最強形態です。ティガと同じように「グリッター」の名前を冠しているのはもちろんのこと、近年の最強形態としては珍しく名前に「ウルトラマン」がないのが特徴的です。*1

 見た目に関してはまずカラーリングが目につきます。全身が直視できないほどに光り輝いていたティガとは異なり、銀色や赤みがかったオレンジも合わせることでだいぶ落ち着いた金色に仕上がっていて非常に見やすいです。それでいて顔まで金色になっている辺りがグリッターらしくていいですね。デザインに関しては思った以上にシンプルになっていますが、胸のカラータイマーが3つに増えているなど要所要所でこれまでになかったものを取り入れているのが面白いです。(個人的には頭部のトサカがライオンの鬣のように逆立っているのがカッコよくてお気に入り)

 戦闘に関してはいきなり光線で闇の巨人4体を薙ぎ払う、トリガーダークの攻撃を跳ね返すなど技のどれもが大幅にパワーアップしていることに驚きました。専用武器である「グリッターブレード」を使った攻撃もスタイリッシュでカッコいいです。他にも3人に分身して攻撃するなど、最強形態に相応しい強力な技の数々に惚れ惚れします。

 一方でこれらのパワーをケンゴが制御出来ていないというのが面白いと思いました。光線の反動で膝をつき、数回技を出しただけでカラータイマーが鳴り出すなど消耗が激しく使いこなせていないのは珍しく感じます。同時にグリッターの力の強大さを演出しつつ、かつこの形態ばかりが使われないようにするいいアイディアだとも感じられますね。こうしておくと「いざという時の切り札」としてのイメージがより強くなってくれるでしょう。今しばらくは力に振り回されているケンゴですが、終盤は使いこなして大活躍するだろうという期待も込めて、この最強形態の今後を楽しみにしていたいです。

 

 

  • 笑顔を信じる者、復讐の闇に呑まれる者

 ケンゴ以外にも現代に残ったメンバーそれぞれの熱い一面が見られたのも今回の見どころの1つ。中でも個人的にお気に入りなのがアキトの覚悟ですね。街を破壊するトリガーダークを見て彼を撃とうとするなど、彼の暴走を止めようとする姿勢に感動しました。ケンゴが笑顔を奪うような真似をしていることが許せないことがよくわかります。

 説得のシーンでもケンゴの「みんなを笑顔にしたい」考えに賛同してくれていたことを明かすなど、アキトのエモい姿がこれでもかと見られて興奮しました。ここまで声を荒げられるのも、ケンゴに反発しながらも心を通わせてきたアキトだからこそと言えます。序盤はケンゴとアキトの関係をじっくり描いてきただけに、この一連の流れが心に強く響きましたね。

 

 一方でかなりショッキングだったのがラストのイグニス。グリッタートリガーエタニティが何とか倒したトリガーダークの闇をその身に吸収するシーンには驚かされます。6話でヒュドラムを倒すためにウルトラマンの力を欲していた描写がありましたが、それがこんな形で回収されるとは思ってもみませんでした。

 彼がトリガーダークになるのか!というワクワクもありますが、復讐のためとはいえ闇の力を手にしてしまったイグニスに悲哀を覚えずにはいられません。少なくともこれまで見せていてギャグ描写はもう見られないかもしれないと思うと胸が痛みます。そのギャグ要素が失われたことを暗に示しているかのように、闇を吸収したイグニスの笑顔が邪悪なものになっていたのも悲しかったです。

 ケンゴを信じてどこまでも「笑顔」のために戦ったアキト、復讐を果たすために「笑顔」を捨てたイグニスと対照的な道を辿っている両者。この先それぞれがどのような結末を迎えるのか気になる限りです。

 

 

 さて物語前半の山場を乗り越えてからの次回は何とマルゥルの主役回!姿を消したタツミ隊長の行方を捜すため、「名探偵マルゥル」として活躍するようです。予告映像を見る限り初代メトロン星人リスペクトのちゃぶ台シーンなど、ファンがニヤリと出来そうな要素も多めにありそうなのが嬉しいですね。ここまで目立ったシーンがあまりなかったマルゥルの活躍を是非期待したいです。

 

 

 ではまた、次の機会に。

*1:他にウルトラマンの名前を冠していない強化形態にはウルトラマンゼロの「ウルティメイトゼロ」などがある。

2021年秋アニメ簡易感想 その2

 

 

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 ラブライブ!シリーズの1作である虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』の2期の放送が先日発表されました。シリーズの外伝的扱いの本作ですが、オムニバス形式のストーリーが非常に素晴らしく面白かったので2期が来たのも当然だと思いましたね。(僕は再放送を見てハマったクチで、それだけに何故本放送時に見なかったのか・・・・・・!と軽く後悔しました)

 

metared19.hatenablog.com

↑当時再放送を見た際の感想については上の記事を参照。

 

 さて上の動画で見られる2期のキービジュアルですが、お馴染みの10人の他に3人の新キャラが加わっている点が目に留まります。1期時点でのメインキャラで2期を回すことが基本のラブライブにおいて新メインキャラを投入するのはかなり珍しいです。(この辺りの変化球からして虹ヶ咲はシリーズの外伝であることが感じられますね)

 調べてみたところ新キャラの少女たちはソシャゲの『スクールアイドルフェスティバル』にも登場する子たちらしいのですが、ゲームの方をプレイしていない身としてはどんなキャラクターなのか全くわからないので、彼女たちの存在がかなり未知数に思えてきます。歩夢たち既存のキャラに新キャラが投入されてどのような化学反応を起こすのか、来年の4月を楽しみに待っていたいと思います。

 

 

 

 というわけで以下、今週の簡易感想です。

 

 

 

 

 

 

 

ジャヒー様はくじけない!

第9話「サルワさんは癒されない・・・」

 自称ジャヒーのライバルサルワが久々に登場しましたが、ジャヒーとは異なるベクトルの苦労人ぶりが再び発揮されていました。さらっと前回のジャヒーが訪れた銭湯にいたことが判明し(前回サルワっぽい子がいるな~、とは思っていましたがマジでサルワでした)、安らぎの場でもジャヒーに頭を悩ませる姿は中々に可哀想です。まぁ直後に店長の巨乳クッションを味わえたのでプラマイゼロといったところでしょうが。

しかしそんな不遇のサルワが幼女形態のジャヒーに励まされる後半は面白かったですね。互いの正体を知らないまま仲良くなっていく展開はベタですが(というかやっぱりジャヒーはサルワのことを知らなかったかぁ)、自信を失くしていたサルワに「諦めない」ことを教えるジャヒーの構図が素敵でした。本作のタイトルである「くじけない!」が体現されていてほっこりします。

 一方ジャヒーはホームセンターで無駄遣いしてしまうわ魔法少女用の罠を張って部屋から出られなくなるわといつも通りポンコツでしたが、上述のサルワを激励するシーンは素直にカッコいいと思いました。何だかんだでプライドの高さがジャヒーの日々の原動力になっているのがわかりますし、その姿勢があるからこそドゥルジに慕われているのだろうなぁ、とつくづく思いましたね。

 

 

ラブライブ!スーパースター!!

第10話「チェケラッ!!」

 いやぁ、良い回でした・・・・・・!予選参加のための課題をこなしていこうする中、可可とすみれの関係に大きなメスを入れた内容に感動しました。

 まずすみれのいじらしさにやられました。初メイン回からずっとセンターを目指して努力し続けてきた彼女が、いざセンターに選ばれた時の動揺と苦悩は印象に残ります。過去や現在の周囲の評価によって、「自分はセンターに相応しくないかもしれない」と自身を否定しそうになっていく様子は悲痛に満ちていました。

 そんなすみれを肯定するのが可可というのが見事。いがみ合っていた彼女の裏の顔を知り、考えを改めていく過程に感動します。最初は気に入らなかった相手を誰よりも認めていく様子が丁寧に描かれていて素晴らしかったです。

 劇中の課題が「ラップ」であることも興味深いです。ラップバトルなどで互いに罵り合うネガティブなイメージが多いラップですが、本質は韻を踏んで相手にメッセージを伝えるもの、と個人的に考えているのですみれと可可の関係とどこか繋がっているように思えます。最初は可愛いケンカが絶えなかった2人が、互いの気持ちを伝えてわかりあっていく展開をラップと重ねてとてもエモさを感じましたね。

 

 

境界戦機

第1話「起動」

 サンライズのオリジナルロボットアニメとして以前から気になっていた作品。まず世界観の設定が『コードギアス』みたいだと感じましたね。(ちょうどギアスの再放送をやっているのはタイミングがいいのか悪いのか)他国に支配され隷属するほかない日本人たちの解放がメインとなっていくようですが、それ以上に日本の経済圏を巡る4つの国家の争いがメインになりそうでワクワクします。

 主人公の「椎葉アモウ(しいば・アモウ)」は機械弄りが好きな若者でこの時点では普通の少年なのですが、AIの「ガイ」との関係性が面白いです。助けてくれた恩義のため協力してくれるガイに背中を押されて立ち上がるアモウを見て、この2人は揃って1個のキャラクターとして成立していると思いました。必殺技を叫ぶよう指示するなどどこかズレているガイ、ツッコみつつもノリのいいアモウとどこか微笑ましいコンビなのも見逃せません。

 劇中で使用されている機動兵器「AMAIM(アメイン)」についても興味深いです。装甲車のようなボディに曲がりくねった手足が付いている見た目は、ロボットというよりもショベルカーといった建設機械の印象を受けます。アモウが搭乗する「ケンブ」も辛うじて人型を保っている独特なシルエットが異質に見えました。また劇中のセリフによると無人機が主流になっているなど、現代の気風に合わせたデザインのロボットだと感じましたね。

 

 

月とライカと吸血姫(ノスフェラトゥ)

第1話「ノスフェラトゥ計画

 割とシリアスな方の吸血鬼アニメ。宇宙開発で2つの国が覇を競い合う冷戦時代を思わせる世界観で、おとぎ話の領域である吸血鬼(ノスフェラトゥ)が関わってくる独特の空気感にまず惹かれます。それでいて吸血鬼が実験動物・モノとして扱われる差別描写など、物語がキモになりそうな要素の数々にドキッとしますね。(吸血鬼の伝承が事実であるかのように認知されている辺り、「異なる存在のことを知って歩み寄る」テーマ性が仄めかされているっぽいです)

 ストーリーに関しては宇宙飛行士の候補生と実験体である吸血鬼の少女のボーイ・ミーツ・ガールテイストといった印象でした。主人公の「レフ・レプス」は今のところ普通の若者ですが、吸血鬼だろうと一個人として扱おうとする姿勢が見られるため好感が持てます。対するヒロインの「イリナ・ルミネス」は従順なようでいてその実今の状況から脱することを狙っている野心がこれまた素晴らしいです。(林原めぐみさんの冷めた演技も良き)異なる方向を向いている2人が如何にして通じ合っていくのか今後が気になるところです。

 

 

吸血鬼すぐ死ぬ

第1話「退治人(ハンター)来たりて空を跳ぶ」「バカとコンビニと無常」

 完全にギャグな方の吸血鬼アニメ。タイトルに偽りなく、開始数分で吸血鬼が死ぬ冒頭に早くも爆笑しまいました。吸血鬼が不死身であることを利用して死んでは蘇る流れを何度も何度もハイテンポで魅せていく展開が凄まじいです。ドアに挟まれて即死は序の口、メンタルがちょっと傷ついただけで灰になるなどバリエーション豊かな死亡シーンの数々でもう笑いが止まりません。

 吸血鬼の「ラルク」は上述の通り死にやすいのですが、それ以外にもゲーム好きでどこか間の抜けているなど特徴が多く見ているだけで楽しいです。このボケ担当にバンパイアハンターの「ロナルド」というツッコミ担当が加わってコントが行われるのですが、ロナルドはロナルドで少々俗っぽいところがあるので時々ポジションが逆転するのが魅力的だと感じましたね。

 他にもそんな2人を終始翻弄してみせた少年や若者の心をズバッと切り裂いていくコンビニバイトの女性など、ゲストキャラがみんなアクが強くてとにかく印象に残りやすいです。吸血鬼とコンビニがそれぞれ存在する世界観や「仮性吸血鬼」といったワードも含めて緩いギャグアニメとして楽しめそうです。

 

 

古見さんは、コミュ症です。

第1話「喋りたいんです。」

 サンデー原作のコメディ作品のアニメ化、ということで試しに見てみましたが、美麗な“絵”に息を飲みました。息を飲むような絵の魅せ方が非常に多く、特にメインである黒板のシーンの音楽と演出にひたすら圧倒されます。コメディとしても中々で、日高のり子さんの淡々とナレーションがシュールで面白いです。

 ストーリーは他人と上手く話せない「古見硝子(こみ・しょうこ)」の友達作りを主人公の「只野仁人(ただの・ひとひと)」が手助けしてくれるというもの。周りに好かれるものの自分の言葉を言えない古見さんの問題を少しずつ理解していく只野の姿がどこかこそばゆいです。一方で忍者をはじめとしたやたらと濃い生徒たちにお腹がいっぱいになりますが。

 また「コミュ症」(何故か「コミュ障」表記ではない)について「関わり持ちたくないと思ってはいない」と説明が入るのがいいですね。言葉による会話が難しいだけで“話したい”という気持ちは十分にあることを肯定する作風は素晴らしいです。それ故に上述でも触れた言葉以外の手段を用いる「黒板での会話」に繋がる流れには思わず感動しました。

 

 

 さて放送が楽しみな虹ヶ咲ですが、「1クールの構成がどうなるのか」という疑問も湧いてきました。1期では1話につき1人のキャラに焦点を当てていたので2期もそうなるのだろうと思いますがキャラが侑を除いても12人いるため、各キャラ用に12話分消費してしまって大丈夫か・・・・・・!?とちょっと心配になってきます。オムニバスとはいえ1クールでまとめるにはかなりカツカツのスケジュールになってきそうでちょっと怖いですね。その辺りを上手くまとめてくれるとを期待したいです。

 

 

 ではまた、次の機会に。

仮面ライダーリバイス 第5話「世直しライダー!裏切り者は誰だ!?」感想

独善との向き合い方

エビルの正体の予測がつかなさすぎて面白い

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  • 善性を信じられるか?

 フェニックスの研究所内でバイスタンプが盗まれる緊急事態から始まった今回のリバイス。それはともかくしあわせ湯にて父・元太のお悩み相談に付き合わされる一輝にまたもや同情してしまいました。しかしとある老人(演じているのは何と林家木久扇)が相談に来てから様子は一変。彼の孫の「行き過ぎた行為」が前半の焦点になりました。

 動画配信者である「ボン」がブラック企業と噂の会社に突撃したかと思ったら、「ライオン・デッドマン」を作り出して社長を襲わせる動画が初っ端から出てきた時はゾッとしました。自分の動画の再生数を稼ごうと悪魔を利用して人を襲わせる危険な行為を遊び半分で行うボンにも驚きますし、それを喜々として眺める視聴者にも恐怖を覚えます。動画のために他者を平気で傷つける承認欲求と、「悪を裁く」大義名分のもと非道な行いを楽しむ残酷さ、そんな人間の“独善”の恐ろしさをこのわずか数分で一気に表現していたと思います。

 

 そんな危険な若者を一輝がどう止めるのか気になりましたが、あくまで「家族」に重きをおいた説得をしていたのは嬉しかったですね。依頼人である彼の祖父のことをどこまでも尊重している姿は主人公らしくてとても好感が持てます。またどんなに非道なことをした相手でも最終的には許して更生の道を信じる姿勢も素晴らしいです。一輝の“罪を憎んで人を憎まず”のスタンスは主人公らしいもので、見ていてとても清々しいです。

 また妹のさくらが「悪気があってやったわけではないなら、正義とは何か?」という問いを抱いていた点が興味深かったです。基本的にこの一家は人の善性を信じており、誰かを責めたてないからこそ悩む姿が見られます。(後述の大二もそういった性格が感じられますね)この苦悩こそが本作のテーマなのだと今現在思いますね。

 実際事件を起こしたボンがスピード改心し、フェニックスの犯人をおびき寄せる作戦に協力してみせたことからも本作は「人間の善性と悪性が揺れ動く様」を描いていることがわかります。簡単に善にも悪にも染まる人間に対し、一輝たち家族がどのような答えを出すかはまだわかりませんが、ひとまずはそれを物語のキモとして捉えながら見ていく所存です。

 

 

  • “守るべき”安定感

 今回一輝周りは順調に進んでいた一方、フェニックス関連はどこか危うい展開を見せていました。まず1話のデッドマンズ襲撃の責任を取らされ降格させられた「門田ヒロミ(かどた・ヒロミ)」が久々にピックアップされましたが、冒頭降格の件などで鬱憤が溜まっているかのような描写がチラホラ見られたことかっらかなり不穏に感じました。研究所に忍び込んだ何者かが使用したカードも彼の物だったこともあり、当初は本当に彼が犯人だと疑ってしまいましたね。

 しかし前述の事件を発生させた青年を巻き込む作戦に難色を示してからは個人的に彼を見る目が変わりました。一般人を巻き込むことを良しとせず、民衆のために戦う意志を持つ自分たちだけで事件の解決にあたろうとする姿勢は実に立派です。1話の時から醜態を晒してばかりのいい印象がなかったヒロミでしたが、こうした誠実な一面を持ち合わせてくれていたことは素直に嬉しく感じますね。

 

 一方で大二の方は上述の作戦を提案する危ない一面を覗かせてきて驚きました。悪魔を利用して事件を引き起こした人物を更生させるだけで終わらせることに納得しがたいという気持ちはわかりますが、償いとして危険な目に遭わせようとするやり方は過激と言う他ありません。ただ前回母が「あの子は優しいから」と言っていましたが、その優しさが行き過ぎた結果、悪人に対する怒りを抱いていることは何となく察せられます。恐らくは一輝が飄々と人を憎み過ぎない人間であるのに対し、大二は真面目故に罪を犯した人も許せない考えなのでしょう。

 そしてその作戦に関して一輝と口論になるシーンも印象的でした。前回和解したように見えただけにまたもや言い争いに発展してしまうことに驚いてしまいます。(ただあの和解はあくまで「互いの考えに目を向け許容する」というものだったので、相手の考えに異を唱える今回の口論は何ら不自然ではありません)基本的には一輝と仲の良い弟である大二ですが、根本的なところで兄とはわかりあえないのだとこの件で感じ取りました。

 こんな感じでフェニックス周りはかなり危ないと感じますね。それぞれ彼らなりに考えて行動しているのがわかるだけに、ボンとは別ベクトルで“独善”とも取れるフェニックスの面々はちょっとしたことで崩壊してしまいそうに思えます。人々を守る点で安定しているものの怪しいヒロミとまだまだ不安定で危険な大二、この2人が今後どうなっていくのか気になるばかりです。

 

 

  • 完全獣装!俺が超えてやる!

 

ライオン!

 

Come on!ラ!ラ!ライオン!

Come on!ラ!ラ!ライオン!

 

バディアップ!

 

ガオーン!

ゲットオン!

野獣の王!

 

ライオン!!

 

見ててください!俺の雄叫び!!

 

 ライオン・デッドマンとの戦いの後、狩崎から渡された「ライオンバイスタンプを押印して変身した派生形態「ライオンゲノム」。百獣の王たるライオンと『仮面ライダークウガ』をモチーフとしています。元ネタのクウガが滑らかな曲線が多いイメージがあるのに対し、こちら全体的に尖った意匠が多いのが特徴的です。まるでオスライオンが鬣を逆立てているかのような印象を受けますね。それ以外は装甲が少なく、割と身軽そうに見えます。

 そのイメージ通り、戦闘では俊敏に動き回りながら相手を翻弄していました。手足の爪で相手を引っ掻く猫のようなバトルスタイルです。しかも攻撃時に炎が発生して相手を燃やすおまけ付きと、かなり攻撃的なフォームと言えます。

 リミックス変身では招き猫・・・・・・ではなく「バイスライオン」に変形。組体操の「手押し車」を背中でやってみたような体勢で変形します。変形後の姿はゾイド、もとい前作のキングライオン大戦記を彷彿とさせるライオンですが、あちらより頭部がかなり大きいです。小さめの胴体と比べると若干アンバランスに見えてしまいますね。しかしながらあの巨体で自在に動き回って噛みつき、引っ掻くバトルシーンは見応えがありました。(余談ですが、リバイスライオンの仕草やバイスの挙動など、ライオンというより普通のネコっぽい動きが多くて見ていてちょっとほっこりしましたね)

 

 

 幹部2人を追い詰める大活躍をしてみせたリバイ&バイスの前に突如として現れた謎の新ライダー「仮面ライダーエビル」。黒いボディにカラフルなペイントでマークを刻印したような出で立ちのライダーです。リバイたちがデッドマンズ幹部である「オルテカ(ダイオウイカ・デッドマン)」と「フリオ(ウルフ・デッドマン)」の2人を相手取っている中に割って入ってきたので驚きました。

 何と言ってもリバイの後ろにぬっと現れるシーンにギョッとしましたね。何の脈絡もなく自然に登場したので最初見た時は目を疑いました。そして現れてからはいきなりバイスを吹っ飛ばすなど、行動がどれも突然でいちいちびっくりしてしまいます。フェニックスの隊員を全て倒したうえで出てきたようですし、まるで通り魔のようなイメージを抱きました。

 そんなエビルですが、現時点では正体が伏せられていたのがポイントですね。誰が変身しているのかを今回は明かさず次回に持っていく辺り、かなり衝撃的な正体であることが察せられます。かなりのインパクトを期待したいところです。

 問題の変身者ですが、前回の感想で僕はヒロミであると予想しました。しかし今回の彼の様子などを見ていると実は違うのかも、と今は考えています。むしろ大二が変身している可能性の方が高そうですが、前回の時点で彼が変身するのはなさそうですし、果たして誰なのか・・・・・・?ネット上では「大二の別人格(彼の悪魔とか)」や「そもそも既存の登場人物ではない別の新キャラ」など様々な憶測が飛び交っていますが、ひとまずは次回明かされる時を待っていたいと思います。

 

 

 そんな次回は何と裁判での戦いが描かれる模様。しかも相手になる弁護士は明らかに有罪な加害者を確実に無実にしてしまう凄腕なのだとか・・・・・・その弁護士、自分の命のために鏡の世界で戦っていそう。ぶっちゃけ司法の戦いとか一輝がどうにか出来るのか?という心配はありますが、そこはデッドマンが関わっていそうなのでとりあえずは安心っぽいですね。

 

 

 ではまた、次の機会に。

2021年夏&秋アニメ簡易感想 その1

 

 

 10月になったことで季節も徐々に秋へと突入し、同時に秋アニメも始まりました。毎回様々なアニメが始まる中、どの作品を見てどの作品の感想を書くか悩む日々が帰って来てちょっと懐かしく感じます。今回書く新アニメの感想は1つだけですが、それ以外の作品にも目を向けてドンドン選択をしていく所存です。

 

 

 というわけで以下、今週の簡易感想です。

 

 

※今回は前季の『ひぐらしのなく頃に 卒』の感想も加えて書いていきます。また『ひぐらしのなく頃に 卒』の総評は個別感想で書く予定です。ご了承ください。

 

 

 

 

ポケットモンスター

第82話「マホイップの甘~いバトル!?」

 55話で登場したポプラが久々に登場しましたが、ゲームの時を思わせる自由人っぷりがアニメでも発揮されていました。突発的な思い付きで行われたデコレーション大会にダンデやキバナ(さらっとキバナの声優が松岡禎丞さんに変更されていてびっくりしました)すら巻き込んでしまう自由奔放なバイタリティーは見ていて肩の力が抜けそうです。しかしながらサトシたちが作ったデコケーキの試食のレビューは目を見張るものがありました。作り手それぞれの性格や奮闘を汲んだ的確な言葉選びの数々は正直見習いたいと感じます。

 サトシとのバトルではマホイップのダイマックスの活躍が見れるかと思いきや、ピカチュウダイマックスという特大のギャグ要素で全てかき消えてしまいました。凄まじいおデブと化したピカチュウに大真面目なトーンで「ヒダイマックスだ!」と解説するダンデなど、絵面が何から何まで面白すぎて爆笑してしまいましたね。

 また前半、ゴウがマホミルをゲットして進化させるまでのスピード展開にもびっくり。かなりの唐突感には面食らいますが、複雑で初見では見抜けないマホイップの進化方法を上手いことアニメに落とし込んだな、と感心もしましたね。

 

 

ひぐらしのなく頃に

第15話(最終回)「神楽し編 その四」

 梨花と沙都子の死闘の決着はやはりというべきか、両者の別れを以て終わりました。互いに自分の夢に友人を付き合わせてしまっていた問題を部活メンバーが見事に解消し、「一緒にいるばかりが親友ではない」という答えに気付くまでが丁寧に描かれていました。梨花と沙都子がお互いを「卒業」して本当の一歩を踏み出すまでの物語だったと言えます。

 見方を変えれば簡単に気付ける答えを得るまでの道のりは大きな回り道だったかもしれませんが、それでも決して無駄ではなかったと思わせる演出が良かったですね。沙都子は沙都子なりに勉強を頑張って、それでも駄目だったことでここに至ったと思うと梨花との喧嘩も必要だったのかなと思います。だとしてもここまでの犠牲が大きすぎんですけど!

 一方羽入は梨花が捨てた神剣を得てエウアを討つ姿が非常にカッコよかったです。ここまでやりたい放題だったエウアに一矢報いる光景は素直に燃えますね。(あと突然ロリ化したエウアちゃんが可愛かった)何より最後まで梨花と沙都子を見限らずに信じる決意が実を結び、奇跡を起こす流れはある種王道展開をやってくれたように見えます。竜騎士07の“信じる”考え方が顕著に表れていたと思います。

 結果沙都子は雛見沢に戻り、ニンゲンの沙都子も戻ってきましたが、魔女の方の沙都子は恐らくは魔女「ラムダデルタ」になるのでしょうね。ベルンカステルとなった梨花を追って物語は『うみねこ』に続いていくのだと思います。(「またなにかがなく頃に」といううみねこでも使われたセリフにニヤリときます)どうなることかと思いましたが、最後は綺麗な鉄平も交えてハッピーエンドを迎えられて本当に安心しましたね。

 

 

ブルーピリオド

第1話「絵を描く悦びに目覚めてみた」

 漫画大賞に選ばれた漫画のアニメ化、ということで以前から楽しみにしていた作品。不良学生が絵の力を通じて美大を目指すという、ベタながら良く出来た流れに早くも惹かれました。

 主人公の「矢口八虎(やぐち・やとら)」は何でもそつなくこなせる反面、何事にも達成感を得られないことからくる空虚を、絵を描く情熱で埋めていく様子が見ていて気持ちが良かったです。最初は捻くれていたものの、生き辛い社会で自分を伝える手段として絵に打ち込んでいく姿に好感が持てますね。(あと彼の描いた絵の意図に気付いてくれる友達がここすきポイント)

 他にも妙にキャラの濃い美術部顧問の「佐伯昌子(さえき・まさこ)」先生が印象深いです。相手の好きなことに大らかに肯定する姿勢は素敵で、「好きなことに人生の一番大きなウエイトを置くのは普通のこと」という言葉は個人的に心に大きく響きました。平野文さんの演技も絶妙にマッチしていますね。

 そして「絵」を題材としているだけにアニメの色使いが非常に素晴らしかったです。派手すぎない光と見ているだけで落ち着く濃淡には開始数分で圧倒されました。中でも八虎が見た渋谷の“青”は本当に鮮やかで、この色の良さを伝えたい彼の気持ちにすぐ感情移入できましたね。これは今季のイチオシとして今後楽しめそうです。

 

 

ドラゴンクエスト ダイの大冒険

第51話「アバン流究極奥義」

 新OP&EDが最高すぎる・・・・・・!!OPの熱い歌詞と終盤の展開まで網羅したネタバレっぷり(それでいて初見の人にはネタバレと感じさせない絶妙な塩梅がまた良き)に燃え、EDの穏やかな「戦いの合間の安らかなひととき」に癒されました。どちらも名曲すぎて既に満足してしまいそうです。

 肝心の本編に関してはヒュンケルの命がけの説得が光っていました。バーン打倒を1人で為そうとしているバランを「無刀陣」を以て自分の身を犠牲にしてでも止めようとするヒュンケルの覚悟、それに胸打たれるバランと熱い関係性が見られました。他にもクロコダインもそれぞれの想いを汲んだうえでバランに応えるなど、かつての軍団長たちの信頼がここにきて発揮されたと言えます。

 またアルビナスの独断も印象的でしたね。ハドラーためなら例え彼の意に反することでも躊躇なく行える姿勢は、彼女の強い忠誠心が見事に表れていました。ただ従うだけではない、別の形でハドラーを想う姿に心が震えます。こんな彼女が後々さらなる感情を見せてくれるシーンが待っていると思うとさらにワクワクしてきます。

 

 

遊☆戯☆王SEVENS

第68話「ユウオウのユウウツ」

 ルークメンの問題や社長兄弟との戦いも一旦幕を閉じ、首謀者であるユウオウにスポットが当たった今回。自身の野望のために多くの人を利用してきた彼が、逆にロミンたちに翻弄されまくる様子を総集編と交えて送る内容に仕上がっていました。ここまで自身の兄弟たちを嵌めてきたユウオウですが、そんな彼が兄弟に自分の誕生日を祝ってくれる兄弟に「ありがとう」の一言を言うまでの過程が丁寧に描かれていてほっこりします。公式で「カオス回」と言っていた割にはロミンたちのテンションがおかしかっただけで、基本悪役だったユウオウの和解を中心とした心地よいエピソードで最高に癒されました。

 ・・・・・・といった感じに終わればよかったのですが、ユウオウの記憶に何かが起きているかのような描写が気になりました。誕生日のことについて最初は知らなかったのに、突然「今日は誕生日だった」と認識がすげ替わるようなシーンにゾッとしました。彼の記憶に細工が施されているかのような様子に不穏な要素を感じずにはいられませんね。

 

 

 秋アニメが始まった中、僕は相も変わらずちょっとマニアックな作品ばかり選んでいる気がします。このような時ほど自分が周囲の人々とは感覚が異なっているのだとつい感じてしまいます。

 ネットの流行に乗り切れないのは少々残念と思うところはあるものの、選んだ作品はどれも楽しく見れているので決して後悔はしていません。これからも自分の感性を信じて、独自性のあるブログを追求してていきたいですね。

 

 

 ではまた、次の機会に。

デュエル・マスターズ キング! 第24話「鬼ヤバコラボっ!欲望を叶えるブラックチャンネル!」感想

悪魔ですが、なにか?

他作品の主人公すら翻弄するこの悪魔、鬼ヤバですね♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  • デュエマでディス・イズ・炎(エン)ターテインメント!!

 今回のデュエマキング!は漫画『ブラックチャンネル』とのコラボ回。“悪魔系ヨーチューバー”を自称する「ブラック」とそのアシスタントの「カメラちゃん」がデュエマの世界に乱入して大暴れするような内容でした。原作の漫画でもかなり怪しい奴でしたが、アニメでも序盤いきなりジョーの前に突然現れて勧誘してきて思わずびっくりしてしまいます。

 

↑原作漫画に関してはこちらをチェック。

 

 相手の願いを叶えて動画にしていくスタイルも原作初期を思わせる展開で面白かったです。中でもクリーチャーに関する願いすらも叶えてしまう様子は本作がコラボであることを強く意識させてくれる演出でした。ジョー以外の愉快な仲間たちの願いを叶えるなどやたら太っ腹なのも印象的です。(個人的にデブノートを手にしたキラの顔芸に笑ってしまいました)そのうえで相手が自滅して炎上していく様を楽しんで撮影する様子はまさに「悪魔」と言うべき所業。「コロコロのマイルドな『笑ゥせぇるすまん」などと呼ばれているだけあります。(余談ですがブラックとカメラちゃん両名の声優がEDクレジットで表記されなかった点が悪魔としての不気味さをより感じさせてくれていました)

 

 しかしプロテインズとのデュエマが始まってからは意外とジョーに協力的になって驚きました。デッキのほとんどを《はずれポンの助》(と何故かいるザガーン様)にされてしまったジョーの奮闘を見てカードとして活躍してくれるなど、原作と比べると大分温情のある態度になっておりかなり意外に思えます。

 当人は「動画に協力してくれた友情の証」と言っていましたが、原作の協力者と比べて諦めない姿勢を見せたジョーを気に入ったようにも見えます。それでいて自分の動画のために肩入れしているだけとも取れるようにもなっているのが興味深いですね。やりたい放題のブラックにヘイトが溜まりすぎないようになっており、悪魔としてのキャラクターのいい塩梅で出していると言えます。

 また今回実際に存在するブラックが描かれた「コロコロレア」のカードが使用されたのもグッド。コロコロ漫画のキャラが描かれたこのカードを使うことでコラボらしさがグッと上がりますし、何よりこれを見ていると現実のコロコロレアをちょっとだけ使いたくなります。コラボらしい要素を出しつつ、「アニメを見ているみんな、コロコロレアも使ってね!」という販促にもなっているのが素晴らしいですね。

 最終的にジョーとブラックは仲良くなるなど、クロスオーバーらしい和解も見せてくれました。(ここまで好き放題されてもお礼が言えるジョーは優しいな・・・・・・)ブラックの強烈な個性が全面に押し出されていただけでなく、上手いことデュエマ本編に絡んだいいコラボだったと思います。両作品を好きな身としてはニヤリと出来る要素が多くて大満足です。これを機に『ブラックチャンネル』に興味を持ってくれる人が増えてくれると嬉しいですね。

 

 

  • 震えて眠れ、この高潔なる暴虐の前に

恐帝接続(きょうていせつぞく) ネロ・グウルピオ 光/闇/自然文明 (9)
クリーチャー:ディスペクター/エンジェル・コマンド/ジュラシック・コマンド・ドラゴン/ナイト
パワー12500
▪️EXライフ
▪️T・ブレイカ
▪️このクリーチャーが出た時、このターン、相手のクリーチャーすべてのパワーを-5000する。
▪️相手のクリーチャーが攻撃またはブロックした時、相手は自身のアンタップしているクリーチャーを1体選びタップする。
▪️このクリーチャーを自分のマナゾーンから召喚してもよい。

 プロテインズの3人がブラックから貰ったカード。(ディスペクターを持ってるとか何者なんだこの悪魔)「ドラゴン・サーガ」より登場した初の自然のビクトリーカード《古代王 ザウルピオ》と「戦極編」のスーパーデッキで姿を見せたナイト《魔光大帝ネロ・グリフィス》が合成されたディスペクターとなっています。デザインとしてはかなり特殊で、ネロ・グリフィスがザウルピオそのものではなく、彼(?)が振るうハンマーに取り込まれているのが特徴的です。

 スペックはコスト9にパワー12500、T・ブレイカーとかなりの大型。ですが能力はかなりテクニカルなコントロール向けのものになっています。

 まずは相手全体に5000のパワー低下を与えるcip。厄介な踏み倒しメタには持って来いの能力であり、後続のクリーチャーを踏み倒す前に相手のメタを退かしておけるので便利です。倒しきれなくとも攻撃出来る味方に倒してもらうなどするといいでしょう。

 もう1つはメインとも言えるタップ能力。相手が攻撃かブロックする度に他の相手クリーチャーをタップ出来る能力で、実質的に相手の攻撃・ブロック回数を半分にしてしまえます。最初の攻撃などは許してしまうもののタップキルとしても使えますし、攻撃と防御両方で活躍してくれること間違いなしです。

 さらにマナから召喚出来る能力が上述の能力を牽制として機能させてくれます。序盤かあ手札に来ても安心してマナに埋められるのはもちろんのこと、マナに置いておくだけで相手にパワー低下とタップ能力の存在をちらつかせられるのは心理的戦術としてはかなり有効です。相手が隙を見せた瞬間すかさず召喚すれば、場の主導権を奪ってしまえるでしょう。

 問題は高コストからくる召喚タイミングの見極めの難しさでしょうか。このクリーチャーを出せるほどにマナが溜まるころには相手は高パワーのクリーチャーを揃えているか、もしくは既に決着している可能性があるので如何に効果的なタイミングで出せるかにかかっています。他にもブロッカーなどを持っていないので相手の攻撃にすかさず対応するのは少々苦手かもしれません。反面《零獄接続王 ロマノグリラ0世》など、相性のいいクリーチャーのサポートがあれば一気に活躍出来るでしょう。コントロールデッキでの期待の新星となること間違いなしなので、是非使ってみたいですね。

 

 

  • 闇の力を悪魔と手に入れた者

オルグ <ゼリー.Star(スター)> 闇文明 (5)
スター進化クリーチャー:マフィ・ギャング/パラサイトワーム/レクスターズ
パワー7000
▪️スター進化:レクスターズまたは闇のクリーチャー1体の上に置く。(このクリーチャーが離れる時、かわりに一番上のカードが離れる)
▪️侵略:闇のコスト4以上のレクスターズ(自分の闇のコスト4以上のレクスターズが攻撃する時、自分の手札にあるこのクリーチャーをその上に重ねてもよい)
▪️W・ブレイカー(このクリーチャーはシールドを2つブレイクする)
▪️このクリーチャーが出た時、相手の手札を1枚見ないで選び、捨てさせる。

 ジョーがブラックの力を借りて使用したカード。「双極篇(ツインパクトシリーズ)」において自然文明を苦しめた闇の工場長ゲボちゃんこと《オルグ・バーボシュタイン》が基本シリーズ出身の男性のとある部位に見えて仕方がないハンデスワーム《卵胞虫ゼリーワーム》の力と合体したスター進化クリーチャーです。元ネタがどちらもおどろおどろしいクリーチャーだからか、元のイラストもかなり不気味でグロテスクなイメージに仕上がっています。

 しかし今回使用されたのは通常のイラストとは異なる「コロコロレア」。コロコロ連載陣の作家たちがそれぞれ自分の著作のイラストを描いたカードで、このカードもブラックたちが描かれている特殊な仕様になっています。アニメでもブラックがクリーチャーとして美麗なCGで登場しているのが嬉しいですね。(その分ゲボちゃんが再登場ならずだったのは残念でしたが)

 さてカードとしての性能は一言で言うならば《復讐 ブラックサイコ》の調整版。侵略を備え、cipもランダムハンデスと奇襲性の高さはかなりのもの。ニンジャ・ストライクといった防御手段を封じられるのは地味に強烈です。ただ環境で猛威を振るったブラックサイコと比べ侵略条件が難しく、ハンデス出来る枚数も1枚と減っているのであちらほどの効果は発揮出来ません。同じように使っても見劣りしてしまうでしょう。

 幸い侵略元となるレクスターズは軽量で取り回しの良いものが多いので、それを活かした構築をして差別化していくといいでしょう。闇のコスト4以上のレクスターズはスター進化はもちろんのこと、《魂の絆 ヘモグロ&ハナコ》のような優秀なものが揃っています。それを《Re:奪取 ブラッドレイン》で軽減して3ターン目に出せば速攻でハンデスしながら攻められます。中盤にハンデスをしていくブラックサイコに対し、序盤からガンガン動きながらハンデスしていくといいですね。

 その他にもジャバランガ<サイコ.Star>》との相性の良さは目を見張るものがあります。<サイコ.Star>の能力と合わせれば一気に3枚ハンデスが狙えるほか、除去されても<サイコ.Star>の墓地回収ですぐさま再侵略出来るなど使い勝手がより向上します。それぞれのスター進化の耐性を合わせればかなりしぶとく戦えるのでかなり良好な組み合わせと言えるでしょう。使い方1つで活躍出来るポテンシャルを秘めているので、どうにか活躍させてみたいですね。

 

 

  • 気になる要素満載のOP&ED

 前回の感想でも書きましたが、今回からOPとEDが一新されました。OPはNIGHTMARE(ナイトメア)さんの「Sinners」、EDは上月せれな(こうづき・せれな)さんの「みんなといる世界」とこれまた個性的な方々が揃っています。中でも上月さんは前作の1期ED「ともだちだから」を歌ってくれたのでまたEDを彩ってくれることに喜びを覚えますね。

 曲としてはOPは“カッコよさ”、EDは“穏やかさ”をそれぞれ押し出しているような印象でした。OPはヴィジュアル系ロックバンドらしく軽快なテンポで盛り上げていく曲調が心地よかったです。映像も序盤から勝太、勝舞を先に映して最後にジョーを見せる演出をしてくれるのでいきなり魅了されました。また「仲間と共に歩く」というメッセージを感じさせる歌詞も素敵で、“Sinners(罪人たち)”という物騒なタイトルに反して前向きになれる内容に仕上がっています。前期と同じくどこか異質なカッコよさを感じるものの、聞いていて非常にテンションが上がりましたね。

 一方EDはとても和やかな雰囲気に溢れていました。「みんなで仲良く楽しんでいる優しい世界」をイメージしたかのような曲調は盛り上がった心を程よくほぐしてくれます。映像の方もジョーとその仲間たち、そしてガットルズたちがそれぞれ仲良くしている様子が微笑ましく、最後まで癒される名曲でした。

 

 といった感じに曲そのものも素晴らしかったです。しかしながら映像で見せた不穏な要素のインパクが強く、ついそればかり気になってしまいました。まずOPはサビのラスト辺りに見れる謎の5つのシルエットと、宇宙に座す巨大なシルエットの2つが目に留まります。このシルエットを見ているとこれは果たして何者なのか?ジェンドルすらも超える「黒幕」が存在するのか?と疑問が湧いてきます。前者は恐らく《蓄積するハンド》のフレーバーテキストに書かれた龍神」の可能性が高いですが、後者のシルエットに関してはまだまだ予測がつかないです。しかし地球が小さく見えるほどの巨体を持っていることから、強大な存在であることは間違いなさそうです。

 対するEDは上述の通り基本和やかなのですが、ジェンドルが持っている水晶に映ったハイドの表情が変化するシーンが挿入されるびっくり要素があります。こちらは無表情なハイドが普段からは考えらないほどに邪悪な笑顔を見せてくるので、初見はかなりギョッとしました。ジェンドルに関すること以外では無感情に徹しているハイドですが、意外にもこうした凶暴な一面を併せ持っているのでしょうか。あるいは二重人格の可能性もありますし(名前の元ネタも「ジキルとハイド」かも?)、妄想は尽きません。少なくとも今後のハイドの動向には注目した方が良さそうですね。

 というわけでここまで気になる要素を書きだしました。自分の予想は当たっているのか、果たしてこの先の展開がどうなっていくのかと非常にドキドキします。もちろん曲自体も実に良いので何度も聞いておきたいですね。(曲が発売した場合もすぐ購入してダウンロードする所存です)

 

 

 次回は次なる伝説のカードを求めて神話の時代へ。何とデッキーが崇められているというとんでもない状況に陥るようですが、調子に乗りやすいところがあるデッキーがここぞとばかりに増長しそうで面白いことになりそうですね。

 そしてガットルズ側はハイドが本格的に動き出す模様。今回は何故か喫茶たきがわを利用するなどシュールな絵面ばかり見せていましたが、ラストに《無双竜機ボルバルザーク》を見せてきていつになく本気でいることをアピールしてきました。ここまで表立って動くことがなかった彼がいよいよ自分から行動することにワクワクが止まりません。そんなハイドが次回使用する禁断のカードのお披露目も楽しみです。

 

 

 ではまた、次の機会に。