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仮面ライダーリバイス 第5話「世直しライダー!裏切り者は誰だ!?」感想

独善との向き合い方

エビルの正体の予測がつかなさすぎて面白い

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  • 善性を信じられるか?

 フェニックスの研究所内でバイスタンプが盗まれる緊急事態から始まった今回のリバイス。それはともかくしあわせ湯にて父・元太のお悩み相談に付き合わされる一輝にまたもや同情してしまいました。しかしとある老人(演じているのは何と林家木久扇)が相談に来てから様子は一変。彼の孫の「行き過ぎた行為」が前半の焦点になりました。

 動画配信者である「ボン」がブラック企業と噂の会社に突撃したかと思ったら、「ライオン・デッドマン」を作り出して社長を襲わせる動画が初っ端から出てきた時はゾッとしました。自分の動画の再生数を稼ごうと悪魔を利用して人を襲わせる危険な行為を遊び半分で行うボンにも驚きますし、それを喜々として眺める視聴者にも恐怖を覚えます。動画のために他者を平気で傷つける承認欲求と、「悪を裁く」大義名分のもと非道な行いを楽しむ残酷さ、そんな人間の“独善”の恐ろしさをこのわずか数分で一気に表現していたと思います。

 

 そんな危険な若者を一輝がどう止めるのか気になりましたが、あくまで「家族」に重きをおいた説得をしていたのは嬉しかったですね。依頼人である彼の祖父のことをどこまでも尊重している姿は主人公らしくてとても好感が持てます。またどんなに非道なことをした相手でも最終的には許して更生の道を信じる姿勢も素晴らしいです。一輝の“罪を憎んで人を憎まず”のスタンスは主人公らしいもので、見ていてとても清々しいです。

 また妹のさくらが「悪気があってやったわけではないなら、正義とは何か?」という問いを抱いていた点が興味深かったです。基本的にこの一家は人の善性を信じており、誰かを責めたてないからこそ悩む姿が見られます。(後述の大二もそういった性格が感じられますね)この苦悩こそが本作のテーマなのだと今現在思いますね。

 実際事件を起こしたボンがスピード改心し、フェニックスの犯人をおびき寄せる作戦に協力してみせたことからも本作は「人間の善性と悪性が揺れ動く様」を描いていることがわかります。簡単に善にも悪にも染まる人間に対し、一輝たち家族がどのような答えを出すかはまだわかりませんが、ひとまずはそれを物語のキモとして捉えながら見ていく所存です。

 

 

  • “守るべき”安定感

 今回一輝周りは順調に進んでいた一方、フェニックス関連はどこか危うい展開を見せていました。まず1話のデッドマンズ襲撃の責任を取らされ降格させられた「門田ヒロミ(かどた・ヒロミ)」が久々にピックアップされましたが、冒頭降格の件などで鬱憤が溜まっているかのような描写がチラホラ見られたことかっらかなり不穏に感じました。研究所に忍び込んだ何者かが使用したカードも彼の物だったこともあり、当初は本当に彼が犯人だと疑ってしまいましたね。

 しかし前述の事件を発生させた青年を巻き込む作戦に難色を示してからは個人的に彼を見る目が変わりました。一般人を巻き込むことを良しとせず、民衆のために戦う意志を持つ自分たちだけで事件の解決にあたろうとする姿勢は実に立派です。1話の時から醜態を晒してばかりのいい印象がなかったヒロミでしたが、こうした誠実な一面を持ち合わせてくれていたことは素直に嬉しく感じますね。

 

 一方で大二の方は上述の作戦を提案する危ない一面を覗かせてきて驚きました。悪魔を利用して事件を引き起こした人物を更生させるだけで終わらせることに納得しがたいという気持ちはわかりますが、償いとして危険な目に遭わせようとするやり方は過激と言う他ありません。ただ前回母が「あの子は優しいから」と言っていましたが、その優しさが行き過ぎた結果、悪人に対する怒りを抱いていることは何となく察せられます。恐らくは一輝が飄々と人を憎み過ぎない人間であるのに対し、大二は真面目故に罪を犯した人も許せない考えなのでしょう。

 そしてその作戦に関して一輝と口論になるシーンも印象的でした。前回和解したように見えただけにまたもや言い争いに発展してしまうことに驚いてしまいます。(ただあの和解はあくまで「互いの考えに目を向け許容する」というものだったので、相手の考えに異を唱える今回の口論は何ら不自然ではありません)基本的には一輝と仲の良い弟である大二ですが、根本的なところで兄とはわかりあえないのだとこの件で感じ取りました。

 こんな感じでフェニックス周りはかなり危ないと感じますね。それぞれ彼らなりに考えて行動しているのがわかるだけに、ボンとは別ベクトルで“独善”とも取れるフェニックスの面々はちょっとしたことで崩壊してしまいそうに思えます。人々を守る点で安定しているものの怪しいヒロミとまだまだ不安定で危険な大二、この2人が今後どうなっていくのか気になるばかりです。

 

 

  • 完全獣装!俺が超えてやる!

 

ライオン!

 

Come on!ラ!ラ!ライオン!

Come on!ラ!ラ!ライオン!

 

バディアップ!

 

ガオーン!

ゲットオン!

野獣の王!

 

ライオン!!

 

見ててください!俺の雄叫び!!

 

 ライオン・デッドマンとの戦いの後、狩崎から渡された「ライオンバイスタンプを押印して変身した派生形態「ライオンゲノム」。百獣の王たるライオンと『仮面ライダークウガ』をモチーフとしています。元ネタのクウガが滑らかな曲線が多いイメージがあるのに対し、こちら全体的に尖った意匠が多いのが特徴的です。まるでオスライオンが鬣を逆立てているかのような印象を受けますね。それ以外は装甲が少なく、割と身軽そうに見えます。

 そのイメージ通り、戦闘では俊敏に動き回りながら相手を翻弄していました。手足の爪で相手を引っ掻く猫のようなバトルスタイルです。しかも攻撃時に炎が発生して相手を燃やすおまけ付きと、かなり攻撃的なフォームと言えます。

 リミックス変身では招き猫・・・・・・ではなく「バイスライオン」に変形。組体操の「手押し車」を背中でやってみたような体勢で変形します。変形後の姿はゾイド、もとい前作のキングライオン大戦記を彷彿とさせるライオンですが、あちらより頭部がかなり大きいです。小さめの胴体と比べると若干アンバランスに見えてしまいますね。しかしながらあの巨体で自在に動き回って噛みつき、引っ掻くバトルシーンは見応えがありました。(余談ですが、リバイスライオンの仕草やバイスの挙動など、ライオンというより普通のネコっぽい動きが多くて見ていてちょっとほっこりしましたね)

 

 

 幹部2人を追い詰める大活躍をしてみせたリバイ&バイスの前に突如として現れた謎の新ライダー「仮面ライダーエビル」。黒いボディにカラフルなペイントでマークを刻印したような出で立ちのライダーです。リバイたちがデッドマンズ幹部である「オルテカ(ダイオウイカ・デッドマン)」と「フリオ(ウルフ・デッドマン)」の2人を相手取っている中に割って入ってきたので驚きました。

 何と言ってもリバイの後ろにぬっと現れるシーンにギョッとしましたね。何の脈絡もなく自然に登場したので最初見た時は目を疑いました。そして現れてからはいきなりバイスを吹っ飛ばすなど、行動がどれも突然でいちいちびっくりしてしまいます。フェニックスの隊員を全て倒したうえで出てきたようですし、まるで通り魔のようなイメージを抱きました。

 そんなエビルですが、現時点では正体が伏せられていたのがポイントですね。誰が変身しているのかを今回は明かさず次回に持っていく辺り、かなり衝撃的な正体であることが察せられます。かなりのインパクトを期待したいところです。

 問題の変身者ですが、前回の感想で僕はヒロミであると予想しました。しかし今回の彼の様子などを見ていると実は違うのかも、と今は考えています。むしろ大二が変身している可能性の方が高そうですが、前回の時点で彼が変身するのはなさそうですし、果たして誰なのか・・・・・・?ネット上では「大二の別人格(彼の悪魔とか)」や「そもそも既存の登場人物ではない別の新キャラ」など様々な憶測が飛び交っていますが、ひとまずは次回明かされる時を待っていたいと思います。

 

 

 そんな次回は何と裁判での戦いが描かれる模様。しかも相手になる弁護士は明らかに有罪な加害者を確実に無実にしてしまう凄腕なのだとか・・・・・・その弁護士、自分の命のために鏡の世界で戦っていそう。ぶっちゃけ司法の戦いとか一輝がどうにか出来るのか?という心配はありますが、そこはデッドマンが関わっていそうなのでとりあえずは安心っぽいですね。

 

 

 ではまた、次の機会に。